睡眠

冬の朝起きれない人へ、スッキリ起きられる11の目覚ましテクニック・習慣

冬になると、朝起きれない。

なかなかベッドから出られず、貴重な朝の時間が少なくなっていませんか。

そこで今回は、寒い冬の朝でも「スッキリ起きられる11の目覚ましテクニック・習慣」をご紹介します。

あなたも朝に強い人間になれます。

※睡眠の質を上げるための方法をこちらのページ「睡眠の質を高めるための方法(総まとめ編)」でまとめています。ぜひあわせて参考にしてください。
著者情報
加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。2,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。
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1. 朝起きれない5つの原因

以下の5つのポイントが朝起きれない最大の原因です。特に冬は、2つ目の原因「低血圧・低体温」が強く影響します。

1−1. 肝臓の疲れが原因

アルコールの分解もそうですが、体内で作り出される「疲労物質のアンモニア」も肝臓で解毒されます。肝臓が疲れていると働きが低下し、体内に毒素がたまりがちになります。そのため、眠っても疲れが取れにくくなり、朝起きるのが辛くなります。

このケースに該当する場合は、習慣を変えることでスッキリ起きれられるようになります。

1−2. 低血圧・低体温

ヒトの体温は眠りと起床に大きな影響を与えます。下のグラフをご覧ください。

睡眠中の体温の変化
睡眠中の体温の変化

ポイントは2つです。

  1. 眠り始めから明け方まで体温が1.5℃低下する。
  2. 明け方から起床に向かい体温が1.3℃上昇する。

つまり、起床(活動)するために体温を上げる必要があるのです。そのため、低血圧・低体温の傾向があると、朝なかなか起きれなくなるのです。

このケースに該当する場合は、ご紹介するテクニックでスッキリ起きられるようになります。

1−3. 起立性調節障害

自律神経失調症の1つで、朝起きられない病気として知られています。思春期の子供に発症することが多いですが、成人でも発症することがあります。遺伝子的な要因もありますが、自律神経の乱れが大きな原因です。

このケースに該当する場合は、心療内科・神経科を受診し症状の改善を図ることをオススメします。

1−4. 睡眠不足

単純に睡眠時間が不足しているため、朝起きるのが辛い場合です。

「忙しい時期だから仕方がない。」などご自身で睡眠不足の原因を把握しており、一時的なものとしてコントロールできれていれば問題はありません。

この場合も、ご紹介の方法でスッキリ起きられるようになります。

しかし、原因の自覚がなく「最近、不眠気味かも。」と思われる場合は、要注意です。不眠→睡眠不足→朝起きれない・日中の眠気など、と負の連鎖になります。

この場合は、あなたの不眠を解明して対策を行うことが大切です。こちらの記事「【決定版】3分でできる不眠症・不眠タイプのセルフチェック」で、不眠のタイプの特定と改善方法をご紹介しているので、ご一読ください。

1−5. 精神的要因

「会社に行きたくない」「学校に行きたくない」など、心が起きることを拒否しているために、朝起きられないことがあります。このケースに該当する場合は、心療内科や精神科を受診しカウンセリングを受けることをオススメします。


2. スッキリ起きるためのテクニック・習慣11選

それでは次に、あなたが朝スッキリ起きられるようになる方法をご紹介していきます。

2−1. 快適な目覚めのテクニック

まずは快適に目覚められるようにするテクニックです。私の経験上効果の高いものから順番にご紹介します。 

(1)起床前に寝床の温度が上がるようにする

寒い冬の朝、起きる前に寝床の温度が暖かくなっていると目覚めがとても楽になります。

コイズミ社製電気掛敷毛布
コイズミ社製電気掛敷毛布

例えば、起床の1時間前に寝室のエアコンがオンになるようにタイマーを設定したり、朝方に暖かくなる機能を持つ電気敷毛布を使用すると、目覚めがとてもスムーズになります。

暖房で部屋を暖めると空気が乾燥して喉を痛めやすいので、どちらかと言うと、電気毛布の使用を私はオススメしています。

例えば、こちらの「コイズミ社製電気掛敷毛布」には「快眠タイマー」という機能があります。

使用開始2時間後に自動でオフになり、6時間後に自動でオンになります。そのため、寒い冬の朝でも、起床時の体温の上昇がサポートされ、驚くほど起床が楽になります(反対に、入眠時に体を温めると寝つきを悪くするのでお気をつけください)。

(2)スマートアラームアプリを活用する

睡眠にはリズムがあり、深くなったり浅くなったりします。深い眠りのタイミングに起きようとすると、なかなか起きられませんし、場合によってはアラームの音が聞こえないこともあります。

睡眠時間を90分の倍数にしても多くの人には効果がありません(統計的に有効と言えるのはたった4割の人だけです)。

sleep-apps1
私の記録

そこでオススメの方法は、起きたい時刻の周辺で眠りの浅いタイミングを検出しアラームを鳴らすスマートアラームアプリを使用することです。

例えば、こちらのアプリ「Sleep Meister Lite」は、スマホ内の加速度センサーを元にあなたの眠りの浅いタイミングを検知してアラームを鳴らします。

こちらは私の記録です。眠りが浅くなっているタイミングで目覚めているのが分かると思います。

目覚めが非常に楽になるので、とてもオススメです。

iPhoneのユーザーはこちらからダウンロードできます。(※Androidには未対応です。)

(3)カーテンを開けておき寝室に光が入るようにする

朝に光の刺激で目覚める仕組み
朝に光の刺激で目覚める仕組み

あなたは眠るときカーテンを完全に閉めていませんか?もしそうなら、これからは15cmほどカーテンを開けたまま眠りましょう。

朝に光の刺激を受けると、脳と身体が活動的になり目が覚めやすくなります。

睡眠中は副交感神経が優位ですが、光の刺激により交感神経が優位になるためです。

さらに効果を高めるなら、あなたの顔に向かって朝の日光が差し込むようにベッドの位置を調整しましょう。

また、もしかすると、あなたの寝室が西向きだったり、あなたの起床時刻が日の出前だったりしないでしょうか?その場合、寝室の照明をオンタイマー付きのものに変更してみることをオススメします。

パナソニックLEDシーリングライト
LEDシーリングライト

こちらのパナソニック社製の天井ライトは「お目覚めタイマー」付きで、設定した起床時刻に向けて部屋を徐々に明るくしてくれます。

そのため、少しずつ脳と身体を起きやすい状態に導いてくれるので、目覚めをとてもスムーズにできます。

また、パナソニック社が富山大学の神川康子教授監修のもと、「当該製品が目覚めに良い影響を与えるか」を検証した実験では以下のような報告がされています。

・実験方法
小学3-6年生男女33名とその保護者が実験に参加。当該製品を使用する条件を1週間、使用しない条件を各1週間行い、毎朝アンケートに評価を記入。
パナソニック社製品効果測定実験
パナソニック社製品効果測定実験

自ら起床できる被験者が増え、スッキリと目覚められている人も増えています。起床時に日光と疎遠な方は、是非お試しください。

2−2. 目が覚めたけど眠いときにオススメの方法

それでは次に、「目が覚めたけど、ひたすら眠い。睡魔に負けて二度寝しそう。」というときにオススメの方法をご紹介します。一気に目を覚ませられます。

(4)スマホの画面の光で目を覚ます

目が覚めたけど眠くてベッドから出られないとき、スマホでSNSをチェックしたり、ニュースサイトを見たりしませんか?そのようなとき、画面の明るさ(輝度)を最大にしましょう。眠気を飛ばしやすくできます。

というのも、先にご説明したように、朝の光は脳を覚醒に導くからです。そして、最大輝度時のスマホ画面の明るさは、目を覚まさせるに十分な水準なのです。

アメリカのスマホメディアHighOnAndroidの調査によると、各代表的なスマホの最大輝度は以下のようになっていると報告されています。

・726lux – Galaxy S6 Edge
・717lux – iPhone6
・678lux – Galaxy S6

300luxの明るさでさえ目が覚めると言われているので、これらの数値は十分覚醒効果があると言えます。ご体感していただければ、効果の高さに驚かれると思います。

(※最大輝度の数値は0距離のものなので、ベッドで寝転がりながらスマホを見たときに感じる輝度は多少下がります。とはいえ、覚醒効果は十分あります。)

(5)体内に刺激を与える

目覚めたら水を飲みましょう。水が体内に流れ込んでいくことで身体を中から刺激し、交感神経が優位になりスッと目が覚めます。

ミンティア
ミンティア

そのため、起きたときに手の届く範囲に水を準備してから眠りましょう。目覚まし時計の隣に置くと取りやすいです。

睡魔に負けやすい方は、水ではなく、緑茶やコーヒーなどのカフェイン飲料を代わりに飲むと目が覚めやすくなります。

また、絶対に寝坊できない日・早朝に起きなければならない日には、目覚ましガムやミント系タブレットを代用するのも一手です。

跳び上がるほど、スッキリと目が覚めます。

(6)体を伸ばしてストレッチ

体を伸ばしたり、ひねったり、力を入れたりするのも目覚ましの効果があります。身体を動かすことで交感神経が優位になるので、自然と目が覚めてきます。

また、身体を徐々に起動させるという観点から、健康にも良いと言えます。

睡眠中の6~7時間、身体はほとんど動かずに休んでいます。朝起きてベッドから出てせわしなく動き回ると、身体への負担が大きいです。例えば、自動車のエンジンをかけてすぐに走り出してはいけないのと同じ原理です。

そのため、まずはベッドの中でストレッチをすると、目覚めにも健康にも良いのです。

2−3. 朝スッキリ起きるための5つの習慣

これまでのご紹介の内容は、朝起きられないことが前提でした。こちらでは習慣を変えて、朝スッキリ起きられるようにする方法をご紹介します。

(7)午前中に日光をたくさん浴びる

午前中に日光を浴びると夜間に熟睡効果があるので、爽快な目覚めを期待できます。

というのも午前中に日光を浴びると、夜間に「睡眠ホルモンのメラトニン」が分泌されるからです。午前中に日光を多く浴びるとメラトニンの分泌量も増えるため熟睡でき、朝にスッキリと起きられるようになります。

この事実はアメリカのノースウェスタン大学とイリノイ大学の共同研究による実験でも証明されています。研究チームは先ず、以下の2つのグループを作りました。

Aグループ:窓から日光が入る職場で働いている。
Bグループ:窓がなく日光が入らない部屋で働いている。

AグループはBグループよりも173%多くの日光を勤務中に浴びています。それぞれの生活や睡眠を比較したところ、下記のことがわかりました。

・Aグループの睡眠はBグループより46分間長い。
・Aグループの方が活発に行動する傾向がある。
・Aグループと比較してBグループは全体として、睡眠の質や睡眠障害のスコアが低いだけでなく、身体的問題や活力のスコアも悪い。

このように日光を浴びると睡眠の質が上がるので、目覚めが良くなることも期待できます。例えば、以下のようなことは習慣化できないでしょうか。

  • 通勤や移動中はなるべく日向にいる。
  • 晴れた日の朝はウォーキングをする
  • オフィスでは日光が目に入りやすい席を希望する。
  • ランチを屋外で食べる。

とても大きな効果が期待できるので、是非お試しください。

(8)就寝前の体温を最適化する

就寝前の体温の変化を睡眠のために最適化することにより熟睡効果があり、朝の目覚めをよりスッキリさせることが期待できます。

先に紹介したこのグラフにあるように、入眠の際にヒトの体温は下がります。なので、入眠の2時間前に体温を少し上げておくことで、体温の低下にメリハリがつき熟睡しやすくなります。

そこで私のオススメの方法は「暗闇ぬるま湯」と「足湯」です。

・暗闇ぬるま湯の入浴方法
就寝の2時間前に38℃前後のお湯に15分ほど半身浴をする。熱くせずに、気持ちの良い温かさをキープしましょう。その際に、浴室の電気を消して、お風呂場の外の照明か、バスキャンドルで浴室内を照らします。体温を上げるだけでなく、リラックス効果もあります。

また、入浴できない場合には、足湯がオススメです。

・足湯の方法
42度前後の少し熱めのお湯に、くるぶしまで足を入れましょう。たった10分ほどでも身体全体が温まり、とてもリラックスできます。口の広いバケツにお湯を入れ、リビングの椅子やソファに座りながらの足湯でも大丈夫です。

足湯のリラックス効果、睡眠導入の効果は実験でも証明されており、山梨大学医学部付属病院の研究チームにより以下のように報告されています。

…実際に足浴は入眠効果があると考えられる。その根拠として、本実験での足浴後の変化は、副交感神経活動の指標であるHFの増加、自律神経系の調節能力を示すBRSの増加、足部の皮膚温の上昇と血流量の増加、その維持といったものをあげることができる。

(引用:『日本看護技術学会誌 Vol. 8,No. 3』内「足浴が生体に及ぼす生理学的効果」金子健太郎、熊谷英樹、尾形優、竹本由香里、山本真千子 著)

特に冷え性の方や、冬は身体が冷えやすいという方に、熟睡・目覚め効果が期待できます。是非、お試しください。

(9)寝酒を控える

寝酒は睡眠の質を大きく下げるので、目覚めも非常に悪くします。

・寝酒が睡眠の質を下げるメカニズム
アルコール摂取の2~3時間後、体内でアルコールが分解されるとアセトアルデヒドという物質になります。この物質は交感神経を優位にします。例えば、眠る30分前にお酒を飲むと仮定します。そうすると、眠り始めてから2時間後ほどで体内にアセトアルデヒドが発生します。つまり、休息に入ったとたん、脳と身体が興奮状態になるのです。その結果、寝入りの睡眠を阻害します。

なので、寝酒は極力避けましょう。徐々に癖になっていき、酔わないと眠れないアルコール依存性睡眠障害になることもあります。

理想論を言うと、睡眠の3時間前に飲酒が終わっていることがベストです。そうすればアルコールにより目覚めを悪くすることを極力避けられます。また、アルコール摂取の頻度・量が多いと、肝臓に負担がかかります。そして、疲れがちになるので目覚めが悪くなります。

そのため、目覚めにお悩みであれば、寝酒だけでなくアルコール摂取自体を極力控えましょう。

(10)夜食を控える

夜食を食べてすぐに眠ると、睡眠の質が低下し、目覚めを悪くします。というのも、食事の直後に眠ると体内の臓器が食べ物を消化するため活発になっているため、脳をしっかり休められないからです。

そのため夜食は控えましょう。さらに言うと、夕食は早めの時刻に済ませることで睡眠の質が上がり目覚めを良くします。

遅い時刻に食事を摂りがちな方は、就寝の3時間前に夕食を済ませられることを目標にしましょう。

(11)夕食以降のカフェインの摂取を控える

カフェインを摂取すると覚醒作用があります。個人差がありますが通常、4時間程度この作用は持続します。耐性の弱い人には、8時間も作用し続けることがあります。

この状態で眠ってしまうと睡眠の質が低下するので、熟睡できずに目覚めも悪くなります。そのため、夕食以降はカフェインを摂取しないように気をつけましょう。

以下の飲食物にはカフェインが含まれます。ご参考にしてください。

  • コーヒー
  • 栄養ドリンク、エナジードリンク
  • コーラ、ココア
  • お茶(煎茶・烏龍茶・ほうじ茶・玄米茶)
  • チョコレート

知らずにカフェインを摂取していた、なんてことないようにしましょう。特に、ココアやお茶は盲点となっている方が多いので、注意が必要です。


まとめ

スッキリ起きるための習慣を実行しながらテクニックを活用していただければ、朝起きられない状態から卒業できるようになります。

ご紹介の内容であなたが朝起きられるようになれば幸いです。

なお、以下のページでこれまで紹介してきた、数々の研究で実証された良質な睡眠のために「するべきこと」と「してはいけないこと」を網羅的にまとめています。美味しいところ(結論)だけをつまみ食いできる構成になっています。是非ご一読ください。

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