
マットレスが湿気のせいでクタクタになっても、「寝心地が多少悪くなるだけだろう」と問題を軽視してはいないでしょうか?
放っておくと危険です。
湿気によりマットレスにカビが生えてしまうと、アレルギー疾患や感染症を引き起こす可能性があるためです。そこで本日は、「カビの発生を事前に防止するためのマットレスの湿気対策」をご紹介します。
Contents
1. マットレスの湿気対策マニュアル|4ステップ
マットレスの湿気対策は、以下の4つのステップで行いましょう。基本から応用の順序になっています。
- マットレスを床・壁から離す
- マットレスのこまめな換気・お手入れ
- マットレスの両面へ湿気ケア
- 湿気のたまりにくいマットレスを選ぶ
あなたの部屋の湿度状況によって、どこまで湿気対策をするべきか異なってきます。①と②は基本的な湿気対策なので、できるだけ全て実行できるようにしましょう。
しかし①・②の対策がなんらかの理由によりできなかったり、部屋の湿気がとても強かったり、あなたがかなり多くの寝汗をかく場合、③と④の湿気対策まで行うことをおすすめします。それでは1つずつ確認していきましょう。
①マットレスを床・壁から離す
フローリングや壁と接するようにマットレスが配置してあると、接地面に湿気がたまります。
もちろんこの場合、マットレスだけでなくフローリング・壁にもカビができてしまう可能性があります。マットレスは廃棄できますが、床・壁は対処が大変です。そのため、絶対に床・壁からマットレスを離すことをおすすめします。
また、床でなくベッドの上にマットレスを敷いていても、ベッドの天板がフラットな一枚板のものの場合、マットレスを密着するので湿気がたまりやすいことには変わりません。空気がマットレスへ触れられるよう、すのこ形状にする必要があります。
すのこベッドでマットレスを床から離す
いわゆるすのこベッドには2つのタイプがあるので、1つずつご紹介します。

製品:丸めてたためる桐すのこ
サイズ:100×200×2.5cm
価格:5,990円
【当製品の販売ページ】
ニトリの床置きすのこです。敷布団のような薄いマットレスを床に敷いている場合、このようなすのこの上にマットレスを置くことで、マットレスの底面に空気が通うようにできるので、湿気対策をすることができます。すのこを丸めてたため収納性が高いので、日中をマットレスを押入れにしまっている人におすすめです。
その他おすすめのすのこや、湿気に強いすのこの材質などの詳細を以下のページで解説しているのであわせてご参考にしてください。
関連記事最低10cmマットレスを壁から離す
マットレスを壁から離しましょう。たった10cmだけでいいです。ベッドをお使いの場合は、ベッド自体を壁から離すようにしましょう。10cm隙間があれば十分空気が流通できるので、湿気対策になります。
また、窓際も要注意です。
冬は乾燥のイメージが強いですが、部屋の内外の温度差により結露ができて、湿度が高くなることがあります。結露ができた窓の近くにマットレスを置いていると、カビ発生待ったなしになってしまうので窓からも距離をとりましょう。
※注:ベッド・マットレスが壁に接していると、エアコンから出た風が壁にぶつかり降りてきて、体に直撃することになります。冷房の直撃で体を冷やしすぎたり、暖房の直撃で喉を痛めたりします。こういった理由からも、ベッド・マットレスは壁から絶対に離しましょう。 |
②マットレスのこまめな換気・お手入れ
マットレスを適切な位置に配置したからと言っても気を抜けません。
すのこの上にマットレスを敷いていると言っても、マットレス裏面の半分以上の面積はすのこと接しているので、完全な湿気対策とは言えません。やはり、定期的にマットレスを換気してあげないと湿気がたまってしまいます。
マットレス自体の換気
もしあなたのマットレスがウレタンをむき出しにできるのなら、写真1のように側生地を外して、ウレタンに溜まった湿気を飛ばせられるように日陰干ししてあげましょう。

こうすることで効率よくマットレスの湿気を飛ばせられます。椅子などの台の上に置くと簡単にできます。
また、もしあなたのマットレスが大きいサイズだったり、スプリング製の場合はこちらの写真のようにマットレスを壁に立てかけて換気させてみましょう。

重くて壁に立て掛けることすら難しい場合は、マットレスの底片側にものを挟んで空気を入れるようにしましょう。写真のマットレスは薄めなので曲がってしまっていますが、厚みのあるマットレスであれば曲がること無く立てかけられます。
マットレスの換気のコツ
マットレスを効率良く換気するコツがあります。部屋の湿度を下げ、風を当てることです。換気中のマットレスに除湿モードのエアコンの風を当てることで、換気をより一層効果的に行えます。扇風機でももちろん可能です。
③マットレスの裏表両面へ湿気ケア
対策の①と②をきちんと行う自信がなければ、除湿グッズを活用しましょう。
マットレス裏面の湿気には除湿シート、マットレス表面の湿気には除湿敷きパッドがおすすめです。
除湿シートを敷く
あなたがマットレスをすのこベッドの上に敷いていても、部屋の湿度が高めだったり、マットレス自体をなかなか乾燥手入れすることができなかったりする場合、マットレスの下に除湿シートを敷いておくことをおすすめします。

製品:洗える除湿シート
素材:[表裏]ポリエステル100% [中材]シリカゲルB型
価格:1,380円
【当製品の販売ページ】
お菓子の乾燥剤によく使われているシリカゲル素材の除湿シートです。湿気だけでなく汗臭や加齢臭などの消臭効果もあります。とはいえ、シリカゲルが吸湿し続ける訳ではないので、吸った湿度を吐き出させる必要があります。そのため、2週間に一度は除湿シートを日陰干しさせましょう。そうすることで除湿効果が維持されます。
敷きパッドで寝汗による湿気を除去
あなたが寝汗を多くかく体質だったり、パジャマで寝汗対策をしていなかったりする場合は、マットレスの上に敷きパッドを敷くことをおすすめします。
一般的な成人で1晩に約200mlもの汗をかきます。なにも対策をしないと、すぐにマットレスに湿気がたまります。

製品:除湿・消臭敷きパッド
価格:7,980円
【購入はこちら】
お菓子の袋の中によく入っている除湿材の「シリカゲル」が入っている除湿敷きパッドです。寝汗などをスッと吸収するため布団内を蒸れにくくし、ダニが住みにくい環境にします。もちろん、カラッとした爽やかな寝心地も快眠にお役立ていただけます。湿気対策、ダニ対策、カビ対策にどうぞ。自社製品なので恐縮ですが、最高の敷きパッドだと自負しています。
④湿気のたまりにくいマットレスを選ぶ
もしあなたがご使用中のマットレスが湿気で寝心地が悪くなっており、新しいマットレスの購入を検討しているのなら、そもそも湿気に強いタイプのマットレスを選ぶことをおすすめします。
どのようなマットレスが湿気に強いのか、また反対に、湿気に弱いマットレスはどの種類なのかをご紹介します。
高反発ファイバーマットレス
高反発ファイバー素材のマットレスは湿気がたまりにくいので、湿気対策を気にする必要がほとんどありません。そのため、カビを心配することもなくなるでしょう。

製品:ブレスエアー® フォーシーズンズEXII
価格:31,428円
【当製品の販売ページ】
高反発ファイバー素材の中でも有名なブレスエアー®︎の加工を一手に引き受ける近江化成工業社が運営するブレスエアー®︎専門店の商品です。高反発ファイバー素材は面で体を支える構造なので、使用感が硬めに感じられることがありますが、湿気対策で考えるのならオススメです。
ボンネルコイルマットレス
ボンネルコイルマットレスの構造を単純化すると、硬鋼線スプリングの上にウレタンを詰めたマットレスです。そのため、片面仕様のボンネルコイルマットレスの場合、マットレス内部がスプリングと空気層で構成されるため通気性が高く湿気に強い特徴があります。

製品:ヘルシーフィットボンネルコイルマットレス
価格:30,858円
【当製品の販売ページ】
東京の老舗ベッドメーカー東京ベッドが開発したボンネルコイルマットレスです。通気性の良い側生地を側面に採用し、マットレス内部に湿気がたまりにくいよう設計されています。
ベンチレーター(通気孔)こそ付いていませんが、湿気対策には十分な作りになっています。寝心地は硬めにされています。
調湿ウレタン製マットレス
ウレタンの欠点として通気性の悪さがありますが、湿気りにくくカビの生えづらい快適な睡眠環境を追求した研究の末に開発されたのが、湿度調整機能をもつ革新的なウレタン「セルプール」です。

製品:セルプールハイブリッドマットレス
価格:39,000円
【ブランド紹介ページはこちら】 / 【セルプール紹介ページはこちら】
ユーカリ由来のテンセル®パウダーをウレタンに機能的に結合させることにより、ウレタン自体が植物のように湿度が高いときには湿気を吸収し、湿度が低いときには吸収した湿気を放湿します。他の湿気対策が全く不要になるわけではないですが、マットレス自体が自動的に湿気対策を行う優れものです。自社製品なので手前味噌ですが、素晴らしい寝心地です。抜群の体圧分散性と反発弾性であなたの熟睡をしっかりとサポートします。
おすすめのできない種類のマットレス
湿気にお悩みの場合、低反発ウレタンマットレスとラテックスマットレスの使用はおすすめできません。
低反発マットレスは密度が高く通気性が悪いので、マットレスの底面に湿気がたまりやすいです。また、体が沈み込みピタッとフィットする気持ちいい使用感の裏側には、ムレ感が生まれやすいという副作用もあります。さらに、「密度が高い=重い」なので乾燥手入れもしづらいです。
ラテックス素材自体には抗菌作用があるのでカビが生えることはほとんどないのですが、通気性の悪いマットレスに挟まれた側生地やベッドフレームにカビが生えることがあります。ラテックス素材は特に重いので換気のためにひっくり返すのは屈強な男性でさえも手間に感じます。
このような理由から、低反発ウレタン素材とラテックス素材のマットレスは湿気にお悩みの人にはおすすめできません。
最後に
ご紹介の4ステップで、あなたのマットレスの湿気対策の一助になれば幸いです。
しかしもし、すでにもうカビ被害が意外とひどく、「マットレスを買い換えようかな」とお考えであれば、以下のページでマットレスの厚みや硬さ、素材を吟味した選び方や、選ぶ際の注意点、おすすめのマットレスを紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。
関連記事