寝具にダニが発生してしまったため、退治するための方法を色々と模索している内に、ダニが高温で死滅することを知り、
「もしかして熱湯をかければ寝具のダニを退治できるのでは?」
と、お考えではないでしょうか?
結論から言うと、熱湯で殺ダニは可能です。しかし、寝具・家具の素材によってはおすすめできない こともあります。
そこで本日は、「寝具のダニを熱湯で退治!各素材の注意点」をご紹介します。
※こちらのページ「【布団のダニ退治方法】おすすめ11選と再発予防3ステップ」でダニ退治方法について詳しく解説しているのでぜひあわせて参考にしてください。 |
Contents
1. 殺ダニのための熱湯の温度は何℃が適正か?
寝具に潜むタイプのダニは、50℃の熱を与えると10~20分で死滅、60℃の熱を与えると瞬時に死亡する、と報告されています。
同様に、コナヒョウヒダニをビニール袋に入れて50℃に加熱すると、10分間以内に死亡した。
(引用:「家屋内生息性ダニ 類の生態および防除に関する研究 (8)」 吉川 翠)
とはいっても、例えば枕に60℃の熱湯をかけても、多くのダニが生息している枕内部に熱湯がとどく頃には、熱湯の温度は下がってしまっています。
このことを考慮すると、70~80℃の熱湯で枕内部のダニまで退治できると考えられます。
また、分厚い敷布団の場合は、もう少し温度が高くても良いかもしれません。
1−1. ダニアレルゲンはどうなる?
「生きたダニを退治するだけでは不十分で、ダニアレルゲン(ダニの死骸、糞など)も取り除かないとダニ対策は完璧ではないんでしょ?」
と考えた方は素晴らしいです。その通りです。
しかし、心配いりません。ダニアレルゲンの大部分である糞は水溶性のため、水に溶けて流れていきます。 そのため、熱湯が冷めた後にお湯を浴びせながらもみ洗いをすることで、ダニアレルゲンを洗い流すことが可能です。
ただ、より清潔を目指すなら、乾いた後に掃除機をかけて表面のダニアレルゲンを吸引除去しましょう。
2. 熱湯でダニ退治|各寝具・素材における注意点
それでは次に、寝具のダニを熱湯で退治する際の注意点に関して、布団、枕、マットレス、その他(カーペット、畳、ソファ)に分けて説明していきます。
※注:70~80℃の熱湯処理の場合、どんな素材でも多少は傷んでしまう点はご了承ください。 |
2−1. 掛け敷布団に熱湯をかけるときの注意点
- ポリエステル、木綿(コットン):これらの素材の掛敷布団であれば、使用感の大きな劣化もなく熱湯でダニ退治ができます。
- 羽毛、シルク、羊毛:これらの動物由来の素材は、熱による劣化が激しいのでおすすめできません。特に羽毛は本来持つ油分が落ちてしまい、羽毛素材の良さが失われてしまいます。
しかし、羽毛布団に関していうと、基本的に高密度生地が使用されており、ダニが内部に入り込みにくい構造なのであまり熱湯処理をする必要もありません。
2−2. 枕に熱湯をかけるときの注意点
- ポリエステル、ポリエチレンパイプ:これらの素材の枕であれば、使用感の大きな低下もなくダニ退治が熱湯でできます。
- ウレタン、ラテックス、高反発ファイバー、ビーズ:これらの素材は、側生地(元々付いているカバー)だけを熱湯処理しましょう。これらの素材に熱湯をかけると使用感が大きく劣化してしまいますし、さらに、これらの素材内部にまでダニが潜り込むことはあまりないためです。
- 羽毛、そば殻:羽毛枕は、羽毛布団と同じく高密度生地が使われているので、熱湯でのダニ処理の必要性はあまりありません。そば殻枕の場合も、側生地のみ熱湯処理しましょう。そして、そば殻はザルに移して日光で熱処理してください。
2−3. マットレスに熱湯をかけるときの注意点
高反発ウレタン、低反発ウレタン、ラテックス、高反発ファイバーなど、どの素材も熱湯をかけると使用感が大きく低下してしまいます。乾かすのも大変です。そのため、側生地を取り外すことが出来れば、側生地のみ熱湯処理しましょう。そしてその間に、ウレタン、ラテックスの表面にいるダニを掃除機で吸引しておきましょう。
2−4. その他家具(カーペット、畳、ソファ)に熱湯をかけるときの注意点
- ポリエステル、アクリル:このような化学繊維のカーペットや絨毯は、熱湯でダニ退治可能です。
- 獣毛:獣毛で作られた高価な絨毯は、専門業者に依頼することをおすすめします。
- 畳:熱湯で痛むのはもちろんのこと、水に濡らすと完璧に乾かすのが大変ですし、湿気った状態の時にチャタテムシが発生しやすくなります。天日干しでダニ退治することをおすすめします。
- ソファ:マットレスと同じように、側生地を取り外して熱湯処理をし、中身のウレタンなどを掃除機でキレイにするようにしましょう。
最後に
熱湯でダニを退治することは可能ですが、寝具・家具の素材を痛めることを考えると、応用範囲が限られてしまいます。
熱湯でのダニ退治があなたの寝具・家具には不適切だった場合、以下のページでその他のダニ退治方法をご紹介しているのでご参考にしてください。