こんにちは。
睡眠健康指導士の加賀照虎です。
本日は、サクッと手軽に睡眠の質を上げるためのアイマスクについて解説します。
アイマスクは寝つきを良くしたり、睡眠を深くしたりするなどの効果があると研究により報告されています。メジャーリーガーの大谷翔平選手も機能性アイマスクを愛用していると伝えていて、徐々にブームになりつつありますよね。
とはいえ、素材や機能など色々あるため、初見で自分に合うものを選ぶのがすごく難しいです。
合わないものを買ってしまい、お金を無駄にしてしまった方も少なくないかと思います。正直、これは絶対ダメでしょと感じる商品があるのも事実です。
ということで本日は、血行促進、加重、高遮光率、加熱などの7種類のアイマスクを実際にお見せしながら、どれがどんな人に合うのか徹底解説していきます。ちなみに、実際に大谷翔平選手が使っている種類もこの中にあります。
どのようなものがあなたに合うかわかるようになるかと思いますので、ぜひ最後までご覧ください(※動画での解説も加えました!)。
1. アイマスクの快眠効果
まず最初に、アイマスクがどのように快眠に役立つのかとその効果を報告している研究についてご紹介します。
1-1. 睡眠に適切な光環境とは
まず初めに、睡眠に最適な光環境がどれくらいかご存知でしょうか。
結論、0.3lxとされています。
0, 0.3, 5, 30, 50, 120, 180, 300lxの8段階の照度の光が睡眠に及ぼす影響を調べた研究によると、0.3lxのときが睡眠の深さが最高で、目覚めたときの睡眠感も良好でした。…逆に、0lxのほうが0.3lxよりも睡眠深度が低下していました。
(引用:*22 「医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック」 宮崎総一郎・佐藤尚武 編著)
例えば、0.2lxが晴れた日の満月の空の明るさですので、その明かりが部屋に入り込むくらいが適度だと考えられます。
しかし、寝室の光環境を0.3lxに保つのは難しいです。
というのも、街灯が差し込んできたり、同居人が夜に電気をつけたりなど光環境を乱す要素が多くあるからです。
1-2. 明るい環境で眠ると交感神経が活性化するかもしれない
実際にアメリカの研究で、3lxと100lxの光環境で寝たときに体にどのような違いが出るか比較実験が行われました。
その結果、100lxの光環境で眠ると夜間の心拍数が増加していたと報告されています。人の自律神経は眠るときにはリラックスするために副交感神経が優位になるべきであるにもかかわらず、明かりのせいで交感神経が活性化していたのではないかと推察されています。
1-3. 豆電球ほどの明かりでも眠りを妨害する
また、奈良県立医科大学の研究に、豆電球(9lx)をつけて寝ている人と暗くして寝ている人の状態を比較したものがあります。
結論、豆電球をつけて寝ている人は肥満である傾向があったとのこと。
夜に光を浴びると睡眠ホルモンメラトニンの分泌が抑制されると言われていますが、もしかするとたった9lxの明かりでそれが起こり、長期間にわたって睡眠の質が下がった結果、太っている人が多くなるという結果になったのではと推察されています。
つまり、睡眠時は少しの明かりでもダメなのです。
明かりが気になるならアイマスクを使いましょう!
1-4. アイマスクで睡眠の質が上がる
このような中、2022年に発表されたイギリスの研究では、被験者に1週間明かりがある中でアイマスクを装着して睡眠をとってもらい、その後1週間は明かりがある中アイマスクで遮光せずに睡眠をとってもらいました。
そしてそれぞれの条件下で、記憶力、集中力、動作パフォーマンスなどの3種類のテストを受けてもらい、睡眠時の光環境が日中のパフォーマンスにどのように影響するか調べられました。
その結果、アイマスク装着睡眠のほうが記憶力、集中力、動作パフォーマンスの全てにおいてスコアが高かったと報告しています。
なお、この研究の結果が良かったため、そのまま追加実験が行われ、その際に睡眠の質に差が生まれているか調べられました。しかしその結果、睡眠の質は変わっていなかったとのこと。ただ、アイマスク着用での記憶の改善は深い睡眠の時間と正の相関があったが、アイマスクなしの場合は正の相関性が見られなかったとのこと。
さて、ここまでの話をまとめると、明るい光のせいで睡眠の質が下がるが、アイマスクを付けることでその悪影響を防ぐことができる、ということになります。
素晴らしい効果ですよね。私自身、アイマスクは長らく愛用していますが、この研究を見てわたしは、全ての人が1つは持つべき快眠アイテムだと確信しました。まだアイマスクをお持ちでない方はぜひこれから紹介する選び方を参考にしていただければと思います。
2. アイマスクを使用する上での注意点
ただそんな快眠に役立つアイマスクにも注意点が一つだけあります。
それが目覚めにくくなることです。
というのも、人は朝日を感知して目覚めの準備をしているからです。睡眠のために就寝前から分泌されている睡眠ホルモンのメラトニンは、起床時にもまだ少量分泌しています。それを抑える役割が朝の光にはあるのです。
実際に日本の子供を対象とした研究で、市販のLEDライトを起床30分前から浴びることで朝の目覚めがよくなり、午後の集中感の向上が見られたと報告されています。
2-1. アイマスクで目覚めを悪くしない方法
とはいえご安心ください。
アイマスクを使用していても目覚めを悪くしないようにできます。
その方法は、アイマスクは適度に緩くすることです。締め付け感がなく指が2本ほど入る余裕を持たせましょう。そうすると寝返りによりアイマスクは少しずつズレていき、朝には自然と外れているようになります。
こうすることで寝つきから目覚めまで良くすることが期待できます。
3. 人気種類のアイマスクの評価とおすすめ
次におすすめのアイマスクを紹介していきます。
ちなみに快眠できるアイマスクを選ぶうえで大事になる評価ポイントがいくつかあります。
- 素材
- 肌触り
- 遮光性
- 着け心地(ズレにくさ、寝返りのしやすさなど)
- 機能性(ホット、クール、血行促進、加重など)
- 洗濯
- 価格
これらのポイントにフォーカスしながらおすすめのアイマスクについて詳しく紹介していきます。ちなみに、PR企画などではないので安心して聞いていただければと思います。
3-1. Bakune Eye Mask
- 商品:Bakune Eye Mask
- 価格:3,850円
- 【商品ページはこちら】
1つ目は、Bakune Eye Mask。
最近SNSで人気のブランドです。
血行促進機能からリカバリー系などと言われていて有名です。
東急ハンズさんのサイトによると、「BAKUNE」シリーズは、極小セラミック粉末を独自配合した特殊機能繊維「SELFLAME®」を使用しています。この特殊繊維は着ている人の体温から発される遠赤外線を輻射することで、血行を促進して体の疲労やコリを軽減して、寝ている間に1日の疲れのリカバリーを促進します。(引用:東急ハンズ)
しかし、残念ながら私は血行促進効果は感じられませんでした。
ちなみに、こちらのブランドのパジャマも購入しているのですが同じく効果を感じられませんでした。元々、定期的に運動をしているためグッズで改善できるほどの伸び代はなかったのかもしれません。
その他の点についてですが、綿が多く使われているニット生地のため肌触りや付け心地はそこそこです。
特にいいなと思ったのが鼻の部分にワイヤーがあるので、鼻元から光が入ってくることが少なく遮光性は高いところ。また、洗えるので衛生面も安心です。
結論、アイマスクとしては悪くはありません。しかし、機能性に過信しすぎてしまうと期待はずれなる可能性があるので、その点にだけ注意しておきましょう。
3-2. Hot&Ice Eye Pillow
- 商品:Hot&Ice Eye Pillow
- 価格:847円
- 【商品ページはこちら】
次はHot&Ice Eye Pillowです。
名前の通り、温かくも冷たくもなるタイプのアイマスクです。ただ正直、このアイマスクはおすすめできません。使い勝手が悪過ぎます。
暖かくするためには電子レンジでチンしないといけないですし、冷たくするには冷蔵庫で数十分冷やさないといけなく、この一手間がかなり億劫になります。気持ちいいのは確かなんですが、結局、加熱アイマスクだと充電式のほうが手軽なのでそっちばかり使ってしまいます。
また、購入してから気づいたのですが、固定するためのバンドがありません。通常使いもしづらいのでおすすめできません。
3-3. HIRUNEGAO 加重アイマスク
- 商品:HIRUNEGAO 加重アイマスク
- 価格:3,780円
- 【商品ページはこちら】
次は加重アイマスクです。
不安減少とかリラックス効果があるとのことで重たい布団とかブランケットがここ数年流行っていますが、その派生のアイテムです。
この手の重たい系寝具の流行を作った本家のアメリカのGravityのサイトを見ると、独立機関の研究で、使用者の76%の入眠が早まり、54.7%が不安やストレスの減少を感じ、72%がよく眠れるようになったと記載されています。ちなみに、大谷商品選手が使っているアイマスクというのが、こちらになります。
使用感は重たい布団と似ています。
重みの安心感はたしかにあるように感じられました。一般的なアイマスクの重量が数gのところ、こちらのアイマスクは300gもあります。ちなみに、アメリカのものは450gとのこと。日本人向けに少なめにしているのかと思います。
大きめのサイズで顔のフチまでしっかりカバーできるので遮光性も高いです。
ただ、重いため若干寝返りがしにくいです。寝返りをするとズレることがあります。ずっと仰向けじゃないと付け心地が気になるかもしれません。
ただ、気になったのが商品ページに「メラトニン抑止効果99%と書かれていること」でメラトニンが分泌されると眠れるのにそれを抑止するってどういうこと?という疑問と、このブランド大丈夫かなという心配を感じました。
面白い商品ではありますが、向き不向きが激しいように思います。3780円するので物好きな方にのみおすすめです。重たい布団が好きな人には向きそうかなと思います。使っている方はぜひ使用感をコメントで教えてください。
3-4. ra kuras 3Dアイマスク
- 商品:ra kuras 3Dアイマスク
- 価格:999円
- 【商品ページはこちら】
低反発ウレタンフォームのアイマスクです。
立体構造の低反発にポリエステル生地を貼った作りになっています。
この立体構造はまつ毛のためです。2cmくらいの空間が生まれるため、まつげがアイマスクに潰されることがありません。ただ、私でギリギリですので、エクステをしていてまつ毛がかなり長い人にはダメかもしれません。
その他、基本的な肌当たりとか着け心地は悪くありませんが、遮光性が若干低めです。これはウレタンフォーム素材の特性上鼻元が浮いてしまうため、そこから光が入るのは仕方がないのかもしれません。私が使用した限り、若干光が入ってきても夜ならほとんど気になりませんが、遮光性重視の方は避けたほうがいいかと思います。
3-5. 光の遮断
- 商品:光の遮断
- 価格:1,980円
- 【商品ページはこちら】
次は、光の遮断です。
ちなみに、ここまではちょっとクセがあったりして全ての人にはおすすめできないようなものばかりでしたが、ここからはほとんど誰にでもおすすめできるアイマスクになります。
光の遮断は、全体的に評価ポイントが高く、ほとんどの方が満足できるアイマスクだと思います。
まず中材は立体構造のウレタンフォームのため目やまつ毛を圧迫しないです。しかもその上で、鼻元の隙間を埋めるフラップが光の侵入を防ぎます。名前のとおりの遮光性の高さです。昼に椅子にかけたまま寝ていても、光を感じません。
さらに肌触りもサラサラしていていい具合です。これで値段が1980円と手頃なのも嬉しいところですね。唯一ケチをつけるなら、ポリエステルとウレタンフォームなので夏に暑い部屋で使うと蒸れる可能性があるくらいです。遮光性重視なら実質これが一番おすすめです。
3-6. シルク100%アイマスク
- 商品:シルク100%アイマスク
- 価格:999円
- 【商品ページはこちら】
次は、シルク100%アイマスクです。
このアイマスクは機能性やこだわった構造があるというわけではありません。しかしそれでも高評価になるのがシルク素材。なんと言っても肌触り、これが最高です。
顔の周りの皮膚は繊細で敏感です。滑らかなシルクは本当に心地良く感じられます。もちろんフラップは付いていませんので遮光性は完全ではありませんが、夜に使うには十分です。
手洗いもできて手軽に使えますし、手頃な価格で買いやすいので、安くていいのがほしいって人にはこれがベストかと思います。
3-7. nerugoo ホットアイマスク
- 商品:nerugoo ホットアイマスク
- 価格:3,980円
- 【商品ページはこちら】
最後は、ホットアイマスクnerugoo。
ホットアイマスクは本当に最高です。すごくリラックスできます。前回の動画で紹介したホット耳栓もリラックス感抜群ですが、ホットアイマスクも素晴らしいです。とろーんと溶けるように眠れます。
まずなんと言っても目の疲れに良いと言われています。パソコンやスマホを多用する現代人には嬉しいですね。
ピント調節にかかわる筋肉のこりをほぐして疲れ目を解消したり、油が出やすくなって涙の表面に膜を張ることで涙の蒸発を防ぎにくくする効果があります。
(引用:さくらい眼科)
なお、nerugooは充電式です。
ホットアイマスクだと、使い捨てのめぐリズムが有名ですが、こちらは充電して何回も使えるので長い目で考えるとコスパに優れています。
また、nerugooは内側がシルク素材で肌触りがいいですし、着け心地もいいので全体的なパフォーマンスはかなり高いです。普通のアイマスクはすでに持っていて、もう1つリラックス感を得られるようなものをお探しというこであれば、こちらがおすすめです。
最後に
ということで本日は、アイマスクの快眠効果からおすすめのものについて紹介しました。
光環境が適切じゃないっていう方はそのせいで睡眠の質を下げていることがありますので、ぜひ自分に合うアイマスクを使ってもらって、快眠に役立てていただければと思います。