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【反り腰改善】マットレスでの寝方対策と選び方

こんにちは、加賀照虎です。

  • 「反り腰だから寝ると腰が痛い」
  • 「どんな寝方がいいですか?」

などの質問をいただくことがあります。

ご期待されているであろうことから申し上げますと、寝方に工夫をすることで反り腰による腰の痛みを改善させることが期待できます。

とはいえ、 一般的によしとされていることが実はダメだったりすることがありますし、そもそも根本的な改善を試みなければ、寝方に工夫をしたところで一時的な改善にしかならないことは絶対に頭に入れておかなければなりません。

そこで本日は、

  • 反り腰寝姿勢になるマットレスでの寝方の工夫
  • 反り腰寝姿勢になるマットレスでやってはいけない対策
  • 反り腰の人がするべきマットレスの選び方
  • 反り腰の原因と根本的な改善方法

などについて詳しく解説していきます。

著者情報
加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。2,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。
取材依頼はお問い合わせから。
インスタグラムでも情報発信中⇒フォローはこちらから。


1. 反り腰姿勢で腰への負担が増す

まず初めに、そもそもなぜ反り腰姿勢がダメなのか再確認しましょう。

長時間立ちつづけていたり歩きつづけたりしていると、だんだん前かがみの姿勢になったり、腰が反りすぎて反り腰の姿勢になったりすることがあります。こうして中心が前後にずれると、腰椎の負担が増して腰痛を引き起こす原因になります。

(引用:腰の激痛 最高の直し方大全 分響社)

つまり、腰椎(ヨウツイ:腰の骨)への負担が増すことで腰痛の原因になっているのです。

腰椎と椎間板
腰椎と椎間板

なお、上記は立ち姿勢での反り腰の悪影響についてですが、寝姿勢での反り腰となるとやや話が別です。腰椎への負担だけでなく、筋肉と腱などが不自然な姿勢になることから痛みが生じることにもなるのです。

反り腰_マットレス
反り腰_マットレス

主な原因は、首や肩、背中の筋肉の疲労です。肩の周辺には僧帽筋や肩甲挙筋、棘下筋などの筋肉がありますが、これらの筋肉が疲労して固く緊張し、血行不良になると「乳酸」などの疲労物質が筋肉中に蓄積してきます。その結果、こりや痛みが起こります。

(引用:『腰痛、肩こり、手足のしびれ 「背骨」がかかわる症状の診断・治療ガイドブック』 伊藤達雄・戸山芳昭監修)

なお、このような寝姿勢は、

  • 柔らかすぎるマットレス
  • 凹むほどへたったマットレス

などのマットレスで寝るとなりやすいです。

1-1. 反り腰チェック方法

と、なると、気になるのが「自分がどれくらい反り腰なのか」ですよね。

簡単なチェック方法があるので紹介します。

  • 壁に背を向けて普段の姿勢で立つ。
  • かかと、お尻、肩甲骨などを壁につける。
  • その状態のまま壁と腰の間のスキマをチェック
反り腰_チェック方法
反り腰_チェック方法

このスキマの空き具合で反り腰か否かが分かります。

  • 手のひら一枚分:背骨はもともと日常生活動作の衝撃を和らげるようゆるいS字状になっているので、壁に腰をつけたときに手のひら1枚分の隙間が空いていればOK。
  • 手のひら二枚分:反り腰は背骨のカーブが大きく歪んで極端なS字になった状態。壁と腰の間に手のひら2枚以上の空きがあれば反り腰認定。

(引用:『そり腰ねこ背を正せば、腰痛は改善する』 中川敦子監修)


2. 反り腰寝姿勢になるマットレスでの寝方の工夫と禁忌

どうでしたか?

反り腰認定されていても落ち込まないでください。次に紹介していく寝方の工夫やマットレス選び、根本的な改善方法を試していきましょう!

2-1. 「セミファウラー位」で反りを和らげる

一番おすすめな方法です。

「セミファウラー位(セミファーラー位)」とは上半身を15~30度起こしつつ、同時に膝を上げる寝姿勢です。

semi‐fowlers-position
セミ・ファウラー位

このように上半身をやや起こすことで腰の反りを和らげることができます。

もちろん、一気にここまでやる必要はありません。

私の経験上の話となり恐縮ですが、

  • 上半身を上げるのは5~10
  • 膝は上げない(または少しだけ)

というように、やや上半身を上げるだけの寝姿勢でも、だいぶ腰が楽になりました。

どのようにすればいいかと言うと、

  • 頭ではなく肩から枕に乗せて使う
  • 枕とクッションを組み合わせて使う
  • 枕の手前にタオルを敷いて使う

などのようにすると上半身をやや持ち上げることができます。

タオルで体の位置を高くする
タオルで体の位置を高くする

2-2. 「横向き寝」で腰の落ち込みを阻止する

もしくは横向きに寝るのも一手です。

横向きの寝姿勢をずっと維持するのが大変であれば、横向き寝用枕やクッションなどを利用しましょう。また、下の画像のように横斜め上向きだと肩や腕が痺れにくいのでおすすめです。

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2-3. 腰枕の使用は要注意

反り腰対策に腰枕を使用するのは要注意です。

というのも、腰枕によって腰が持ち上げられすぎて反り腰姿勢になることがあるからです。

腰枕のせいで寝姿勢が悪化している(反り腰)
腰枕のせいで寝姿勢が悪化している(反り腰)

もちろん、腰枕の形状やマットレスの状態にもよるので一概に腰枕がダメだとは断定はできませんが、悪評を聞くことが少なくないので気をつけるようにしましょう。


3. 反り腰の人がするべきマットレスの選び方

お使いのマットレスで反り腰寝姿勢になってしまうなら、次のポイントを押さえてマットレスを買い替えましょう。

3-1. 寝姿勢が適切になること

適切な寝姿勢とは、下記のような状態のことです。

  • 仰向け寝:よい立ち姿勢のまま寝転んだ状態
  • 横向き寝:背筋が真っ直ぐに伸びている状態
理想的な寝姿勢
理想的な寝姿勢

このような寝姿勢が取れるマットレスが理想的です。

専門的に言うと、体圧分散性と反発弾性がバランス良く十分なマットレスです。

  • 当たりの柔らかさ:寝姿勢が適切になるためにマットレスに体がフィットすると同時に、体への圧迫を減らすために、マットレスの表面にはある程度の柔らかさが必要になります。いわゆる体圧分散性のこと。
  • 体を支える弾力性:体がマットレスに沈み込みすぎて寝姿勢が悪くならないよう体を支えると同時に、寝返りが楽にできるよう弾力性も必要になります。いわゆる反発弾性のこと。

3-2. 「腰痛には硬いマットレスが良い」は迷信

腰痛には硬いマットレスが良いと言われますが、これは根拠のある話ではありません。

むしろ、近年では疑わしいとされています。例えば、「腰痛対策ならマットレスは硬いよりもふつうの硬さのほうが良い」とされる研究データもあるくらいです。その内容をざっと紹介します。

  • 被験者は慢性的に腰痛のあるスペイン人313名
  • 使用中のマットレスを新しく交換する
  • 新しいマットレスは硬いものとふつうの硬さのものを用意
  • 試験者も被験者も使用するマットレスがどちらの硬さなのか知らされない(二重盲検)
  • 3ヶ月間新しいマットレスで生活する
  • 試験前後に睡眠時、起床時、日中の腰痛の痛みの強さを報告してもらう

その結果、硬いマットレスよりも中程度の硬さのマットレスのほうが腰の痛みを感じる人数が少なく、さらに、腰痛が悪化した人数も少なかったと報告されています。

 硬いマットレス中程度の硬さのマットレス
日中腰が痛む77.2%67.6%
ベッドで腰が痛む72.2%67.6%
起床時腰が痛む77.2%62.3%
睡眠時の腰痛悪化17.1%9.0%
起床時の腰痛悪化12.7%6.5%

なお、腰痛が悪化した人や寝心地が変わることで違和感を覚えた人がいたとはいえ、マットレスを交換要請まではなかったとのことです。

そのため、このような背景から、腰痛ならマットレスは硬いよりも普通くらいの硬さのほうが良いだろうと言えるのです。


4. 反り腰の根本的な改善方法

これまで反り腰対策を紹介してきました。

しかし、反り腰自体を改善させられないことには根本的な解決は望めません。原因を理解して改善に取り組みましょう。

反り腰になる3つの原因

筋力不足

最大の原因です。正しい姿勢を保つための筋力が衰えることで反り腰になります。具体的には、以下の3つの筋肉の衰えが影響します。

  • 脊柱起立筋:背骨を支えるための筋肉
  • 腸腰筋:骨盤を立てるための筋肉
  • 大腿二頭筋:骨盤の安定などに寄与する筋肉

悪い姿勢

姿勢が悪いと、

  • 腰に負担がかかるため反り腰になりやすい
  • 筋力が低下して腰への負担が増す
  • 筋力が低下して姿勢が悪くなる(負のループ)

などのようにして反り腰・腰痛の問題が大きくなります。前かがみで座っていると良い立ち姿勢に比べて1.85倍もの圧力が腰椎の椎間板にかかっていると報告されているほどです。

burden-for-lower-back-based-on-postures-and-actions
姿勢・動作別の腰椎への負担

ヒール

女性特有の原因です。

ヒールを履くことで重心がつま先にかかり前傾姿勢になり骨盤が傾きます。そしてその傾きのバランスを取ろうとして腰が反ることなり、反り腰姿勢になってしまいます。

反り腰になる原因別の改善方法

反り腰改善のための筋トレ&ストレッチ方法

これについては文字で説明するより動画を見るほうが分かりやすいかと思いますので、下記の動画を参考にしてください。是非、2週間試してみてください。

姿勢の気をつけ方

姿勢が悪い人は「腰痛予防・再発防止のためのLLST療法」で推奨されている6つのポイントを意識して生活するようにしましょう。

  1. いい姿勢を保つ
  2. ひざ関節や股関節をうまく使う
  3. 重いものは腕の力だけで持ち上げない
  4. 腹筋や背筋を鍛えて背骨を支える
  5. 腰をひねったまま動作をしない
  6. 同じ姿勢を30分以上続けない

基礎的な内容ですが、たったこれだけでも効果があると報告されています。上記の筋トレ&ストレッチと一緒に実践していきましょう。

日常で腰に負担がかかるような動作をするときには、LLST療法の6つのポイントに注意することで、背骨のS字カーブが維持でき、腰痛が起きても2~3週間で症状が軽減するとされています。

(引用:腰の激痛 最高の直し方大全 分響社)


最後に

反り腰の対処法から根本的な改善方法まで網羅的にご理解いただく参考になっていていれば幸いです。

なお、反り腰という観点以外からでもマットレス選びについて深く知りたいと言うことであれば、下記のページで素材や品質などを見極める方法について解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

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