全ての羽毛布団が自宅で洗えない訳ではありません。
取扱性を重視した洗えるものも存在します。とはいえ、羽毛は繊細な天然素材のため気をつけて洗濯しなければ、羽毛が悪くなったり生地が破れたりして悪くしてしまいます。
そこで本日は「羽毛布団が自宅で洗濯できるか確認する方法、洗濯をおすすめしない理由」についてご紹介いたします。
※羽毛と羽根の比率、ダウンパワー、充填量などのスペックを比較した選び方についてこちらのページ「羽毛布団の選び方とおすすめ9選【専門家直伝】」で徹底解説しています。羽毛の充填量だけでなくより網羅的に羽毛布団選びを進めたい方はぜひご参考にしてください。 |
Contents
1. 羽毛布団を自宅で洗濯できるか確認する方法
それではまずはあなたの羽毛布団が自宅で洗濯をできるか確認する方法についてです。
1−1. 洗濯絵表示を確認
あなたの羽毛布団に品質表示ラベルが付いているはずです。
そして、そのラベルに洗濯絵表示が記載されているので内容を確認しましょう(引用:消費者庁)。
旧絵表示 | 洗濯絵表示 | 洗濯方法 |
洗濯機で洗濯できる | 洗濯機で洗濯処理ができる |
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弱い洗濯機洗い | 洗濯機で弱い |
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洗濯機で非常に弱い | ||
弱い手洗い | 手洗いができる |
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洗濯不可 | 洗濯不可 |
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洗濯絵表示 | 乾燥方法 |
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水洗い不可やドライクリーニングと記載されていたら、それはつまり自宅では洗えないことを意味します。
そのような場合は、クリーニング事業者に依頼することをおすすめします。以下のページで羽毛布団のクリーニングの概要(費用や手順など)を紹介しているのでご参考ください。
1−2. 洗濯絵表示がない場合の考え方
ただし羽毛布団の品質表示ラベルに洗濯についての記載がないこともあります。
「羽毛布団を自宅で洗うなんてとんでもない」「ドライクリーニングに出すのが一般常識」と考えているメーカーが少ないながらも存在する(特に一昔前は今より多かった)からです。とはいえ、もしかすると洗濯絵表示を載せるのを忘れているだけのこともあるので、メーカーに品番を伝えて洗えるか確認するのが確実です。
2. 羽毛布団を自宅で洗濯するのをおすすめしない理由
ただ、羽毛布団の洗濯はクリーニング店に依頼するのが理想です。自宅での洗濯はあまりおすすめできません。自宅で洗濯をする前に、まずはその理由について目を通してください。
2−1. 側生地がゆるみ、羽毛が吹き出す恐れがあるから
羽毛布団の側生地はやや特殊で、羽毛が吹き出さないように高密度に織られた上にローラーで目潰しされています(専門的にはこれをダウンプルーフ加工と呼びます)。そのため、羽毛布団の洗濯はやさしく丁寧にされなければなりません。
しかし、自宅の洗濯(特にドラム式)だと加減が難しく側生地を悪くしてしまうことがあります。そうなると、中身の羽毛が吹き出してしまったりして羽毛布団が台無しになってしまいます。特に、高価な羽毛布団は通気性を重視していてギリギリの密度で仕立て上げられた生地を使っているので、絶対に自宅では洗わないことをおすすめします。
2−2. 側生地が破れる恐れがあるから
何よりも怖いのが生地の破れです。
羽毛布団の中には羽毛(ダウン)だけでなく羽根(フェザー)も含まれています(商品ごとにダウン率が異なりますが、確実に数パーセント入っています)。
羽毛(ダウン) | 羽根(フェザー) | |
画像 | ||
風合い | ふわふわ | 芯がある |
保温性 | ◎ | ◯ |
重量 | ◎ | △ |
フィット性 | ◎ | ◯ |
獣臭 | ◯ | △ |
価格 | △ | ◎ |
その羽根の先の骨の部分(羽軸と呼びます)が側生地を突いて破ることがあるのです。ひどい失敗談では洗濯槽が羽毛まみれになってしまったという話もあるほどです。羽毛布団が台無しになるだけでは済まないので、フェザーが多めに入っている羽毛布団をお使いの方は注意しましょう。
2−3. 側生地が縮む恐れがあるから
一般的な側生地に使われる綿(コットン)素材はその特性上、洗って乾燥させると縮みます。
例えば、150cm幅のシングルサイズの羽毛布団が140cm幅になってしまうこともありえます。そこまで致命的なことではありませんが、若干隙間風が入りやすくなったりするなどの不都合が生じることになります。
ただ、側生地の素材がポリエステル100%のものはこの点は問題ありません。ポリエステルは洗濯・乾燥でほとんど縮みません。そのため、洗える羽毛布団の側生地はポリエステル100%のものが多いのです(とはいえ、やや蒸れやすくなりますが)。
2−4. 洗濯槽が臭くなる恐れがあるから
羽毛布団といっても羽毛の品質にはピンからキリまであります。
グース(ガチョウ)ではなくダック(アヒル)の羽毛は獣臭が強いですし、安価なダックダウン羽毛布団の中には製造時の洗浄が不十分なものがあります。そのような羽毛で仕上げられた羽毛布団を洗濯機で洗ってしまうと洗濯槽が臭くなってしまうことすらあるのです。
2−5. 乾かすのが大変だから
羽毛布団を乾かすのはとても大変です。
羽毛布団を自宅の乾燥機で乾かすとなると2時間は必要です。しかもその間にこまめに乾燥具合をチェックして裏返したりなどのケアをしなければなりません。電気代を惜しんで自然乾燥するとなると3日はかかります。以前、私が羽毛枕を自宅のベランダで乾かしたとき(10月頃)は丸二日かかりました。しかも、その間こまめに羽毛を動かして湿っている箇所をバラけさせたりしなければならずかなり骨が折れました。
最後に
あなたの羽毛布団が自宅で洗濯できるかどうか、しかしなぜ洗濯をするべきでないのかにについてご理解いただけたかと思います。羽毛布団はクリーニング業者に依頼することをおすすめします。
もし「クリーニングに出すくらいなら新しい布団を買おうかな」とお考えなら、下記のページをご参考ください。快適に眠れる掛け布団を選ぶためのポイントとおすすめの掛け布団をご紹介しています。
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