
接触冷感敷きパッドを比較検討していると、以下のようなレビューを見かけることはないでしょうか?
- 最初冷たいけど、すぐ冷たさがなくなる
- 蒸れて汗でビショビショになった
- 冷たさはそこそこだけど、ひんやり感がずっと感じられる
例えば、私のような繊維業界の人間であれば、素材と生地をチェックするだけで、大体どのようなものか想像できます。が、専門外の人からすると、素材・生地の名前をみたところで、それがどれくらいひんやりするのか分からずに困ることと思います。
そこで本日は、「素材にこだわった接触冷感敷きパッドを選ぶコツ」と「おすすめの接触冷感敷きパッド」をご紹介します。
Contents
1. 接触冷感敷きパッドを選ぶ5つのコツ
まずは、接触冷感とはどういう性質なのかを解説しつつ、敷きパッドを選ぶコツをご説明いたします。
①あくまで「接触」冷感、と認識する
接触冷感とはあくまで「触れた瞬間にひんやりする機能」ということです。
期待外れにならないために念頭に置いておいてください。とはいえ、睡眠中に体を冷やし続けるのは健康上良くないので、接触冷感程度の冷たさは良い塩梅だともいえます。

また、接触冷感の中にもピンからキリまであり、安価な冷感敷きパッドの中には1分すらも冷感が持続しないものがある一方、蒸れにくい工夫が施されたものだとひんやり感が比較的長く持続します。
具体的には2章でご紹介のものを参考にしてください。
②q-max(接触冷温感評価値)の目安
q-maxという表記をよく目にするかと思います。
これは接触冷温感評価値というもので、生地に触れたときの冷温感を表す尺度です。
q-max値 | 冷たさの目安 |
0.4以上 | おぉっ!となるくらい明確に冷たさが感じられます。 |
0.3以上 | まあまあひんやりしてるな、と感じられる数値です。 |
0.2以上 | この数値以上だと接触冷感効果があるとされます。若干ひやっとするかな?くらいです。 |
私の主観をもとにした目安になりますが、大きなズレはないと思います。
「どの素材がどれくらいの冷たさなの?」という質問があったので付記しますが、だいたい以下のような具合です。
身近な例をあげると、コンクリートだと0.6くらいの接触冷感値になります。
繊維素材の中では、ポリエチレンが絶対王者のごとく群を抜いて冷感が強いです(※ただ、特許の関係でかなり値段が高いです。他国で販売されているポリエチレン冷感パッドに比べて日本のポリエチレン冷感パッドが高いのはこの為です)。
とはいえ、qmax値が高ければ万事OKという訳ではありません。冷感が持続する工夫がされていなかったり、吸湿性・吸水性のない素材のみで作られていると、冷たさが一時的なもの(1分未満)になるので注意が必要です。
③吸汗性、吸放湿性が冷感の持続に大切
人は眠るときに200mlもの大量の汗をかきます。これは深部体温を下げるための生理現象です。体温を下げるために汗をかいているのです。

そのため、この大量の汗を敷きパッドが処理できないと、寝床内がムレてしまい体温が下がりにくくなります。結果として、冷感の持続性の低下につながります。もちろん、肌当たりがベタベタして気持ち悪くなります。
そのため、ひんやり感があると同時に、汗をしっかりと吸収できることは非常に大事な要素です。
実際、裸のままで室温を29℃にした中性温度で眠ってもらった場合、湿度を50%から75%へと上げると、夜間睡眠中であるにもかかわらず、体温は約0.1℃上昇しました。
(引用:『医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック』宮崎総一郎・佐藤尚武 編著)
実際、湿度の高い環境だと体温が上がってしまい、快適に眠れないことが報告されています。
蒸れは快眠の敵です。冷感敷きパッドの生地には吸水性・吸湿性があることをきちんとチェックしましょう。
④「化学繊維=ダメ」ではなく、配分・加工法が重要
化学繊維だと接触冷感を表現しやすい上に、洗濯耐久性も高いので、冷感素材として敷きパッドの表生地に使われます。
しかし、化学繊維はその性質上、吸水性・吸湿性がないため汗の吸収がされず、ベタベタとした肌感やムレ感を生まれやすいです。そのため、肌に触れる表生地の繊維が100%化学繊維のものはあまりオススメできません。

化学繊維を上手に利用しているメーカーは、化学繊維と天然繊維(再生繊維)をバランスよく混紡し、化学繊維の良さを残しつつベタつきが少なくしたりします(例えば、ポリエステルとレーヨンの混紡だったり、ポリエチレンとレーヨンの混紡のこと)。
また、3Dメッシュ加工などにし通気性を持たせ蒸れにくくしています。具体例はオススメの商品をご覧ください。
⑤ジェル素材は非推奨
ジェル素材の冷感敷きパッドはあまりオススメできません。
理由は以下の2つです。
- ジェル自体が体温によって温まり生暖かくなることがあるため。
- ジェルを閉じるこめる膜としてPVC(ビニール)素材が使われることが多く、通気性、吸汗性、吸放湿性が悪くなりベトベト感、ムレ感が生じるため。
2. オススメの接触冷感敷きパッド5選
それでは私がおすすめできる接触冷感敷きパッドの中から、①冷感に持続性をもたせたタイプと、②接触冷感重視のタイプのものをご紹介します。
ひんやり感の持続性のある敷きパッド
次にご紹介するものは、ほどよいヒンヤリ感を長く保っていられる作りになっている敷きパッドです。
①除湿 敷きパッド

製品:除湿・消臭敷きパッド
素材:[表地] ポリエチレン50% レーヨン50% [中材] ポリエステル100%(シリカゲルB形入り) [裏地] ポリエステル100%
価格:7,980円
【購入はこちら】
お菓子の袋の中によく入っている除湿材の「シリカゲル」が入っている除湿敷きパッドです。寝汗などをスッと吸収するため布団内を蒸れにくくし、ダニが住みにくい環境にします。もちろん、カラッとした爽やかな寝心地も快眠にお役立ていただけます。湿気対策、ダニ対策、カビ対策にどうぞ。自社製品なので恐縮ですが、最高の敷きパッドだと自負しています。
②アウトラスト®敷きパッド 東京西川

価格:4,980円
サイズ:100×205cm
素材:[表地]パイル:綿50%、レーヨン50%、地糸:ポリエステル100% [裏地] ポリエステル80%、綿20% [詰め物]ポリエステル100%
【当製品の販売ページ】
パイル(タオル地にループ状に立った繊維)に綿とレーヨンを半々に使うことで、バランスよく接触冷感と吸水、吸湿機能をもたせている敷きパッドです。
また、この製品のミソはアウトラスト®素材にあります。アウトラスト繊維内のマイクロカプセルの機能により、温度を32℃前後にコントロールしようとする働きがあるため、睡眠中に熱放散をしても寝床内の温度が適温に保たれひんやり感が持続しやすいです。
③ひんやり感触 アウトラスト®敷きパッド 遠山産業

価格:8,620円
サイズ:100×205cm
素材:[表生地] 綿100%、[裏生地] ポリエステル65%、綿35% [詰め物] ポリエステル100%(不織布[アウトラスト(R)シート]入り)
【当製品の販売ページ】
上記のタオル地のものとは少し変わり、同じアウトラスト®敷きパッドでもこちらの表生地は綿100%の織生地です。そのため、肌感がより滑らかで、側生地の吸放湿性も高く汗の吸収も申し分ないです。
詰め物にアウトラスト®素材を使っているので、こちらも冷感を持続させる作りになっています。また、どの商品にも言えることですが、使用前にエアコンで冷たい風を当てて置くことで、接触冷感を高められます。
接触冷感重視の敷きパッド
接触冷感を重視しつつも、ムレにくいように作られている敷きパッドです。多少難点がないこともないですが、あなたの好みに合えば快適に使えます。
④アイス眠EX敷きパッド
価格:12,874円
サイズ:100×205cm
素材:[表面] ポリエチレン70%、ポリエステル20%、ナイロン10% [中心部] ポリエステル100% [裏面] ポリエステル95%、ナイロン5%
【当製品の販売ページ】
接触冷感繊維の中でも冷たいポリエチレンを表生地に70%も使用している敷きパッドです。表生地が全て化学繊維ですがメッシュ生地に仕上げているので、吸放湿性はなくとも通気性はあるのでムレにくいです。
化学繊維の肌触りや、メッシュによる硬めの使用感などの特徴が好みで、接触冷感を最も重視している人にオススメできる敷きパッドです。
⑤竹シーツ

価格:5,980円
サイズ:180×90cm
素材:竹
【当製品の販売ページ】
接触冷感敷きパッドというよりは竹シーツとして知られている製品ですが、触れたときの冷感を重視する人でも満足のいく冷たさがあります。また、繊維製品ではないので、ホコリが少ない睡眠環境にできます。そのため、喘息やアレルギー持ちの人には特におすすめです。
素材の性質上、若干の肌にペタっとくっつく感じや、使用感が硬めな点、ご了承ください。
最後に
接触冷感が持続し汗処理もきちんと果たす敷きパッドは眠りやすいだけでなく、睡眠環境の温湿度を適正に保ち睡眠の質を上げるので、起きた時の爽快感が遥かに違います。
あなたが良い敷きパッドで素晴らしい一日のスタートを切れることを願います。
また、『エアコンなしで寝苦しい熱帯夜を乗り切る5つの冷感快眠法』もご紹介しています。熱帯夜攻略にお役立てください。