赤ちゃんの肌がポツポツと赤く腫れているため皮膚科へ受診したところ、どうやら原因はダニ刺されによる模様。
可愛い可愛い赤ちゃんの肌を傷つけられて、ダニ対策に気合いが入っていることと思います。とはいえ、ご家庭に赤ちゃんがいる状況では、赤ちゃんに配慮してダニ対策をしなければなりません。
そこで本日は、「薬剤不使用の赤ちゃんのためのダニ対策」をご紹介します。
1. 赤ちゃんのためのダニ対策
まず最初にご理解いただきたいのが、退治するだけではダニ被害は終わらないということです。
本当に気をつけなければいけないのはダニアレルゲン(ダニの死骸、糞など)です。被害レベルで考えるとダニアレルゲンの方がより厄介な存在であることが分かります。
ダニ | ダニアレルゲン | |
定義 | 生きているダニ | ダニの死骸、糞、抜け殻など |
被害 | 刺されることにより肌が腫れたり強い痒みが生じます。 7~10日間程それらの症状は続きます。 しかし、寝具に潜むダニの約90%を 占めるチリダニは人を刺咬することはありません。 人を刺すツメダニは全体のたった1%弱です。 | ダニアレルゲンは接触・吸引してしまうことで、 アレルギーや喘息を起こす原因になります。 誰でも許容量を超えると症状を引き起こします。 ダニの被害とは異なり、一度発症すると、 完治まで数年かかることもあるのでより厄介です。 |
※注:被害に関する詳細は、それぞれ以下のページをご参照ください。→『これで絶滅!ダニの発生原因、症状、駆除、予防の総まとめ』
そのため、ダニ対策はダニ退治→ダニアレルゲン除去→ダニ再発生予防の順番 で行いましょう。
そうすることで大切な赤ちゃんをダニの脅威から守ることができます。
1−1. 低刺激ダニ退治方法
ダニ退治の方法はいくつかありますが、赤ちゃんのいるご家庭であることを考えると、薬剤などを使用しない低刺激の方法をとることをおすすめします。
個人的におすすめの方法は布団乾燥機の利用です。というのも、ダニ退治のみならず、以下のようなニーズにも応えられるためです。
- 大気汚染のため出来るだけ室内干しをしたい
- 赤ちゃんとの生活で増えた洗い物を効率よく乾かしたい
ということで次に、「畳」「フローリング」「絨毯・カーペット」「布団」「マットレス」「カーテン」のダニ退治方法を布団乾燥機でのやり方を中心にご紹介していきます。
畳
通常、敷布団と掛け布団の間に布団乾燥機を挟んで使いますが、畳と掛け布団の間に布団乾燥機を挟んで稼働させましょう。
布団乾燥機によるカラッとした熱風でダニを退治 させられます。
製品:パナソニック FD-F06A7-A
価格:5,940円
【当製品の販売ページ】
畳以外にも、絨毯・カーペット、布団、マットレスのダニ退治にも使えるのでおすすめです。
天日干しも良し
もちろん、布団乾燥機を使用しなくとも、畳を屋外で干すことができれば同等の効果が得られます。ただ、日光による日焼けを防ぐためにも布でカバーすることをおすすめします。黒い布で覆えば熱の吸収力が高まりダニ退治効果はアップします。
即効性はないが掃除機も良し
「掃除機がけだけでダニ退治はできないの?」と疑問に思われる方もいると思います。実のところ、掃除機がけはある程度の除ダニ効果こそありますが、一掃するほどの力はありません。
掃除機の除ダニ効果を調べた実験によると、1㎡当たり3分間毎日畳に掃除機を3週間掛け続けた結果、以下のような結果になりました。
20年ほど前の実験ですので、最新型の吸引力に優れた機種ではより良い結果が出ると思いますが、それでもダニを一掃することは難しいと思います。そのため、掃除機のみでダニ退治をするのであれば、以下の点を踏まえて行いましょう。
- なるべく吸引の高い掃除機を使う
- 専用ホースノズルを使う
- ゆっくり丁寧に掃除機がけをする
フローリング
フローリングは畳と異なりダニが潜り込む余地がないので、硬く絞った雑巾やワイパーで拭き掃除をするだけで十分ダニを除去することができます。
もちろん、掃除機での掃除も良いですが、その際は排気によりダニアレルゲンを始めとするホコリが舞い上がることを意識し、赤ちゃんは他の部屋で待機させておきましょう。
なお、ダニアレルゲンが一度舞い上がると長時間浮遊し続けるので、空気清浄機で浄化するか窓を開けて換気などして、赤ちゃんとの接触を極力減らしましょう。
絨毯・カーペット
絨毯・カーペットが洗濯可能なものであれば洗濯しましょう。洗濯でダニアレルゲンは洗い流せますし、ダニも半数程度は除去できるはずです。
洗濯できない場合は、布団乾燥機でダニ退治を行うことをおすすめします。絨毯と布団の間に布団乾燥機を挟み稼働させ、乾燥熱処理させましょう。
そしてその後、掃除機でダニの死骸、糞などを除去しましょう。
初めから絨毯・カーペットに掃除機がけをするのはどうかと言うと、ダニ除去効果は若干物足りません。しかし、専用ノズルを装着させることでダニ除去効果が見込める ようになると報告されています。
裏側からたたいて表面から掃除機をかけると、ダニ数を30%まで除去でき、コーナーノズルで丁寧に清掃すると、50%程度の除去が可能である。
(引用:『ダニ・カビ完全対策』 小峰裕己 編著)
製品:コーナーノズル
価格:302円
【当製品の販売ページ】
なので、掃除機だけでダニ対策をお考えであるならば、あなたの掃除機に合う専用ノズルを使用した上で行うように心がけましょう。
布団・マットレス
赤ちゃん用布団をご使用の場合は洗濯機で洗えると思いますので、高温(60℃)で丸洗いしましょう。 高温で洗うことでダニを死滅させ、ダニアレルゲンを洗い流せます。
赤ちゃんと大人用の布団・マットレスで一緒に寝ているという場合は、布団乾燥機を使用する か、専門クリーニングに依頼する ことをおすすめします。
布団乾燥機
布団乾燥機によるダニ対策は、「畳のダニ対策」でご説明したように1度では物足りないので、朝晩2回を連日行うようにしましょう。
宅配クリーニング
掛敷布団の場合は、宅配クリーニングは布団1枚5,000円前後からと費用はかかりますが、布団を持ち運ぶ手間なくダニ対策を完結させられるのでおすすめです。依頼は以下のような流れになります。
- STEP1:希望のクリーニング方法を行う業者をピックアップ。
- STEP2:見積もりと納期を勘案して依頼先を選定。
- STEP3:配送キットが送られてくるので、布団を入れて送り返す。
- STEP4:クリーニング→納品(1週間前後)
マットレス
マットレスの場合は、専門のクリーニング業者を自宅に招きマットレスを洗浄してもらうことになります。マットレスのサイズにより費用が異なりますが、シングルサイズで1万程度からです。依頼は以下のような流れになります。
- STEP1:対応可能な事業者候補をいくつかピックアップ。
- STEP2:見積もりと対応可能な日程を勘案して依頼先を選定。
- STEP3:出張クリーニング施工。
布団やマットレスの素材によっては受け付けてもらえない場合があったり、施工方法によってはおすすめできない場合があります。以下のページで詳細をご説明しているので依頼時にご参考にしてください。
→『布団をクリーニングでダニ退治!概要と注意点』
→『出張マットレスクリーニングでダニ退治!概要と注意点』
カーテン
カーテンにダニが潜むことはそこまで多くありませんが、大気中に浮遊しているダニアレルゲンが多く付着します。
窓を開けて換気をする際に、そのダニアレルゲンが室内で飛散し、赤ちゃんが吸い込む恐れがあります。そのため、年に一度で良いのでカーテンを取り外して洗濯機で洗いましょう。 ダニアレルゲンは水溶性ですので、水洗いだけで十分に除去できます。
1−2. ダニ予防
ここまでダニ退治とダニアレルゲン除去をしっかり行ったのなら、ご家庭内を赤ちゃんが這いずり回っても安心できると思います。
とはいえ、一度ダニが発生したことを考えると、あなたの生活環境にはダニが繁殖しやすい要素があるかもしれません。
ダニは「温度が25℃以上で暖かく」「湿度が70%以上で湿った」「餌がたくさんある」環境を好みます。温度を常に低くするのは困難だと思いますので、湿度管理と衛生管理を中心にダニ予防をしていきましょう。
ダニ・カビ繁殖三大原因 | 発生源 | |
温度 |
| |
湿度 |
| |
エサ |
|
具体的な内容は以下のようになります。
- 寝室の窓を毎日開けて換気をしっかり行う。
- 赤ちゃん布団はこまめに洗ってあげる。
- 畳・カーペットはこまめに掃除する。
- 起床後すぐに布団を押入れに入れず、1~2時間空気に晒してから押し入れに。
- ベッドメイキングをしっかりとするよりも、マットレスの表面が乾きやすいように掛け布団はめくってマットレスの足元の方にまとめておく。
- 暑い季節はシーツを3日に1度、少なくとも週に1度は取り替えましょう。
ここまでしっかりと湿度・衛生管理を行っていただければ、ダニの再発生に悩まされることはほぼ防げられます。
最後に
あなたが安心して赤ちゃんのダニ対策ができていれば幸いです。
ダニ予防法は完結に説明しましたが、もし「もっと具体的にじっくりと知りたい」ということであれば、『出費なしで可能!布団・マットレスのダニ予防法』でご説明しているのでご参考にしてください。