除湿機をお持ちの方は、以下のように考えたことはないでしょうか?
「ダニって多湿環境でしか生息できないなら、除湿機を稼働させっぱなしにすればダニ退治になるのでは?」
この考えは、半分アタリで半分ハズレです。
除湿機でダニ退治をしようとしても、フローリングの部屋であればある程度効果はありますが、畳やカーペットの部屋ではあまり効果がないのです。
本ページでは、具体的なデータを元に、「除湿機でダニ退治ができるモノ、できないモノ」についてご紹介します。
1. 除湿機でダニ退治はできるのか?
日本ダニ業界の権威とされている吉川教授曰く、家庭に存在するダニは湿度60%以下の環境では繁殖できないため、徐々に数を減らしていきます。
現在、家屋内生息性ダニ類のすべての種類が把握されてはいませんが、今後とも湿度60%R.H.以下で繁殖できる種類が現れることはないと思われます。
(引用:『住まいQ&A 寝室・寝具のダニ・カビ汚染』吉川翠、戸矢崎紀紘、田中正敏、須貝高、生協・科学情報センター 共著)
そうであるならば、除湿機で部屋の湿度を50%以下に安定的に維持できれば、ダニは減らせられると考えるのが妥当です。
しかし、それでは半分アタリで半分ハズレなのです。
どういうことかと言うと、部屋の湿度が50%以下になった結果として、ダニが生息している対象物の湿気が50%以下になる場合もあれば、ならない場合もあるためです。
それでは以下に具体的例を用いてご説明します。
1−1. 対象が乾燥させられればダニ退治は可能
例えば、畳の表面、毛足の短い絨毯、カーテンなどに潜んでいるダニは、除湿機で退治がしやすい部類にあたります。
理由はとてもシンプルで、部屋の湿度が下がればその部屋の畳も一緒に乾燥していくので、徐々にダニにとって畳が生息しづらい環境になっていくからです。
留守中の部屋を除湿機で乾燥させ続けるとダニがどのように変化するか調べた調査がありますが、ダニ退治と捉えられるほどの効果がある ことが分かります。
しかし、ダニを減らしたとはいえ、2週間も要しているため「ダニが大繁殖したから今すぐダニを根絶したい」という要求には答えられません。
そのため、ある程度長い目でダニ退治を考えられる場合にのみ有効、と考えられます。
1−2. 乾燥させにくいもののダニ退治は難しい
反対に、寝室で除湿機を稼働させ続けても、布団やマットレスのダニを退治するのはとても困難だと考えられます。
というのも、日中にいくら除湿機で乾かしたとしても、夜間には寝汗でまた湿った状態に戻されるためです。
もちろん、ダニの繁殖を抑える効果はあるので除湿機を稼働させておくのは良いですが、上記のグラフのようにダニを減らすほどの効果は期待できません。
そのため、布団・マットレスのダニ退治をお考えであれば、除湿機ではなく布団乾燥機を利用したり、専門業者によるクリーニングを依頼することをおすすめします。具体的な内容は以下の記事でご紹介しているので、ご参考にしてください。
まとめ
除湿機でのダニ退治の効果についてお分かりいただけていれば光栄です。端的にまとめると、
- 湿度が60%以下になるとダニは繁殖できない。
- 除湿機を稼働させ続ければ畳やフローリングのダニは時間こそかかる退治できる。
- 布団・マットレスのダニは寝汗により毎日湿るため除湿機でのダニ退治は難しい。
あなたの快眠生活のお役に立っていれば幸いです。
また、ダニの繁殖原因の詳細、刺された時の対処法などをこちらのページ『これで絶滅!ダニの発生原因、症状、駆除、予防の総まとめ』で紹介しているのでご参考にしてください。