- ダウンプルーフ加工ってなに?
- ノンダウンプルーフのほうがいいのかな?
羽毛布団選びで悩まれるかと思います。
正直、一長一短です。
人により向き不向きが変わります。
そこで本日は、
- ダウンプルーフ加工ありの羽毛布団の特徴
- ノンダウンプルーフの羽毛布団の向き不向き
- ゴアテックスなどのラミネートによるダウンプルーフ加工の是非
などについて解説します。
ぜひご参考にしてください。
※羽毛と羽根の比率、ダウンパワー、充填量などのスペックを比較した選び方についてこちらのページ「羽毛布団の選び方とおすすめ9選【専門家直伝】」で徹底解説しています。羽毛の充填量だけでなくより網羅的に羽毛布団選びを進めたい方はぜひご参考にしてください。 |
Contents
1. 羽毛布団のダウンプルーフの必要性とは?
ダウンプルーフ加工とは、羽毛が生地から吹き出さないための加工です。
この加工は(ほぼ)必須です。
というのも、羽毛が傷んでいくにつれて千切れてダウンファイバー(羽毛クズ)が生まれるからです(低品質な羽毛布団だと製造時から入っています)。
これを防ぐためにダウンプルーフ加工が必要なのです。
1-1. ダウンプルーフの加工方法とは
一般的に、出来上がった生地にローラーで圧力と熱を加えて目潰しをしてダウンプルーフ加工を行います。
その際、樹脂を塗って強力に加工が施されることもあります。
もちろん、ダウンプルーフ加工により一般的な生地よりも通気性は悪くなります。が、吹き出しを防ぐためですので仕方がありません。
生地素材 | 生地重量 | 通気度 | 評価 |
綿100% (100番手) | 800g前後 | 3.0cc以上 |
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綿100% (80番手) | 950g前後 | 3.0cc前後 |
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綿100% (60番手) | 1100g前後 | 2.0cc前後 |
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綿100% (40番手) | 1300g前後 | 1.5cc前後 |
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ポリエステル30% 綿70% | 900g前後 | 0.5cc前後 |
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ポリエステル85% 綿15% | 750g前後 | 0.5cc前後 |
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なお、ポリエステル生地は羽毛が吹き出しやすいため、かなり強めにダウンプルーフ加工が施されます。
その結果、ただでさえ吸水性が低いのに通気性の悪さが相まって、非常に蒸れやすい寝心地になります。
絶対に避けるようにしましょう。
1-2. 使用に応じてダウンプルーフは落ちていく
当初、ダウンプルーフ生地は加工によりハリがあります。
それが使用に応じて(良くも悪くも)加工が落ちていき、肌あたりが馴染んでいきます。
しかし、品質にもよりますが、5~10年ほどして一定以上加工が落ちると羽毛が噴き出るようになります。それは打ち直し(生地を新調する)のタイミングと考えていただければ結構です。
1-3. ノンダウンプルーフとは
通気性を高めるためにあえてダウンプルーフ加工をしないノンダウンプルーフ生地を使用した羽毛布団もあります。
ピンキリのため一概に評価しづらいです。
詳しく解説していきます。
生地が超高密度のもの
ダウンプルーフ加工をしないために、超高密度で織られた生地が使用された羽毛布団があります。
正直、イマイチです。
というのも、超高密度であるために生地が重たくなり過ぎてしまい、その結果、羽毛が生地の重さに負けて膨らみにくくなり、保温性が不十分になってしまうことがあるからです。
あちらを立てればこちらが立たず、の典型です。
高級生地の良さを存分に発揮するために超高品質の羽毛を使っているもの
通気性の高い高級生地(綿100番手など)の機能性をダウンプルーフで損なわないために、超高品質の羽毛(440dp)しか充填しない羽毛布団があります。
これは最高です。
保温性、通気性、軽さなど全てにおいてハイパフォーマンスです。
しかし、ダウンボールが大きい高品質でなおかつスティッキーダウンやチェーンダウンのような吹き出しにくい羽毛でないといけないため、価格はそれこそ100万円前後とかなり高くなります。もちろん、繊細な生地のため丁寧な取り扱いが要求されます。
なお、ノンダウンプルーフを強調するものの羽毛の品質が不十分な商品が存在するので、そういったものは避けるようにしましょう。
1-4. ゴアテックスなどのラミネートによるダウンプルーフ加工の向き不向き
ダウンプルーフ加工との比較にあがるのが、ゴアテックスなどのようなラミネート加工です。
生地に極薄のフィルムを貼り合わせることでダウンプルーフのような働きを持たせたものです。これは正直、一長一短のため、使う人を選びます。
- 利点:水、ホコリ、ダニ、花粉などを通さない
- 欠点:通気性が低いため蒸れやすい
(一般的なラミネートと比べて?)蒸れにくいとはされていますが、やはりフィルムが貼り合わされているだけあって通気性が低いため、綿100%の生地と比べると蒸れやすさは目立ちます。
そのため、寝心地重視の方には向いていません。
しかし、その保護力は大したもので、水やホコリなどを一切通しません。数年使用したゴア羽毛布団を切り裂いたところ羽毛が新品同様でまったく汚れていなかったと伝えられているほどです。
そのため、アレルギーや喘息などをお持ちで衛生面を重視したいと考えられている方には向いていると言えます。
最後に
羽毛布団のダウンプルーフがどのようなものか、なぜ必要なのか、そして、ノンダウンプルーフと言ってもピンキリだということがご理解いただけていれば幸いです。
なお、以下のページで羽毛布団選びのポイントについて網羅的に解説しています。羽毛布団を比較検討されている方はぜひご覧ください。
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