羽毛布団選びでは、ラベルが気になりますよね。
数字でわかりやすくランク付けされているため、ついつい高ランクのものが欲しくなるかと思います。
とはいえ、ラベルだけを見て羽毛布団を選んではいけません。
また、ラベルの発行元も複数あるため、違いがあることも理解しないといけません。
そこで本日は、
- 羽毛布団ラベルの必要性
- 日本羽毛製品協同組合(ゴールドラベル)とCIL(ギャランティーラベル)の違い
- 認証対象と管理の違い
- どのランクのラベルがいいのか
- 羽毛布団の正しい選び方
などについて解説していきます。
ぜひ参考にしてください。
※羽毛と羽根の比率、ダウンパワー、充填量などのスペックを比較した選び方についてこちらのページ「羽毛布団の選び方とおすすめ9選【専門家直伝】」で徹底解説しています。羽毛の充填量だけでなくより網羅的に羽毛布団選びを進めたい方はぜひご参考にしてください。 |
Contents
1. 羽毛布団ラベルの必要性とは
大事なことなので最初に言います。
羽毛布団はラベル付きのものを購入しましょう。
というのも、AmazonなどのECサイトで海外で製造された羽毛布団を購入することができますが、日本の品質基準(世界でもっとも厳しい)に満たないものがあるからです。
もちろん、ゴールドラベル付きの羽毛布団でも産地偽装があったので、ラベル付きだから100%安心とは言えませんが、より安心できると私は考えています。
1-1. 日本羽毛製品協同組合とCILの違い
さあそんな羽毛布団のラベル。
よくよく確認するとゴールドラベルとギャランティーラベルの二種類あることがわかるかと思います。
ゴールドラベル | ギャランティーラベル | |
発行元 | 日本羽毛製品協同組合 | CIL |
画像 |
発行元が異なります。
ゴールドラベルは日本羽毛製品協同組合(日羽協)、ギャンランティーラベルはCIL(Comfort Index Lab:コンフォートインデックスラボ・快適睡眠環境研究所)が発行しています。
成り立ちと目的が異なる
ここで気になるのが両者の違いですよね。
そもそも成り立ちが異なるので、目的もやや異なります。
- 日羽協:業界団体。1976年設立。羽毛布団の品質基準を決めている。ゴールドラベルだけではなくJIS(日本産業規格)の策定にも関わっている。また、羽毛に関する国際機関とも連携し、日本の羽毛製品の高品質化を目指している。
- CIL:検査機関。1943年設立。2002年に羽毛に特化した検査機関となる。より正確な検査手法の確立、中身が見えない羽毛の品質保証の確立、快適に眠ることを目的とした選び方の基準作りを目的としている。
業界向きか、消費者向きか。
私はこのように認識しています。
日羽協は長い歴史のある業界団体なので会員数が多く、海外との連携も進んでいます。
一方、CILは始まりが検査機関であるため、消費者への分かりやすさを重視されています。例えば、その名称にもなっているコンフォートインデックスは布団選びの方法論として私も参考にしています。
ラベルの認証対象と管理の違い
日羽協とCILのラベルでは認証内容も異なります。
- 日羽協:製品の認証。優良な羽毛と側生地を使用して適切に仕上げられた羽毛布団であることを認証しています。試験機関で合格した商品に対してラベルが授けられています。その商品の管理は各メーカー側の義務となっているため、市販のラベル付きの商品を購入して抜き打ち検査を行っています(違反が見つかり処分されたメーカーもあります)。
- CIL:羽毛原料の認証。側生地や縫製などは対象としておらず、あくまで羽毛のみの認証です。しかしその分、羽毛の調達から加工までをも管理しており、ラベルにシリアルナンバーを載せて個体の羽毛原料の合格認定日と品質をサイト上で特定できるようになっています。
内容こそ違えど、どちらも信用できる仕組みです。
ラベルの信頼性が感じられるかと思います。
ラベルの保証内容の違い
ラベルの保証内容も若干異なります。
日羽協のゴールドラベルでは主にダウンパワー、ダウン率、洗浄度の目安となっています。
ダウンパワー | ダウン率 | 洗浄度 | |
プレミアムゴールドラベル | 440以上 | 93%以上 | 1000mm |
ロイヤルゴールドラベル | 400以上 | 90%以上 | 1000mm |
エクセルゴールドラベル | 350以上 | 80%以上 | 500mm |
ニューゴールドラベル | 300以上 | 50%以上 | 500mm |
一方、CILのギャンランティーラベルのほうでは主にダウンパワー、WWR-m(軽暖性能)、洗浄度の目安となっています。
ダウンパワー | WWR-m | 洗浄度 | |
プラチナラベル | 480以上 | 330-350 | 1000mm |
ブラックラベル | 440以上 | 310-330 | 1000mm |
ゴールドラベル | 400以上 | 290-310 | 1000mm |
シルバーラベル | 350以上 | 270-290 | 800mm |
レッドラベル | 300以上 | 240-270 | 800mm |
グリーンラベル | 240以上 | 170-220 | 800mm |
イエローラベル | 190以上 | 150-180 | 800mm |
そのため、完全な比較はできません。
とはいえ、ラベルはあくまでも目安です。
ラベルだけでは暖かさや軽さ、蒸れにくさは分かりません。
あまり振り回されないようにしましょう。
高ランクのラベル=高品質ではない
「ランクが高いラベルだから高品質の羽毛布団」とは限りません。
というのも、羽毛布団の保温性はダウンパワーだけでなく、ダウン率や充填量などによっても左右されるからです。
羽毛(ダウン) | 羽根(フェザー) | |
画像 | ||
風合い | ふわふわ | 芯がある |
保温性 | ◎ | ◯ |
重量 | ◎ | △ |
フィット性 | ◎ | ◯ |
獣臭 | ◯ | △ |
価格 | △ | ◎ |
また、保温性は「高さ」ではなく「適切である」ことが大事です。
布団内の温湿度(寝床内気象)は33℃・50%前後が最適とされていますが、保温性が高すぎると寝苦しくなってしまうので注意が必要です。
そのため、高ランクのラベルが付いた商品が必ずしも「適切で良いもの」とは限らないのです。
さらに、軽さや蒸れにくさは側生地素材によって左右されます。
ラベルだけを見ていては判断できません。
布団選びは総合的に判断しなければならないのです。
CILのみのリサイクル羽毛ラベル
CILのみが発行しているラベルもあります。
それが最近流行りのリサイクル羽毛です。
まだまだ商品数は多くありませんが、持続可能な社会作りが課題となっている現代では注目されている選択肢です。
2. 【ラベルはただの目安】正しい羽毛布団の選び方とは
ラベルは目安でしかありません。
羽毛布団選びは以下のようにして総合的に進めましょう。
- 保温性:室温に合わせてダウンパワー、ダウン率、充填量を確認する
- 蒸れにくさ:側生地素材はポリエステルを避ける
- 軽さ:重視するなら側生地素材をこだわる
- フィット性:ダウン率と側生地素材をこだわる
- ニオイ:水鳥の種類にこだわる
詳しくは下記のページで解説しています。
かなりの量ですが、あなたにぴったりの羽毛布団選びにお役立ていただけるはずです。ぜひご参考にどうぞ。
関連記事最後に
羽毛布団のラベルについて理解する参考になっていればと思います。
信頼できる証にはなりますが、あくまで目安として認識してください。