※自分に合ったマットレスを選ぶ手順(型→素材→個別商品)と値段、体質、好み別におすすめできるマットレスについてこちらのページ「マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順」で徹底解説しています。高反発だけでなく多様な素材から網羅的にマットレス選びを進めたい方は是非ご参考にどうぞ。 |
- 「コアラマットレスって実際どうなんだろう?」
- 「他のマットレスと比べて良いのかな?」
と思ったところで、何をどう比較したらいいのか分からないかと思います。
正直、寝具メーカーの人間として、「このマットレスは寝心地が合わない人も少なくないだろうな…」というのが率直な感想です。
そこで本日は、
- コアラマットレスの寝心地
- オリジナルやnewなどのバリエーションの違い
- 類似ブランドとの違い
- 寝心地で気になった点
- 実際に購入して試した上でのレビュー
などについて解説していきます。
よく比較対象となるとエママットレスとの違いを、数値をお見せしながらわかりやすく説明します。
| コアラマットレス オリジナル | エママットレス | ||||
硬さ | 反発弾性 | 厚さ | 硬さ | 反発弾性 | 厚さ | |
1層目 | 70N | 16%(低反発) | 5cm | 70N | 非公開(高反発) | 3cm |
2層目 | 120N | 42%(一般) | 4cm | 150N | 非公開(一般) | 15cm |
3層目 | 200N | 40%(一般) | 11cm | 120N | 非公開(一般) | 7cm |
寝心地 | 柔らかめ | ふつう | ||||
画像 |
アフィリエイト目的の口コミサイトとは違い、購入した上で専門的なレビューをしていきますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
(※動画での説明を加えました)
1. コアラマットレスとは
コアラマットレスは2015年にオーストラリアで創業した会社です。
日本には2017年にやってきています。2018年頃、マットレスの上に置いたワイングラスが、隣ではしゃいでいても倒れない広告動画がSNSで話題になりましたよね。
「なんか面白そうな会社がやってきたな」と寝具・家具業界でも注目されていたのを思い出します。
1-1. 豊富なバリエーション。オリジナルとnewの違いは?
今回の専門レビューはコアラマットレス オリジナルです。
コアラマットレス オリジナル | |
厚さ | 20cm |
硬さ目安 | やわらかい |
硬さ(N値) | 70N(1層目)、120N(2層目)、200N(3層目) |
反発弾性率 | 16%(1層目)、42%(2層目)、40%(3層目) |
密度 | 40D(1層目)、30D(2-3層目) |
重量 | 15.96kg |
復元率 | 99.28% |
表地素材 | ポリエステル 65%、テンセル™ 35% |
価格 | 69,000円 |
リンク | 商品のページ |
当初、コアラマットレスはこちらの1種類だけでした。
が、今では4種類にまでバリエーションが増えています。
オリジナル | New | BREEZE | BAMBOO | |
硬さ調整 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
ゾーニング | 3 | 3 | 3 | 5 |
生地厚 | 〇 | 〇 | ◎ | ◎ |
エッジサポート | × | × | 〇 | 〇 |
温湿度調整 | × | × | 冷感 | 最適化 |
消臭 | × | × | × | 〇 |
価格 | 69,000円~ | 82,000円~ | 127,000円~ | 168,000円~ |
商品ページ | リンク | リンク | リンク | リンク |
これらの違いは、次のようになります。
- オリジナル:コアラマットレスが当初から販売しているスタンダードモデル(2023年に改良されています)。
- New:マットレスのカバーを開けて上層のウレタンフォームをひっくり返して硬さ調整ができるモデル。側生地はオリジナルと同品質。
- BREEZE:Newの機能に加えて、表面の生地がキルティングされた厚手の冷感生地になっている。また、マットレスの外周にエッジサポートがある。
- Bamboo:Newの機能に加えて、表面の生地が温度が高いときには熱を吸収し、低いときには蓄えた熱を放散し、温度調整を行う厚手のキルト生地になっている。また、エッジサポートに加えて、ゾーニングが5つのゾーンになっている。
一言でいうと、硬さ調整ができるか否かや、側生地のクオリティが変わります。
硬さの微妙な差や、硬さ調整については個人の好みの問題になるので、一概に良し悪しを断定することはできませんが、側生地はキルティングされた厚手のもののほうが蒸れにくくて良いでしょう。
とはいえ、コアラマットレス自体やや割高なのですが、ハイエンドモデルはさらに割高感があります。なので、コスパ的に満足できるかは謎です(私としてはコアラマットレスのBAMBOOを購入するより、コアラマットレスのオリジナルやNewなどに羊毛ベッドパッドを重ねるほうが寝心地もコスパも良いのではと思います)。
1-2. オリジナル コアラマットレスの3つの特徴
さて、そんなコアラマットレスのオリジナルですが、主な特徴は次の3点です。
①揺れにくい衝撃吸収
低反発と高反発を重ねた構造のため振動が伝わりにくくなっています。パートナーの寝返りによる揺れが気になる人には嬉しいポイントですよね。
なお、オリジナルは他のモデルと異なり一層目に低反発素材を使用しているため、もっとも振動が伝わりにくくなっています。
②通気性の高い内部構造
一層目の通気性の高いウレタンフォームが採用されていて、さらに、三層目のウレタンフォームの表面にスラットカットが施されているので、マットレス内部の通気性が良くなっていて熱が溜まりづらく快適です。
③安心して購入できるトライアル
120日間自宅で使ってみて寝心地が気に入らなければ無料返品ができ、商品代金も返済されるサービスが付いています(東京と大阪限定)。
お店でマットレスに数分寝てみても、本当に合うかなんて分からないですよね。
実際に長い間使ってみて合わないなら返品できるのは安心です。
コアラマットレス | エマ・マットレス | |
トライアル期間 | 120日間 | 100日間 |
返送料 | 東京・大阪以外 | 完全無料 |
返品可能時期 | 14日経過後 | 到着後すぐでもOK |
梱包材 | 不要 | 不要 |
元々アメリカで広まっていたこのトライアルサービス。
コアラマットレスを代表するマットレス通販業者によってどんどん普及してきて、マットレスを購入するハードルが良い意味で下がってきているな、と業界人として見ています。
1-3. 結論、コアラマットレスは「買い」か?
結論、コアラマットレスの総評は次のとおりです。
- 硬さ:柔らかめの寝心地。
- 寝返り:寝返りはややしづらい。
- 蒸れ(通気性):ウレタンフォームの通気性はそこそこ。側生地素材は蒸れにくくなっています。
- 耐久性:5~7年前後で一般的な耐用年数は期待できます。
- コスパ:品質は悪くないが耐久性を勘案するとやや割高に感じられるかもしれないです。
柔らかさとコスパがややネックになります。
言い換えれば、これらの点が受け入れられるかどうかが、あなたにコアラマットレスが合うかどうかの目安になるかと思います。
2. コアラマットレス(オリジナル)を体験レビュー
さて、ここからは実際に商品を使った上でのレビューをしていきます。
- 寝心地
- 耐久性
- 通気性
- コスパ
- 懸念点
などについて詳しく解説していきます。
(2022年に購入したコアラマットレスなので厚みなどの詳細が最新のものとは違っている点ご了承ください。)
2-1. 開封(unboxing)
購入したのはシングルサイズです。
非常にキレイな状態です。
開けると圧縮されたマットレスが入っています。
梱包時のマットレス重量はシングルサイズ(97cm幅)で18.61kgとされていますが、測って見たところ17.94kgでした。
この差はウレタンフォームの密度(重量/容積)のブレによるものだろうと推察します。
あまりにもブレのある個体は耐久性が低くなるため問題ですが、この差(3.6%)は許容範囲内かと思います(詳細は後述)。
なお、開封は下記のとおり、女性一人でも簡単にできました。
クイーンサイズ(160cm幅)になると26kgになりますが、開封と設置するくらいであれば女性でも問題ないかと思います。
圧縮ビニールはきちんと二重になっています。
なので、汚れなどもなくきれいな状態です。
脚側が反っていますが圧縮ロールマットレスを開封した直後は、どれもこのようになります。
誤解されやすいですが、不良品ではありません。
なお、開封直後の厚さは21.5cm。
商品の厚さは23cmとなっていますが、これも同じように、開封直後は圧縮の影響が残っていますので、やや薄くなっています。
なお、2週間後に確認したところ22cmまできちんと復元していました。
若干足りないと思うかもしれませんが、側生地の厚みも足すと23cm前後になるので、これも許容範囲内と言えます。
2-2. 寝心地チェック(やや柔らかすぎ?)
さあ、もっとも気になる寝心地です。
結論から言うと、ちょっと柔らかすぎるかもしれません。
構造をお見せしながら専門的に解説していきます(分かりやすくするため、エママットレスと比較します)。
| コアラマットレス オリジナル | エママットレス | ||||
硬さ | 反発弾性 | 厚さ | 硬さ | 反発弾性 | 厚さ | |
1層目 | 70N | 16%(低反発) | 5cm | 70N | 非公開(高反発) | 3cm |
2層目 | 120N | 42%(一般) | 4cm | 150N | 非公開(一般) | 15cm |
3層目 | 200N | 40%(一般) | 11cm | 120N | 非公開(一般) | 7cm |
寝心地 | 柔らかめ | ふつう | ||||
画像 |
コアラマットレスの構造は、一層目に柔らかめの低反発が5cm、二層目にやや硬めの高反発が4cm、三層目に硬い高反発が11cmとなっています。
上層で体をやさしく受け止めつつ、下層でしっかりサポート。
これは快適な寝心地を作るための定石ですね。
ただ、気になるのが一層目の低反発が5cmもあることです。エママットレスにも同じように一層目に柔らかめの高反発ウレタンフォームが使用されていますが、こちらでは3cmであることを考えると、かなり柔らかめの寝心地だということがお分かりいただけるかと思います。
実際、弊社の女性スタッフは次のように述べています。
- 仰向け:体にフィットする感覚はあるが腰が沈むような感覚があった。
- 横向き寝:同じくフィット感はあるが、横向きでも腰が沈むような感覚があった。
- うつ伏せ寝:胸への圧迫感はない。沈み込むので呼吸がらくだった。
- 寝返り:寝返りはややしづらい。
やはり、結構柔らかめとの印象です。
また、柔らかい低反発層が5cmあることから寝返りがしづらいとのことも気になりますね。
こういった特徴から、欧米などの柔らかいマットレスが好みの方や、くびれが大きい体格をされている方には合うのではないかと思います。
コアラマットレス | エマ・マットレス | |
衝撃 吸収 比較 |
なお、有名な特徴である「衝撃吸収性能」ですが、これはエマ・マットレスと同程度です。
というより、低反発ウレタンフォームが一層目に使用されたウレタンフォームマットレスではどれも同じくらいの性能になるかと思います。
2-3. 耐久性(推定5~7年前後)
では次に、気になる耐久性について。
コアラマットレスなどのようなノンコイルのウレタンフォームマットレスは、ウレタンフォームの密度によって耐久性が左右されます。
密度=重量/体積です。
つまり、ウレタンがぎゅっと詰まった高密度のものは高耐久ですが、その反対に、スカスカのものはへたりやすいというとイメージしやすいかと思います。この密度については商品ページなどにD(density=密度)と記載がありますが、耐用年数の目安としては以下のようになります。
ウレタン密度(kg/㎥) | 耐久性の評価 | |
高反発 | 低反発 | |
20以下 | 30以下 |
|
25前後 | 35前後 |
|
30前後 | 40前後 |
|
40以上 | 50以上 |
|
(※低反発は柔らかい分高めの密度が要求されます)
そして、コアラマットレスとエママットレスの密度は以下のように記載されています。
コアラマットレス | エマ・マットレス | |
1層目 | 40D(低反発) | 非公開 |
2層目 | 30D(高反発) | |
3層目 | 30D(高反発) | |
耐用年数目安 | 5~7年前後 | 7年前後 |
価格 | 69,000円 | 67,000円 |
コアラマットレスの耐久性はそこそこです。
耐用年数の目安としては、5~7年前後ほどです。
(※ページ冒頭で、マットレスの重量が記載の数値よりもやや軽いことに言及していたのはこのためです。あまりにも軽いものは密度詐称になるためです。実際に日本のメーカーのマットレスでそういったものが存在します。)
(※エママットレスは密度を公表していませんが、商品ページに記載されている重量で推計すると42Dくらいになると考えられます。コアラマットレスよりも良い数値ですが、なぜか非公開となっています。なお、実際に購入してみたところ35Dくらいの重量でした。)
もちろん、マットレスの耐用年数は使用環境にも大きく左右されます。
マットレスの上に直接そのまま寝ると、湿気ってヘタリやすくなります。シーツやパッドなどを敷いてきちんとケアしましょう。
敷きパッド | ベッドパッド | ベッドシーツ | トッパー | プロテクター | |
画像 | |||||
役割 |
|
|
|
| |
厚み | 1~2cm前後 | 3~4cm前後 | 5mm前後 | 3~5cm | 5mm前後 |
温湿度調整 | ◎ | ◎ | ◯ | × | △ |
汚れ防止 | ◯ | ◯ | △ | △ | ◎ |
洗濯 | △ | △ | ◯ | × | ◯ |
体圧分散性 | △ | ◯ | × | ◎ | × |
2-4. 通気性&蒸れやすさ
次に、通気性と蒸れやすさについて。
これは主に、
- ウレタンフォームの通気性
- 側生地(カバー)の表地の素材と厚み
によって左右されます。
コアラマットレスの一層目には、通気性の高いオープンセル構造のウレタンフォームが採用されています。そのため、ウレタンフォームによる蒸れやすさはある程度抑えられています。
側生地の素材と厚みは、下記の通り。
例によってエママットレスと比較します。
コアラマットレス | エマ・マットレス | |
画像 | ||
素材 |
|
|
厚み | ◯ | ◯ |
伸縮性 | ◯ | ◎ |
私が見たところ、コアラマットレスオリジナルの側生地は三層構造になっていて、一層目にテンセル™、二・三層目にポリエステルが使用されている三層ニット生地です。
テンセル™はユーカリの木を原料とする再生繊維で、肌触りが良く、吸水性・吸湿性も高いです。この素材が一層目にあるため蒸れにくくなっています(対して、エママットレスはほぼポリエステルのため蒸れやすいです)。
素材 | イメージ | 柔らかさ | 滑らかさ | 吸湿性 | 放湿性 | 耐久性 | 洗濯性 | ||
天 然 繊 維 | 植 物 性 | 綿 (コットン) | ◯ | ◯ | ◎ | △ | ◯ | ◯ | |
麻 (リネン) | △ | △ | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | |||
動 物 性 | 絹 (シルク) | ◎ | ◎ | ◎ | ◯ | △ | △ | ||
羊毛 (ウール) | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | △ | |||
化 学 繊 維 | 再 生 | レーヨン | ◎ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | △ | |
合 成 | ポリエステル | △ | ◯ | △ | – | ◯ | ◎ |
弊社の女性スタッフの体感としても、蒸れる感覚は特になかったとのこと。
ただ、低反発フォームが5cmあり寝返りがややしにくいことから、長時間使うとなるとやや気になるそうです。
しかし、この点についてはきちんとした素材のカバーやパッドを重ねることで解消できるので、そこまで大きな問題ではないかと私は考えています。
なので総括すると、生地は良いが蒸れる可能性はあるのでカバーなどで補うこと、となります。
2-5. 側面はソファ生地
次に、側面の生地です。
ソファに使用されるような生地でおしゃれです。
コアラマットレス | エマ・マットレス | |
画像 |
ただ、エママットレスには取手がありますが、コアラマットレスには取手がありません。
マットレスを持ち運ぶ機会なんてまずないかと思いますが、マットレスを壁に立てかけて乾かすときのことを考えると取手はあったほうが便利ですね。とはいえ、20kg前後のものなので大きな差ではないかと思いますが。
2-6. 裏側は滑り止め生地
なお、裏側には滑り止め生地が使用されています。
コアラマットレス | エマ・マットレス | |
画像 |
これはベッドの上でマットレスがずれないようにするためのものです。
ズレが気にならなくなるので便利です。
ただ、床の上で使おうと考えている方はご注意ください。フローリングにくっついてしまったり、ゴム汚染などにより色移りすることがあるからです。床に敷いて使おうと考えているなら除湿シートなどをマットレスの下に敷きましょう。
2-7. お手入れ面
では次に、お手入れのしやすさについて。
コアラマットレスの側生地(カバー)は洗濯機洗い可能です。
オープンファスナー仕様になっているので、表生地のみ取り外して洗うことができます。
コアラマットレス | エマ・マットレス | |
画像 |
ただ、ファスナーが裏側に付いているため、一度マットレスを裏返してから開け閉めしないといけなくやや面倒です。
この点については、エマ・マットレスなどのように側面にファスナーが付いているもののほうが便利だろうと思います。なお、テンセル™素材は濡れると傷みやすいためネットに入れて優しく洗うようにしましょう。
2-8. ニオイ(ウレタン臭のみ)
次に、ニオイについて。
敏感な人は気になる点ですよね。
結論、ウレタンフォームのニオイはあるものの、特別強くはありません。
Certi-PUR認定を取得しているためアミンなどのような臭気の元となる原材料の使用が少なく制限されているはずです。
軟質ポリウレタンフォームの臭いの主成分は触媒として使用されている第3級アミン類です。これはポリウレタンフォーム製造時0.05~0.5%の濃度で添加され、製造時の熱により大半は揮発しますが一部フォーム中に残存し、これが軟質ポリウレタンフォームを開梱した時に臭いとして残っていることがあります。
(引用:日本ウレタン工業協会)
とはいえ、体質により個人差があります。
というのも、ウレタンフォーム独自のニオイといっても、臭気に敏感な人にはひどく臭く感じられることがあるからです。そのような人の場合、コアラマットレスに限らず全てのウレタンフォーム製マットレスに対して同じような感想を持たれることになるかと思います。
2-9. 価格・コスパ(やや割高か?)
最後に、重要視される価格・コスパについて。
そもそも何をもって価格が高いか安いかジャッジするかが問題になりますが、仮に、期待できる耐用年数をもとに考え、エママットレスと比較するとなると、やや割高に感じられるかと思います。
コアラマットレス | エマ・マットレス | |
1層目 | 40D(低反発) | 非公開 |
2層目 | 30D(高反発) | |
3層目 | 30D(高反発) | |
耐用年数目安 | 5~7年前後 | 7年前後? |
価格 | 69,000円 | 67,000円 |
とはいえ、もっとも大事なのは寝心地です。
もし仮に、100点の寝心地で5年の耐用年数と、70点の寝心地で7年の耐用年数を天秤にかけるなら、私なら迷わず前者を選びます。
そこで思い出してほしいのが、こちらのチャート。
| コアラマットレス オリジナル | エママットレス | ||||
硬さ | 反発弾性 | 厚さ | 硬さ | 反発弾性 | 厚さ | |
1層目 | 70N | 16%(低反発) | 5cm | 70N | 非公開(高反発) | 3cm |
2層目 | 120N | 42%(一般) | 4cm | 150N | 非公開(一般) | 15cm |
3層目 | 200N | 40%(一般) | 11cm | 120N | 非公開(一般) | 7cm |
寝心地 | 柔らかめ | ふつう | ||||
画像 |
コアラマットレスは柔らかめの寝心地です。
これがあなたに合うかどうかを考えましょう。この寝心地に満足できるなら悪くない買い物ではないかと思います。万が一、寝心地が合わなかったとしてもコアラマットレスは無料返品・返金サービスがあります(後述)。
まずは試してみるのもアリかと思います。
3. 実際に使ってみた上での批判的な口コミや評判への所見
ネット上の口コミや評判サイトなどでコアラマットレスに対する意見をいろいろと目にするかと思います。
コアラマットレスへの否定的なレビューは、次の二つのものが大半です。
- 背中や腰が痛くなった(柔らかすぎる)
- 化学的なニオイが強い
実際に使ってみた上で、さらにはメーカーとしての立場から、これらの口コミをどう解釈するべきなのかについてお話しします。
3-1. 背中・腰が痛くなったという口コミ
まず、背中や腰の痛みについては、以下のようなレビューがあります。
柔らかいせいか以前使っていたマットにはなかった背部から腰部にかけての痛みを起床時に感じています。 使用後2週間が経ちますが同様の痛みは続いています。 マットレスを上下反対にしてもいいものでしょうか?
自分には合いませんでした……。 約1ヶ月使いましたが、使い始めてから腰と肩に痛みが出始めやむなく返品。 評価が高いので期待してたのですが、返品は無料で出来たのでサポートは良かったです。
元々使っていたベッドがニトリのNスリープで柔らかめだったこともありとても硬く感じました。誰かと寝る分には寝返りで振動が来にくいので寝易いとは思いますが柔らかいベッドが好きな人は合わないと思います。寝たのに体が疲れるような感じになってしまったので返品対応していただきました。対応は丁寧にしていただけました。
コアラマットレスが合わないと感じる人の多くは柔らかすぎると評価しているので、やはり、いわゆる日本的な硬めの寝心地に慣れている人には寝心地の変化が大きく違和感があるかもしれません。
場合によっては、寝姿勢が悪くなってしまい、それによって腰などに痛みを感じることになっている可能性もあります。
しかしその一方、Nスリープ(かなり柔らかいニトリのマットレス)を使用していた人から、コアラマットレスは硬いとのレビューもありました。慣れ親しんだ寝心地によって、寝心地の相性が変わる良い例ですね。
つまり、慣れ・好みの問題なのです。
品質が悪いから腰痛になるのではなく、やはり、合わないことが問題なのです。マットレスを作っている側の人間として私は(たぶんメーカーの全ての人間は)、この点ご理解いただいた上で比較検討してもらえると嬉しいです。
3-2. ニオイが臭いという口コミ
次に、ニオイについては以下のようなレビューがあります。
35平米の部屋置いてますが、玄関まで化学的な匂いが残っています。 使用から2週間時点では消えていません。 柔らかく包み込まれるのを期待しましたが、それほどではありません。 スマートウォッチの睡眠測定に改善はありません。 もうしばらく使用して、不満が消えなければ返品致します。 安価で試せるのはとてもありがたい。
自分は化学物質過敏なのかニオイで頭痛を引きおこす 3日寝ましたがやはり頭痛でむりです。またダイソン空気清浄機も汚れ表示ランプが消えません。業務用オゾン器を試すもニオイがなくならずしばらく放置することにしました。自然にニオイがなくなるのを待ちます。 マットレスは硬くもなく柔らすぎでもなくいいのですがね。
コアラマットレスのウレタンフォームの化学臭がキツいというよりも、レビューを書いた方がウレタンフォームのニオイに敏感だったと考えられます。
というのも、ウレタンフォームはまずは20~60mの大きくて長いブロックで発泡し、それを1つ1つのサイズに切り分けていくため、化学臭がきついとなるとその発泡ロット分の全てが同程度のニオイになるはずだからです。しかし、同じ時期に購入したであろう別の人からはその意見が出ていないとなると、やはり個人差レベルのことなんだろうと考えられるからです。
しかし、この異臭レビューを書いた人にとって、その人が感じたニオイは現実です。このような人におかれましては「自分はウレタンフォームのニオイが苦手だ」という認識を持ちましょう。そして、圧縮梱包ウレタンマットレスは多かれ少なかれ全て同程度のニオイがすると考えるようにしましょう。
そのような人がマットレスを購入するなら非圧縮のコイルスプリングマットレスがおすすめです。
ノンコイル 薄型マットレス | ノンコイル ベッドマットレス | コイルスプリング ベッドマットレス | |
画像 | |||
厚み | 7~10cm前後 | 15~25cm前後 | 20~35cm前後 |
重量 | 4~7kg前後 | 10~20kg前後 | 20~30kg前後 |
寝心地 | ◯ | ◎ | ◎ |
耐久性 | ◯ | ◯ | ◎ |
揺れ&音 | ◎ | ◎ | △ |
使用環境 | 床&ベッド | ベッド | ベッド |
手入れ | ◯ | ◯ | △ |
クリーニング | × | × | ◯ |
処分 | ◯ | ◯ | △ |
価格 | ◎ | ◯ | △ |
というのも、このようなマットレスはそもそも使用されるウレタンフォームが少ないですし、さらに、製造過程でウレタンフォームが空気に晒されてニオイを飛ばす時間が長くなるため、届けられたときのウレタン臭が圧倒的に少ないからです。
4. コアラマットレスによくある質問
最後に、購入において気になりやすいポイントを解説していきます。
4-1. 無料返品のトライアル(お試し期間)は?
コアラマットレスは商品が気に入らなければ返品・返金を受けつけています。
120日トライアルという名称です。
コアラマットレス | エマ・マットレス | |
トライアル期間 | 120日間 | 100日間 |
返送料 | 東京・大阪以外 | 完全無料 |
返品可能時期 | 14日経過後 | 到着後すぐでもOK |
梱包材 | 不要 | 不要 |
とはいえ、もっとも大事なのは寝心地です。
アメリカでは2014年頃から流行っているものの、日本では全然普及していなかったサービスでしたが、コアラマットレスが持ち込んで完全に定着したように思います。
商品が届いてから120日間自宅で使い、寝心地やニオイなど商品に満足できなければ返品・返金を受けつけるというものです。「合わなくてもリスクフリーだ」として支持されていますね。
ただ、注意が必要なのが返送費用が無料なのは東京と大阪のみで、その他の地域では返送料として商品1点につき7,500円必要となることです。
4-2. 品質保証は10年
品質保証は下記のとおり。
コアラマットレス | エマ・マットレス | |
品質保証 | 10年 | 10年 |
補償条件 | 2.5cm以上のヘタリ | 2.5cm以上のヘタリ |
品質から考えると、かなりの長期保証です。
使用環境にもよりますが、密度40Dの低反発と密度30Dの高反発ウレタンフォームだと、10年以内に2.5cm以上へたる可能性は少なくないのでは、、、と個人的には思います。
4-3. 安く購入する方法はあるか?
コアラマットレスは公式サイトにて、セールを頻繁に行なっています。
セール名 | 期間 | 内容 |
ニュースレター割引 | 2022年1月~ | 10,000円割引 |
新生活応援セール | 2022年2月~3月 | 20%割引 |
初売りセール | 2022年1月初旬 | 20%割引 |
今年最後のコアラBIGセール | 2021年11月下旬 | 20%割引 |
例えば、2022年4月20日現在、ニュースレター(メルマガ)に登録すると10,000円割引クーポンを提供しているようです。
メールアドレスを登録するだけで10,000円も安くなるので、購入するなら絶対に使いましょう。ただ、ここ最近は2~3ヶ月おきに20%前後の大きな割引を行うセールをやっているので、極力安く買いたい人はメルマガ登録をしてセール情報を待つのものありかと思います。
なお、クーポンの併用はできないようです。
4-4. 公式サイト、楽天、Amazonなどの違いは?
コアラマットレスは、購入するお店によって値段とサービスが変わります。
公式サイト | 楽天 | Amazon | |
価格 | 69,000円 | 69,000円 | 72,000円 |
割引 | 公式セール | 楽天ポイント | Amazonポイント |
トライアル | あり | あり | あり |
公式サイトでは今まで説明してきた通りの価格・サービスです。
楽天とAmazonではそれぞれのモールのポイントが使えるものの、公式サイトで提供されているニュースレター割引などが使用不可です。あなたにとってどちらがお得か天秤にかけてみることをおすすめします。
なお、Amazonでは若干値段が高いです。
これはあくまで私の個人の推察でしかありませんが、Amazonが徴収する手数料が高いため、販売価格が上げられているのではと思います。
4-5. 店舗で試し寝できる?
コアラマットレスは店舗販売をしていません。
以前は「体験会」を不定期に開催していましたが、最近は控えているようです。また開催される可能性もあるので、気になる方はニュースレターに登録しておくと良いでしょう。
とはいえ、120日トライアルがありますので、柔らかい寝心地が合いそうならまずは購入して試してみるのもありかもしれません。
最後に
結論、コアラマットレスはやや割高ですが、その他の品質から考えると悪くないと私は考えています。
しかし、柔らかい寝心地が合うかどうかは個人差がありますので、その点は事前によく考えておくことをおすすめします。
なお、自分に合ったマットレスを選ぶ手順(型→素材→個別商品)と値段、体質、好み別におすすめできるマットレスについてこちらのページ「マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順」で徹底解説しています。
多様な選択肢から網羅的にマットレス選びを進めたい方は是非ご参考にどうぞ。