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ほっこり快適!冬の熟睡布団5選と、取扱いのコツ

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  • 寒くてなかなか眠れない
  • 寝苦しくて汗びっしょりで夜中に目覚めた

これらは粗悪な作りの冬用布団を使っているがために感じられる問題です。私を含め、真面目な寝具メーカーの人からすると「そんな粗末な布団売っちゃダメだろ…」と呆れるような話なのですが、あちこちでそのような冬用布団が販売されているのが現状です。

ぐっすり快眠したいのなら、そのような布団とは縁を切らなければなりません。

そこで本日は「冬の熟睡布団5選と、取扱いのコツ」についてご紹介します。

著者情報
加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。2,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。
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インスタグラムでも情報発信中⇒フォローはこちらから。


1. 冬の熟睡布団に必須の3つの要素

まず最初に、冬の熟睡布団とはどんなものかというと「ぬくぬくと丁度よく暖かい上に爽やかで蒸れることなく、それでいて体にふわっとフィットする」ような寝心地のものです。これは3つの要素に分けられます。

  1. 保温性(暖かいこと)
  2. 吸放湿性(蒸れないこと)
  3. ドレープ性(体へのフィット性)

そして、これらの要素を布団の素材別に◎◯△で表すと以下のようになります(吸放湿性は吸湿性と放湿性の2つに分けています)。

素材画像 保温性  吸湿性  放湿性 ドレープ性価格目安
羽毛
(ダウン)
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羽根
(フェザー)
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ポリ
エステル
綿
(コットン)
cotton1
真綿
(絹/シルク)
silk1
羊毛
(ウール)
wool1

なお、この評価はそれぞれの素材の布団の中でも一般的なものの評価であり、品質の高いものであれば◯が◎になることもありますし、逆に低品質なものだと◯が△になることがあります。

それでは次に、保温性、吸放湿性、ドレープ性についてより詳しく、それぞれの素材の布団でどのような寝心地になるのかという点に触れつつご説明していきます。

1−1. 保温性は高すぎてはダメで適度でなければならない

適度に暖かいくらいの保温性が理想的です。

というのも、人は眠るときに体温を下げなければいけないので、それを妨げてしまうほど保温性が高いと、深い眠りに入りにくくなり睡眠の質が下がるからです。

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眠るときに体温は下がっていき、起床に向けて上がっていく

例えば、羽毛よりも暖かい吸湿発熱性ポリエステルの布団にはかなり注意しなければなりません。「とりあえず暖かい布団作れば売れるだろ!」という考えで睡眠への理解が乏しいメーカーがこの手の布団を作ってしまいがちですが、このような布団で眠ると夜中に暑くて目覚めしてしまうほどです。

また、あなたの住環境を考慮することも大切です。というのも、ここ10~20年に建てられたマンション(特にベランダのないタワーマンション)や寒冷地の一戸建ての家は、かなり機密性がしっかりしていることがあります。そのようなお住まいなら、例えば羽毛布団なら真冬用(ダウン率95%で440dpなおかつ1.1kgも充填されているようなもの)は絶対に不要です。さらに、暖房やヒーターを使われるのであれば、春秋用布団でも十分暖かくケースがほとんどです(むしろこれは私のおすすめの冬の眠り方です)。

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なお、「うちの布団どんどん暖かくなくなってきてる…」というのは、布団のヘタリが主な原因です。羽毛にしろポリエステルにしろ木綿にしろ、暖かさというのは素材が空気を抱え込むことから生じています(発熱繊維は別ですが)。そのため、わた素材がヘタってしまうと空気を抱え込む余地がなくなってしまい、保温性が悪くなってしまうのです。

1−2. 一流の布団は暖かいだけじゃなく吸放湿性があるから蒸れない

また、寝ようとしているのに布団内が暑くなってきて、外の空気を布団内に入れて涼しくしようとしたことはないでしょうか?

これはその布団の吸放湿性が低いことが原因です。ポリエステルわたの布団で起こることが多いですが、側生地にポリエステルが多用されていることも大きな要因です。ポリエステル繊維には吸水性がほとんどありません。そのため、ポリエステル生地の布団で寝るということはビニールに包まれて寝るようなもので、蒸れてしまい寝苦しくなるのです。そして、安価な冬用布団にはポリエステル生地が信じられないほど多用されているのです。木綿わた100%の布団なのに側生地がポリエステル80%綿20%となると、木綿わたが優れた吸湿性を発揮できなくなってしまいます。

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冬の布団が吸放湿性に優れていると全く別次元の寝心地です。人が眠るときに体温を下げるために200mlの寝汗をかきますが、この発汗と体温の低下が非常にスムーズに行えるようになるのでスーッと深い眠りに落ちやすくなるのです。

特に、羊毛布団は他素材と比べて圧倒的に吸放湿性に優れています。新陳代謝の高い人は吸放湿性に注目して布団を選ぶようにすることをおすすめします。

1−3. ドレープ性が高いと布団と一体化したような寝心地に

ドレープ性(布団のフィット感)も忘れてはならない大切なポイントです。

(安価な素材であることを隠すためかのように)パンパンに羽毛が充填された羽毛布団やポリエステル布団、これらは生地が張りすぎてしまうために体へのフィット性が悪くなります。そうすると布団と体との間に空間が出来てしまうため、布団内の暖まりにくくなります。ひどいケースだと、布団と首元の隙間が出来てしまい布団内に冷たい風がスースー入ってきて、寒くて眠りづらくなることすらあります。

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首元から布団内に隙間風が入る

このようなケースは適切な布団カバーを購入することである程度解消することはできますが、出来ることなら最初からそのようなことが起こりえない羽毛を買いたいものですよね。

また他にも、羽根布団・羽毛布団などは羽毛が吹き出さないように目を潰した高密度の生地が採用されるのが常なのですが、綿100%の生地でも安価なものだとかなり風合いが硬く体にフィットしづらいものが多いです。

※「軽い布団が良い」のは根拠のない話

軽い布団といえば羽毛布団で一般的に2.3kg前後、重いとされる木綿布団だと4kg前後になります。かなり重さが異なります。世間的に「布団は軽いものが良い」というイメージがあるかと思いますが、これはなんの裏付けもない風説です。布団が軽いから呼吸がしやすい、とまで言われることがありますがそれも言い過ぎでしょう。羽毛布団を売りたい寝具屋の店員の誇張営業トークから広まっていった話だと私は思っています。

実のところ、アメリカの動物学者のテンプル・グランディン女史の研究で、圧迫を与えることでリラックス状態を生むと報告されており、実際に、重さが10kgもあるブランケットが販売されてもいるためです。それでリラックスして眠れている人がいるのです。

そのため、布団の重さについては好みで決めてしまって良いと私は考えています。念のため付け加えておくと、軽量で上質な羽毛布団がふわっと体に覆いかぶさるのはこの上ない寝心地です。しかし、その逆に、重さが10kgもあるブランケットのずっしりした圧迫感の寝心地もそれはそれの良さがあります。布団の重さについては本当に好みで別れるところです。

1−4. 冬におすすめの熟睡布団5選

それでは冬におすすめの布団を紹介していきます。

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製品:フォスフレイクス スーパーキルト
価格:9,900円
【当製品の販売ページ】

衛生面や低アレルギー性を重視されているならおすすめなのがフォスフレイクス布団です。樹脂由来のフォスフレイクス70%にポリエステルわた30%のブレンドに、ダニ通過率0の綿100%高密度の生地で仕上げているため糸ボコりが出づらく、ダニの繁殖の心配もほとんどありません。ただ、保温性はそこまで高くないため、寝室をオイルヒーターで暖めて眠るような方のみにおすすめです。衛生面重視の方におすすめです。

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製品:シルク100%真綿布団
価格:32,292円
【当製品の販売ページ】

寝室の冷え込みが強くないのならおすすめなのが真綿布団です。こちらの製品は真綿100%なことに加えて側生地がレーヨン100%(綿よりも吸水性、放湿性、ドレープ性に優れる)のため、暖かくも蒸れにくい快適な寝心地が期待できます。真綿もレーヨンも長繊維で糸ぼこりが出にくいため、こちら布団も糸ぼこりが出づらい衛生的な寝室環境作りに役立てられます。

羊毛布団アプロディーテ

製品:羊毛掛け布団
価格:12,900円
【当製品の販売ページ】

暖かいけど蒸れにくい布団をお探しの方におすすめのがこちらです。羊毛はとても吸放湿性に優れるので暖かくも爽やかな寝心地が期待できます。その上、この掛布団は側生地が綿100%のため、羊毛の吸放湿性をダイレクトに引き出せる上、体にとてもよく馴染みやすいです。

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製品:ハンガリー産シルバーグース93%羽毛布団
価格:73,800円(税込)
【当製品の販売ページ】

ダウンパワー420dp、羽毛充填量1.3kg、側生地スーピマ超長綿100%60番手サテン織り、立体キルト構造です。シルバーグースということもありこのスペックにしてはお手頃な羽毛布団です。冷え込みが気になる寝室でも十分な暖かさで眠ることが期待できます。

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製品:ポーランド産ホワイトマザーグース98%
価格:275,500円(税別)
【当製品の販売ページ】

ダウンパワー480dp、羽毛充填量1.0kg、側生地綿100%平織りです。記載がありませんが100番手を超えると思われる品質の高級生地が採用されています。かなり冷え込む寝室でも問題ないほどの保温性に加え、布団と一体化できるほどのドレープ性が期待できます。もしあなたの寝室はそこまで冷え込まないのなら、羽毛の充填量が850gの236,500円 (税別) のをおすすめします。


2. 冬の布団の取扱いによくある疑問

冬の快眠に役立つ豆知識です。

2−1. なかなか暖まらない布団への対処法とは?

いざ寝ようと布団に入ると寒くて眠るどころじゃない、なんて日々を過ごしている人には以下のあったか快眠法がおすすめです。

  • 布団を布団乾燥機で暖めておく
  • オイルヒーターで部屋を温めておく
  • あったか敷きパッドを導入する

布団乾燥機やオイルヒーターは電気代こそかかりますがやはり文明の利器だけあって寒さの悩みを手軽に解決できます。さらに、布団乾燥機は布団を温めるだけでなく同時に乾燥させることにもなるので、冬の寒い中布団を干す手間を省けるのでおすすめです。

2−2. 冬でも布団のお手入れ方法は?

冬の布団のお手入れ方法はというと、

  • 月に1,2度を目安に日陰干しをする
  • 木綿布団なら週に1,2度日陰干しをする
  • 朝起きたら内側が外を向くようめくっておく
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布団をめくって乾きやすいようにする

木綿布団は吸水性・吸湿性に優れるものの乾きにくいので、その他の素材の布団よりも積極的に日陰干しをすることをおすすめします。また、押入れに布団を収納する人は朝起きたらすぐに収納せず、布団の内側が乾きやすいようにめくったまま少し放置することをおすすめします。敷寝具の効率的な乾燥にもなります。

2−3. 冬に布団が重くなるのはなんで?

「冬になると布団が重くなるように感じる」というお声をいただきますが、それは湿気が原因となっていることが多いです。冬になり布団を干す回数が減ってしまい、布団が湿気りやすくなります。そうすると湿気りにより若干布団が重く感じられますし、ふわっとした風合いがなくなることで感覚的に重く感じてしまうのです。

2−4. 掛け布団の洗濯はクリーニング店への依頼がおすすめ

「自宅で洗濯可能」と記載のあるもの以外、掛け布団はクリーニング店に出して洗ってもらうことをおすすめします。

自宅の洗濯機やコインランドリーで洗うと、わた素材同士が絡み合ってしまいダマになってしまうケースが多発しているからです。中わたがダマになると、わたが空気を抱え込みにくくなってしまい保温性が下がってしまいますし、ボコボコして体にフィットしづらくなって寝心地が悪くなってしまいます。

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巻いて縛った布団はコインランドリーで洗っても型崩れしにくい

このように布団を縛って洗うことでダマが出来にくく洗うことができますが、それでもやはり限界があるのでクリーニングを利用することをおすすめします。羽毛布団のクリーニングについては以下のページで説明しているのでご参考ください。

2−5. 布団の収納・保管は不織布袋に

布団を使わないときは不織布袋に入れて収納しましょう。

布団を買った時に入っていた袋といえばイメージ出来るかと思います。不織布は通気性にすぐれた素材のため、収納されている布団が湿気ったりしにくいから採用されています。

くれぐれも圧縮袋の利用はお控えください。例えば、羽毛布団だとダウンボールが潰れてしまい性能を一気に悪くしてしまいますし、羊毛布団だと羊毛同士が絡まってダマになりやすくなり寝心地が悪くなります。


最後に

冬用に気持ちよく眠れる布団がどのようなものかご理解いただけたかと思います。あなたの冬の快眠の一助にしていただけると幸いです。

冬の眠り、暖かさに満足していますか。

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