※敷布団の素材別の特徴、機能性を比較した選び方についてこちらのページ「【熟睡敷布団のおすすめ7選】正しい選び方3つのコツ」で徹底解説しています。キャメル素材だけでなく、より網羅的な敷布団選びの情報をお探しでしたらあわせてご参考にしてください。 |
- 「ラクダの毛から作られた敷布団?」
- 「どんな寝心地なんだろう?」
などと疑問に感じてはいないでしょうか?
弾力性があり、汗の吸収にも発散にもすぐれるため、ラクダの毛は敷寝具の素材としてかなり理想的です。とはいえ、かなり高価でお店での取り扱いも少ないため、私どものような寝具業界以外の人には、その特徴があまり知られていないのが現状です。
そこで本日は、
- 他素材と比較したキャメルの敷布団の特徴
- キャメルの敷布団を購入する前に知っておきたいQ&A
などについて解説していきます。
知見を広げ、より良い寝具選びの指針にしてください。
1. キャメル敷布団の特徴|他素材との比較
まず、以下の5つの点から、キャメル素材と他素材の敷布団を比較します。
寝心地や取り扱いのしやすさなど、大切なポイントです。
- サポート性(寝心地、体圧分散性)
- 吸湿性(ムレにくさ)
- 重さ(取り扱いの手軽さ)
- 洗濯(洗えるかどうか、洗いやすさ)
- 価格
イメージ | 体圧分散 | 反発弾性 | 吸湿性 | 放湿性 | 洗濯耐性 | 重量目安 | |
木綿 (綿/コットン) | ◯ | ◯ | ◎ | △ | △ | 6kg | |
ポリ エステル | ◯ | ◯ | △ | – | ◯ | 3.5kg | |
羊毛 (ウール) | ◯ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | 3.5kg | |
キャメル (らくだ) | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | 3kg | |
真綿 (絹/シルク) | ◯ | ◯ | ◎ | ◯ | △ | 3kg | |
ウレタン フォーム | ◯ | ◎ | △ | – | △ | 6kg |
(重さはシングルサイズのものの目安です。)
さあ、それでは次に、キャメル敷布団のより具体的な特徴について説明していきます。
1−1. キャメル敷布団は弾性にすぐれた快適な寝心地
羊毛と同じくキャメルの毛も、わたにするととても弾力性があるので、体圧をきちんと分散してくれる快適な寝心地です。
しかも、羊毛とは異なり、毛同士が絡み合って硬くなること(フェルト化)が少ないので、へたりにくく長くご愛用いただけます。ただ、「キャメル敷布団」として販売されているものであっても、それ一枚で畳の上で寝るにはサポート性が不十分に感じられると思います。重さが4kgの厚みのあるタイプであっても、1枚で寝るにはちょっと物足りないです。
シングルサイズで重さが8kgを超えるような極厚のものであれば、1枚で十分な寝心地になるかと考えられますが、そうすると値段が非常に高くなってしまいます。そのため、「キャメル敷布団」は、他の敷布団に重ねて敷いたり、マットレスの上でベッドパッドとして贅沢に使うことをおすすめします。
1−2. キャメル敷布団は他を圧倒する吸湿性でムレにくい
キャメルわたは敷布団やベッドパッドに使われる素材の中で、ダントツの吸湿性の高さを誇ります。
勘のいい方なら「羊毛の吸湿性もいいんだよね?」と思われているかもしれませんが、キャメルの毛の吸湿性は羊毛のそれよりも1.6倍も高いのです。また、キャメルの毛は、吸った湿度を吸ったままにせず、すばやく吐き出す「放湿性」にもすぐれています。
例えば、綿(コットン)は吸湿性はいいのですが、放湿性がよくないため、いつまでたってもべたっと湿ったままになります。
しかし、吸湿性・放湿性のどちらにもすぐれるキャメルの毛は、寝汗をよく吸い取り発散するので非常にムレにくく爽やかなのです。灼熱の砂漠で暮らすラクダともなると、効率よく体の熱を発散させなければなりません。そんな過酷な環境だからこその賜物なのです。
1−3. キャメルの敷布団は軽くはないが重くもない
標準的なシングルサイズのもので3kgです。吊り干しをするとしても、あまり苦に感じられない程度の重さだと思います。
1−4. キャメル敷布団の洗濯はクリーニング店で
キャメルの毛や羊毛などの獣毛類は、水に濡れたまま乾かすと縮んでしまいます。
そのため、クリーニング店でのドライクリーニングが推奨されています。ただ、設備の新しいクリーニング店では、素材を縮ませずに水洗いをすることが可能なようなので、まずは、あなたが利用しているお店と相談されることをおすすめします。
注意:ドライクリーニングでは皮脂などの油性の汚れを落とすことはできますが、寝汗などの水性の汚れを洗い落とすことができないため、水洗いでの洗濯が好ましいです。
1−5. キャメル敷布団の価格相場は
通常の厚み(3kg前後)のシングルサイズで6万円前後、厚めのもの(4kg)で7万円前後、とかなり高価です。
敷布団の中では、真綿(絹/シルク)についで高価(10万円以上)な素材になります。とはいえ、寝心地は価格通りなので、睡眠を見直したい方にとって高すぎることはないかと思います。
2. キャメルの敷布団を購入する前に知っておきたいQ&Aと注意点
先に紹介した特徴に加えて、以下のよくあるQ&Aと注意点をご覧ください。
2−1. キャメルの敷布団の寿命はどれくらい?
5年前後です。
ただ、敷布団やベッドパッドの寿命は、こまめに干しているかどうかによって大きく変わります。大切に使えば10年以上の使用も期待できます。また、長く気持ちよく使うためにも、2~3年に1度のペースでクリーニングできると理想的です。
2−2. キャメルの敷布団って打ち直し可能?
メーカーにより仕立て直しサービスが提供されていることがあります。例えば、キャメル敷布団で有名なイワタによると、
料金はいくらほどかかりますか? A. 新品価格の6割程度が目安になります。価格は製品の種類や生地、中わたの組み合わせによって異なります。(引用:イワタ公式HP)
とアナウンスしています。キャメル敷布団は高い買い物になるので、仕立て直しサービスを提供しているメーカーのものを購入することをおすすめします。
2−3. キャメルの敷布団ってダニが繁殖しやすい?
湿気を溜め込まない性質こそありますが、動物性素材ということもあり安心はできません。ダニやハウスダストに敏感な方は、こまめに干すことを怠らないようにしましょう。
2−4. キャメルの敷布団ってニオイがする?
価格の安いものは獣臭がします。
羽毛と同じように、動物の毛はその動物の油脂を含んでいるため、製造過程での洗浄が不十分だと動物の独特のニオイがします。ニオイに敏感な方は、洗浄工程についてしっかりと説明されているものを選ぶことをおすすめします。
2−5. キャメルの敷布団って夏に暑くなる?
保温性が高いので、暑い時期に使っていると、やや暑さを感じやすいです。基本的には、秋、冬、春のシーズンに使うものと捉えましょう。
2−6. キャメルの敷布団の保管方法
夏の間、キャメル敷布団を使わずに押入れにしまっておくなら、以下の2点を押さえましょう。
- しっかりと乾かす
- 不織布袋に入れる
このようなケアをして保管をしておかないと、ダニが繁殖してしまったり、虫に食われたりする恐れがあります。高価なものですので、大切に扱うよう心がけましょう。
最後に
キャメルの敷布団があなたに合っているかどうか、判断する目安になっていれば幸いです。
また、以下のページで綿、羊毛、ポリエステルなどの素材別に、腰・背中をリラックスさせて眠るためのサポート性、キレイに維持するための衛生性、日常生活を楽にするための取扱性、の3つの点から敷布団の選び方をご紹介しています。是非あわせてご参考にしてください。
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