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玉石混淆のポリエステル掛け布団の品質の考え方

「ポリエステルの掛け布団ってやっぱり安かろう悪かろうなの?」

このように聞かれることがありますが、簡単には答えられない質問です。

というのも、ポリエステルの特性を活かして使われていることもあれば、単にコストダウンのためにポリエステルが使われていることもあるためです。また、意外に思われるかもしれませんが、高機能ポリエステルであれば羽毛のような暖かさを比較的低コストで実現することも可能なのです。

そこで本日は「ポリエステル掛け布団の品質に対しての考え方」をご紹介します。

著者情報
加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。2,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。
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1. ポリエステル素材の掛け布団の品質の考え方

快適に眠るために掛け布団を選ぶなら、以下の2つの違いについて理解した上で、ポリエステルの掛け布団を選ぶようにしましょう。

  • 布団の側生地がポリエステルのものは非推奨
  • 布団の中材がポリエステルのものはOK

それぞれどういうことなのか、分かりやすく解説していきます。

1−1. 側生地がポリエステルのものはほぼ非推奨

側生地がポリエステル100%の掛け布団は、吸湿性が悪くムレやすくなり、布団の中が蒸れて寝苦しくなりがちなのであまりおすすめできません。

とても大事なことなので絶対に覚えていただきたいのですが、睡眠に最適な布団の中の温湿度(寝床内気象)は温度33℃、湿度50%ということです。

寝床内気象
寝床内気象

布団の中で体が汗でびっしょりになってしまう環境では、快眠を得ることはほぼ不可能でしょう。

側生地がポリエステルの掛布団は、値段が安く嬉しいポイントです。しかし、長期間使うことを考えると多少の費用は惜しまず、綿(コットン)などの素材を使用したものを購入することをおすすめします。

ちなみに、掛け布団やカバーの生地によく使われる素材を比較すると、以下のようになります。

素材イメージ柔らかさ滑らかさ 吸湿性  放湿性  耐久性  洗濯性 





綿
(コットン)
cotton1

(リネン)
linen1



(シルク)
silk1
羊毛
(ウール)
wool1




レーヨンlayon1

ポリ
エステル
polyester1

※側生地綿80%ポリエステル20%は悪いものではない

ただ、ポリエステルが全てダメという訳ではないので注意が必要です。

というのも、綿80%、ポリエステル80%などのような混率は、2つの繊維の良い部分と悪い部分を補い合うために使用されていることがほとんどです。例えば、綿は乾きにくく、しわになりやすいというデメリットがありますが、ポリエステルと混紡することで乾きを早くして、しわになりにくくすることができます。

側生地のポリエステルが20%前後であれば、そこまで問題ないと思います。

1−2. 中材にポリエステルが使われている3パターン

中材がポリエステルの掛け布団は悪くありません。むしろ、コストパフォーマンスの面から考えると、結構良いです。

ポリエステルの掛け布団が他の素材の掛け布団と比べてどうなのか、保温性(温かさ)、吸湿性(汗を吸い取る力)、放湿性(吸った汗の乾きやすさ)、ドレープ性(体へのフィットのし易さ)、そして価格の5つで評価すると以下のようになります。

素材画像 保温性  吸湿性  放湿性 ドレープ性価格目安
羽毛
(ダウン)
down-materials
羽根
(フェザー)
feather-material-for-quilt
ポリ
エステル
綿
(コットン)
cotton1
真綿
(絹/シルク)
silk1
羊毛
(ウール)
wool1

ただ、「中材がポリエステル」と言っても様々で、

  1. 一般的なポリエステルわた
  2. 高機能ポリエステルわた
  3. ポリエステルと他素材とのブレンド

などなど、大きく分けると3つのパターンがあります。これらの違いを知ることで、あなたが望む寝心地の掛け布団を選びやすくなります。

①一般的なポリエステルわた

ポリエステルわたに特に記載がなければ、「一般的なポリエステルわた」と認識すれば結構です。

価格が安い上に自宅で洗えるものがほとんどなので、高機能(保温性、調湿性)などを求めず、安くてほどほどのものがお望みであれば、悪くない買い物です。

綿、羊毛などの他素材よりは若干ムレやすさがありますが、暑がりで代謝が高い人でなければ気にならないと思います。また、布団に入ってから中が温まるのにやや時間がかかるので、真冬の寒さに弱い人はこの点を念頭に置いてお選びください。

②高機能ポリエステルわた

中空ポリエステル(ストローのように繊維の内部に穴が空いているため保温性が高い)や、吸湿発熱ポリエステル(湿気を吸収して暖かくなる)などのような高機能ポリエステルが存在します。

一般的なポリエステルと比べるとやや高価になりますが、羽毛のような暖かさを羽毛よりも低価格で実現するものもあります。天然繊維へのこだわりがなければ冬用の掛け布団としておすすめです。

③ポリエステルと他素材のブレンド

例えば、ポリエステル50%、テンセル®︎50%だったり、ポリエステル50%、羊毛(ウール)50%のように、ポリエステルに足りない吸湿性を補うために、他素材がブレンドされた掛け布団があります。

これらの多くは2層構造になっており、体に近いほうにテンセル®︎や羊毛の層があるため、ムレにくく快適に寝られますし価格を手頃です。

寝心地と価格面のバランスがよくオールシーズンおすすめできます。


最後に

ポリエステルの掛け布団と一口に言っても様々あり、どのような選び方をすればいいのかご参考になったことと思います。

あなたが満足できる一品を選ぶ参考になっていれば幸いです。

なお、以下のページで最高の掛け布団を選ぶために考えるべきポイント(素材の特徴、保温性、吸湿性、)とおすすめの掛け布団について解説しています。是非あわせてご参考にしてください。

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