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他素材との比較でよくわかる!木綿100%の掛け布団の特徴

幼い頃から慣れ親しんだ木綿(コットン)100%の掛け布団。

寝心地は好きなものの、新しく掛け布団を買い換えるタイミングになって「あれ、木綿の掛け布団って他の素材の掛け布団に比べて何がいいんだろう?」と疑問に感じてはいないでしょうか?

木綿布団があなたにぴったりであれば幸いですが、もしかすると他の素材のほうがあなた好みでより快眠できる可能性もなくはありません。

そこで本日は「他素材との比較でよくわかる!木綿100%の掛け布団の特徴」についてご紹介します。

著者情報
加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。2,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。
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1. 木綿100%掛け布団の特徴を他の素材と比較

まず最初に、木綿布団が他の素材のものと比べてどうなのか、以下の5つのポイントで評価しました。

  1. 保温性(温かさ)
  2. 吸湿性(汗を吸い取る力)
  3. 放湿性(吸った汗の乾きやすさ)
  4. ドレープ性(体へのフィットのし易さ)
  5. 価格
素材画像 保温性  吸湿性  放湿性 ドレープ性価格目安
羽毛
(ダウン)
down-materials
羽根
(フェザー)
feather-material-for-quilt
ポリ
エステル
綿
(コットン)
cotton1
真綿
(絹/シルク)
silk1
羊毛
(ウール)
wool1

よく「重さ」も掛け布団の比較の評価対象にされることがありますが、これに関しては思うところがあるので、1−8で個別に解説します。

それでは次に、5つのポイントについて細かく解説していきます。

1−1. 木綿100%掛け布団の保温性はそこそこあるが手入れなしには維持できない

ふわっとした木綿わたはその中に空気を溜め込むことができるので保温性は十分あります。

ただ、木綿わたは湿気によりへたりやすく乾きにくい性質があります。木綿わたが湿ってしまうと空気を抱え込めなくなってしまうので、保温性は下がってしまいます。ぺしゃっとへたった木綿布団が寒く感じられるのはこのためです。

cotton

木綿布団の保温性を保つには干して吸った湿気を吐き出せるしかありません。可能であれば2,3日に1度、少なくとも1週間に1度は日陰干しをするようにしましょう。

1−2. 木綿100%掛け布団の吸湿性は◎!蒸れにくく快適

木綿掛け布団の吸湿性は高いです。

新陳代謝の高い暑がりの方でも蒸れにくく快適に眠りやすいです。

1−3. 木綿100%掛け布団の放湿性は良くないためこまめな手入れが必要

ただ、放湿性が非常に低いのが木綿素材のデメリットです。

つまり、汗を吸うまでは良いが、なかなか乾かないということです。そして、乾かないことには保温性は低いですし、汗をさらに吸うことは出来ないということです。なので、快適に使うためにこまめに日陰干しなどの手入れが必須になるのです。

wet

1−4. 木綿100%掛け布団のドレープ性は十分良し

体へのフィット感も同じくです。

干した後のふかふかの状態の木綿掛け布団は体にフィットしやすいので寝心地が不快になることはまずありません。ただ、寝汗により湿気ると徐々にフィット性が悪くなってくるので、その前に日陰干しをするようにしましょう。

Laundromat

また、木綿掛け布団は洗濯機やコインランドリーで洗ってしまうと、中の木綿わたが絡み合ってしまいダマになります。そうすると木綿わたが偏ったりボコボコになってドレープ性がかなり悪くなります。洗濯はクリーニング店に依頼するようにしましょう。

1−5. 木綿100%掛け布団は安くはないが高くもない価格

木綿100%掛け布団の価格はシングルサイズで10,000円前後のものが多いです。

ポリエステル素材の掛け布団と比べると高めですが、羽毛・羊毛素材の掛け布団と比べるとかなり安い価格帯です。こまめな手入れができる人には良い選択肢かと思います。

1−6. 木綿100%の掛け布団のメリット・デメリットのまとめ

上記の◎◯△の評価を実際の使用感としてわかりやすく、具体的にメリット・デメリットに分けて説明していきます。

  • 繊維と繊維の間に空気を含むため冬でも十分な温かみがある
  • 綿素材は吸水性にすぐれるので布団の中がムレにくく快適に眠れる
  • ポリエステルよりは高いが比較的安価
  • 打ち直しをすることで長く使える

十分な温かみがあり、汗の吸収もいいので、使い心地としては申し分ないです。価格も手頃で4~5年に1度、定期的に打ち直しをすれば、10年20年30年と使えるので、経済的とも言えます。次に、木綿掛け布団の芳しくない点をあげると、

  • 綿素材は放湿性が悪いため湿気りやすい
  • 湿気るとふかふか感がなくなる
  • 湿気ると保温性も低下する
  • 湿気るとダニやカビが繁殖しやすい
  • 湿気らせないためには週に1~2の日陰干しが必要
  • 低品質な綿が使われた安価なものは糸ボコりが出やすい

木綿布団のデメリットをまとめると、湿気りやすいことと、湿気ってしまうと使用感が悪くなってしまうこと、そして、湿気らせないためにはこまめなお手入れが必要になることです。

1−7. 木綿100%の掛け布団をおすすめか?

十分な温かみもあり、汗の吸い取りにすぐれており、ふかふかで気持ちいいので使用感は十分です。

なので、それを維持するためにきちんと週に1~2度、日陰干しをすることができる方にはおすすめです。

1−8. 掛け布団が重いのはデメリットになり得ない(?)

「木綿の掛け布団は重いからダメ」と言われることがありますが、私はその考えには疑問を感じます。

例えば、木綿100%の掛け布団はシングルサイズ(150×200cm)で4kg前後あります。対して、同サイズの羽毛の掛け布団(ダウン90%フェザー10%)は2.3kg前後です。

なので、純粋に比較をすると、木綿布団は重いです。ただ、掛け布団が重いがために睡眠の質が下がるのかというと、話は別です。というのも、動物学者であるテンプル・グランディン女史の研究で、圧迫を与えることでリラックス状態を生むと報告されており、実際に、重さが10kgもあるブランケットが販売されてもいるためです。

この分野はまだ研究が十分ではないと思いますが、一つ言えることは、「掛け布団が重い=睡眠の質を下げる」ではないことで、あなたの好みを大切にするべきです。


2. 木綿100%の掛け布団によくある疑問

それでは次に、木綿掛け布団の購入前後で気になるポイントについてご紹介します。

2−1. 綿とポリエステルが混ぜられた掛け布団ってダメなの?

「綿とポリエステルをブレンドしています」というと安い素材を使って嵩増ししているように取られることが多いですが、そんなことはありません。これにはきちんとした理由があります。

1つ目の理由に、掛け布団を軽くするためです。やはり、人によっては4kgの掛け布団は重く感じられることがあり、綿に比べて軽量であるポリエステルを混ぜることで3kgくらいまで下げることが下げられるからです。押入れから出し入れをしたり、吊り干しをすることを考えると、1kg軽いだけでも大助かりですからね。

2つ目に、渇きを早くするためです。ポリエステルを混ぜることで、掛け布団の乾きが早くなるので、吊り干しをする時間の短縮ができます。

3つ目に、価格を下げられからです。綿素材よりもポリエステル素材のほうが安価なため、よりお手頃な価格に設定できるのは販売者にとっても購入者にとっても嬉しいことだと思います。

2−2. 木綿掛け布団のお手入れのコツとは?

お手入れが大変なのが木綿のかけ布団のデメリットですが、いくつかコツがあるのでもしあなたが購入予定ならお試しください。

朝起きたら掛け布団をめくったままにしておく

布団の内側を乾燥させる
布団の内側を乾燥させる

朝起きたらすぐに布団を押入れにしまわずに、30分くらいは上のイラストのようにして布団の内側を乾燥させてましょう。起床時の布団は寝汗で湿気っているので、すぐに押入れにしまうとダニとカビの繁殖の原因になります。

黒い布団干しカバーに入れて干す

布団の天日干しは禁止です。側生地が日焼けしてしまい、糸ボコりが発生する原因になります。そのため、できるだけ日陰干しをおすすめします。しかし、日陰干しが出来ない、もしくは、天日干しの後のふっかふかの布団が好きという場合は、以下のような布団干し袋に入れて干すことをおすすめします。

2−3. 掛け布団にカバーっているの?

掛け布団にカバーは必須です。

カバーを付けないと掛け布団が汚れやすくなりますし、肌と直接触れるので肌触りやムレ感に大きく影響します。カバーを良くするだけで、布団のランクが上がったかのようにすら感じられます。

こちらのページ『超熟睡!布団カバーのおすすめの選び方【素材と生地が命】』で掛け布団カバーの上手な選び方とおすすめ品を紹介しているので、あわせてご参考にしてください。


最後に

木綿の掛け布団があなたに合っているかどうか、ご参考になっていれば幸いです。

なお、以下のページで最高の掛け布団を選ぶために考えるべきポイント(素材の特徴、保温性、吸湿性、)とおすすめの掛け布団について解説しています。是非あわせてご参考にしてください。

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