【専門家監修】通気性が気になる人の高反発マットレスの選び方

  更新日:

【専門家監修】通気性が気になる人の高反発マットレスの選び方

高反発マットレスを比較検討するとき「通気性が良いものがいいな」と考えたことはないでしょうか。

結論から言うと、通気性についてはひとまず考慮せず、ほかの点(硬さや体圧分散性、厚み、サポート性、耐久性、コスト感など)を軸に高反発マットレス選びを進めることをおすすめします。

本日はその理由についてご説明します。

※高反発マットレスの種類別の特徴、スペックを比較した選び方などついてこちらのページ「【高反発マットレスのおすすめ5選】特徴をもとにした選び方」で徹底解説しています。通気性だけでなくより網羅的なマットレス選びの情報をお探しでしたらあわせてご参考にしてください。

1. 各種高反発マットレスの通気性と寝心地の評価

なぜ高反発マットレス選びにおいて通気性を度外視するべきなのかと言うと、以下の3つの理由のためです。

  1. ほとんどの高反発マットレスは通気性があまり良くないから
  2. 通気性が良くなくても敷きパッドを敷けばほぼ問題なくなるから
  3. 通気性がよい高反発マットレスは寝心地に難があるから

一体どういうことなのかご理解いただくために、一般的に高反発マットレスと呼ばれる3種類のマットレス(高反発ウレタンマットレス、高反発ファイバーマットレス、高反発コイルマットレス)の通気性と寝心地などをそれぞれ評価をしながら説明していきます。

まずは下のチャートを見比べてみてください。

高反発ウレタン
マットレス
高反発ファイバー
マットレス
高反発コイル
マットレス
画像 regular-foam air-fiber pocket-coil
長所
  • 体圧分散性◯
  • サポート性◯
  • 横揺れ◯
  • 手入れ◯
  • 搬出入・設置◎
  • 安価
  • 家庭ゴミ
  • サポート性◯
  • 通気性◎
  • 手入れ◎
  • 水洗い◎
  • 搬出入・設置◯
  • やや安価
  • 家庭ゴミ
  • 体圧分散性◯
  • サポート性◎
  • 横揺れ◯
  • 通気性◯
  • 手入れ◎
  • クリーニング可能
短所
  • 通気性△
  • 水洗い△
  • クリーニング不可
  • 体圧分散性△
  • 横揺れ△
  • クリーニング不可
  • 水洗い△
  • 搬出入・設置△
  • やや高め
  • 粗大ゴミ

1-1. 高反発ウレタン素材

まず第一に、ウレタンフォームの通気性はあまりよくありません。

しかもその上、側生地がポリエステル100%ニット生地のものが多く、そのまま寝たら通気性も吸湿性も悪くて蒸れて寝苦しくなってしまう高反発マットレスが大半です。ただ、そんな高反発マットレスであっても、上に一枚敷きパッドをしけばほぼムレ感に悩まされることなく寝られます。

敷きパッド ベッドパッド ベッドシーツ トッパー プロテクター
画像 shiki-pad1 bed-pad1 bed-sheet1 mattress-topper1 mattress-protector1
役割
  • 肌触りの改善
  • 温湿度の調整
  • マットレスの汚れ防止
  • 肌触りの改善
  • 温湿度の調整
  • おしゃれ
  • 体圧分散改善
  • マットレスの
    汚れ防止
厚み 1~2cm前後 3~4cm前後 5mm前後 3~5cm 5mm前後
温湿度調整 ×
汚れ防止
洗濯 ×
体圧分散性 × ×

もちろん、吸湿性のすぐれた素材が使われた敷きパッドであることが大前提ですが、敷きパッドを使うとなればマットレスの通気性が悪くとも、吸湿性が悪くとも解決できることなのです。

さらに言ってしまうと、汚れ対策などの観点からも高反発マットレスに敷きパッドは無くてはなりません。このような理由から、通気性の低さが欠点であるものの、度外視してもよいと伝えているのです。

素材 イメージ 柔らかさ 滑らかさ 吸湿性 放湿性 耐久性 洗濯性





綿
(コットン)
cotton1

(リネン)
linen1



(シルク)
silk1
羊毛
(ウール)
wool1




レーヨン layon1

ポリエステル polyester1 -

1-2. 高反発ファイバー素材

対して、高反発ファイバー素材の高反発マットレスは側生地にポリエステル3Dメッシュ生地が使われることが大半で、中材も側生地も通気性抜群です。

ニット生地 パイル生地 起毛生地 3Dメッシュ生地
画像 knit-fabric pile-fabric plush-fabric
特徴
  • スムースな肌触り
  • 通年快適に使える
  • オールマイティな使用感
  • タオルのような肌触り
  • 汗をよく吸収する
  • 通年使える
  • ふわっとした肌触り
  • 暖かみがある
  • 夏には不向き
  • 通気性が良い
  • 夏に涼やか
  • 乾きやすい

ただ、高反発ファイバー素材はその通気性の良さを存分に発揮させようとすると、上に何も敷かずに寝なくてはなりません。敷きパッドなしで高反発マットレスを使うと汚れた時の処理がかなり面倒です。側生地は洗濯機で洗えますが、高反発ファイバー素材をお風呂場などで洗うのはかなり手間がかかります。

しかも、高反発ファイバー素材は硬めの寝心地の上、面で支える構造のため体圧分散性に難があるものが多いです。腰にくびれがあるとフィット感が悪く腰を痛める恐れがあります。

硬すぎるマットレスは腰に圧迫を与える
硬すぎるマットレスは腰に圧迫を与える

なお、高反発ファイバーの通気性の良さは夏には利点ですが冬には難点になります。そう、通気性がよすぎて布団内が暖かくなりにくいのです。このような理由から、高反発ファイバー素材の高反発マットレスにも敷きパッドが必要になるのです。

と、なると、寝ている人のムレ感などは敷きパッドに左右されることになり、通気性を考慮することがあまり意味なくなってしまうのです。

1-3. コイルスプリング素材

ボンネルコイル、ポケットコイルなどのマットレスは通気性が良いと言われることがありますが、それはマットレス内部の話であって寝ている人に直接的に通気性の良さを感じることはありません。

というのも、コイルスプリングは通気性が良いですが、その上にクッション剤としてウレタンフォームなどが使われているので、結局はウレタンフォームが寝心地に影響を与えているからです。

詰め物の素材が吸湿性を決める
詰め物の素材が吸湿性を決める

もちろん、側生地も大事です。高価なコイルスプリングマットレスは吸湿性に優れた繊維を使ったり、羊毛わたなどをサンドイッチした生地を使うので蒸れにくいといえば蒸れにくいです(とはいえ高反発ファイバー素材の蒸れにくさには及びませんが)。

そのため、敷きパッドが必要になるのです。しかも、コイルスプリングマットレスの側生地は外すことが不可能なので、汚れたら洗浄クリーニングをせざるを得ません(少なくとも1万円ほどかかります)。結局のところ、敷きパッドが必要になるのです。

2. 通気性が悪いマットレスを使い続けるとどうなる?

マットレスは毎日の睡眠に欠かせない寝具ですが、通気性の悪いものを長期間使い続けると、湿気や寝汗がこもりやすくなり、さまざまなトラブルを引き起こします。

ここでは、通気性の悪いマットレスを使い続けることで起こり得る具体的なデメリットを解説します。

2-1. カビやダニの繁殖リスク

通気性が悪いと寝汗や湿気がこもりやすく、カビやダニが繁殖しやすくなります。特に梅雨や夏場は高温多湿の環境が重なり、アレルギーやかゆみの原因につながります。

2-2. 蒸れによる寝苦しさと睡眠の質低下

湿気が抜けず蒸れることで深い眠りを妨げ、寝苦しさが増します。適切な体温調整ができないため、快眠の妨げになります。

2-3. マットレス自体の劣化

湿気を含んだ状態が続くと、スプリングのサビやウレタン・ラテックスの反発弾性低下を招きます。体圧分散性が落ち、腰や背中に負担がかかる原因になります。

2-4. 不快な臭いや衛生面の悪化

通気性が悪いマットレスは臭いがこもりやすく、防臭性も低下します。長期的に使用すると、カビ臭や寝汗によるニオイが気になることも少なくありません。

3. 夏に通気性の高いマットレスを選ぶなら?

夏に快適に眠るためには、通気性に優れたマットレスを選ぶことが重要です。空気の通り道があるボンネルコイルや側生地がメッシュのものは、寝汗や湿気を素早く放湿でき、蒸れを防ぎます。

ファイバーマットレスや高反発ウレタンでも通気性を意識したタイプなら、体圧分散性を保ちながら快適です。さらに、冷感敷きパッドや除湿シート、すのこベッドと組み合わせれば、夏場の高温多湿対策に効果的で、衛生的な睡眠環境を保てます。

最後に

敷きパッドが必須であることから、高反発マットレスの「通気性」はあまり寝心地を左右しないことをご理解いただけたかと思います。

なお、以下のページで、最高の寝心地の高反発マットレスを選ぶポイント(弾力性、硬さ、厚み、生地、耐久性など)とおすすめブランドを紹介しているのであわせてご参考にしてください。

関連記事:アフィリエイトなし!高反発マットレスのおすすめ3選と選び方

また、「高反発マットレス」に関するページを以下にまとめましたので、気になるトピックがあればあわせてご参考にしてください。

■あわせて読んでおきたい「高反発マットレス」の記事

①最高の高反発マットレスを選ぶ5つのポイントとおすすめブランド
②高反発マットレスとは|素材別の特徴と寝心地を解説
③低反発と高反発の違い、あなたに合うマットレスはどっちか
④高反発マットレスが原因で腰痛に。避けるための3つの知識
⑤高反発マットレスの厚みと硬さは「体重」を元に考える
⑥高反発マットレスのニュートン数をアテにしたらダメな理由
⑦高反発マットレスは「密度」=「耐久性(寿命)」
⑧高反発マットレスの表面、フラットとプロファイルの違いとは
⑨賢くお買い得に!高反発マットレス7つの比較ポイント
⑩高反発マットレスの通気性には期待してはいけない理由
⑪高反発マットレスはやっぱり三つ折り?メリットとデメリット
⑫高反発マットレスに敷きパッドは必須!季節別の選び方
⑬お店でマットレスの試し寝をする時の5つのチェックポイント
⑭マットレスでシングルサイズを選ぶ時の注意点
⑮【高反発マットレスVS敷布団】特徴と寝心地の違いとは
⑯高反発マットレスのダニ対策!素材別に解説
⑰高反発マットレスが臭い?その原因と対策について
⑱高反発マットレスのお手入れ方法
⑲高反発マットレスを処分!賢く安く捨てる方法

よくある質問

Q1. 通気性の悪いマットレスを使うとどうなる?

A.通気性の悪いマットレスを使い続けると、湿気や熱がこもりやすくなり、さまざまなトラブルの原因になります。特に起こりやすいのは以下のような問題です。

  • 汗や湿気が抜けず、寝苦しさを感じやすくなる
  • 内部に湿気がたまり、ダニやカビの温床になる
  • マットレスが劣化しやすく、寿命が短くなる
  • 夏場は蒸れやすく、快眠の妨げになる

とくにフローリングや畳に直置きする場合は、通気性の悪いマットレスでは底面にカビが生えるリスクが高まるため注意が必要です。

Q2. 夏におすすめの通気性が高いマットレスは?

A.夏に快適に眠るためには、通気性が高く、熱がこもりにくい素材のマットレスを選ぶのがおすすめです。とくにおすすめのタイプはこちらです。

  • 三次元ファイバー素材(エア系マットレス)
     → 空気の通り道が多く、湿気や熱をすばやく逃がしてくれる
  • 通気孔入りの高反発ウレタンマットレス
     → フォーム内部に通気構造があり、ムレを軽減
  • ラテックスマットレス(通気孔付き)
     → 弾力性がありながら、通気性が確保されたモデルも

あわせて接触冷感の敷きパッドやシーツを併用することで、夏の寝苦しさ対策に効果的です。

Q3. マットレスの通気性はシーツで変わるの?

A.はい、マットレスの通気性は、上に敷くシーツの素材や厚みによって大きく左右されます。たとえば、

  • 通気性の高い素材(麻・ガーゼ・テンセルなど)を使えば、湿気や熱がこもりにくくなる
  • ポリエステル100%のシーツは速乾性がある反面、通気性がやや劣ることもある
  • 厚手のベロアやマイクロファイバー素材は冬向きで、夏場はムレやすい

つまり、マットレス自体の性能に加えて、季節や体質に合わせたシーツ選びも通気性の快適さに直結します。

商品を絞り込む
種類
お悩み
機能性
季節
シーン
素材
価格
-
絞り込み結果:
絞り込む