低反発マットレスで腰痛にならない選び方|専門家が徹底解説

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低反発マットレスで腰痛にならない選び方|専門家が徹底解説

こんにちは、加賀照虎です。

  • 「低反発マットレスの柔らかさが好き」
  • 「だけど、腰痛になりやすいと聞いて迷っている」

マットレスを販売していると、このような声をよくいただきます。

たしかに低反発マットレスはその性質上、腰を痛めやすくなっています(特に低品質なものだと)。

しかし、突きつめて考えると、低反発マットレスで腰痛を起こす原因は2つしかありません。なので逆にいうと、その2点を避ければいいのです。たったそれだけで 低反発マットレスであっても快適に眠れるものを選べられるようになるのです。

ということで本日は、

  • 低反発マットレスで腰痛になる理由
  • 腰痛にならないための腰痛対策として低反発マットレスを選ぶコツ2つ
  • おすすめの低反発マットレス

についてご紹介していきます。

「低反発マットレスを買いたいけど腰痛になると聞いて迷っている」という方はぜひ参考にしてみてください。

※低反発マットレスの特性を踏まえた選び方についてこちらのページ「【腰に嬉しい】低反発マットレスのおすすめ5選と専門的選び方」で徹底解説しています。スペックを理解して比較検討したい方はあわせてご参考にしてください。

1. 低反発マットレスで腰痛になる理由

低反発マットレスで腰を痛めてしまう理由は、以下の2つです。

  • 腰がマットレスに沈み込みすぎるため
  • (必要な)寝返りがしにくくなるため

それでは1つずつ、どういうことか分かりやすく説明します。

1-1. 腰が沈み込みすぎるため

人の背骨はゆるやかなS字にカーブしています。

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背骨のS字カーブ

約6kgもある重い頭を効率よく支えるための構造です。

そして、この湾曲した背骨に負荷をかけない寝姿勢で眠ることが、快眠する上でとても大切なのです。

しかし、質の悪い低反発マットレスで寝ると、腰が沈み込みすぎた状態になってしまいます。

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マットレスに身体が沈み込んでいる例

この寝姿勢だと、人の背骨の自然なS字カーブが不自然に曲がった状態になってしまいます。

約7時間、眠っている間中ずっとです。

そのため、腰の筋肉が緊張してこり固まり、血行が悪くなり、疲労物質がたまることで腰痛につながるのです。

1-2. 寝返りがしづらいため

さらに、低反発マットレスでは寝返りがしづらいことも腰痛の大きな原因です。

沈み込みが適度な低反発マットレスだとしてもやはり、体が沈み込んでいると寝返りはしづらくなります。

寝返り
寝返り

「体圧分散性が良いから、そもそも寝返りをする必要すらないのでは?」

このような意見もありますが、私はこの意見に対して疑問です。

というのも、ちょっと想像してみてください。

いかに座り心地の快適な椅子に座っていても、たった10分だけでも同じ姿勢を維持しているだけですごくキツくなりますよね。一定の部位に体重がかかり続け、筋肉は緊張して疲れ、まるで拷問のような苦しさになります。

寝返りができないと、約7時間そのような状態になるのです。

そのため、腰痛を起こす原因になるのです。もちろん、腰以外にも背中・首を痛める原因にもなりえます。

2. 低反発マットレスと高反発マットレスの違いと腰痛への影響

マットレスを選ぶうえで悩みやすいのが「低反発」と「高反発」のどちらが自分に合うかという点です。寝心地や腰への負担、体圧分散性など、それぞれの特徴によって向き・不向きが分かれます。

ここでは、低反発マットレスと高反発マットレスの素材や反発力の違い、腰痛への影響、そしてどんな人にどちらが向いているのかを詳しく解説します。

2-1.素材と反発力の違い

低反発マットレスは、主に反発力の低い(反発弾性15%未満)ウレタンフォームを素材に使用しています。体が沈み込みやすく、寝ると身体の形に沿ってゆっくりと沈むため、包み込まれるような柔らかな寝心地が特徴です。圧力が分散されやすい一方で、寝返りが打ちづらく、体が沈み込み過ぎることがあります。

一方、高反発マットレスは主にウレタン、ラテックス、スプリングなどの反発力が高い素材を使っています。寝返りがしやすく、体が沈み込みすぎないため、腰や背中が適度に持ち上げられ、理想的な寝姿勢をキープしやすいのが特徴です

2-2.腰痛持ちにおすすめなのは高反発マットレス

腰痛持ちの方には高反発マットレスが特におすすめです。反発力の高い素材によって体をしっかりと支え、沈み込みすぎを防ぐことで、腰や背中への負担を軽減しやすくなります。

また、寝返りがしやすいことも大きなメリットで、同じ姿勢が続いて筋肉がこわばるのを防ぎ、快適な睡眠環境をサポートします。

2-3.それぞれに向いている人のタイプ

低反発マットレスは、やわらかく体を包み込む寝心地を求める方や、体圧分散を重視したい方に向いています。肩や腰への圧迫をやわらげたい人、小柄な方、沈み込みが気にならない人におすすめです。また、折りたたみやすく収納しやすいので、スペースを有効活用したい方や来客用にも便利です。

高反発マットレスは、しっかりとした支えや弾力を重視する方、寝返りが多い方、腰痛が気になる方に適しています。体が沈み込みにくく、自然な寝姿勢を保ちやすいので、体格がしっかりした方や耐久性・通気性を求める方にもおすすめです。

3. 低反発マットレスを使って腰痛が悪化した人の事例と対策

ここからは、低反発マットレスを使って腰痛が悪化した人の事例と対策について紹介します。

3-1. よくある失敗例

低反発マットレスで腰痛が悪化するよくある失敗例として、体格がしっかりしている人や腰痛持ちの方が深く沈み込みすぎてしまい、腰への負担が増してしまうケースが挙げられます。

柔らかい低反発マットレスは体のラインに沿って沈むため、仰向けで寝たときに腰が十分に支えられず、背骨のカーブが崩れてしまいがちです。その結果、朝起きたときに腰痛がひどくなったと感じることも少なくありません。

3-2. 低反発マットレスの間違った使い方と対処法

低反発マットレスで腰痛が悪化する主な原因のひとつは、へたった敷布団の上に重ねて使うなど、安定しない土台と組み合わせているケースです。土台が不安定だとマットレスごと体が沈み込み、正しい寝姿勢が保てず腰に負担がかかりやすくなります。

また、低反発の上にさらに布団を重ねると、マットレス本来の体圧分散性が活かせず、腰痛の改善が期待できません。こうした場合は、へたった敷布団は新しいものに替える、マットレストッパーやベースを使って寝姿勢が安定するよう工夫するなどの対処が有効です。

マットレスはできるだけ平らな場所に敷き、必要に応じてサポート性の高いトッパーや土台を活用しましょう。

4. 腰痛にならないための低反発マットレスを選ぶ2つのコツ

  • 「低反発マットレスだと腰痛になりやすいのはわかった」
  • 「しかしそれでも、あの柔らかさが好きなんだ」
  • 「どうにかして腰に良いものを選べないのか」

このようなお気持ちは分かります。そこで次に、腰を傷めにくい低反発マットレスの選び方をご紹介します。

4-1. 腰が沈み込みすぎないものを選ぶ

腰が沈み込みすぎず、背骨が自然なS字カーブを維持していられることが鉄則です。

理想的な寝姿勢
理想的な寝姿勢

体格差もあるので様々な低反発マットレスを実際に寝比べ、あなたに合うものを探すのが最善策です。

他にも各メーカーの考えを知ることも有効です。

例えば、テンピュール®社のウェブサイトには、体が沈み込み過ぎないようにウレタンの構造に工夫を凝らしているとの記載があります。このように、研究開発をきちんと行っているメーカーの低反発マットレスであれば体を痛めることなく安心して眠れるだろうと考えられます。

もしくは、多層構造で低反発フォームが表面に数センチあるだけのものもおすすめです。こういった構造のものだと低反発の寝心地でありながらも腰が沈み込みすぎる心配がなくなります。写真のものは自社商品になるため恐縮ですが、ふわっと快適でおすすめの一品です。

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多層構造のウレタンフォーム

4-2. 薄いものを選ぶ

もう1つのおすすめの選び方が、薄めのものを購入することです。

そして、今お使いのマットレス・敷布団の上に重ねて使うことです。というのも、薄めの低反発マットレスを上面にして重ね使いする場合、そもそも体が沈み込みすぎる余地がなく最低限の沈み込みになるので、寝返りがしづらいということもほとんど起こらないからです。そのため、腰を痛める原因を避けつつ、低反発マットレスの使用感を堪能できます。

しかしもし、現在ご使用中のマットレス・敷布団が柔らかいタイプだったり、腰の辺りがへたっていたりすると、腰が沈み込むようになるのでこの方法はおすすめできません。

5. 腰痛持ちのための正しい寝姿勢とマットレスの使い方

毎日何気なくとっている寝るときの姿勢や、長年使っている寝具が、実は腰の負担を大きく左右していることも少なくありません。

ここでは、仰向け・横向き・うつ伏せ寝それぞれの姿勢による腰への影響や、腰痛の予防・緩和に役立つマットレスや枕の選び方、さらに、寝ている間でも腰をいたわるためのちょっとした工夫について解説します。

5-1. 仰向け・横向き・うつ伏せの良し悪し

うつ伏せ寝は腰椎が反り返りやすく、腰への負担が大きくなるため、できるだけ避けたほうがよいでしょう。また、痛みがある側を下にして寝ると、筋肉の緊張や血流の悪化を招きやすくなるので注意してください。

仰向けで寝る場合は、体圧が均等に分散されるため、一般的には腰への負担が少なくなります。ただし、反り腰の方が足を伸ばしたまま仰向けで寝ると、かえって腰に痛みを感じやすくなることがあります。

一方、横向き寝は腰への負担をやわらげやすい寝方です。膝を軽く曲げて背中を丸めることで、腰の筋肉の緊張がほぐれやすくなります。

5-2.寝具との合わせ方

腰痛をお持ちの方が快適な睡眠を得るには、寝姿勢だけでなく寝具選びにも気を配ることが大切です。特に意識したいのは「寝返りのしやすさ」です。

寝返りは睡眠中に体の緊張を和らげ、血流を促す役割があります。もし寝返りが打ちづらい寝具を使っていると、腰や背中の筋肉が固まりやすくなり、朝起きたときの痛みの原因になってしまいます。

マットレスや敷布団は、柔らかすぎず適度な反発力のあるものを選んでください。柔らかい寝具では体が沈み込みやすく、寝返りも難しくなります。購入当初は問題なくても、使い続けるうちにへたりが進んでサポート力が落ちてしまうことがあるため、違和感を覚えたら早めの買い替えを検討するとよいでしょう。

また、枕選びも腰痛対策には欠かせません。枕が高すぎると首が反り、低すぎるとあごが上がりやすくなり、どちらも首や背中に余計な負担がかかります。仰向けで寝る場合は、あごがわずかに引ける高さ、横向きで寝る場合は顔が敷布団と平行になる高さを目安に選んでください。

このように、寝返りの打ちやすさを重視し、体に合った寝具を選ぶことで、腰痛の悪化を防ぎ、朝の目覚めも心地よくなります。

5-3.睡眠中の姿勢改善法

仰向けで寝るときは、膝の下にクッションを敷くと骨盤や背骨の負担が減り、腰が楽になります。特に反り腰の方は、腰と敷布団のすき間に丸めたタオルを入れて支えると、筋肉の緊張が和らぎます。ただし、タオルの厚みは違和感のない程度に調整しましょう。

横向きで寝る場合は、足を軽く曲げて背中を丸め、両膝の間に少し硬めのクッションやバスタオル、枕を挟むと骨盤が安定し、腰への負担を軽減できます。横向きは肩が内側に入りやすい(巻き肩)ので、抱き枕などを活用し、体の力が抜ける姿勢を心がけてください。

6. 私のおすすめの低反発マットレス2選

6-1. 快眠タイムズマットレス

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快眠タイムズマットレス3.0
型・種類 ノンコイルベッド/ハイブリッドマットレス
厚み 20cm
硬さ ふつう
送料 無料
返品保証 5年
トライアル 100日
サイズ・重量 シングル: 98×195×20cm・約15kg、セミダブル: 118×195×20cm・約18kg、ダブル: 138×195×20cm・約21kg、クイーン: 158×195×20cm・約25kg、キング: 約幅178×長さ195×厚さ20cm、約28kg
価格 シングル: 55,000円、セミダブル: 65,000円、ダブル: 75,000円、クイーン: 85,000円、キング:95,000円
リンク 商品ページ

体圧分散性

反発弾性

通気性

吸放湿性

お手入れ

ふわふわ低反発、もちもち高弾性、しっかり高反発の三層構造で作られたマットレスです。

自社製品のため手間味噌ですが、低反発のふんわりした当たりでありながらも体が沈み込み過ぎない構造になっているためおすすめです。

6-2. テンピュール トッパー デラックス3.5

テンピュール®トッパーデラックス3.5
テンピュール®トッパーデラックス3.5
型・種類 ノンコイル/低反発マットレストッパー
厚み 3.5cm
硬さ 柔らかめ
送料 無料
返品保証 -
サイズ・重量 シングル: 97×195×3.5cm・約8.6kg
価格 シングル: 32,500円
リンク 商品ページ

テンピュール®社の薄型低反発マットレスです。

上記の2つの条件に当てはまる低反発マットレス(トッパー)です。低反発の独特の柔らかな使用感を残しつつも沈み込みすぎないよう配慮された素材です。まずはこのテンピュール®トッパーデラックス3.5を今使っているマットレス・敷布団の上に敷いて使ってみることをおすすめします。
寝心地を一気に変えられます。もちろんご使用中のマットレス・敷布団にへたりがある場合は、それが原因で腰が沈み込みすぎてしまうことがあるのでご注意ください。

まとめ

低反発マットレスで腰痛になる原因は、1. 腰がマットレスに沈み込みすぎるため、 2.(必要な)寝返りがしにくくなるため、この2つに尽きます。なので、もしあなたが低反発の使用感が好みで低反発マットレスを使いたい場合は、これら2点を避けたものを選ぶようにしましょう。

なお、以下のページで寝心地が素晴らしいマットレスを選ぶためのポイント(体圧分散性、弾力性、耐久性など)とおすすめのブランドについて徹底的に解説しているので、是非あわせてご参考にしてください。

関連記事:快眠マットレスおすすめ11選&自分に合うものを絞り込む手順

また、マットレスに関するページを以下にまとめましたので、気になるトピックがあればあわせてご参考にしてください。

■あわせて読んでおきたい「マットレス」の記事一覧
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○長生きでお得に!マットレスの寿命を判断する5つの目安
○賢い節約術!マットレスの処分方法を考えるべき順序

よくある質問

Q1:低反発マットレスで腰痛が悪化するのはなぜ?

A:腰が深く沈み込みすぎて、背骨の自然なカーブが崩れるからです。

低反発マットレスは体圧分散性に優れていますが、反発力が弱く、体格や使い方によっては腰が沈み込みすぎてしまうことがあります。これにより背骨のS字カーブが不自然に歪み、筋肉が緊張→血行不良→痛みという流れが起きやすくなります。

Q2:腰痛持ちでも低反発マットレスを使いたい場合、どう選べばいですか?

A:沈み込みすぎない構造や多層構造のものを選ぶのがコツです。

  • 薄めのトッパータイプを使う(3〜5cm)
  • 高反発ウレタンなどと組み合わせたハイブリッド構造
  • 「腰部分の沈み込みを抑えるゾーニング構造」付き

これらを備えた製品なら、低反発特有のフィット感を楽しみつつ、腰への負担も軽減できます。

Q3:低反発と高反発、腰痛にはどっちがいいですか?

A:一般的には高反発の方が腰痛には向いています。

高反発マットレスは体をしっかり持ち上げ、寝返りをしやすくする構造のため、腰にかかる圧力を軽減しやすいです。
ただし、体重が軽い人や筋肉量が少ない人は低反発でもOKな場合も。重要なのは「沈み込みすぎないこと」と「寝返りが打てること」です。

Q4:低反発マットレスで腰痛が悪化したらすぐに買い替えるべき?

A:必ずしもすぐに買い替える必要はなく、対処法もあります。

まずはマットレスの下に硬めのマットやベッドパッドを敷くことで沈み込みを抑える工夫をしましょう。あるいは、トッパー型の高反発フォームを上に重ねることで寝姿勢が改善するケースもあります。
ただし、明らかにマットレスがへたっている場合や腰痛が慢性化している場合は、買い替えが必要です。

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