【完全比較】マットレスの重さ一覧と選び方|軽さと寝心地で選ぶおすすめ素材とは?
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こんにちは、加賀照虎です。
- 定期的に引越しをする
- こまめにマットレスの裏表をローテーションさせたい
このような方々にとって、マットレスが軽いことは大きなメリットです。 費用が少なくて済むので経済的ですし、日々のお手入れ作業などがとても楽になります。
とはいえ、「マットレスの重さの目安ってどれくらいなんだろう?」「 どれくらいの重さだと手入れのときにどれくらいの負担になるんだろう?」と疑問に感じることもあると思います。
そこで本日は、『種類別のマットレスの重さ比較と注意点』についてご紹介します。
※自分に合ったマットレスを選ぶ手順(型→素材→個別商品)と値段、体質、好み別におすすめできるマットレスについてこちらのページ「マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順」で徹底解説しています。重さだけでなくさらに広い観点から網羅的にマットレス選びを進めたい方は是非ご参考にどうぞ。 |
1. 【種類別】|マットレスの重量比較
まず、代表的な7つの種類のマットレスと敷布団の重さを比べると、以下のようになります。
敷寝具種類 | イメージ | 厚さ | 重量 | |
敷布団 | 木綿 | ![]() |
10cm |
6kg |
ノン コイル |
高反発ウレタン | ![]() |
7kg | |
高反発ファイバー | ![]() |
10kg | ||
高弾性ウレタン | ![]() |
10kg | ||
TPEポリマー | ![]() |
35kg | ||
ラテックス | ![]() |
15kg | ||
低反発ウレタン | ![]() |
11kg | ||
ハイブリッド | ![]() |
- | ||
コイル | ボンネルコイル | ![]() |
20cm (仮定) |
18kg |
ポケットコイル | ![]() |
20kg |
(※ボンネル/ポケットコイルマットレスで厚みが10cm前後のものは寝心地・使用感からおすすめできないので、20cm厚のものを比較対象にしています。)
すべてシングルサイズ(約100cm幅)を目安とした重さです。そのため、高反発ウレタンマットレスのダブルサイズ(140cm幅)の重さの目安であれば、この数値を1.4倍して計算してください。薄めのトッパー(5cm厚)の重さであれば、0.5倍で割り出せます。
1-1. マットレスの重量から手入れの手間を評価
マットレス選びでは、寝心地や耐久性だけでなく、重量にも注意が必要です。特に、定期的なメンテナンスや移動を考えると、重さによってお手入れの手間が大きく変わります。ここでは、重量ごとにどれくらい手間がかかるのかを解説します。
1-1-1. 7kgのマットレスは運ぶことすら簡単
高反発ウレタンマットレスや三つ折りトッパーなどは、平均して7kg前後の重さが一般的です。このくらいの重量であれば、女性でも簡単に持ち運びができるため、ローテーションや陰干しなどのお手入れも手軽に行えます。特にシングルサイズのマットレスは扱いやすく、シングルベッドやロフトベッドにもぴったりです。ただし、フローリングや畳に直接敷いて使う場合は、厚みが9cm程度ないと底付き感が気になることがあるので注意しましょう。
1-1-2. 14kgのマットレスは手軽に扱える
14kg程度のマットレスであれば、多少重さは感じますが、一人でも十分に扱える範囲です。上下や左右のローテーションも行いやすく、陰干しや風通しのために動かすことも可能です。セミダブルやダブルサイズになるとやや重さは増しますが、女性でもお手入れができる重さと言えるでしょう。
1-1-3. 20kgのマットレスは手入れが大変に
20kg前後になると、薄手のコイルマットレスでも平均的にかなりの重さになります。シングルやセミダブル、ダブルサイズを問わず、女性や高齢の方が一人で持ち上げて壁に立てかけたり、風通しのために動かすのは大変です。特に定期的なお手入れやローテーションが必要な場合、この重さは大きな負担となるでしょう。
1-1-4. 26kg以上のマットレスは苦行
26kg以上のマットレスになると、その重量は男性一人でも移動が難しいほどです。特に30kgを超えるキングサイズやクイーンサイズのマットレスは、風通しやお手入れのたびにかなりの手間がかかります。こうした重いマットレスを選ぶ場合は、通気性に配慮した通気口付きタイプを選ぶなど、普段のお手入れがしやすい工夫も考慮しておくと安心です。
2. 重量を観点として各種類のマットレスを評価
マットレスの重さは、素材や構造によって大きく異なります。ここでは主要なマットレスの種類ごとに、それぞれの平均的な重量を比較し、日々の扱いやすさや手入れのしやすさという観点から評価していきます。
2-1. 一般ウレタン
一般ウレタン(いわゆる中反発ウレタン)マットレスは、低反発と高反発の中間的な硬さで設計されており、柔らかさと寝返りのしやすさのバランスが取れているのが魅力です。重量は、シングルサイズで厚さ10cm程度の場合、約7kgと非常に軽量です。セミダブルは約9kg、ダブルで約11kgと、サイズが大きくなるほど重くなりますが、一人での移動や仰向け・左右のローテーションも十分可能です。お掃除や陰干しなどのメンテナンスを気軽に行いたい方にも適しています。
2-2. 高反発ウレタン
高反発ウレタンマットレスは、10cm厚ならシングルサイズで約7kg、セミダブルで約8kg、ダブルで約10kgと、マットレスの中では比較的軽量です。20cm厚の場合はシングルで約14kg、ダブルで約20kg程度と重くなりますが、それでもコイル系マットレスよりは軽めで、女性でも扱いやすい重さです。
2-3. 低反発ウレタン
低反発ウレタン素材のマットレスは、体圧分散性が高く、体にフィットする包み込まれるような寝心地が特徴です。シングルサイズで厚さ10cmの場合、約11kgと比較的軽量なので、女性や高齢の方でも持ち運びやお手入れがしやすいのがメリットです。セミダブルやダブルになると重量は増しますが、それでもマットレスの中では扱いやすい部類に入ります。
2-4. ファイバー
高反発ファイバーマットレスの重さは、厚さ10cm程度であれば、シングルサイズで約10kg、セミダブルで約12kg、ダブルで約14kgです。ウレタンフォームよりは重いですが、中身が分割されているタイプであれば女性でも扱うことができるマットレスです。
2-5. ラテックス
ラテックスマットレスは高密度のため、厚さ10cmの場合、シングルで約15kg、セミダブルで約18kg、ダブルで約21kgとやや重めです。女性一人では持ち上げにくい重量なので、移動やお手入れの際は注意が必要です。
2-6. TPEポリマー
2-7. ボンネルコイル
ボンネルコイルマットレスは、シングルサイズで約18kg、セミダブルで約22kg、ダブルで約25kgとやや重めです。女性が一人で持ち運ぶのは難しく、メンテナンスや移動の際は家族などの協力が必要になるでしょう。
2-8. ポケットコイル
ポケットコイルマットレスはさらに重く、シングルで約20kg、セミダブルで約24kg、ダブルで約28kgです。マットレスの中でも最重量クラスで、一人での移動や手入れはかなり大変です。移動やお手入れの際は、複数人での作業が基本となるでしょう。
3. 重量を軸としたマットレス選びのポイント
マットレスの重さについて、手入れの手間で評価をすると以下のようになります。
マットレスの重量 | 手入れの手間 |
7kg |
|
14kg |
|
20kg |
|
26kg |
|
3-1. 軽さを重視するなら高反発ウレタンマットレスが、一番手軽。尚且つセミシングルショートなどもいい。
もしあなたが軽さを重視してマットレスを選ぶのなら、高反発ウレタンマットレスがおすすめです。
各種マットレスの中でもっとも軽量なうえ、寝心地も申し分ないからです。
「でも、低反発ウレタンの寝心地が好みなんだけど、、、」ということであれば、厚み10cmの高反発ウレタンマットレスの上に、厚み3cm程度の低反発ウレタントッパーを敷くことをおすすめします。もしくは、厚み8cmの高反発ウレタンマットレスの上に、厚み5cm程度の低反発ウレタントッパーを敷くのもおすすめです。こちらのほうが、より低反発の寝心地が強くなります。
- 10cm厚の高反発ウレタンフォームに3cm厚のラテックス
- 10cm厚の高反発ファイバーに3cm厚の低反発ウレタンフォーム
などのように組み合わせるのも可能です。あなた好みにアレンジしましょう。
3-2. 重さと耐久性はほぼ比例する
「なんで同じ素材のマットレスなのに重さが変わることがあるの?」と思ったあなたはカンが鋭いです。
簡単にいうと、素材の密度が低いから軽いのです。
もちろん、「素材の密度が低い」というのは「耐久性が低い」ことにもなりますし、少ない原材料で製造することができるので「コストが安い」という側面もあります。高反発ウレタンと低反発ウレタンを例にすると、「密度」と「耐久性」はだいたい以下のような関係性になります。
密度(kg/㎥) | 耐久性の評価 | ||
高反発ウレタン | 低反発ウレタン | 高反発ファイバー | |
20D以下 | 30D以下 | 35D以下 |
|
25D前後 | 35D前後 | 45D前後 |
|
30D前後 | 40D前後 | 55D前後 |
|
40D以上 | 50D以上 | 65D以上 |
|
他の素材も同じように「重さ」と「耐久性」(と多くのケースで価格も)には相関関係があります。
私が初めてこの方程式を知ったとき、あらためてマットレスの重さに着目しながらいくつかの製品を調べ直しました。安物の低反発ウレタンフォームとテンピュールのフォームの重さが1.5倍以上も違っており、とてもびっくりしたことを今でも覚えています。
もちろん、コイルマットレスでも同様です。コイルマットレスのコイルの上にはウレタンフォームなどの詰めものがありますが、この部分を精査する消費者は少ないです。そのため、「軽くするために」という建前上、低密度のウレタンフォームが詰めものとして採用されることがあります。

マットレスの軽さを重視するのもいいですが、あなたが期待する使用年数に合う耐久性かどうか、しっかり見極めるようにしましょう。
3-3. コイルマットレスの両面仕様は重すぎるの非推奨
両面仕様は、重すぎて危険です。
例えば、厚さ30cm、コイル数800個前後、両面仕様のポケットコイルマットレスの重量は以下のようになります。
- シングル:33kg
- セミダブル:41kg
- ダブル:49kg
- クイーン:57kg
この重さのマットレスをローテーションさせるのは酷です。

二人でひっくり返すのも大変です。
半年に一度、こんな作業はしたくないですよね。
こういった背景から、両面ではなく片面仕様で、その分高品質の詰め物が使用されているマットレスがおすすめなのです。
最後に
マットレスの重さの目安についてご理解いただけていれば幸いです。
また、以下のページで寝心地が素晴らしいマットレスを選ぶためのポイント(体圧分散性、弾力性、耐久性など)とおすすめのブランドについて徹底的に解説しているので、是非あわせてご参考にしてください。
関連記事:快眠マットレスおすすめ11選&自分に合うものを絞り込む手順よくあるご質問
Q1. マットレスの重さはどれくらいが平均ですか?
A. 素材やサイズによりますが、シングルサイズの平均的な重さは7kg〜20kgほどです。ウレタン系は比較的軽く、ポケットコイルは重い傾向にあります。
Q2. 女性一人でも動かせる軽いマットレスはありますか?
A. 高反発ウレタンや三つ折りタイプのトッパーなどは7kg前後で、女性一人でも扱いやすいです。持ち運びやお手入れも簡単に行えます。
Q3. マットレスが重すぎると何が大変ですか?
A. ローテーションや陰干しといったお手入れが困難になり、通気性が悪化する可能性があります。重すぎると1人での移動が難しくなります。
Q4. 軽いマットレスは耐久性が低いですか?
A. 一般的に「軽い=密度が低い」傾向があるため、耐久性も低くなる傾向があります。ただし、軽くてもしっかりした素材もあるため、密度表示を確認することが重要です。
Q5. 軽いけれど寝心地の良いマットレスはありますか?
A. 高反発ウレタンマットレスは軽量でありながら寝心地も良く、トッパーと組み合わせれば好みに合わせた睡眠環境が作れます。
なお、マットレスに関するページを以下にまとめましたので、気になるトピックがあればあわせてご参考にしてください。
■あわせて読んでおきたい「マットレス」の記事一覧
- 選び方編
○マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順
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○【失敗しないマットレスの選び方】硬さ、厚さ、密度、線材を吟味
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○【快眠の方程式】マットレスの理想の硬さ=理想の寝姿勢
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著者紹介

著者情報
加賀 照虎(上級睡眠健康指導士)
上級睡眠健康指導士(第235号)。3,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。取材依頼はこちらから。
各種SNSで情報発信中。
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