肩こりを悪化させないマットレスの選び方|寝姿勢・硬さ・素材を徹底解説

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肩こりを悪化させないマットレスの選び方|寝姿勢・硬さ・素材を徹底解説
  • マットレスを変えてから肩こりに…。
  • 最近、寝ていると肩に疲れが…。

これは決して珍しいことではありません。

マットレスを含めた睡眠環境が、肩に良くないように変わってしまった(劣化した)と考えられます。

このようなときは原因をさぐって対策をしましょう。

そうすることで肩にある不快感を改善させることが期待できます。

※自分に合ったマットレスを選ぶ手順(型→素材→個別商品)と値段、体質、好み別におすすめできるマットレスについてこちらのページ「快眠マットレスおすすめ17選&自分に合うものを絞り込む手順」で徹底解説しています。ノンコイルなどの素材だけでなく加工や機能性などより網羅的にマットレス選びを進めたい方は是非ご参考にどうぞ。

0. マットレスだけで肩こりの改善は難しい

まず最初に、一言注意を。

商品を販売したいだけの情報サイトに惑わされないようにしましょう。

あるサイトを見ていると「ここでおすすめされているマットレスを使うと肩こりが治るのかな」と期待したくなるような内容が書かれていますが、マットレスを買い換えるだけで必ずしも肩こりが改善されるとは限りません。

マットレスは本来、体に負担をかけず正しい寝姿勢を保つための寝具です。寝姿勢が崩れると肩こりや腰痛、首こりなどの原因になりやすくなります。

たとえば、硬すぎる・柔らかすぎるマットレスや、枕の高さが合わない、寝返りがしづらい寝具を使うことで、肩や腰への負担が増え、筋肉の疲労やコリにつながることも。肩こり解消には、マットレスだけでなく枕や敷布団とのバランスも意識した寝具選びが大切です。

1. 肩こりを悪化させるマットレスの特徴

「朝起きると肩がこっている」「寝ても疲れがとれない」と感じたことはありませんか?

その原因は、もしかすると今使っているマットレスにあるかもしれません。硬すぎたり柔らかすぎたりすると、寝姿勢が崩れて首や肩に負担がかかり、筋肉が休めずに肩こりを悪化させることがあります。ここでは、肩こりを招きやすいマットレスの特徴を整理して解説します。

1-1. 硬すぎるマットレス

高反発マットレスが必ずしも良いとは限りません。硬すぎる寝具では肩甲骨や背中の出っ張った部分に圧力が集中し、血行不良が起こりやすくなります。

横向き寝のときに肩が沈み込まず、肩の圧迫や寝違えを招くこともあります。

1-2. 柔らかすぎるマットレス

低反発タイプなど柔らかすぎるマットレスでは、体が深く沈み込みすぎて背骨が歪みやすくなります。

寝返りが打ちにくく、筋肉の緊張が続いてしまうことで肩こりや首こりが悪化するリスクが高まります。

1-3. 反発力不足のマットレス

反発弾性が不足した中反発やノンコイルの一部商品は、寝返りがスムーズに打てず、肩や首に負担を残します。

寝返りがしやすいマットレスであれば血行が促され筋肉が緩むのに対し、反発力不足はその逆の作用を及ぼします。

1-4. 枕や敷布団との相性が悪い

マットレス自体の性能が良くても、枕の高さや敷布団との相性が悪ければ肩こりは改善されません。

首の角度が不自然になると首こりや肩のこりが強くなり、寝姿勢サポート効果も損なわれます。抱き枕や腰枕を適切に組み合わせることも大切です。

2. 高反発と低反発、肩こりに良いのはどっち?

「肩こり対策には高反発が良いの?それとも低反発が合っているの?」と悩む方は多いでしょう。どちらにもメリット・デメリットがあり、体格や寝姿勢によって向き不向きが分かれます。

ここでは、高反発と低反発それぞれの特徴を比較しながら、肩こりに悩む人に合った選び方を解説します。

2-1. 低反発マットレスの特徴

低反発ウレタンフォームは体圧分散性に優れ、体の凹凸に沿ってゆっくり沈み込むためフィット感があります。横向き寝では肩がしっかり沈み込み、背骨をまっすぐ保ちやすいのがメリットです。

ただし沈み込みすぎると寝返りが打ちにくく、血行不良や筋肉の緊張を招く場合があります。痩せ型や横向き寝中心の人には向く一方で、寝返りの少なさが肩こりを悪化させるリスクもある点に注意が必要です。

2-2. 高反発マットレスの特徴

高反発マットレスは反発力が強く、寝返りがしやすいのが特徴です。寝返りによって血流が促進され、肩や首の筋肉が休まりやすいため、肩こり対策が見込めます。

さらに腰や肩が沈み込みすぎないため、背骨の自然なカーブを維持しやすく、姿勢矯正のサポートにもつながります。ただし、痩せ型の人や肩幅の狭い人は硬さを強く感じ、肩の圧迫につながることがあります。この場合は中反発やハイブリッドタイプを検討するのも選択肢です。

2-3. 選び方のポイント

肩こり対策においては「体圧分散」と「寝返りのしやすさ」のバランスが大切です。低反発はフィット感に優れる一方で動きにくく、高反発は寝返りしやすい一方で圧迫感を覚える人もいます。

また、シングルが窮屈に感じる場合はセミダブル以上を選ぶことで、無意識に寝返りを制限するリスクを減らせます。

3. マットレスで肩こり改善を目指す方法

しかし、ある日を境に、

  • 寝ているときに肩にムズムズした疲れを感じるようになった
  • 朝起きると肩が凝っているようになった

ということであればマットレス(と枕)に原因があると考えられます。

考えうる原因について紹介していきますので、心当たりがあるものがあれば対策していくようにしてください。

3-1. 寝姿勢が悪くなった

もっとも大きな原因が寝姿勢の悪化です。

  • マットレスがへたってきた
  • 新しいマットレスに買い換えた

などなどマットレスの寝心地が変わることで、今まで良かったはずの寝姿勢が悪くなってしまって、肩こりを起こすきっかけになるのです。

理想的な寝姿勢
理想的な寝姿勢

正しい寝姿勢とは上のイラストのような状態です。

例えば、マットレスがへたってくると相対的に枕が高くなりすぎてしまい、肩から首にかけての姿勢が悪くなります。その結果として、肩こりになることがあります。

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高すぎる枕

また例えば、マットレスがへたったために新しいきちんとしたマットレスに買い換えると、今までよりも相対的に枕が低くなりすぎてしまい、同じように姿勢が悪くなるなんてことがあります。

冒頭で言ったのが正にこのことです。マットレスがきっかけとなって肩こりを起こしているわけですが、マットレスだけが悪いのではなく枕も含めて寝具がトータルで肩こりを起こしているのです。なので、マットレスを変えればどうにかなる問題でもないのです。

最重要ポイントが寝姿勢です。

もちろん、マットレスがへたっているなら腰に良くないので買い換えることをおすすめします。しかし、その上で、新しいマットレスで寝るときに、枕がきちんと首から後頭部にかけてフィットしていて、高さが適切になるかどうかを確認しましょう。

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理想的な枕の高さ(肩口から頭が10~15度の傾斜)

寝姿勢が適切かどうかチェックする体感値ポイントは下記の通りです。

  • 肩の筋肉が柔らかでこわばっていないか
  • 首筋は張っていないか
  • 呼吸はスムーズにできるか

このように寝姿勢を調整してみてください。

寝姿勢が適切になれば肩こりも落ち着くはずです。

3-2. 寝相が悪くなった

もう一つ、考えられるのが寝相が悪くなることでの肩こりです。

これがどういうことかと言いますと、

  • マットレスがへたる → 寝心地が悪くなる → 寝返りが増える(寝相が悪くなる) → 枕から頭が落ちる → 寝姿勢が悪い状態のまま眠ってしまう

といった流れです。

なお、このパターンの最悪のケースは、枕から頭が落ちてそのまま首が曲がった状態で寝続けてしまい寝違えてしまうことです。恥ずかしながら私も、数年に1度は何かにうなされて寝相が悪くなりこのようにして寝違えてしまうことがあります。

なお、この場合の対策は、へたっているマットレスを買い換えることなのですが、上記で伝えたように、マットレスだけを買い換えても枕との組み合わせによって肩こりが完全に治るとは限りません。そのため、新しいマットレスと枕との相性で、あなたの寝姿勢がきちんと正しくなっているか確認するようにしてください。

4. 肩こりしにくいマットレス選びのポイント

肩こりで悩んでいる方にとって、マットレス選びは非常に重要です。「肩こりしにくいマットレス」を選ぶには、正しい寝姿勢をキープできるかどうかが最大のポイントです。

特に仰向けで寝たときに、首から背中にかけて自然なS字カーブを維持できるものを選びましょう。まくらとの相性も含めて「頭・首・肩・背中」が無理なく支えられているかが、肩こり予防につながります。

また、寝返りのしやすさも大切な要素です。寝返りには血流を促し、同じ箇所に負荷をかけすぎない役割があります。反発力の弱いマットレスでは体が沈み込みすぎて寝返りが打ちにくくなり、結果的に肩周りの筋肉が緊張したままになってしまうこともあります。

さらに、仰向け寝や横向き寝がどちらも快適にできるかどうかもチェックしておきたいポイントです。肩が圧迫されやすい横向き寝では、適度に体圧分散してくれるマットレスを選ぶことで、肩周りへの負担を和らげることができます。

肩こり対策には、単に柔らかいマットレスを選ぶのではなく、「寝る姿勢のサポート力」「寝返りの打ちやすさ」「体圧分散性能」などをしっかりと確認しながら、自分の体に合ったマットレスを選ぶことが大切です。

5. 肩こりがひどいときはマットレス以外の対策も必要?

マットレスを見直しても肩こりが改善しないことがあります。というのも、肩こりは寝具だけでなく、姿勢・枕・ストレッチ・生活習慣など複数の要素が絡んで起こるからです。

ここでは、マットレス以外でできる具体的な対策をいくつか紹介します。

5-1. ストレッチや肩甲骨周りのケア

デスクワークやスマホの見過ぎで肩甲骨の周りの筋肉がこわばると、肩や首の血流が悪くなり、肩こりがひどくなります。

毎日、短時間でも肩甲骨を動かすストレッチや"肩を後ろに引く"、"胸を開く"などの動きを取り入れるとよいでしょう。抱き枕を使って横向き寝のときにバランスをとることも、体のゆがみを軽くします。

5-2. 枕の見直し

枕が高すぎたり低すぎたりすると、首の角度が不自然になり、首こり・肩こりの原因になります。ストレートネックの方には、中央がくぼんで両側が高い"くぼみ型"の枕が好まれるなど、寝姿勢と枕の高さのマッチングが重要です。

素材も高反発/低反発やパイプ・そば殻などいろいろありますが、「寝返りしやすいフィット感」があるものを選ぶと負担が減ります。

5-3. 寝る姿勢の改善

仰向け・横向き・うつ伏せなど寝る姿勢も肩こりに大きな影響を与えます。

例えば、横向き寝ばかりだと下側の肩に圧がかかりやすいため、抱き枕を使って骨盤の歪みを抑えたり、左右の向きを交互にすることが効果的です。仰向け寝は肩の圧迫を減らすことができ、肩甲骨が安定しやすいためおすすめされることもあります。

5-4. 生活習慣の見直し

肩こりは運動不足や長時間の同じ姿勢、目の酷使、ストレスや睡眠不足など生活習慣からも起こります。過度な運動や体型の偏り、合わない靴も原因となるため注意が必要です。

適度な運動と休養、姿勢改善を意識することが根本的な肩こり対策につながります。

5-5. 冷え対策や環境調整

寒さによる血管収縮は血流を悪くし、肩こりを助長します。寝室の温度や湿度を適切に保つ、首・肩を冷やさないようにするなどの冷え対策が重要です。

温かいタオル・湯たんぽ・軽い肩掛けなどで首周りを保温することも有効です。

最後に

あなたの肩こりの原因を掴む一助になっていれば幸いです。

なお、もしマットレス選びのために情報収集中でしたら、ぜひ下記のページもご覧ください。自分にあったマットレスを選ぶための考え方の手順から、種類、素材、値段別におすすめマットレスを紹介しています。きっとお役立ていただけるはずです。

関連記事:快眠マットレスおすすめ17選&自分に合うものを絞り込む手順

また、マットレスに関するページを以下にまとめましたので、気になるトピックがあればあわせてご参考にしてください。

■あわせて読んでおきたい「マットレス」の記事一覧
- 選び方編
○快眠マットレスおすすめ17選&自分に合うものを絞り込む手順
○敷布団とマットレスの違いと選び方|併用・重ね使いも徹底比較
○【失敗しないマットレスの選び方】硬さ、厚さ、密度、線材を吟味
○マットレスは4種類8素材|各特徴、選び方、向き不向き
○低反発 高反発マットレスの違いを徹底比較|あなたに合うのはどっち?
○【快眠の方程式】マットレスの理想の硬さ=理想の寝姿勢
○マットレスの正しい厚み(高さ)は「用途と目的」を軸に考える
○通気性の良いマットレスの選び方|素材・構造・加工別に徹底比較
○【マットレスの正しい使い方】敷き方・パットの順番・必要アイテムとは?
○マットレスの上に布団はNG?理由と代替策を専門家が解説
○マットレスのダニ対策完全ガイド|退治・除去・予防まで徹底解説
○マットレスにカビが生えた時の対処法と予防法|健康被害や買い替え判断も解説
○ベッド・マットレスがずれる?それなら滑り止め対策を
○マットレスの寿命と買い替え時の見極め方|長持ちさせるコツも解説
○マットレスの処分方法7選|スプリング入りやノンコイルも対応

よくある質問

Q1. マットレスを変えたら肩こりが悪化することはありますか?

A. はい。マットレスの硬さや高さが変わると、枕とのバランスが崩れ、寝姿勢が悪化することで肩こりが起きるケースがあります。

Q2. 肩こりにおすすめのマットレスの硬さは?

A. 体圧分散性と反発力のバランスが良い「中程度の硬さ(100〜140N)」のマットレスが多くの人に適しています。

Q3. 横向き寝と肩こりの関係は?

A. 横向きで寝ると肩に圧力が集中しやすく、マットレスが硬すぎると圧迫感が強くなり、肩こりを悪化させる原因になります。

Q4. 肩こり改善におすすめのマットレス素材は?

A. 肩こり対策に適したマットレス素材には、以下のような特性が求められます。

  • 体圧分散性が高い素材(肩にかかる圧を分散)
  • 寝返りがしやすい反発性(血行を妨げない)
  • 適度なフィット感とサポート力のバランス

具体的には、高反発ウレタンフォームやラテックス素材などが代表的です。中でも「肩だけが柔らかめに設計されているゾーニング構造」のマットレスは、横向き寝でも肩の沈みを吸収しやすく、痛みの軽減に効果的です。

Q5. 肩こり持ちにはどんな寝姿勢がベスト?

A. 肩こりの方にとって最も理想的な寝姿勢は、仰向けまたは肩に圧力がかかりすぎない横向き寝です。

仰向け寝:肩が均等にマットレスに触れるため、左右どちらにも偏らない負担の少ない姿勢です。横向き寝:マットレスの肩部分が沈み込み、肩と首のラインが一直線になるような高さの枕を使えば、血流が確保されやすくなります。

いずれにせよ、マットレスと枕のバランスが重要です。どちらか一方が合わないだけでも、肩こりが悪化する可能性があります。

Q6. 肩こりがひどい日はどんな寝具の組み合わせがいい?

A. 肩こりが強く出ている日は、体の圧力を分散し、肩をしっかり休ませる環境づくりが重要です。おすすめの寝具の寝具組み合わせは以下の通りです。

  • 体圧分散性に優れたマットレス(高反発 or ゾーニング構造)
  • 肩の沈みを受け止める低め or 肩部分がくぼんだ枕
  • 冷え対策のための保温性のある寝具(血流を妨げない)
  • 横向きサポート用の抱き枕(肩の負担軽減)

さらに、寝る前のストレッチや、ホットパックを使った温熱ケアも併用すると、翌朝の肩こり軽減に効果が期待できます。

Q7. 高反発マットレスでも肩が痛いのはなぜ?

A. 高反発マットレスは、寝返りがしやすく体圧分散にも優れているため肩こり対策におすすめとされていますが、「硬すぎる」場合は逆効果になることもあります。

特に体重が軽い方や横向き寝中心の方の場合、肩が沈み込まずに浮いたような状態になり、肩の一点に圧が集中して痛みを引き起こすことがあります。その場合は、以下の対策が有効です。

  • ゾーニング構造のマットレスに変更する
  • 肩部分にやわらかいトッパーや敷きパッドを追加する
  • 横向き寝時の肩ラインにフィットする枕を選ぶ

高反発=硬い=良いというわけではないため、自分の体格や寝姿勢に合った"硬さのバランス"が大切です。

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