マットレスの価格相場を徹底解説|タイプ別の値段と選び方を専門家が解説

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マットレスの価格相場を徹底解説|タイプ別の値段と選び方を専門家が解説

こんにちは、加賀照虎です。

マットレスの価格は数千円から数十万円までと、実に幅広いですよね。もちろん、この価格差にはしっかりとした理由があるのですが、業界外の方にとっては、

「どうしてこんなに値段が違うの?」
「高価なものはその分品質が高いの?」
「一般的なマットレスの相場はどれくらい?」

といった疑問が浮かぶのも無理はありません。

そこで本日は、

  • マットレスの価格相場
  • 価格を左右する7つの要素
  • 別途かかる費用
  • おすすめの予算配分

などについて解説します。

賢く無駄のないマットレスを選ぶためにもぜひ参考にしてください。

※自分に合ったマットレスを選ぶ手順(型→素材→個別商品)と値段、体質、好み別におすすめできるマットレスについてこちらのページ「快眠マットレスおすすめ17選&自分に合うものを絞り込む手順」で徹底解説しています。価格以外の観点からも網羅的にマットレス選びを進めたい方は是非ご参考にどうぞ。

1. 1人用シングルサイズマットレスの価格相場

まずそもそも、マットレスは以下の7つの種類のものが一般的です。

種類 イメージ 体圧分散 反発弾性 横揺れ 通気性 お手入れ










高反発ウレタン
フォーム
high-resiilience-foam
ラテックス latex-foam
TPEポリマー TPE-polymer

一般ウレタン
フォーム
regular-foam
ファイバー air-fiber ×


低反発ウレタン
フォーム
memory-foam
繊維わた polyester-fiber




ハイブリッド 3-layers-hybrid-mattress - - - - -


ボンネルコイル bonnel-coil -
ポケットコイル pocket-coil -
※コイルスプリングマットレスの体圧分散性はコイルの上の詰めもの(ウレタンフォーム やわたなど)の量と品質により大きく左右され、単体での評価が不可能なため「 - 」としています。また、それぞれ加工・品質により△が◯になったり、◎が◯になることがあります。

が、すべての種類がおすすめできるわけではありません。

そこで、私がおすすめしている高反発ウレタンフォーム、高弾性ウレタンフォーム、ラテックス、ポケットコイルの4つのマットレスに絞って価格相場を解説していきます(チャート内の値段はシングルサイズ想定です)。

種類 低価格品 中価格品 高価格品
一般ウレタン regular-foam 2万円 4万円 -
高反発ウレタン high-resiilience-foam - 6万円 10万円
ラテックス latex-foam - - 10万円
ハイブリッド 3-layers-hybrid-mattress 3万円 6万円 10万円
ポケットコイル pocket-coil 3万円 8万円 12万円

高反発ウレタンフォームというのは一般ウレタンフォームの上位互換的存在のものです。

そのため、一般ウレタンフォームのマットレスで高価格なものはほとんどないにもかかわらず、高反発ウレタンフォームでは存在しているのです。

ラテックスマットレス(天然100%のもの)は原料自体が高価なため、そもそも低価格品や中価格品がありませんし、ポケットコイルマットレスは構造が複雑で重くて大きいためどうしても価格が高くなってしまいます(詳細は後述)。

1-1. 一般ウレタンフォーム

シングルサイズの一般ウレタンフォームマットレスは、2万円前後の低価格帯から4万円程度の中価格帯までが主流です。特に低価格帯の製品は手頃な価格で購入しやすい反面、寝心地や耐久性に物足りなさを感じることもあるかもしれません。 軽量で扱いやすい点がメリットですが、素材の密度や品質によってはへたりやすく、長期間の使用にはやや不向きな場合もあるため注意が必要です。快適な寝心地や耐久性を重視する場合は、価格がやや高めのしっかりとした製品を選ぶと安心です。

1-2. 高反発(高弾性)ウレタンフォーム

シングルサイズの価格相場としては、高反発ウレタンフォームは、よりフィット感が高く柔軟性にも優れているのが特徴で、相場は6万円〜10万円ほどと一般ウレタンフォームのマットレスよりもやや高額です。

高密度素材や特殊加工が施された高級モデルのなかには10万円を超える商品も存在します。寝心地や耐久性を重視したい方は、スペックと価格のバランスをしっかり確認しながら選ぶとよいでしょう。

1-3. ラテックス

ラテックスマットレスは、平均して10万円から20万円ほどと、マットレスの中でも特に高価な部類に入ります。特に天然ラテックス100%のマットレスは、原料そのものが高価で、さらに樹液の採取や加工、輸送にも多くの手間とコストがかかるため、そもそも低価格品や中価格品はほとんど存在しません。純度の高い天然ラテックスを使ったものほど希少価値があり、価格がさらに高くなる傾向も見られます。

1-4. ハイブリッド

ハイブリッドマットレスの価格帯は幅広く、選ぶ素材や仕様によって大きく異なります。シングルサイズの場合、低価格帯ではおよそ3万円、中価格帯では6万円程度が相場となっています。さらに、高品質な素材を組み合わせた上位モデルになると、10万円前後の高価格帯になることも珍しくありません。

1-5. ポケットコイル

シングルサイズの価格帯は幅広く、低価格帯では3万円前後から、中価格帯では8万円程度、さらに高品質な素材や多層構造を採用した高価格帯モデルになると12万円前後に達するものもあります。ポケットコイルマットレスは、詰め物やコイル数、コイルの品質によって寝心地や価格が大きく変わるのもポイントです。

二人用のクイーンサイズなら横幅のサイズが1.6倍なので、多くのマットレスで価格がそのまま1.6倍になります。 ただ、このように説明をされてもあまりしっくり来ないかと思います。やや抽象的ですよね。とはいえ、結論、マットレスの価格を左右する要素は7つです。これが全てです。これらについて次章でより具体的に解説していきます。

※高反発ファイバーやボンネルコイルマットレスがおすすめできない理由については下記のページで解説しているので、「高反発ファイバーマットレスを買おうとしてたのに…」などと気になる方はあわせてご参考にしてください。

関連記事:マットレスは4種類8素材|各特徴、選び方、向き不向き

2. マットレスの価格を左右する7つの要素

それぞれ順に説明していきます。

2-1. 素材の種類(合成or天然・コイルの有無)

高反発や高弾性などのウレタンフォームは化学原料です。

原料コストは年々上がってはいるものの、ラテックスの原料ほどではありません。

ウレタンフォームの原料価格の推移チャート

ラテックスフォームの原料はゴムの木から採取される天然素材ですので、採取にかなりの時間と手間がかかります。

そのため、ラテックスは高価なのです。

なお、ラテックスには合成ラテックスなどのような純度が低いものがあり、価格こそ低くなりますが耐久性や弾力性まで落ちてしまうのでおすすめできません。

種類 天然ゴム保有量 耐久性  ニオイ  価格 
合成ラテックス 80%未満
天然ラテックス 80~99%
天然ラテックス100% 100%

また、コイルの有無でも値段は変わります。

というのも、コイルマットレスはコイルに加えて、ウレタンフォームやわた、不織布、フェルトなどなど部材が多くなりますし、製造がより複雑になるからです。そのため、コイルマットレスはノンコイルマットレスよりもさらに高価になっているのです。

2-2. 原料の量(厚さとサイズ・密度)

使用する原料の量が増えれば増えるほど価格も高くなります。

そのため、一人用のシングルサイズのマットレスよりも二人用のクイーンサイズマットレスのほうが高くなります。

また、10cmの床置きマットレスよりも20cmのベッドマットレスのほうが高くなります。

名称 幅寸法 イメージ 寝室目安 用途
セミシングル 80cm mattress-semi-single-size1 4畳 1人(子供・小柄な方)
シングル 97cm mattress-single-size1 4畳 1人(中柄な方)
セミダブル 120cm mattress-semi-double-size1 6畳 1人(大柄な方)
ダブル 140cm mattress-double-size1 8畳 1~2人(小柄な方2人)
クイーン 160cm mattress-queen-size1 8畳 2人(中柄な方)
キング 180cm mattress-king-size1 10畳 2人(大柄な方)
種類 イメージ 厚み 評価
マットレス
トッパー
mattress-topper3 3cm
  • 一般的なマットレストッパーの厚み
  • 分厚いパッドと同等のサポート性
  • これ一枚で寝るのはやや不十分
5cm
  • 厚めのマットレストッパー
  • 体圧分散改善◎
  • 体重30kg前後の子供ならこれで十分
敷布団/
ノンコイル
薄型
マットレス
thin-non-coil-mattress3 7cm
  • やや薄めの敷布団などの厚み
  • 体重60kg前後の人向き
  • 横向き寝だと底つき感の心配あり
10cm
  • 敷布団・床置きマットレスの厚み
  • 体重80kg前後人向き
  • 折り畳んだり、収納できる限度の厚み
ノンコイル
ベッド
マットレス
thick-non-coil-mattress3 15cm
  • 体重の重い人でも快適に寝られる厚み
  • 折り畳んだり収納するのは困難
  • ベッドでの使用に向いている
20cm
  • 分厚いノンコイルマットレスの厚み
  • 薄めのコイルマットレスの厚み
  • コイルの上の詰めものが不十分なことがある
コイル
スプリング
ベッド
マットレス
coil-mattress3 25cm
  • 標準的なコイルマットレスの厚み
  • シングルサイズでも20kg以上の重さになる
35cm
  • ベッドマットレスとしては分厚い部類
  • 両面仕様のものが大半
  • ものによっては厚すぎることも

ただ、あまり知られていないのが、ウレタンフォームやラテックス自体の密度です。

密度とは体積に対する重量です。つまり、同じ大きさでも中身がスカスカなものは原料が少ないため安価なのです。

また、密度は耐久性とも相関しており、低密度のスカスカのものはへたりやすく、高密度のしっかりしたものは丈夫になります。

例えば、ウレタンフォームが使用されているマットレスなら商品資料などに「密度30D」などと記載されているのでしっかり確認するようにしましょう。

密度(kg/㎥) 耐久性の評価
高反発ウレタン 低反発ウレタン 高反発ファイバー
20D以下 30D以下 35D以下
  • 数ヶ月~1年程度の耐用年数
  • 1万円をきる安価なマットレス向け
25D前後 35D前後 45D前後
  • 3~5年程度の耐用年数。
  • リーズナブルなマットレス向け
30D前後 40D前後 55D前後
  • 5~8年程度の耐用年数。
  • 国内・海外ブランドの有名マットレス向け
40D以上 50D以上 65D以上
  • 8年以上の耐用年数。
  • 高価で高品質なマットレス向け

2-3. コイルの品質と数

コイルスプリングの線材の品質は、品質表示ラベルの「コイルスプリングの材料と種類」を見るとわかります。

ポイントは、線材の種類、炭素保有量、マンガン保有量です。

quality-of-coil-spring
コイルスプリングの品質表示の見方

硬鋼線よりピアノ線のほうが品質、耐久性、価格ともに高くなりますし、②の数値が高いもののほうが同じようにそれらが高くなります。

耐久性については下記の数値を目安にお考えください。

線材の種類 炭素保有量値 耐用年数の目安
ピアノ線 SWRS 77~92 10年前後
硬鋼線 SWRH 82
72~77 6~7年前後
62~67 3~4年前後
【注意】大変残念なことに、平成29年3月30日よりスプリングマットレスの品質表示法の改定があり、表示内容が大幅に簡素化されることになりました。
今後はこのような表示内容になるため、品表ラベルを見てスプリングの数、大きさ、材料の種類、品質などを知ることができなくなってしまいました。とはいえ、メーカーも販売店も今まで通り上記のスペックを参考に売買をしているので、あなたが店頭でマットレスの線材と品質を質問すれば教えてくれるでしょう。優れた一品を選び抜くために使える知識ですので、品質表示に記載はされていないとしても、知っておくに越したことはありません。

また、コイルの数が多いとその分使用する原料が多くなるので価格が上がります。

しかし、これについては注意が必要です。というのも、コイルの数が増えても寝心地はあまり大きく変わらないからです。「価格が高くなればそれがそのまま直接的に他の要素(耐久性)に恩恵がある」ようなウレタンフォームの密度やコイルの品質などとは異なり、見かけ倒しの価格上昇要因であることが多いのです。

※「コイルの数が多いポケットコイルマットレスを購入しようかな」と考えたい方は、こちらのページで上手な選び方について解説しているのでご参考にしてください。

関連記事:ポケットコイルマットレスの特徴をもとにした選び方とおすすめ3選

2-4. コイルの上の詰めものの素材と品質

ポケットコイルマットレスというと、コイルのことばかり考えられてしまいがちです。

が、コイルの上の詰めもの(ウレタンフォームやわたなど)の素材や品質で寝心地や価格が大きく変わるので覚えておきましょう。

polyurethane-foams-on-the-coil-are-important
コイルの上の詰め物が寝心地を大きく左右する

詰めものが少ないものだと安価になります。

しかし、その分寝心地は悪くなりますし、低品質・低密度のウレタンフォームだと同じく安価になりますが耐久性が低くなります。

また、詰めもののわたがただのポリエステルなのか、それとも防ダニ加工などがされているかでも価格は変わります。

それこそ高級ベッドマットレスともなると機能にすぐれた羊毛わたが使用されていたりします。

素材 イメージ 柔らかさ 滑らかさ 吸湿性 放湿性 耐久性 洗濯性





綿
(コットン)
cotton1

(リネン)
linen1



(シルク)
silk1
羊毛
(ウール)
wool1




レーヨン layon1

ポリ
エステル
polyester1 -

体に近い部分だけあって寝心地に大きく影響してきますので、価格に見合った品質か見落とさないように確認しましょう。

2-5. 配送料

中価格帯以上のコイルマットレスの価格を押し上げているのが配送料です。

ノンコイルマットレスは圧縮梱包でコンパクトにできるため配送料を抑えられる一方、コイルマットレスは圧縮をせずに大きくて重たいまま運ぶので日本国内の配送料が1台につき2万円前後もかかってしまうことになります。さらに、設置までしてもらうとなると1万円前後の費用が追加でかかります。

delivery-cost-in-japan
運賃表(引用:佐川急便

(※三辺の長さを合計して送料を算出するので、97×195×25cmのマットレスなら350のサイズに相当。)

低価格の量産向けのコイルマットレスであれば圧縮仕様で販売されているのでノンコイルマットレスと比べてもやや高いくらいなのですが、中価格帯以上のものとなると圧縮不可能なこともあるため急にトータルの価格が高くなってしまうのです。

2-6. 製造国

これは言わずもがなですね。

各国の人件費が異なるため、製造国によって価格が変わります。

中国の人件費が高騰しているといっても、それでもこの産業においては日本の半分くらいの水準ですので、やはり中国製は安いです。さらに、サプライチェーンが出来上がっているのも中国の強みです。以前、中国よりもさらに人件費の安いベトナムの工場に見積もりをとったところ、中国のそれと同じでした(ベトナムとの経済連携協定により輸入関税がないにもかかわらず)。どういうことかというと、例えば、ベトナムでマットレスを作ろうとしても良い生地工場がないため生地は中国から輸入することになり、そのため関税や時間がかかるため結果的に価格が高くなってしまうのです。

なお、日本製マットレスといっても最後の工程が日本で行われたから「日本製」になっているだけで、製造はほとんど中国で行われているものも少なくありません。もちろん、弊社の商品にもこの手のものはありますが、「日本製」として高く売ろうとしているわけではなく良いものが安く作れるからそうしているだけのことです。そのため、商品ページには「日本製(ウレタンフォーム:オーストリア製、側生地:中国製)などのような書き方をしています。

2-7. 研究開発費・広告宣伝費

これはメーカーごとのスタンスだと考えるとよいでしょう。

「マットレスなんて代わり映えのしない商品で何が研究開発だ」と思われるかもしれませんが、弊社の場合でも取り扱いが手軽になるファスナーの構造を考案して実用新案を取得するのに数十万円かけたり、取得の前の事前調査やらなんだに数万円投資することもあります。他にも、睡眠にかかわる学会に社員総出で参加したりすると結構な出費になります。企業によっては自前の研究施設を取り揃えているところもあるほどです。

3. マットレス購入に別途かかる費用

マットレスを購入するとなると、マットレス以外にも付属で必要なものが出てきます。

これらを含めて予算を考えることをおすすめします。

3-1. ベッドシーツやパッドなど

マットレスを買うとなると、ベッドシーツやパッドなども買い揃える必要があります。

汚れ対策などから絶対に必要です。

敷きパッド ベッドパッド ベッドシーツ トッパー プロテクター
画像 shiki-pad1 bed-pad1 bed-sheet1 mattress-topper1 mattress-protector1
役割
  • 肌触りの改善
  • 温湿度の調整
  • マットレスの汚れ防止
  • 肌触りの改善
  • 温湿度の調整
  • おしゃれ
  • 体圧分散改善
  • マットレスの
    汚れ防止
厚み 1~2cm前後 3~4cm前後 5mm前後 3~5cm 5mm前後
温湿度調整 ×
汚れ防止
洗濯 ×
体圧分散性 × ×

マットレスを購入する予算の20%くらいを割かれることをおすすめします。

「そんなにお金かけるの?」と思われるかもしれませんが、マットレスよりも体の近くで使うものなので費用対効果は感じられるはずです。

もちろん、これらは全て必要なわけではありません。あなたのニーズに合わせて買い揃えましょう。

下記のページでおすすめの組み合わせなど紹介しているのでぜひご参考にしてください。

関連記事:【マットレスの正しい使い方】敷き方・パットの順番・必要アイテムとは?

3-2. ベッドフレーム

床置きマットレスならまだしも、ベッドマットレスを購入するなら当然ベッドフレームが必要になります。





ローベッド フロアベッド ステージベッド 脚付きベッド スチールベッド パレットベッド
low-bed1 Floor-Bed Stage-Bed bed-with-legs1 steel-bed1 pallet-bed1




引き出し収納付きベッド チェストベッド 跳ね上げ式ベッド ロフトベッド
bed-with-drawer1 chest-bed1 flip-up-bed1 loft-bed1



ソファベッド 脚付きマットレスベッド 折り畳みベッド 電動ベッド 床置きすのこ 畳ベッド
sofa-bed1 mattress-bed1 foldable-bed1 movable-bed1 sunoko1 tatami-bed1





ダブルクッションベッド ウッドスプリングベッド マルチポイントベッド
double-cushion-bed1 wood-spring-bed1 multi-point-bed1





連結ベッド 二段ベッド 親子ベッド システムベッド
connect-bed1 bunk-bed1 parent-and-child-bed1 system-bed1

低価格のものでも2万円くらいから予算は考えておいたほうがいいですし、ベッド下に引き出しが付いていたりすると5万円前後、跳ね上げ式ベッドだと8万円前後、革張りでブランドのかっこいいものなら少なくとも10万円前後、、、とベッドフレームの価格もいろいろです。

とはいえ、ギシギシ軋むような粗悪品ならともかく、ベッドフレームで寝心地変わることはないので、どちらに予算配分を優先するべきかと問われれば、私は当然マットレスに予算を多く割り当てることをおすすめします。

4. 価格だけで選ぶと失敗する?注意点も解説

マットレスは価格帯によって大きな差があり、「安いもので十分か」「高級品を選ぶべきか」と迷う人も少なくありません。

しかし、価格だけで判断すると寝心地・通気性・耐久性の面で後悔することがあります。ここでは、安いマットレスと高いマットレスを選ぶときの注意点を整理して紹介します。

4-1. 安いマットレスを選ぶ際の注意点

安価なマットレスは購入費用を抑えられるため、来客用や一人暮らしの短期利用には便利です。ノンコイルの高反発ウレタンや低反発ウレタンを用いたものなら、厚みや密度が一定以上あれば体圧分散や寝返りサポートも期待できます。

ただし、格安モデルはウレタンの密度が低くへたりやすい、通気性が悪く湿気やカビのリスクが高いといった弱点があります。薄すぎるものは底付き感が出やすく、腰の違和感や寝心地の悪さにつながるので、厚み10cm以上は目安に選ぶと安心です。

また、AmazonやAliExpressなどで、中国の工場から格安マットレスを直接購入する場合、日本の商社やメーカーが行っている検査業務がないことがあり、一般的には使用されない原材料(ジクロロメタン・メチレンクロライド)が使われていることもあるため、注意が必要です。

4-2. 高いマットレスを選ぶ際の注意点

高級マットレスはラテックスやポケットコイルを使用したモデル、ハイブリッド構造などで、耐久性や快適性に優れているのが特徴です。厚みや反発力に余裕があり、長期間使える点も魅力です。

しかし「高い=必ず良い」とは限らず、反発力が強すぎて体に合わない、厚みがありすぎて通気性が悪く蒸れるといったケースもあります。購入の際は試し寝や返品保証を確認し、さらにネット通販では送料や設置費用を含めた総額で比較することが大切です。

5. おすすめの予算分配

最後に、予算配分についてです。

予算別におすすめの配分を紹介していきます。

5-1. 予算が3万円のケース

予算が限られる場合です。

このような場合、ベッドフレームやシーツはなしで結構です。

  • ベッド:なし
  • マットレス:20,000円
  • パッド:5,000円
  • シーツ:なし
  • 枕:5,000円

高反発の三つ折りマットレスを床に置いて使いましょう。

敷きパッドを敷けば汚れ対策としては十分です。ただ、カビを生やさないように手入れはしっかり行いましょう。

マットレスを壁に立てかけて干す

5-2. 予算が5万円のケース

ある程度予算がある場合です。

上記の状態に、ベッドとシーツを買い足します。

  • ベッド:15,000円
  • マットレス:20,000円
  • パッド:5,000円
  • シーツ:5,000円
  • 枕:5,000円

寝心地は変わりません。

が、ベッドの上なので睡眠環境が良くなります。

ホコリっぽさなどがなくなります。また、手入れの手間もだいぶ楽になります。

5-3. 予算が10万円のケース

さらに予算が増えた場合です。

マットレスとベッドをアップグレードさせましょう。

  • ベッド:35,000円
  • マットレス:50,000円
  • パッド:5,000円
  • シーツ:5,000円
  • 枕:5,000円

寝心地は文句ないレベルになります。

また、ベッドもしっかりした作りのものを選べます。

寝具屋の人間としては、これくらいの予算を組んで「良い睡眠環境」を作ってもらいたいと考えています。

5-4. 予算が20万円のケース

潤沢に予算がある場合です。

まずはベッドとマットレスをアップグレードさせます。

  • ベッド:60,000円
  • マットレス:90,000円
  • パッド:15,000円
  • シーツ:25,000円
  • 枕:10,000円

そして、ベッドパッドを羊毛などの吸放湿性のあるものにします。

さらに、ベッドシーツを超長綿もしくはシルクなどにします。直接肌に触れるシーツは寝心地を分かりやすく激変させます。私自身、エジプト超長綿のシーツ(とカバー)を使っていますが、本当にうっとりする肌心地で快適です。

分類 繊維長(mm) 代表的品種
短繊維綿 20.6未満 デシ綿
中繊維綿 20.6~25.4 パキスタン綿
中長繊維綿 26.2~27.8 アップランド綿
長繊維綿 28.6~33.3 スーダン綿
超長繊維綿 34.9以上 海島綿、スーピマ綿など

睡眠環境にこだわりたい人向けですね。

6. 通販と店舗、どっちで買う方が安い?

マットレスは通販のほうが安い傾向があります。店舗のように人件費や賃料がかからず、クーポンやキャンペーン特典もあるためです。

ただし、通販は試し寝ができないため、寝心地やサイズ感が合わず失敗するリスクが考えられますが、最近ではトライアル期間中に実際に使用してみて合わない場合は返品可能なお店もあるため、その点を事前に確認しておくと良いでしょう。

また、送料無料対象外や返品時の送料負担など、価格に含まれないコストがかかる場合もあるので注意が必要です。

試し寝を重視するなら店舗、コストを抑えたいなら通販と優先順位に合わせて選ぶのが安心です。

最後に

マットレスの価格相場に加えて、寝具一式を揃えるのに大体いくらになるのかイメージする一助になっていれば幸いです。

なお、以下のページで寝心地が素晴らしいマットレスを選ぶためのポイント(体圧分散性、弾力性、耐久性など)とおすすめのブランドについて徹底的に解説しているので、是非あわせてご参考にしてください。

関連記事:快眠マットレスおすすめ17選&自分に合うものを絞り込む手順

また、マットレスに関するページを以下にまとめましたので、気になるトピックがあればあわせてご参考にしてください。

■あわせて読んでおきたい「マットレス」の記事一覧
- 選び方編
○マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順
○敷布団とベッドマットレスの比較。素材ごとの併用の相性とおすすめ
○【失敗しないマットレスの選び方】硬さ、厚さ、密度、線材を吟味
○マットレスの3種類7素材を比較|特徴と選び方、おすすめできる人
○低反発と高反発の違い、あなたに合うマットレスはどっちか
○【快眠の方程式】マットレスの理想の硬さ=理想の寝姿勢
○マットレスの正しい厚み(高さ)は「用途と目的」を軸に考える
○【マットレスの通気性】素材・加工ベースで比較評価
- 使い方編
○【マットレスの使い方】シーツ、パッドの正しい順番とは
○マットレスにすのこは必要か?おすすめの選び方
○マットレスの上に布団を敷いてはいけない2つの理由と代替策
○マットレスの正しいダニ退治方法、二度と繁殖させない予防法
○マットレスのカビ除去方法と、再発を防ぐ予防対策
○ベッド・マットレスがずれる?それなら滑り止め対策を
○長生きでお得に!マットレスの寿命を判断する5つの目安
○賢い節約術!マットレスの処分方法を考えるべき順序

よくある質問

Q1. マットレスの価格相場ってどのくらい?

A. マットレスの価格相場は種類やサイズ、素材、ブランドによって大きく異なります。一般的なシングルサイズの場合、以下のような目安があります。

  • 三つ折りタイプ:約1万円〜3万円
  • 低反発/高反発マットレス(ウレタン・ファイバー):約2万円〜7万円
  • ポケットコイル・ボンネルコイルタイプ:約3万円〜10万円
  • 高級ラテックス・ハイブリッド素材:約10万円以上

「安い=悪い、高い=良い」とは限らず、体型や使用環境に合ったマットレスを選ぶことが重要です。

Q2. 安いマットレスでも睡眠に悪影響はないの?

A. 価格が安いマットレスでも、密度や反発性、通気性がしっかりしていれば睡眠に悪影響はありません。特に以下のポイントをチェックすれば、コスパの良いマットレス選びが可能です。

  • 高密度ウレタン(30D以上)や高反発素材を使用しているか
  • 通気性の良さ(蒸れにくい構造・カバー素材)
  • 体圧分散性があり、寝返りしやすいか

ただし、極端に安価で厚みが薄いマットレスや、ノンブランドの粗悪品には注意が必要です。

Q3. 高級マットレスは何が違うの?

A. 高級マットレスは、主に以下の点で違いが現れます。

  • 中材に天然ラテックスや高密度ポケットコイルを使用
  • カバーや詰め物に天然素材(羊毛・カシミアなど)を使用
  • 体圧分散や寝姿勢サポートに優れた独自構造や多層構造
  • 耐久性・保証期間が長く、メンテナンス性も高い
  • ブランド独自の研究・開発に基づく設計

「毎日使う寝具だからこそ、質にこだわりたい」という方には、高級マットレスがフィットすることも多いです。

Q4. 値段と寝心地の関係って?価格が高ければいいの?

A. マットレスの価格と寝心地は一定の相関関係はありますが、「高ければ良い」わけではありません。

  • 1〜3万円台でも、素材や設計次第で快適な寝心地を実現できる
  • 10万円以上になると、ブランド保証やフィット感、耐久性が格段に上がることが多い
  • ただし、体格や睡眠姿勢、腰痛の有無によって合うマットレスは人それぞれです

最終的には、「自分の身体に合っているかどうか」が寝心地に最も影響します。値段に惑わされず、素材や構造、レビューなどを参考に選ぶのがポイントです。

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