寝返りしやすいマットレスが熟睡と腰痛改善のカギ
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寝返りがコロッとできること。
それはマットレス選びでの最重要項目の1つです。
とはいえ反対に、「寝返りが少ないのが良い眠り」と言われることもあります。
そのせいで、混乱されている方が多々いらっしゃいます。
そこで本日は、
- 寝返りが熟睡に大事な理由
- 寝返りがしやすいおすすめのマットレス
- 【ケース別】悪い寝返りを引き起こすマットレス
などについて解説していきます。
快眠のご参考にしてください。
※自分に合ったマットレスを選ぶ手順(型→素材→個別商品)と値段、体質、好み別におすすめできるマットレスについてこちらのページ「マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順」で徹底解説しています。高反発だけでなく多様な素材から網羅的にマットレス選びを進めたい方は是非ご参考にどうぞ。 |
1. 寝返りには「良い寝返り」と「悪い寝返り」がある
寝返りは、私たちが眠っている間に無意識に行う大切な動作です。しかし、すべての寝返りが同じ役割を果たしているわけではありません。
よく眠るために自然に打つ「良い寝返り」と、寝苦しさや身体への圧迫など不快な刺激を避けるために生じる「悪い寝返り」があります。マットレスの硬さや通気性、体のサポート性などによっても、寝返りの質や頻度は大きく変わります。
快適な睡眠を得るためには、この「良い寝返り」と「悪い寝返り」の違いを理解し、自分に合った寝具選びを意識することが大切です。
1-1. 良い寝返りはよく眠るための大事な働き
なぜ寝返りがマットレス選びの最重要ポイントの1つなのか。
その理由は以下の3つです。
- 圧迫をそらすため
- 筋疲労を減らすため
- 蒸れを抑えるため
それぞれ分かりやすく解説していきます。
1-1-1. 圧迫をそらすため
寝るときに体に圧迫がかかります。
いくら寝心地の良いマットレスでも、圧迫はゼロにはなりません。

重力が存在する限り、体に圧迫がかかります。
そのため、同じ部位に圧迫がかかり続けないよう、寝返りができることが大切なのです。
1-1-2. 筋疲労を減らすため
ずっと同じ寝姿勢でいると、体が疲れてしまいます。
これは寝姿勢に限らず、立っているときや座っているときも同様です。
ずっと同じ姿勢だと、筋肉に負担がかかってしまいます。
そのため、寝返りで姿勢を変えなければならないのです。
特に、腰のコンディションを左右します。
主な原因は、首や肩、背中の筋肉の疲労です。肩の周辺には僧帽筋や肩甲挙筋、棘下筋などの筋肉がありますが、これらの筋肉が疲労して固く緊張し、血行不良になると「乳酸」などの疲労物質が筋肉中に蓄積してきます。その結果、こりや痛みが起こります。
(引用:『腰痛、肩こり、手足のしびれ 「背骨」がかかわる症状の診断・治療ガイドブック』 伊藤達雄・戸山芳昭監修)
1-1-3. ムレを抑えるため
体とマットレスがずっと接していると、ムレ感が生まれてきます。
(素材が良ければある程度抑えられますが)
そのため、布団内の通気を促すために、寝返りが必要なのです。
つまり、下記のような流れです。
- 寝返りができる
- 布団内の温湿度調整ができる
- 蒸れにくくなる
- 体温が下げやすくなる
- 熟睡できるようになる

1-2. 悪い寝返りが起こる原因
全ての寝返りが「良い寝返り」とは限りません。
低品質なマットレスだと「悪い寝返り」をすることになります。
その具体例を紹介していきます。
(もしあなたがこのような寝返りをしていたら即刻マットレスを買い替えましょう)
1-2-1. 圧迫を感じている
マットレスが硬すぎると圧迫感が強まります。
その結果、圧迫をそらすために不必要な「悪い寝返り」をすることになります。
硬さ | イメージ | 評価 |
硬すぎ | ![]() |
|
適度 | ![]() |
|
柔らかすぎ | ![]() |
|
- 低品質な高反発マットレス
- 低品質なファイバーマットレス
- 低品質なコイルマットレス
このようなマットレスは避けましょう。
薄すぎるマットレスも同様です。
体を支えきれず圧迫感(底つき感)が生まれます。
底つき感のイメージ | |
仰向け | ![]() |
横向き | ![]() |
必要最低限の厚さが必要です。
あなたの体重をもとに最低限以上の厚さがあるマットレスを選びましょう。
使用者の体重 | 必要最低限の厚さ | |
ウレタンフォーム | ファイバー | |
30kg | 5cm | 3cm |
60kg | 7cm | 5cm |
80kg | 10cm | 7cm |
100kg | 13cm | 10cm |
1-2-2. 寝姿勢が悪くなっている(柔らかい、硬い)
低品質な低反発マットレスによくあります。
腰が落ち込んでしまい、寝姿勢が悪くなります。
そのため、寝姿勢を変えるための「悪い寝返り」が増えます。避けるようにしましょう。
1-2-3. 寝返りがしづらい(柔らかい、ウォーターベッド)
寝返りがしづらい寝具の代表例として、極端に柔らかいマットレスやウォーターベッドがあります。ウォーターベッドは体圧分散性に優れ、体全体を均等に支えてくれる寝心地が特徴ですが、その反面、体にぴったりとフィットしすぎてしまい、寝返りが打ちづらいと感じる方も少なくありません。
また、柔らかいマットレスも同様に、体が沈み込みやすくなることで寝返りが難しくなります。特に体重が重い方は沈み込みが強くなり、腰痛など体の不調につながることも。寝返りがしにくいと、寝姿勢が固定されて筋肉や関節に負担がかかりやすくなり、快適な睡眠が妨げられる原因にもなります。
1-2-4. 寝返りをすると揺れる、軋む(コイルマットレス)
コイルマットレスは寝返りで揺れてしまいます。
ボンネルコイルは横揺れして、ポケットコイルは縦揺れします。
高反発ウレタン | ボンネルコイル | ポケットコイル | |
画像 | ![]() |
![]() |
![]() |
寝心地 | ◯ | ◯ | ◎ |
通気性 | △ | ◎ | ◯ |
横揺れ | ◎ | △ | ◎ |
きしみ音 | ◎ | × | △ |
費用 | ◎ | △ | △ |
つまり、本来は「良い寝返り」であるはずなのに振動のせいで眠りを邪魔する「悪い寝返り」になることがあるのです。
(使用に応じてきしみ音が眠りを阻害することも)
敏感な方は避けるようにしましょう。
1-2-5. ムレて寝苦しい(通気性や吸湿性低い)
低品質なマットレス全般に起こります。
通気性や、側生地素材が悪いことが原因です。
蒸れて背中が暑く感じられて「悪い寝返り」をすることになります。
良い素材が使用されているものを選びましょう。
素材 | イメージ | 柔らかさ | 滑らかさ | 吸湿性 | 放湿性 | 耐久性 | 洗濯性 | ||
天 然 繊 維 |
植 物 性 |
綿 (コットン) |
![]() |
◯ | ◯ | ◎ | △ | ◯ | ◯ |
麻 (リネン) |
![]() |
△ | △ | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | ||
動 物 性 |
絹 (シルク) |
![]() |
◎ | ◎ | ◎ | ◯ | △ | △ | |
羊毛 (ウール) |
![]() |
◯ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | △ | ||
化 学 繊 維 |
再 生 |
レーヨン | ![]() |
◎ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | △ |
合 成 |
ポリ エステル |
![]() |
△ | ◯ | △ | - | ◯ | ◎ |
2. 良い寝返りがしやすいマットレス
「寝返りの重要性はわかった」
「じゃあどんなマットレスを選べばいいんだ?」
と疑問に感じられているかと思います。
結論、以下の3つの点が大切です。
-
体圧分散性(柔らかさ)
体にフィットして圧迫感を減らすため。ある程度の柔らかさは必須になります。それにより無駄に寝返りをすることを減らします。 -
反発弾性(反発力)
少しの力で寝返りできる弾力性があること。寝姿勢が崩れないようにもします。 -
通気性と吸放湿性
蒸れにくくすること。クールダウンしやすいと眠りに入りやすくなります。
2-1. 適度な硬さ(圧迫なし、良い姿勢)
良い寝返りがしやすいマットレスの条件は適度な硬さがあることです。硬すぎるマットレスでは体の一部に圧迫が集中しやすくなり、逆に柔らかすぎるマットレスや低反発タイプは体が沈み込みすぎて寝返りが打ちづらくなります。どちらも自然な寝姿勢が保てず、腰痛や肩こりなど体の不調につながることもあります。
そのため、体圧分散性が高く、圧迫感が少ないうえに身体をバランスよく支えてくれる高密度ポケットコイルや高反発マットレスがおすすめです。こうしたマットレスは、無理なく寝返りができて、良い姿勢をキープしやすく、睡眠中の負担も軽減してくれます。
2-2. 反発弾性が高い(沈み込まない)
マットレスの反発弾性率とは、素材がどれだけしっかり押し返す力を持っているかを示す数値です。50%以上の高反発ウレタン素材は、体が沈み込みすぎるのを防ぎ、押し返す力で自然な寝姿勢を保ちやすくなります。その結果、寝返りが打ちやすくなり、快適な睡眠をサポートします。
2-3. 横向き寝がしやすい構造
良い寝返りがしやすいマットレスには、横向き寝でも自然な姿勢を無理なく保てる構造が欠かせません。なかでも、上層に柔らかい低反発素材、下層にしっかりした高反発素材を組み合わせた2層構造のマットレスは、横向き寝の快適さで高く評価されています。
肩や腰をやさしく包み込む一方で全身をしっかり支えるため、横向きで寝ても背骨がまっすぐになり、体への圧迫感も少なくなります。その結果、寝返りもスムーズに打ちやすくなります。
2-4. 寝返りで過度に揺れない(コイルは揺れて合わない人もいる)
寝返りを打ったときにマットレスが大きく揺れると、睡眠の質が下がったり、隣で寝ている人を起こしてしまうことがあります。そのため、良い寝返りがしやすいマットレスには「揺れにくさ」、つまり優れた衝撃吸収性も重要なポイントです。
この揺れにくさは、マットレスのクッション材によって大きく左右されます。ウレタンフォームやファイバー、ラテックスといったノンコイル系素材は、衝撃をしっかり吸収し、寝返りの揺れが伝わりにくいのが特長です。特に低反発ウレタン(メモリーフォーム)は衝撃吸収性が高く、揺れを感じにくい素材として人気があります。
一方、ボンネルコイルやポケットコイルなどのスプリングコイル系マットレスは、バネ構造のため振動が伝わりやすく、人によっては寝返りのたびに揺れが気になるでしょう。そのため、揺れに敏感な方や隣で寝ている人を気にする方には、ノンコイル素材のマットレスがおすすめです。
2-5. 耐久性が高くてすぐにへたらない(ノンコイル素材の密度)
寝返りのしやすさを保つためには、マットレスの耐久性も大切です。特にノンコイルの高反発マットレスは、ウレタンフォームやファイバー素材の「密度」が高いほど、へたりにくく、長期間しっかりと体を支えてくれます。
密度が高いほど体が沈み込みすぎず、寝返りのしやすさも維持しやすくなります。なかでも30D~36Dの高密度タイプは、寝心地と価格のバランスが良く、体が沈み込みすぎず寝返りのしやすさも実感できるため、コストパフォーマンスを重視する方にもおすすめです。
3. 寝返りしやすいおすすめのマットレス
3-1. 快眠タイムズマットレス3.0【イチオシ】

型・種類 | ノンコイルベッド/ハイブリッドマットレス |
厚み | 20cm |
硬さ | ふつう |
送料 | 無料 |
品質保証 | 5年 |
トライアル | 100日 |
サイズ・重量 | シングル: 98×195×20cm・約15kg、セミダブル: 118×195×20cm・約18kg、ダブル: 138×195×20cm・約21kg、クイーン: 158×195×20cm・約25kg、キング: 約幅178×長さ195×厚さ20cm、約28kg |
価格 | シングル: 55,000円、セミダブル: 65,000円、ダブル: 75,000円、クイーン: 85,000円、キング: 95,000円 |
リンク | 商品ページ |
体圧分散性 |
反発弾性 |
通気性 |
吸放湿性 |
お手入れ |
◎ | ◎ | ◯ | ◎ | ◯ |
高弾性ウレタンフォームを使用しているので、もちもちなのにしっかりした三層構造のウレタンフォームで、雲の上のような無重量感覚で寝返りがしやすいマットレスです。
背中と腰のくびれへピタッとフィットしつつも、寝返りが楽にできる反発力。寝心地の概念が変わってしまうほどです。ただ、柔らかい寝心地やガチガチに硬い寝心地が好みの人には不向きです。
最後に
もしあなたのマットレスが寝返りがしにくいということであれば、買い換えることをおすすめします。
なお、もしそのためにマットレス選びの情報収集中ということでしたら、ぜひ下記のページもご覧ください。自分にあったマットレスを選ぶための考え方の手順から、種類、素材、値段別におすすめマットレスを紹介しています。きっとお役立ていただけるはずです。
著者紹介

著者情報
加賀 照虎(上級睡眠健康指導士)
上級睡眠健康指導士(第235号)。3,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。取材依頼はこちらから。
各種SNSで情報発信中。
上級睡眠健康指導士(第235号)。3,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。取材依頼はこちらから。
各種SNSで情報発信中。
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