マットレスカバーの選び方とおすすめ10選|素材・構造・季節別に快適な一枚を見つけよう

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マットレスカバーの選び方とおすすめ10選|素材・構造・季節別に快適な一枚を見つけよう
  • 綿とポリエステルなどの素材の違いが分からない…
  • ボックスシーツ?フラットシーツ?何がどう違うの?

などなど、マットレスカバーを選ぶとき、多くの疑問にぶつかるかと思います。

学校で教わることでもないですし、仕方がありません。私もこの業界に入るまで、わかりませんでした。

とはいえ、あなた(とマットレス)に合うカバーを選べられるかどうかで、寝心地から使用感まで大きく変わります。 特に、日々の手入れの手間も大きく変わりますので、絶対に知っておいていただきたいです。

ということで本日は、

  • マットレスカバーの役割と構造
  • マットレスカバーの生地と素材の種類
  • おすすめのマットレスカバー
  • 選ぶ上でよくある注意点

などについて解説していきます。

ぜひ参考にしてください。

1. マットレスカバーの前提知識と選び方

まずは前提知識などを理解してもらいつつ、上手な選び方を解説していきます。

あなたに合うものはどれか見定めましょう。

1-1. 側生地ではなくベッドシーツのこと

まず大前提です。

マットレスカバーとは、ベッドシーツとも言われるもので、別途買い足してマットレスの上に敷くものです。

マットレスに元々付いている側生地とは異なります。

側生地 カバー(シーツ)
画像 fabric-ema-mattress

bed-sheet1

1-2. マットレスカバーの使い方と役割とは

マットレスに対してカバーなどを敷く順番は次のようになります。

(下)マットレス>トッパー>マットレスプロテクター>ベッドパッド>敷きパッドorカバー(シーツ)(上)

そのため、マットレスカバーの役割とは、肌触り、汗取り、おしゃれの3つがメインになります。

その他のマットレスの上に敷くものの役割などを比較すると次のようになります。

敷きパッド ベッドパッド ベッドシーツ トッパー プロテクター
画像 shiki-pad1 bed-pad1 bed-sheet1 mattress-topper1 mattress-protector1
役割
  • 肌触りの改善
  • 温湿度の調整
  • マットレスの汚れ防止
  • 肌触りの改善
  • 温湿度の調整
  • おしゃれ
  • 体圧分散改善
  • マットレスの
    汚れ防止
厚み 1~2cm前後 3~4cm前後 5mm前後 3~5cm 5mm前後
温湿度調整 ×
汚れ防止
洗濯 ×
体圧分散性 × ×

マットレスカバーは薄い生地ですので、汚れを防止することや体圧分散性を改善させることはできません。

肌触り、汗取り、おしゃれなどを軸に素材や生地などを選んでいくのがポイントになります。

1-3. 季節や好みに合わせて素材・生地を選ぶ

1-3-1. まずは知るべきは各素材の特徴

マットレスカバーに使用される素材は主に次の5つになります。

素材 イメージ 柔らかさ 滑らかさ 吸湿性 放湿性 耐久性 洗濯性





綿
(コットン)
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(リネン)
linen1



(シルク)
silk1
羊毛
(ウール)
wool1




レーヨン layon1

ポリ
エステル
polyester1 -
  • 綿(コットン)
    オールマイティ。肌触りがよく、汗をよく吸収します。ただ、乾くのに時間がかかるので、熱帯夜にベタっとなりやすく、冬場は洗濯が1日で終わらないこともあります。価格はシングルサイズで3,000円前後からです。稀に安いものもありますが、品質が悪くてバサバサした硬さがあるので、あまりにも安いものは避けることをおすすめします。
  • 麻(リネン)
    麻は汗をよく吸収して発散します。さらに、天然の接触冷感性があり、ひんやり感があるので夏に快適です。ただ、繊維にハリがあるため、肌あたりが硬くなりがちです。高品質なもの(シングルサイズで1万円前後)でないとゴワゴワします。特に洗濯後にその変化を感じられやすいです。高品質のものは洗濯しても問題ありませんが、低品質のものは洗濯後にかなりバサバサになります。
  • 絹(シルク)
    肌触りがダントツです。滑らかさにおいては他素材と一線を画します。発色も鮮やかで豪勢な見栄えです。ただ、洗濯機洗いができず、手洗いしなければならず手入れは大変です。また、価格もシングルサイズで2~3万円前後とかなり高価になります。
  • レーヨン(バンブー、リヨセル、テンセル™など)
    柔らかく、汗をよく吸収します。また、放湿性にも優れています。肌あたりが良いため快適です。ただ、耐久性がやや低く、毛羽立ちやすいため、やさしく洗うよう心がけましょう。価格は中程度の品質の綿と同じくらいです。
  • ポリエステル
    コシのある丈夫な繊維です。吸水性がないため蒸れやすいのが欠点です。しかしその反面、吸水しないため乾きが早いです。また、丈夫なので洗っても傷みにくいです。そのため、綿50%ポリエステル50%というようにブレンドされることがあります。価格もお手頃になります。

1-3-2. 注意してほしい素材の吸水性

大事な余談です。

マットレスカバーの素材検討で押さえてほしいのが吸水性です。

どういうことかと言うと、人は眠るときに体温が1.5度ほど下がるとされているのですが、もしマットレスカバーの素材に吸水性がないとなると、ベッド内で蒸れて寝苦しくなってしまって睡眠の質を下げることになりえるのです。

6sleep-and-temperature
人は眠るときに汗をかいて体温を下げる

だから、吸水性が重要なのです。

とはいえ、吸水性が悪いのはポリエステルなどの合成繊維くらいです。

そこで気を付けてもらいたいのが、まずポリエステル100%は絶対に避けること。次に、綿50%ポリエステル50%などのブレンドものも、洗濯のしやすさと低価格などのメリットがありつつも蒸れやすさのデメリットがあることを理解することです。寒がりの人ならまだしも、暑がりの人がこの手のマットレスカバーを使うと、眠りにくくなることがあります。

1-3-3. 各種類の生地の特徴

繊維の織り方(編み方)で生地が変わります。

下の写真のような一般的なマットレスカバーは織られた生地(布帛)のものです。

bed-sheet1
ベッドシーツ

全て同じように見えるかもしれません。

が、実のところ、織り方に違いがあります。

平織 綾織(ツイル) 繻子織(サテン)
イメージ percale-fabric twil-fabric sateen-fabric
肌あたり しっかり 中間 なめらか
重量 軽め 中間 重め
通気度 高め 中間 低め
強度 高め 中間 低め
光沢感 低め 中間 高め

これは選びわけが難しいかもしれませんが、滑らかさ重視ならサテン、耐久性重視なら平織、迷ったら間をとって綾織がおすすめです。

なお、他にも以下のような生地もあります。

ニット生地 パイル生地 起毛生地
画像 knit-fabric pile-fabric plush-fabric
特徴
  • スムースな肌触り
  • 通年快適に使える
  • オールマイティな使用感
  • タオルのような肌触り
  • 汗をよく吸収する
  • 通年使える
  • ふわっとした肌触り
  • 暖かみがある
  • 夏には不向き

近年流行っているのが伸縮性の高いニット生地のマットレスカバーです。

マットレスにピタッと付けられ、アイロンをしなくてもシワが目立たないため、お手入れがらくで人気です。

タオル地や起毛生地もそれぞれ夏と冬には定番ですね(どちらかというと敷きパッドの生地として選ばれることのほうが多いかもしれませんが)。下記に生地の織り方・編み方について少しまとめておりますので、参考にされてください。

  • 平織(ブロード)
    縦糸と横糸を1本ずつ交互に織った基本的な織り方で、通気性と耐久性に優れます。軽くて洗濯にも強く、毎日使う寝具に最適です。通年用・ナチュラルな風合いを求める方におすすめです。
  • 綾織(ツイル)
    斜めの織り目が特徴で、やや厚みがありシワになりにくい織り方です。肌に沿うような柔らかさがあり、ホテル仕様のなめらかさを感じられます。柔らかな風合い・高級感を求める方に最適です。
  • サテン織(繻子織)
    高密度で光沢感があり、滑らかな肌触りが特徴です。密に織られているため、防ダニ性とドレープ性(体へのフィット感)にも優れています。冬場や高級志向の寝具におすすめです。
  • ニット(スムース・フライス)
    編み物構造のため伸縮性が高く、マットレスにフィットしやすい素材です。アイロンいらずでシワが目立たず、柔らかな風合いが持続します。取り扱いやすさ・ストレッチ性を重視する方に人気です。
  • パイル(タオル地)
    ループ状の繊維が汗をしっかり吸い取り、ふんわりとした肌触りです。夏はサラッと、冬はほんのり暖かく、オールシーズン使える万能生地です。吸水性と肌触りを両立したい方におすすめです。

1-3-4. 中材のあるマットレスカバー

通常のマットレスカバーは一枚生地構造ですが、最近では薄い中材(わた)を挟んだタイプも増えています。このタイプは「キルティングカバー」や「クッション付きカバー」と呼ばれ、寝心地を少し柔らかくしたい方に人気です。

  • 中綿(ポリエステルわた)入りタイプ
    適度なクッション性があり、寝返り時の底付き感を軽減します。吸水速乾性が高く、洗濯しても乾きやすいため扱いやすいのが特徴です。
  • ウール(羊毛)混タイプ
    吸湿発散性が高く、湿気を逃しながら暖かさをキープできます。冬は保温性を発揮し、夏は蒸れにくい天然の温度調整素材です。
  • テンセルわたタイプ
    植物由来の繊維で、柔らかくドレープ性に優れています。通気性と吸湿性が両立し、肌触りもなめらかです。

中材入りのマットレスカバーは、マットレスの硬さを緩和したい人や、体圧分散を少し補助したい人にもおすすめです。

1-3-5. 季節や体質などに合った選び方

上記の素材・生地感を踏まえて、季節やあなたの体質に合ったマットレスカバーを選ぶようにしましょう。


  • ひんやり感があり肌離れのいいリネン素材は夏にぴったりです。熱帯夜でも涼やかに感じられます。また、タオル生地も同様に、汗をよく吸収してくれるので寝冷えもしにくいです。

  • 起毛生地のマットレスカバーだと、ベッドに入るときのヒヤッとした感覚が少なく、また、ベッド内が暖まりやすいです。寒さが苦手な方に向いています。
  • 通年
    オールシーズン使えるものをお探しなら綿がおすすめです。一年中快適に使えますし、洗いにも強いので長く使えます。
  • アレルギー
    ダニアレルゲンやホコリなどに対して敏感な方は、目が細かく織られた高密度織りのマットレスカバーがおすすめです。生地を通してアレルゲンがベッド内に入るのを防ぐので衛生的な環境で眠れます。

1-4. ベッド・マットレスに合う構造のマットレスカバーを選ぶ

マットレスカバーは構造別に、3種類あります。

フラットシーツ ボックスシーツ フィットシーツ
形状 Flat-Sheets Box-Sheets Fit-Sheets
マットレス
対象
  • 厚型◯
  • 薄型◯
  • 三つ折り△
  • 厚型◯
  • 薄型◯
  • 三つ折り◯
  • 厚型△
  • 薄型◯
  • 三つ折り◯
ベッド対象 落とし込み 上乗せ 上乗せ
敷きやすさ
ズレやすさ
畳やすさ

なお、各カバーにはベッドの構造別の相性があるのでそれも理解しましょう。

落とし込み 上乗せ
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Cellpur-Sweet-Dream-Mattress1

それぞれ特徴を解説します。

  • フラットシーツ
    端的に言うと、フラットな布です。マットレスを包むようにして使うので敷くのはやや面倒です。きちんと固定されていないとズレやすくもなります。その反面、構造がシンプルなので畳むのはかんたんです。なお、落とし込みのベッドだと、カバーをマットレスとベッドの間に挟みやすいのでベッドメイキングが楽です。
  • ボックスシーツ
    側面の高さ(マチ)のあるシーツです。マットレスに被せるようにして使うため敷くのがかんたんでズレにくいです。ただ、若干畳みにくいです(コツを覚えれば問題ないですが)。なお、上乗せ構造のベッドだと敷きやすいですが、落とし込みのものだとマットレスを上げないとカバーをかけられずやや大変になります。
  • フィットシーツ
    敷布団や薄型マットレス向けのボックスシーツです。同じく、敷きやすくズレにくいです。

1-5. 色などはインテリア性を踏まえて選ぶ

マットレスカバーの色は以下の3種類が人気です。


  • 王道の色ですね。ホテルライクでおしゃれです。清潔感のある色ではありますが、良くも悪くも汚れが目立ちやすいです。その点が気になるなら、オフホワイトやアイボリー、生成り(キナリ)などの色を選ぶことをおすすめします。
  • ダーク系
    黒やグレーなどの色は若い男性に人気です。クールなかっこよさがあります。ただ、あまりにも暗い色だと部屋が重たいイメージになるので注意しましょう。
  • アース系
    自然を感じられる色はリラックスできます。眠る環境に相応しいとも言えます。ベージュやブラウン系は長らく定番ですね。
ホワイト オフホワイト 生成り アイボリー
参考 #ffffff #fff9ee #f7f6eb #fffff0

また、その他のポイントとして、マットレス、枕、布団などの全てのカバーは色と素材を統一させることです。

それぞれ別の色・素材だとチグハグになってしまいますので、できるだけ一緒に買い揃えられることをおすすめします。

1-6. マットレスカバーのサイズの選び方は?

カバーのサイズはマットレスに合わせればOKです。

と、言いたいところですが、注意点があるのでそれぞれ解説していきます。

1-6-1. フラットシーツのサイズ選び

「シーツをマットレスの底面に挟み込んでしっかり固定できるだけの十分な幅・長さがあるか」 を確認しましょう。

私のおすすめのサイズ感は、縦横の長さがマットレスの3辺(縦の長さ+高さ+高さと、横幅+高さ+高さ)の長さの合計よりも20cm程長いことです。

つまり、あなたのマットレスが120×200×25cmなら、縦の長さは200+25+25+20=270cm、横の幅は120+25+25+20=190cmあると余裕をもってシーツをマットレスの底に挟んで固定できます。

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落とし込みベッド

ただ例外として、もしあなたのベッドフレームがこの写真のようにマットレスを埋め込んで設置するタイプのものなら、ここまで余裕をもったサイズ感のシーツでなくても、ベッドの脇にシーツを簡単に挟むことができます。

1-6-2. ボックスシーツのサイズ選び

「シーツに記載されているサイズが、シーツ自体のサイズ(マチの高さ)なのか、対応できるサイズ(マットレスの高さ)なのか」 を確認することです。

というのも、ボックスシーツはマットレスの底に引っ掛ける必要があるためです。なので、「マチの高さ25cm」のボックスシーツを、高さ(厚み)25cmのマットレスにはめようとすると、ギリギリはめられない歯がゆい思いをしてしまいます。

そのため、マットレスのサイズが120×200×25cmの場合、「マットレスの高さ25cmまで対応」というボックスシーツか「ボックスシーツのマチの高さ30cm」と5cmほど余裕のあるボックスシーツを選びましょう。

1-7. 機能性で選ぶマットレスカバー

体質や好みに応じて高機能なものを選ぶのも大切です。構造的性質や薬剤など、加工法により機能性の持続力が変わることも覚えておきましょう。

1-7-1. 吸水速乾

吸水速乾は、敷きパッドが汗や水分を素早く吸い取り、すぐに乾くための加工です。中空ポリエステルのように繊維の断面に溝や穴を設け、毛細管現象で吸水性を高めています。肌あたりがサラッとしていて寝汗でベタつかず、ムレにくいです。洗濯後も乾きやすく、お手入れがラクなのも大きなメリットです。

1-7-2. 抗菌防臭(制菌)

抗菌防臭加工は、敷きパッドに付いた菌の増殖を抑えてイヤな臭いを防ぐ技術です。汗自体は無臭でも、菌が分解するとニオイが発生します。この加工を施すと菌の繁殖が抑えられ、汗をかいても臭いにくくなります。湿気が多い季節や汗っかきの人に特におすすめです。

1-7-3. 消臭

消臭加工は敷きパッドに付いたニオイ成分を吸着・分解して感じにくくする仕組みです。汗や体臭だけでなく、部屋にこもったニオイも和らげます。汗臭、加齢臭、ペット臭、タバコ臭などなど、ニオイが気になる人に向いています。ニオイ成分に直接的に働きかけるので抗菌防臭よりも効果的です。

1-7-4. 接触冷感

接触冷感は、肌に触れた瞬間にひんやり感じる加工です。特殊な繊維やコーティングが体温を素早く逃がす(熱伝導)ので、暑い夏の夜に布団に入ったとき「ヒヤッ」とした涼しさが得られます。寝苦しい夜でも快適に寝つきを助け、最初のひんやり感が熱帯夜の強い味方になります。

ただ、吸水性などのない接触冷感生地は一瞬ヒヤッとするだけで、すぐにムレて寝苦しくなるので注意が必要です。

1-7-5. 吸湿発熱

吸湿発熱は、生地が水分や寝汗を吸い取るときに熱を生む仕組みです。アクリレート(アクリル)素材が有名ですね。体の熱放散を利用してじんわり暖かくなるため、冷え込む冬の夜でも布団の中がポカポカ。電気を使わず体から発散される湿気で暖まるので、冷え性の人や冬場の寝つき改善にも役立ちます。

ただ、吸湿発熱があまりにも過剰だと、睡眠時に下がるべき体温が下がりにくく、寝付きを悪くすることもあるので注意が必要です。

1-7-6. 温度調整(PCM)

温度調整は、相変化素材(PCM)などで寝床の熱をコントロールする技術です。暑くなると余分な熱を吸収し、冷えると蓄えた熱を放出して、ちょうど良い温度を保つよう設計されています。春や秋のように昼夜の寒暖差が大きい季節にも効果的で、寝ている間の温度変化を和らげてくれます。

1-7-7. 高熱伝導

高熱伝導とは、グラフェンや銅繊維などの素材の性質により、体から出る熱を素早く布団全体に広げる働きです。冬は布団全体が早く温まり、夏は熱が一か所にこもらず拡散されるので、寝苦しさやムレを軽減します。グラフェンは銅の約10倍の熱伝導率と言われ、薄くても効率よく温度を調整します。

1-7-8. 防水

防水は、生地の裏側にポリウレタンなどの薄い膜を貼って液体を浸透させない加工です。飲み物のこぼれや寝汗、おねしょでマットレスが濡れるのを防ぎます。小さなお子さんや介護のある家庭、汗っかきの人もマットレスを汚さず清潔に保てるので、幅広いシーンで役立ちます。

1-7-9. 防ダニ

防ダニには、ダニが嫌がる成分を繊維に含ませ追い払う忌避効果を持たせる加工と、織り目を細かくしてダニを物理的に通しにくくする加工があります。ダニはフケやホコリをエサに繁殖しますが、この加工で増殖を抑え、アレルギーやかゆみの原因を減らせます。ダニアレルギーを持つ人や湿気が多い地域に特におすすめです。

また、これまでに行われた研究から、敷きパッドを洗うことで50%前後のダニを退治することができ、90~100%のダニアレルゲン(ダニの糞、死骸、抜け殻など)を洗い流すことができると考えられます。そのため、多くの人にとって、敷きパッドが洗濯可能であれば防ダニ機能としても十分ではないかと私は考えています。

ダニ除去率 ダニアレルゲン除去率 評価
シーツ、カバー、衣類 90% ほぼ100% ダニが生地に潜り込む余地がないため、洗濯機の水流でほぼ全て洗い流すことができる。
毛布、厚いタオルケット 50% 90~100% 家庭用洗濯機で50%程度のダニは除去でき、ダニアレルゲンはほぼ大半を除去できる。
掛け敷布団 40% 90% 布団の中綿に潜り込んだダニは専門業者による丸洗いでも簡単には除去しきれない。

1-7-10. マイナスイオン

マイナスイオン加工は、生地からマイナスイオンを放出してリラックス効果を狙う技術です。滝や森林で感じる爽やかな空気を寝具に取り入れ、ストレスを和らげてくれると言われていますが、真偽は不明です。

1-7-11. 遠赤外線

遠赤外線は、繊維に遠赤外線を放出するセラミックやミネラルをコーティングする加工です。近年、リカバリー系などの訴求で人気になっていますね。遠赤外線は炭火やストーブ、太陽の光にも含まれるやさしい熱で、体を芯から温めると言われますが、その効果のほどは不明です。

1-7-12. 制電・静電気防止

制電加工は、生地に導電性の素材を織り交ぜて静電気を逃しやすくする技術です。冬の乾燥時に布団をめくると起きるパチパチを抑え、シーツやパジャマが体にくっつきにくくなります。ホコリや髪の毛も付きにくくなり、静電気の不快感を減らして快適な眠りをサポートします。

2. おすすめのマットレスカバー

それではおすすめのマットレスカバーを紹介していきます。

2-1. 綿100% 40番手 ボックスシーツ 抗菌・防臭加工

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大塚家具が販売する綿100%のボックスシーツです。通年使えるオールマイティなカバーをお探しの方におすすめです。抗菌・防臭加工もされているので寝具のイヤなニオイも少なくなります。

ちなみに、番手というのは繊維の細さを表しており、40番手は一般的な細さになります。

2-2. 超長綿「GIZA45」100% ボックスシーツ

GIZA45布団カバー

高級エジプト綿(80番手・サテン織り)を使用したカバーです。最高品質の綿素材を味わいたい方におすすめです。

ちなみに、超長綿とは長い綿花を紡いで繊維にされたことを意味しています。肌触りなどは一般的なものとは段違いです。

分類 繊維長(mm) 代表的品種
短繊維綿 20.6未満 デシ綿
中繊維綿 20.6~25.4 パキスタン綿
中長繊維綿 26.2~27.8 アップランド綿
長繊維綿 28.6~33.3 スーダン綿
超長繊維綿 34.9以上 海島綿、スーピマ綿など

2-3. 無印 麻(リネン)100% 平織ボックスシーツ

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無印良品の麻(リネン)素材のカバーです。無印では大人気の麻シリーズです。若干ざらっとした感覚はありますが、使用に応じて馴染んでいきます。さらっとした寝心地が好みの方におすすめです。

2-4. アイリッシュリネン(100番手)100% ボックスシーツ

リネン布団カバー100番手

100番手の細い麻(アイリッシュリネン)素材で織られたボックスシーツです。一般的なものと比べて30%も軽い薄さになっています。最高品質の麻素材を試してみたい方におすすめです。

2-5. 綿100% 3重ガーゼ ボックスシーツ

綿100%5重ガーゼシーツ

ガーゼ素材のカバーです。なめらかさはありませんが、汗をすばやく吸収してくれるのでさらっと快適に寝られます。こちらの会社のガーゼケットもおすすめです。

2-6. ニトリ たて・よこストレッチ Nフィットシーツ

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ニトリの伸縮性の高いニットカバーです。アイロンをしなくてシワなく扱えるものをお探しの方におすすめです。

2-7. のびのびタオル地マットレスカバー

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こちらも伸縮性の高いニットカバーです。手軽に扱える上に、タオル地になっているので吸水性が高くなっています。

2-8. シルク 25匁 マットレスカバー

シルク22匁フラットシーツ

シルク100%のカバーです。シルクの生地は密度が異なり16~25匁前後になりますが、体の下に敷くシーツには密度が高いしっかりしたものがおすすめです。

2-9. 綿100% 高密度防ダニ マットレスカバー

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綿を高密度に織ったカバーです。ダニが生地を通り抜けられませんので、アレルギーなどをお持ちの方におすすめです。

2-10. 防水マットレスカバー

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防水加工が施されたカバーです。自社製品で手前味噌ですが、マットレスの汚れが気になる方におすすめです。

3. マットレスカバーのお手入れ

マットレスカバーは、毎日体に触れる寝具のひとつです。汗や皮脂、ホコリが付着しやすいため、定期的にお手入れを行うことで清潔さと耐久性を保つことができます。

正しい洗濯方法と保管の工夫を知っておくことで、長く快適に使い続けられます。

3-1. 日常的な洗濯の目安

マットレスカバーの洗濯頻度は、週1〜2回が理想です。寝ている間にかく汗は1晩で約コップ1杯分とも言われており、放置すると湿気や雑菌の繁殖につながります。

特に夏場や寝汗をかきやすい季節は、こまめに洗濯して通気性と吸湿性を維持しましょう。反対に、冬場は使用環境に応じて2週間に1度程度でも構いません。

ポイントとしては、下記になります。

  • 洗濯前にファスナーを閉じて、ほこりや糸くずの混入を防ぐ
  • 洗濯ネットを使用して生地の傷みを軽減
  • 柔軟剤の使いすぎは吸湿性を低下させるため控えめに

3-2. 素材別の洗濯方法

素材によってお手入れの方法は異なります。

  • コットン・テンセル®(リヨセル)素材
    → 中性洗剤を使用し、弱水流モードで洗濯。吸湿性・放湿性に優れるため、日陰干しで自然乾燥がおすすめ。
  • ポリエステル素材
    → 丈夫で速乾性が高く、こまめな洗濯に適しています。ただし高温乾燥は避けることで生地の縮みを防止。
  • 防水・防ダニタイプ
    → 撥水加工や高密度織り生地を使用している場合は、洗濯表示を確認。漂白剤や乾燥機は機能を損なう原因になります。

どの素材も、漂白剤や柔軟剤の多用は繊維を傷めるため注意が必要です。

3-3. 乾かし方と湿気対策

洗濯後は、日陰の風通しのよい場所でしっかり乾かすことが大切です。直射日光は生地の変色や硬化を招くことがあるため、テンセルや綿混素材などは陰干し+室内送風が理想的です。

また、完全に乾かさずに収納するとカビや臭いの原因となります。梅雨や冬の時期は除湿機やサーキュレーターを併用して、しっかり乾燥させてからベッドにセットしましょう。

3-4. 保管時の注意点

シーズンオフで使用しないときは、通気性のよい収納袋や不織布ケースに入れ、湿気の多い場所を避けて保管します。圧縮袋の使用は便利ですが、長期間の圧縮は繊維を傷め、通気性を損なうため避けた方が安心です。

防ダニや抗菌防臭加工が施されたカバーでも、定期的な陰干しを行うと効果が持続します。

4. よくある疑問と注意点

最後にマットレスカバーを購入する際によく聞かれる点についてです。

4-1. マットレスカバーの洗濯頻度はどれくらい?

週に1~2度を目安に洗うようにしましょう。

なお、洗濯機洗いの際は、洗濯ネットに入れてやさしく洗うようにしましょう。痛みにくくなり長持ちさせられます。

4-2. マットレスカバーって本当に必要なの?

あったほうがベターです。

敷きパッドの上に直接寝られても結構ですが、その場合、敷きパッドが汚れやすいので、週に1~2度洗わないといけません。敷きパッドは分厚く重たいので洗濯が大変です。そのため、敷きパッドの上にさらにカバーを敷くほうがおすすめなのです。

4-3. 三つ折りマットレスに合うカバーってある?

三つ折りマットレス専用カバーを販売されている会社さんもあります。

cover-for-3-fold-mattress
>>三つ折りマットレス専用カバー

着脱にやや手間がかかりますが、折りたたんだときにダボっとしなくなるのは嬉しいですよね。

4-4. マットレスカバーとボックスシーツの違いは?

一般的に、ボックスシーツはマットレスカバーの一種です。両者の大きな違いは、形状と用途にあります。マットレスカバーは、マットレス全体を覆って汚れ・汗・ホコリから保護する目的で使われ、ファスナー付きや全包囲タイプなど、衛生面を重視した構造が多くみられます。

一方、ボックスシーツは四隅にゴムやマチが付いた被せるタイプで、取り付け・取り外しが簡単、かつズレにくいフィット構造が特徴です。通気性の良いコットンやテンセル®素材を選ぶと、寝心地も快適になります。

どちらも同じ「マットレス保護」を目的としていますが、ライフスタイルやお手入れのしやすさに合わせて選ぶと良いでしょう。

4-5. 防水カバーと普通のカバー、どちらがいい?

用途や環境に合わせて使い分けるのがおすすめです。普段使いには、通気性・吸湿性に優れた綿やテンセル素材のカバーが最適です。これらの素材は肌触りがよく、寝汗を自然に放湿して快適な睡眠環境を保ちます。

一方で、防水カバーは尿や飲み物のこぼれ、ペットや子どもの寝汗対策に効果的です。高密度のポリウレタンコーティングなどで液体を通さない構造になっており、マットレス本体を長期間清潔に保てます。

ただし、防水タイプは通気性がやや低く、蒸れやすくなる傾向があります。そのため、日常的には通常の通気性の高いカバーを使用し、必要なときだけ防水カバーを併用または重ね使いするのが理想的です。

最後に

マットレスカバーの選び方についてご理解いただけましたでしょうか。

あなたにとって最高の一枚を選ぶ参考になっていればと思います。

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