マットレスの洗濯・掃除方法|素材別の正しいお手入れ方法を徹底解説

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マットレスの洗濯・掃除方法|素材別の正しいお手入れ方法を徹底解説

こんにちは、加賀照虎です。

「マットレスが汚れちゃった…」
「マットレスって洗えないの?掃除ってできるの?」
「掃除の頻度ってどのくらい?どうすればいい?」

寝具の製造に携わっていると、こういった質問をよくいただきます。

ホコリやフケなどの軽い汚れであれば、掃除機を使うだけで十分ですが、それ以上の汚れとなると、どう対処すればいいのか迷いますよね。

そこで今回は、

  • 素材別のマットレス掃除方法
  • 各掃除方法の詳しい手順
  • ホテルで実践されている汚さないための衛生管理方法

などについて、分かりやすく解説していきます。

睡眠環境を衛生的に保つのは快眠の必須条件です。ぜひ参考にしてください!

1. 【素材別】マットレスの洗濯・掃除方法の概要

まず、マットレスは素材・状態ごとに洗濯方法が変わります。

あなたのマットレスがどの種類か確認し、その洗濯方法を行うようにしましょう。

素材の種類と条件 掃除方法
  • ウレタンフォーム
  • ラテックス

水洗いOK

①側生地洗濯

②ウレタン水洗い

水洗い不可

①側生地洗濯

③濡れタオルで掃除

  • 高反発ファイバー

①側生地洗濯

④ファイバー水洗い

  • ボンネルコイル
  • ポケットコイル

小さな汚れ

③濡れタオルで掃除

大きな汚れ

⑤クリーニング

高反発ウレタン 高反発ファイバー 低反発ウレタン
regular-foam air-fiber memory-foam
ラテックス ボンネルコイル ポケットコイル
latex-foam bonnel-coil pocket-coil

1-1. 側生地の洗濯方法

側生地(元々付いているカバー)は洗濯機で洗いましょう。

気をつけるべき点として、

  • 洗い方は品質表示ラベルに従うこと
  • 洗濯ネットに入れて優しく洗うこと
  • 縮み防止のために乾燥機の使用は避けること

などがあります。

また、日陰干しをしても多少縮む可能性があります。洗濯後に側生地を縦横に少し引っ張ってから乾かすことで縮みを軽減できます。特に、レーヨン系繊維(バンブー、リヨセル、テンセルなど)は洗いに弱いので気をつけるようにしましょう。

素材 イメージ 柔らかさ 滑らかさ 吸湿性 放湿性 耐久性 洗濯性





綿
(コットン)
cotton1

(リネン)
linen1



(シルク)
silk1
羊毛
(ウール)
wool1




レーヨン layon1

ポリエステル polyester1 -

1-2. ウレタンフォームの水洗い方法

水洗い可能なウレタンフォームなら押して洗うようにしましょう。

濡れているウレタンフォームは脆くなるため、絶対に擦ったり絞ったりはしないようにしましょう。欠けたり千切れたりする恐れがあります。

1-3. 濡れタオルでの掃除方法

  1. 中性洗剤を薄めた水で、タオルを濡らして絞る。
  2. 汚れの箇所を濡れタオルで、ひたすら押して&たたいて汚れを落とす。
  3. タオルが汚れを吸収し出したら、洗って1の液に浸して再度ひたすらたたく。
  4. 臭いが無くなり次第、キレイな水で洗ったタオルでたたき洗剤を落とす。
  5. 乾いたタオルを押し当てて水分を取る。
  6. しっかりと乾かす。

なお、終わった後にはきちんとマットレスを乾かしましょう。きちんと乾かさないとダニ、カビ、雑菌を繁殖させてしまいます。乾いたタオルで水を吸い取るだけでなく、布団乾燥機やドライヤー使うのも有効です。

1-4. 高反発ファイバーの水洗い方法

お風呂場でシャワーを当てて洗いましょう。

ファイバーの中心に穴が空いている「中空」形状のものは、その内部にまで水が入っていくことになります。そのため、シャワー洗いのあとは入念に振ったり叩いたりして水を出すようにしましょう。

1-5. クリーニングとは

専門業者の人に家に来てもらい特殊器具でマットレスを洗浄してもらいます。

マットレスのサイズと施工面(片面or両面)により施工時間と価格が変わりますが、施工時間は3時間程度で費用は下記のようになります。

クリーニング費用相場 サイズ
0.8万円~1.2万円 シングル(100cm幅)
0.9万円~1.5万円 セミダブル(120cm幅)
1.0万円~1.7万円 ダブル(140cm幅)
1.1万円~2.0万円 クイーン・キング(160cm幅以上)

決して安くはありません。そのため、あなたのマットレスの価値と残りの寿命とを勘案してクリーニングするか買い換えるか考えることをおすすめします。詳しくは以下のページをご参照ください。

関連記事:【実は無駄?】マットレスクリーニングの料金相場と注意点

2. 【問題別】洗濯・掃除をするときのコツ

おねしょや血液汚れ、ダニ・カビなどの問題についてはそれぞれ別ページで解説しています。該当するものがあれば個々のリンク先を参考にしてください。

2-1. おねしょ汚れを掃除するコツ

おねしょのアンモニア臭はクエン酸を使うことで取ることができます。濡れタオルにクエン酸を染み込ませてみましょう。また、温度にも気をつけて掃除するようにしましょう。

関連記事:ニオイすっきり!マットレスのおねしょ掃除のコツ

2-2. 血液を掃除するコツ

付いて間もない血液なら濡れタオルで落とせますが、時間が経っている難しいです。そのような場合は重曹、セスキ炭酸ソーダなどを利用してみましょう。

関連記事:まだ間に合う!ベッドシーツの血液を簡単に落とす方法

2-3. ダニが繁殖している場合

ダニは退治するだけでなく、退治→除去→予防の3ステップで対策をしないとイタチごっこになります。また、ダニ退治方法にも向き不向きがあるので、あなたに合う方法で行うようにしましょう。

関連記事:マットレスの正しいダニ退治方法、二度と繁殖させない予防法

2-4. カビが出来ている場合

カビ被害が小さければあなた自身で対処可能ですが、ひどい場合には出張クリーニング業者に依頼するようにしましょう。

関連記事:マットレスのカビ除去方法と、再発を防ぐ予防対策

3.【目的別】こんなときどうする?マットレスの洗濯Q&A

マットレスは毎日使うものだからこそ、さまざまなトラブルに悩まされがちです。特にペットの粗相、飲み物のこぼれ、そして汗や加齢臭など、気づかないうちに汚れや臭いが蓄積してしまうこともあります。

そんな時、正しいお手入れ方法を知っていれば、マットレスを清潔に保ち、快適な睡眠環境を維持することができます。ここでは目的別に、よくあるマットレスのトラブルとその対処法をご紹介します。

3-1. ペットが粗相した場合の洗い方

ペットがマットレスに粗相をした場合は、できるだけ早めに対処しましょう。まず、乾いたタオルで尿を押さえるように拭き取り、重曹を振りかけて1~2時間放置したら、掃除機で重曹を吸い取ります。

重曹には消臭や除湿効果があり、シミや臭いの除去に効果的です。中性洗剤を薄めた布で汚れ部分を叩くように拭き取る方法もありますが、仕上げは乾いたタオルで水分をしっかり吸い取りましょう。

さらに、スチームクリーナーやリンサークリーナーを使う方法もおすすめです。スチームクリーナーは高温の蒸気で汚れを浮かせて消毒もでき、リンサークリーナーは水や洗浄液で汚れを吸引し、シミや臭いを取り除きやすくします。掃除後は風通しのよい場所でしっかり乾燥させることが大切です。

3-2. 飲み物(コーヒー・ジュースなど)をこぼしたときの対応

マットレスにお茶やジュース、コーヒーなどの飲み物をこぼしたときは、まずキッチンペーパーやタオルでこぼれた飲み物の水気をしっかり吸い取ります。

次に、バケツなどの容器に水と適量の洗濯用中性洗剤を入れて洗剤水を作り、タオルを浸して固く絞ります。そのタオルでシミが付いた部分をポンポンと叩くようにして汚れを落とし、もう一枚のタオルを水で絞って洗剤分を拭き取ります。

最後に、風通しの良い場所や扇風機、ドライヤーの冷風でしっかり乾かしましょう。ただし、内部まで飲み物が浸透した場合は、マットレスの内部にも風を当てて十分に水分を飛ばすことが大切です。

3-3. 汗臭・加齢臭が気になるときの対策

マットレスの汗臭や加齢臭が気になるときは、まずカバーをこまめに洗濯しましょう。汗や皮脂、タバコ臭なども落としやすくなります。

布団自体が洗える場合は、洗濯表示を確認し適切な方法で洗うのがおすすめです。また、天日干しや室内干しでしっかり乾燥させることも重要です。太陽の紫外線による殺菌効果や湿気の除去で、臭いの原因菌の繁殖を防げます。

洗えない場合は消臭スプレーを使い、しっかり乾かしましょう。臭いの再発を防ぐには、普段から湿気をためないように布団をよく乾燥させ、カバーもこまめに交換してください。除湿シートの併用も効果的です。

4. 洗えないマットレスはどうする?代替ケアと予防方法

洗濯できないマットレスは、日々のお手入れや適切なケアが清潔さと快適な眠りを保つポイントとなります。直接洗うことができなくても、身近な家庭用品や便利な専用アイテムを活用すれば、消臭や除菌、ダニ・カビ対策も十分に行うことができます。

ここでは、掃除や消臭・除菌の頻度、家庭用品を使ったお手入れ方法、さらにダニやカビの予防に役立つおすすめアイテムについて詳しくご紹介します。

4-1. 洗濯不可マットレスの掃除頻度

洗濯できないマットレスでも、日々のお手入れを丁寧に続けることで、清潔さと長持ちを両立できます。毎日できることとしては、布団をめくってマットレスにこもった湿気を逃がすことが大切です。特に晴れた日は、窓を開けて風を通すとより効果的です。

週に1~2回はベッドシーツや敷きパッドを洗いましょう。1ヶ月に1~2回は、マットレスを直射日光の当たらない場所で陰干しし、掃除機もかけるとホコリやダニ対策になります。

2~3ヶ月に1回は、ベッドパッドの洗濯や、マットレスの向きや表裏をローテーションして、負荷を分散させることも忘れないでおきましょう。

4-2. 重曹・クエン酸など家庭用品でできる消臭・除菌

重曹やクエン酸などの家庭用品を使えば、マットレスの消臭や除菌を手軽に行うことができます。クエン酸はおねしょやペットのトイレトラブルに効果的で、クエン酸水をスプレーし、数分放置してからタオルで水気を取り、しっかり乾かします。

ただし、クエン酸の使用はマットレスの素材によっては劣化の原因となる場合があるので、必ず注意書きを確認しましょう。

重曹は皮脂や寝汗、嘔吐物など酸性の臭いに強く、マットレス全体には重曹を振りかけて数時間放置し、掃除機で吸い取る方法が効果的です。部分的な汚れには重曹水をスプレーし、タオルで叩いて拭き取ります。どちらも最後は十分に乾かすことが大切です。

4-3. ダニ・カビ対策に効果的なアイテム

ダニ・カビ対策には、専用アイテムを上手に活用することが効果的です。まず、除湿シートはマットレスの下に敷くだけで湿気を吸収し、簡単に除湿対策ができます。

除湿シートは繰り返し使用でき、干して乾燥させれば吸湿力が回復するので経済的です。また、ベッドフレームは通気性の良いすのこタイプを選ぶことで、マットレスの下に空気が流れやすくなり、湿気やカビの発生を抑えることができます。

布団乾燥機もダニやカビ対策におすすめの家電です。温風でマットレスや寝具全体をしっかり乾燥させ、ダニ退治にも役立ちます。ただし、熱に弱い素材のマットレスには注意が必要なので、取扱説明書を確認してから使用しましょう。

ダニ対策には、ダニ駆除スプレーやダニ捕りシートも便利です。ダニ駆除スプレーはマットレスの表面に吹きかけてダニを退治し、ダニ捕りシートはマットレスの隙間に設置することでダニを誘引・捕獲します。寝具用タイプを選べば、肌にもやさしく安心です。

さらに、防カビ・防ダニ加工が施されたマットレスやカバーを選ぶことで、日常の予防効果が高まります。寝具用の除湿剤や専用クリーナーも併用すると、ダニやカビの発生をより抑えやすくなります。

5. 季節別のマットレスお手入れ術【梅雨・夏・冬】

マットレスは一年を通して快適な睡眠を支えてくれる大切なアイテムですが、季節によって手入れの仕方や気をつけたいポイントが変わります。

梅雨や夏、冬など、それぞれの季節の特徴に合わせたお手入れをすることで、清潔さと寝心地の良さをキープできます。今回は、季節ごとに意識したいマットレスのお手入れ方法をご紹介します。

5-1. 梅雨時のカビ防止対策

梅雨時は湿度が高く、マットレスにカビが発生しやすい季節です。カビ予防のためには、まず部屋の湿度管理が大切です。湿度計を設置し、70%を超えたらこまめに換気しましょう。

マットレスは床に直置きせず、ベッドフレームやすのこの上に置いて使用すると通気性が高まり、湿気がこもりにくくなります。また、マットレスを3ヵ月に1度はローテーションし、特定の部分に負担や湿気が集中しないようにしましょう。

ベッドパッドや除湿シートを活用することで、寝汗や湿気をしっかり吸収でき、清潔さも保てます。寝具類は1~2週間ごとに洗濯・交換することが理想です。マットレス本体も月に1回は陰干しや壁に立てかけて乾燥させてください。
市販のカビ防止スプレーを使うと、手軽に防カビ対策ができます。ベッドフレームを選ぶ際は、通気性の良いすのこタイプがおすすめです

5-2. 冬場の乾燥対策と掃除のコツ

冬場は乾燥しやすくなりますが、実は結露による湿気やカビ・ダニの発生にも注意が必要です。まず、寒い日でも毎日数分は換気を行いましょう。

換気は空気の入れ替えだけでなく、室内の結露を防ぐ効果もあり、マットレスや寝具のカビ・ダニ対策にも役立ちます。特に現在の高気密住宅では冬でも室内が暖かく、湿度がこもりやすいため、油断は禁物です。

乾燥対策としては、素材選びが大切です。シルクやウール、ダウン素材の寝具は吸湿性と放湿性に優れ、適度な湿度を保ちながら体を温めてくれます。保湿加工されたカバーやシーツを使うのも効果的です。

これらの寝具を上手に組み合わせることで、冬でも快適な睡眠環境がつくれます。また、冬はハウスダストも舞いやすくなるため、定期的な掃除も忘れずに行いましょう。

5-3. 夏の汗対策と通気性の重要性

夏は寝ている間に大量の汗をかくため、マットレスや寝具の通気性がとても重要です。汗を吸い取って発散できるコットンやシルク、レーヨンなど吸湿性に優れたシーツやパッドを使うと、蒸れにくく快適に眠ることができます。

敷きパッドには接触冷感素材もおすすめで、触れるとひんやりとした感触があり、暑い夜でも心地よく過ごせます。また、すのこベッドを使うとマットレス下の湿気が逃げやすくなり、カビやダニ対策にも効果的です。

寝室の空気循環も大切なので、扇風機やサーキュレーターを使って空気を回し、エアコンも併用して寝室を快適な温度に保ちましょう。ベッドやマットレスは壁から10cmほど離して設置すると通気性が良くなり、熱がこもりにくくなります。

マットレスが暑く感じる原因は、ウレタンなど通気性の悪い素材や、吸湿性の低い側生地が使われている場合が多いです。買い替えが難しい場合は、吸湿性や放湿性に優れたシーツやパッドを追加して対策しましょう。

6. ホテル式マットレスの衛生管理方法

上記の方法であなたのマットレスがキレイになっていれば幸いです。

ただ、マットレスの洗濯はとても大変ではなかったでしょうか?今後、このような労力を無くすためにも、ホテル業界が大事な資産でもあるマットレスをずっとキレイに保つために行なっている衛生管理をあなたも始めてみることをおすすめします。と言うと何か凄そうなことに聞こえるかもしれませんが、簡単に言うと下記のようにマットレスを使うだけです。

  • 【マットレス→マットレスプロテクター→敷きパッドorベッドパッド→ベッドシーツ】

つまり、ベッドシーツは週に1~2度変えて日々の汚れ、敷きパッドは2~3ヶ月に1度洗ってたまった汚れを、防水プロテクターはおねしょなどの粗相があったときの汚れを、といったふうに守ることでマットレスが汚れることはほぼ無くせます。

プロテクト・ア・ベッド マットレスプロテクター
プロテクト・ア・ベッド マットレスプロテクター

伸縮性に富んだニット生地が生みだす柔軟な肌あたり、透湿性をもつ極薄0.025mmの防水膜による爽やかさ、その上、50回洗濯にも耐えうるしっかりした作り。自社製品のため手前味噌ですが、No.1の防水マットレスプロテクター(防水シーツ)と自負しています。

快眠タイムズ 除湿•消臭敷きパッド

こちらはコーミング加工をした高品質な綿100%の敷きパッドです。お菓子の袋の中によく入っている除湿剤のシリカゲルを中材に詰めているため寝汗をとてもよく吸収します。熱帯夜でもカラッと爽やかに眠れます。また、シリカゲルには消臭効果もあるので、汗臭、加齢臭、タバコ臭などもスッキリ除去します。自社製品のため恐縮ですがこちらもおすすめの一品です。

最後に

あなたのマットレスがキレイになり、今後もそのキレイな状態を維持できれば幸甚です。

また、もしあなたが「マットレスの汚れがひどくなってきたし、そろそろ買い換えようかな」とお考えであれば、以下のページでマットレスの厚みや硬さ、素材を吟味した選び方や、選ぶ際の注意点、おすすめのマットレスを紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。

関連記事:快眠マットレスおすすめ11選&自分に合うものを絞り込む手順

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