マットレスが柔らかすぎる時の対処法|硬くする2つの方法を専門家が解説

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マットレスが柔らかすぎる時の対処法|硬くする2つの方法を専門家が解説

こんにちは、加賀照虎です。

ある方から、こんな質問をいただきました。

「...そこで、いくつか試し寝をした中で一番気持ちよかったので、○○○(柔らかめのマットレス)を買いました。ただ、自宅で使い始めて数ヶ月、なんか柔らかさが体に合っていないようで腰や背中に疲れがたまっているようです。マットレスをまた買い換えるのは予算的に難しいので、寝心地を硬く(普通くらい)したいのですが、いい方法はないでしょうか?」

硬さが合わないと、眠りづらいですよね。

実は、「マットレスを柔らかくしたい」という要望はよくあるのですが、その逆に「硬くしたい」というケースも少なくありません。

ご安心ください。

マットレスを硬くするための方法はいくつかあります。そこで本日は、「柔らかいマットレスを硬くする2つの方法」をご紹介します。硬さにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

※自分に合ったマットレスを選ぶ手順(型→素材→個別商品)と値段別におすすめできるマットレスについてこちらのページ「マットレスのおすすめ17選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順」で徹底解説しています。マットレスの柔らかさが改善不可能で買い替えも検討しているならぜひご参考にしてください。

1. マットレスが柔らかすぎる原因は?

マットレスを使っていて「腰が沈む」「寝返りがしにくい」と感じるのは、単に柔らかいからではなく、使用期間や体格との相性、設計の問題など、いくつかの原因が考えられます。ここでは、時系列に沿って主な要因を整理してみましょう。

1-1. 購入直後に柔らかく感じる場合

購入してすぐに「柔らかすぎる」と思うのは、必ずしもマットレスの欠陥ではありません。新しい寝姿勢に体が慣れていない「好転反応」の可能性があり、数日〜1週間程度で違和感が解消されることもあります。

ただし、設計そのものが自分に合わない場合もあり、腰が沈み込みやすい構造や寝姿勢サポートが不十分な設計だと、腰痛や不快感につながることがあります。

1-2. 使用から数週間後に柔らかく感じる場合

数週間経っても柔らかさが気になる場合は、体格と素材の相性が合っていない可能性があります。例えば、体重が重い人は低反発や柔らかすぎる素材を選ぶと腰が沈み込みやすく、寝姿勢が崩れて腰痛の原因になりがちです。

一方で、体重が軽い人は硬すぎるマットレスでは体圧分散がうまく働かず、腰や肩に負担が集中してしまいます。このように、体格に合わない素材を選んでしまうと寝心地が悪くなるだけでなく、体の不調にもつながるのです。

1-3. 使用から数年後に柔らかく感じる場合

長年使っていて柔らかくなったと感じるときは、素材のへたりや経年劣化が主な原因です。特にウレタンやコイルは反発力が低下しやすく、腰が沈んで寝返りが打ちにくくなります。

マットレスの寿命は一般的に3〜8年とされており、寝起きの不快感が続くなら買い替えのタイミングと考えましょう。

2. 柔らかいマットレスと硬すぎるマットレスの違い

マットレスは柔らかすぎても硬すぎても体に負担をかけ、腰痛や寝姿勢の乱れを引き起こす可能性があります。違いをひと目で理解できるよう、まずは表で整理してみましょう。

特徴

柔らかすぎるマットレス

硬すぎるマットレス

姿勢への影響

腰や肩が沈み込みすぎて背骨が湾曲

腰や肩に圧迫が集中し、腰が浮いて反りやすい

腰痛リスク

腰痛・肩こり・関節痛が悪化しやすい

腰痛や反り腰を助長する可能性

寝返り

打ちにくく筋肉が緊張しやすい

増えすぎて睡眠が浅くなりやすい

睡眠の質

同じ姿勢が続き浅い眠りになりやすい

寝返り過多で中途覚醒が増える

改善策

高反発素材やマットレストッパーで硬さ調整

ベッドパッドで部分的に柔らかさを補う

それでは、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

2-1. 柔らかすぎるマットレスの特徴

柔らかすぎるマットレスは腰やお尻が沈み込み、背骨が不自然に湾曲してしまいます。その結果、腰痛が悪化したり、寝返りが打ちにくくなったりすることがあります。筋肉や関節が緊張し続けることで肩の痛みや足のむくみにもつながるため、注意が必要です。

2-2. 硬すぎるマットレスの特徴

硬すぎるマットレスは体が沈まない分、腰や肩などに圧力が集中します。体圧分散ができず、血流が滞って寝返りが増えることで睡眠の質が下がるのがデメリットです。特に反り腰の人は腰が浮いた状態になりやすく、腰痛を助長する恐れがあります。

3. 柔らかいマットレスを硬くする方法

まずは3-1の方法を検討していただき、それが無理であれば3-2の方法をお試しください。

3-1. マットレスの裏面が柔らかくないなら、裏面を表にしてその上にトッパーを敷く

もしあなたのマットレスがコイルスプリングマットレスでしたら、裏面はどのような作りになっているか確認してみてください。

両面仕様のマットレスでもしかしたら裏面は表面ほど柔らかくない可能性もあります。もしくは、片面仕様のマットレスだとすると、裏面はコイルスプリングが直に感じられるような、かなり硬めの状態だと思います。

その上に厚みが5cm前後ほどのウレタントッパーを敷いていただくと、普通からやや硬めほどの寝心地になります。

敷きパッド ベッドパッド ベッドシーツ トッパー プロテクター
画像 shiki-pad1 bed-pad1 bed-sheet1 mattress-topper1 mattress-protector1
役割
  • 肌触りの改善
  • 温湿度の調整
  • マットレスの汚れ防止
  • 肌触りの改善
  • 温湿度の調整
  • おしゃれ
  • 体圧分散改善
  • マットレスの
    汚れ防止
厚み 1~2cm前後 3~4cm前後 5mm前後 3~5cm 5mm前後
温湿度調整 ×
汚れ防止
洗濯 ×
体圧分散性 × ×
【注意】この方法はコイルスプリングの状態によってかなり結果が左右されます。ボンネルコイルであれば大方上手くいくはずですが、ポケットコイルでコイル同士の連結が杜撰なものだとコイルの支えが悪くなりマットレス自体がダメになってしまう恐れがあります。

3-2. マットレスの表面に除湿シートを敷いて、その上にさらにトッパーを敷く

2つ目の方法は、マットレスの表面に除湿シートを敷き、さらにその上に、トッパーを敷いてみることです。

自社製品で恐縮ですが、除湿シートとは以下のような商品です。

washable-dehumidification-sheet
>>洗える除湿シート

そして、こちらがマットレストッパー。

エコラテエリート マットレストッパー
エコラテエリート マットレストッパー

除湿シートとは、通常、マットレスの下に敷いてマットレスの底面にたまる湿気を取り除くために使うものです。

直接この上に寝るわけでないので、かなり芯のある硬さになっています。

その硬さを利用するのです。柔らかいマットレスの上にトッパーを敷くと腰が落ち込んでしまう心配がありますが、除湿シートを一枚挟みこみ落ち込みの調整役をさせるのです。

3-3. マットレスがへたっている場合は要注意

追加で一点、認識を明らかにしておきたいのですが、マットレスが「柔らかいこと」と「へたっていること」は別物ということです。

もしかするとあなたのマットレスは真ん中辺りが凹んではいないでしょうか?

へたったマットレス
へたったマットレス

上記のイラストは分かりやすさのためにやや大げさになっていますが、このようなマットレスはへたっている状態と言います。

ウレタンマットレスだとへたりにより柔らかく感じられることもあります。この状態のマットレスの上にトッパーを敷いて補強しようとしても、へたり自体を解消することはできません。そのため、残念ですがこの場合はマットレスとお別れし、新しいマットレスに買い換えることをおすすめします。

以下のページで寝心地が素晴らしいマットレスを選ぶためのポイント(体圧分散性、弾力性、耐久性など)とおすすめのブランドについて徹底的に解説しているので、是非あわせてご参考にしてください。

関連記事:快眠マットレスおすすめ17選&自分に合うものを絞り込む手順

4. 柔らかいマットレスを選ぶべき人・避けるべき人

柔らかいマットレスは「腰が沈み込みやすい」「寝返りが打ちにくい」といったデメリットがある一方で、体格や寝姿勢によってはむしろ快適に感じられるケースもあります。

ここでは、柔らかいマットレスを選ぶべき人と避けたほうがいい人を具体的に解説します。

4-1. 柔らかいマットレスを選ぶべき人

柔らかいマットレスはすべての人に不向きというわけではありません。体格や寝姿勢によっては、むしろ快適な寝心地や体圧分散を得やすい場合があります。

ここでは、柔らかいマットレスを選ぶことでメリットが大きい人の特徴を紹介します。

4-1-1. 痩せ型・体重が軽い人

痩せている人は体圧分散がうまくいかず、硬すぎるマットレスだと腰や肩に負担が集中しがちです。適度に沈み込む柔らかいマットレスなら体をバランスよく支え、寝姿勢サポートにもつながります。

4-1-2. 横向き寝が多い人

横向き寝では肩や腰が適度に沈まないと背骨がまっすぐにならず、腰痛や肩こりを悪化させることがあります。低反発素材など柔らかめのマットレスは、体のラインに沿ってフィットし、自然な寝姿勢を維持しやすいのが特徴です。

4-1-3. ふわっとした寝心地を好む人

包み込まれるような柔らかさを好む人にとっては、柔らかいマットレスはリラックス感が高く、安心して眠れる環境を作りやすいです。寝心地を重視する方には適しています。

4-2. 柔らかいマットレスを避けるべき人

一方で、柔らかいマットレスは腰の沈み込みや耐久性の問題から、体に合わない人も少なくありません。選び方を誤ると腰痛や寝返りのしにくさにつながるため、注意が必要です。ここでは、柔らかいマットレスを避けたほうがよい人の特徴を解説します。

4-2-1. 体重が重い人・がっしり体型の人

体重が重い人が柔らかいマットレスを使うと腰やお尻が沈み込みすぎて、寝返りが打ちにくくなります。腰痛のリスクも高まるため、高反発マットレスの方が適しています。

4-2-2. 反り腰や腰痛持ちの人

腰が沈み込みやすい柔らかいマットレスは、反り腰の人にとって背骨のカーブを強調してしまい、腰痛を悪化させる原因になります。腰痛対策には、反発弾性の高い素材や体圧分散性のある高反発マットレスの方が安心です。

4-2-3. 長期間の使用を考えている人

柔らかいマットレスはへたりやすく、耐久性に不安が残る素材が多いのも事実です。長く使いたい場合は、密度や耐久性に優れた素材を選ぶか、柔らかめでも品質の高いものを選ぶ必要があります。

最後に

あなたのマットレスの硬さを調整することができ快適に寝られる糸口になっていれば幸いです。

なお、マットレスに関するページを以下にまとめましたので、気になるトピックがあればあわせてご参考にしてください。

■あわせて読んでおきたい「マットレス」の記事一覧
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○快眠マットレスおすすめ17選&自分に合うものを絞り込む手順
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○【失敗しないマットレスの選び方】硬さ、厚さ、密度、線材を吟味
○マットレスの3種類7素材を比較|特徴と選び方、おすすめできる人
○低反発と高反発の違い、あなたに合うマットレスはどっちか
○【快眠の方程式】マットレスの理想の硬さ=理想の寝姿勢
○マットレスの正しい厚み(高さ)は「用途と目的」を軸に考える
○【マットレスの通気性】素材・加工ベースで比較評価
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○【マットレスの使い方】シーツ、パッドの正しい順番とは
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○ベッド・マットレスがずれる?それなら滑り止め対策を
○長生きでお得に!マットレスの寿命を判断する5つの目安
○賢い節約術!マットレスの処分方法を考えるべき順序

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