脚付きマットレスの選び方・メリット・後悔しないポイントを解説

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脚付きマットレスの選び方・メリット・後悔しないポイントを解説

こんにちは、加賀照虎です。

  • マットレスに脚があるからベッド不要
  • シンプルな見た目でおしゃれ
  • しかも安い

などの理由から、脚付きマットレスベッドは人気です。

あまり知られていませんが、初めて世に出たのは1991年。もう20年以上も前のことです。それ以来、約四半世紀にわたってずーっと人気が続いている非常にロングセラーの商品です。

しかし、寝心地の観点から絶対におすすめできない機能・仕様のものがあります。

そこで本日は、

  • 脚付きマットレスベッドの特徴(長所と短所)
  • 脚付きマットレスベッドの選び方(一体型or分割型、コイルの種類・品質)

などについて解説していきます。

(※ニトリさんや無印さんの脚付マットレスのスペックを詳細に解説しました。)

1. 脚付きマットレスベッドの特徴

まずは脚付きマットレスベッドの特徴からおさらいしましょう。

長所 短所
  • 比較的安価
  • シンプルなデザイン
  • 小さいサイズが豊富
  • コンパクトで省スペース
  • 組み立てが簡単
  • 日中にソファとしても利用可能
  • 低品質なものが多い
  • 耐用年数が短くなりがち
  • 種類が少ない
  • 大きなサイズの展開が少ない

1-1. 脚付きマットレスベッド長所

1-1-1. 比較的安価

マットレスとベッドを合わせたものが1~2万円前後の値段のためリーズナブルです。

しかし裏を返せば、一般的に販売されているマットレスとベッドを購入するよりも安くしなければ魅力がなくなるため、過度に品質を落としているものがあるのが現実です。寝心地が良いものを選ぶなら2章の適切の「選び方のポイント」を押さえるようにしましょう。

1-1-2. コンパクトで省スペース

ベッドフレームやヘッドボードがない分、コンパクトになっています。たった数センチとはいえ大きな違いです。特に、6畳以下の部屋ではこの差は大きく、開放的に感じられます。

1-1-3. 小さいサイズが豊富

低価格とコンパクト性が売りのため小さいサイズの展開が多いです。

名称 幅寸法 イメージ 寝室目安 用途
セミシングル 80cm mattress-semi-single-size1 4畳 1人(子供・小柄な方)
シングル 97cm mattress-single-size1 4畳 1人(中柄な方)
セミダブル 120cm mattress-semi-double-size1 6畳 1人(大柄な方)
ダブル 140cm mattress-double-size1 8畳 1~2人(小柄な方2人)
クイーン 160cm mattress-queen-size1 8畳 2人(中柄な方)
キング 180cm mattress-king-size1 10畳 2人(大柄な方)
名称 ショート 通常 ロング
イメージ mattress-short-length1 mattress-normal-length1 mattress-long-length1
長さ寸法 180cm 195cm 215cm
用途 小柄な方向け 一般向け 大柄な方向け

例えば、セミシングルのショートサイズなどのような特殊サイズもあります。子供や小柄な方には嬉しい選択肢になるはずです。

1-1-4. シンプルなデザイン

無駄な装飾がないものが多くシンプルな見た目のものが多いです。そのため、部屋に生活感を出したく人や、ミニマルデザインのようにすっきりとした部屋にしたい方に向いています。

1-1-5. 組み立てが簡単

組み立てと言ってもマットレスに脚を付けるだけなので非常に手軽です。力に自信のない女性でも10分前後で組み立てられるはずです。

1-1-6. ソファとして利用可能

日中、ソファとして腰掛けることも可能です。もちろん、汚れないように夜は敷きパッドなどを敷いて使うことをおすすめします。なお、腰掛けることで想定以上の重量が加わるため耐用年数が短くなることはご了承ください。

1-2. 脚付きマットレスベッドの短所

1-2-1. 低品質なものが多い

価格を下げるために必要最低限あるべき品質(コイルの品質、詰めものの量など)が削られているものがあります。そのようなものを避けるために2章で紹介する「選び方」を押さえて品定めするようにしましょう。

1-2-2. 耐用年数が短くなりがち

脚付きマットレスベッドは支えが少ないため荷重に弱く、耐用年数が短めになりやすいです。ソファとして使うと尚のことです。

1-2-3. 種類が少ない

低価格であることが大きな特徴の1つですので、高品質なウレタンフォームや中わた、側生地を使ったものがなく、バリエーションが少ないです。そのため、寝心地よりもシンプルな使い勝手・見た目を追求されている方に向いています。

1-2-4. 大きなサイズがない

大きいサイズだと荷重に耐え切れなく耐久性に難が出てくることがあるため、ダブルサイズ以上のものの展開は少ないです。大きいサイズが希望の方はマットレスの二台使いを検討しましょう。

2. 脚付きマットレスと他のベッドとの違い

脚付きマットレスの良さを知るには、他のベッドタイプとの違いを比べるのが一番わかりやすい方法です。

ここでは、脚なしのローベッドやすのこベッドと比較しながら、脚付きマットレスならではの強みを紹介します。

2-1. 脚付きマットレスと脚なしローベッドの違い

ローベッドは高さが低いため、部屋を広く見せる視覚効果があり、小さな子どもが転落しても大きなケガにつながりにくいという安心感があります。ただし床との距離が近いため、湿気やホコリの影響を受けやすく、マットレスの裏面にカビが生えやすい点がデメリットです。

脚付きマットレスは床から浮いている分、湿気がこもりにくく、掃除機やお掃除ロボットも入りやすいため掃除のしやすさやホコリ対策の面で優れています。ローベッドが「安全性と開放感」を重視するのに対し、脚付きは「衛生面と利便性」を重視した寝具と言えます。

2-2. 脚付きマットレスとすのこベッドの違い

すのこベッドは床板がすのこ状になっており、下方向に湿気を逃がす仕組みを備えています。特に日本の多湿な気候ではカビ対策に有効で、通気性の良さを第一に考える人に選ばれやすいタイプです。ただしフレームとマットレスが別体で、搬入や設置にやや手間がかかる場合があります。

脚付きマットレスも脚下に空間があるため自然な換気ができ、結果的に通気性を確保できます。違いは「すのこが床板の構造で通気を確保する」のに対し、「脚付きは高さそのもので通気と掃除性を両立する」という点です。すのこが通気性特化なら、脚付きは通気性+省スペース+掃除のしやすさをバランスよく備えているといえるでしょう。

3. 脚付きマットレスベッドのおすすめの選び方

1章で伝えたように脚付きマットレスベッドは低価格でそれなりの品質なものが多いです。そこで3章では、寝心地が良いものを選ぶためのポイントについて解説していきます。

3-1. 一体型か分割型か【絶対一体型がおすすめ】

脚付きマットレスには分割式と呼ばれる、長い辺が2つに分かれるタイプのものがあります。

一体型 分割型
画像 mattress-bed-with-legs separatable-mattress-bed-with-legs
寝心地
取扱い

日中は100cm幅の椅子として使えたりインテリアとしての応用が利きますが、熟睡するためのマットレスとしてはおすすめできません。

というのも、分割部が構造上フレームになるため硬い使用感になるのですが、寝転がると丁度その上に腰がくることが多く腰を痛めやすいからです。そのため、脚付きマットレスを選ぶなら通常の一体式のものを選ぶことをおすすめします。

3-2. ボンネルかポケットコイルか【ポケットコイルがおすすめ】

脚付きマットレスベッドはボンネルコイルかポケットコイルで作られています。

ボンネルコイル ポケットコイル
画像 bonnel-coil pocket-coil
寝心地
費用
横揺れ
軋み音 ×
通気性

ボンネルコイルのほうが頑丈な作りにはなりますが体圧分散性がやや低めであることから、寝心地を重視して選ぶならポケットコイルのものがおすすめです。

3-3. コイルの品質はSWRH72以上であること

低価格をうりにしている脚付きマットレスの中に、低品質なコイルが使われていることがあります。

低価格な製品に高品質な素材を求めるのは検討違いになりますが、素材が低品質過ぎるとすぐに使用感が悪化して体を痛めることになります。

そこで、十分快適な寝心地を少なくとも数年は維持できる脚付きマットレス(ポケットコイル・ボンネルコイル双方とも該当)を見抜くポイントとして、マットレスの品質表示タグを見て、コイルの品質を確認する方法があります。

quality-of-coil-spring
コイルスプリングの品質表示の見方

(品質表示ラベル引用:消費者庁HP(表示方法の改定後、引用元ページが無くなりました))

少し乱暴な目安ですが、②の線材の炭素の保有量の数値が70以上のコイルが使用されている脚付きマットレスをお選びいただけば、1~2年で寝心地が悪化することはまずありません。ネット通販の場合でも、品質にこだわっているメーカーはこの数値を開示していることがあります。

線材の種類 炭素保有量値 耐用年数の目安
ピアノ線 SWRS 77~92 10年前後
硬鋼線 SWRH 82
72~77 6~7年前後
62~67 3~4年前後
注!:大変残念なことに、平成29年3月30日よりスプリングマットレスの品質表示法の改定があり、表示内容が大幅に簡素化されることになりました。
今後はこのような表示内容になるため、品表ラベルを見てスプリングの数、大きさ、材料の種類、品質などを知ることができなくってしまいました。とはいえ、メーカーも販売店も今まで通り上記のスペックを参考に売買をしているので、あなたが店頭でマットレスの線材と品質を質問すれば教えてくれるでしょう。優れた一品を選び抜くため使える知識ですので、品質表示に記載はされていないとしても、知っておくに越したことはありません。

3-4. 詰め物(ウレタンフォーム)の厚みは4cmで30D以上

コイルの上に寝ると背中にコイルが当たり寝心地が悪いため、主にウレタンフォームがクッションとして詰められます。

このウレタンフォームの量が少なかったり、品質が悪いと、クッション効果がすぐに失われて寝心地が悪くなります。少なくともウレタンフォームなどの詰めものの厚さが4cm以上あるものを選ぶようにしましょう。

低品質なスプリングマットレスは詰め物が少なすぎることが多い
低品質なスプリングマットレスは詰め物が少なすぎることが多い

また、ウレタンフォームの厚さだけでなく密度(耐久性を表す物性)も同時にチェックしましょう。

ウレタン密度が30D以上あれば合格です。それ以下のものはへたりやすいので避けることをおすすめします。

ウレタン密度(kg/㎥) 耐久性の評価
高反発 低反発
20D以下 30D以下
  • 数ヶ月~1年程度の耐用年数。
  • 1万円をきる安価なマットレスに使用される。
25D前後 35D前後
  • 3~5年程度の耐用年数。
  • リーズナブルなマットレスに使用される。
30D前後 40D前後
  • 5~8年程度の耐用年数。
  • 国内・海外ブランドの有名マットレスに使用される。
40D以上 50D以上
  • 8年以上の耐用年数。
  • 高価で高品質なマットレスに使用される。

3-5. 脚の長さ(高さ)は3つの観点から考える

脚付きマットレスベッドには脚の長さを選べるものがあります。

どれくらいの高さにするか次の3つの観点から考えてみましょう。

  1. ハウスダストゾーン:床から高さ30cm以下はホコリが舞いやすいハウスダストゾーンです。せっかく脚付きマットレスベッドを購入するならこれ以上の高さにしましょう。
  2. 収納部の大きさ:マットレスの下に収納ケースなどを置く予定ならそれがきちんと収まるサイズであることを確認しておきましょう。
  3. 座りやすさ:日中ソファとして活用するなら座りやすい高さにしましょう。ソファの高さは(身長×25)-1が一般的とされています。そのため、例えば身長170cmの人なら41.5cmを高さの目安にしましょう。

最後に

マットレスの寝心地が悪いと体調の悪化にもつながるので、是非ともご紹介のポイントを満たしている脚付きマットレスをご使用することをおすすめします。

また、もしあなたが「脚付きマットレス以外の種類のマットレスの使い心地ってどんなだろう」とお考えでしたら、以下のページで寝心地が素晴らしいマットレスを選ぶためのポイント(体圧分散性、弾力性、耐久性など)とおすすめのブランドについて徹底的に解説しているので、是非あわせてご参考にしてください。

関連記事:快眠マットレスおすすめ17選&自分に合うものを絞り込む手順

 

なお、マットレスに関するページを以下にまとめましたので、気になるトピックがあればあわせてご参考にしてください。

■あわせて読んでおきたい「マットレス」の記事一覧
- 選び方編
○マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順
○敷布団とベッドマットレスの比較。素材ごとの併用の相性とおすすめ
○【失敗しないマットレスの選び方】硬さ、厚さ、密度、線材を吟味
○マットレスの3種類7素材を比較|特徴と選び方、おすすめできる人
○低反発と高反発の違い、あなたに合うマットレスはどっちか
○【快眠の方程式】マットレスの理想の硬さ=理想の寝姿勢
○マットレスの正しい厚み(高さ)は「用途と目的」を軸に考える
○【マットレスの通気性】素材・加工ベースで比較評価
- 使い方編
○【マットレスの使い方】シーツ、パッドの正しい順番とは
○マットレスにすのこは必要か?おすすめの選び方
○マットレスの上に布団を敷いてはいけない2つの理由と代替策
○マットレスの正しいダニ退治方法、二度と繁殖させない予防法
○マットレスのカビ除去方法と、再発を防ぐ予防対策
○ベッド・マットレスがずれる?それなら滑り止め対策を
○長生きでお得に!マットレスの寿命を判断する5つの目安
○賢い節約術!マットレスの処分方法を考えるべき順序

よくある質問

Q1. 脚付きマットレスは何年くらい使えますか?

A. 脚付きマットレスの寿命は、使用頻度や中材(コイル・ウレタンなど)の種類によって異なりますが、一般的には5〜10年が目安です。高密度ウレタンや高品質なポケットコイルを使っている製品は耐久性が高く、長く使いやすい傾向があります。

また、脚部とマットレスが一体型になっているものは構造の安定性が高く、きしみやたわみに強いため、より長持ちしやすいです。快適な寝心地を保つためにも、3〜5年ごとに状態をチェックし、へたりや音鳴りがあれば買い替えを検討しましょう。

Q2. 脚付きマットレスで寝心地が悪い原因と改善策は?

A. 寝心地が悪く感じる主な原因には以下のような点が挙げられます。

  • マットレスの硬さが体に合っていない(硬すぎ/柔らかすぎ)
  • 脚フレームの強度が不足していて揺れや軋みが気になる
  • 通気性が悪く、湿気がこもってムレやすい
  • 床からの距離が低く、寒さやホコリを感じやすい

改善策としては、マットレストッパーの追加や通気性の良い敷きパッドの併用が効果的です。また、脚の高さを調整したり、分割型から一体型に変えることで安定感が増し、寝心地が向上することもあります。

Q3. 脚付きマットレスにカビが生えやすいって本当?

A. 正しく使えばカビは防げますが、通気が不十分だったり、床との間に空気の流れがない状態が続くと、カビが生える可能性があります。

特に梅雨時期や冬場など湿気が溜まりやすい時期は注意が必要です。以下の対策が有効です。

  • 脚付きマットレスの下に収納物を詰め込みすぎない
  • 定期的に風を通す・除湿シートを敷く
  • 防湿マットやベッドパッドを併用する

また、マットレスの裏側や床面のチェックも定期的に行うことで、カビの予防につながります。

Q4. 分割型と一体型、どっちが腰にやさしい?

A. 一般的に、一体型の脚付きマットレスの方が腰にやさしいとされています。その理由は、マットレスの面がフラットで段差がなく、寝姿勢が安定しやすいためです。

一方、分割型は搬入や移動がしやすい利点がありますが、中央に隙間ができやすく、体の沈み方にムラが生じやすいことがあります。腰痛持ちの方や寝返りの多い方は、高反発・高密度の一体型マットレスがおすすめです。

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