スプリングで腰が痛い?ベッドマットレスの原因と対処法を徹底解説

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スプリングで腰が痛い?ベッドマットレスの原因と対処法を徹底解説

こんにちは、加賀照虎です。

ベッドに寝転んだ瞬間、マットレスのスプリング(バネ)が腰に当たって痛む…。そんな悩みを抱えてはいませんか?これは、使用による経年劣化が原因です。仕方がないと言えば仕方がないです。

とはいえ、放置しておくと、質の高い睡眠が得られず、日常生活にも影響が出てしまいます。どうにか改善しなければいけません。

そこで本日は「ベッドマットレスに寝るとスプリングで腰が痛いときの対策」についてご紹介します。

※自分に合ったマットレスを選ぶ手順(型→素材→個別商品)と値段、体質、好み別におすすめできるマットレスについてこちらのページ「マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順」で徹底解説しています。寝心地の改善が見込めず買い替えを検討されるなら是非ご参考にどうぞ。

1. ベッドのスプリングとは?構造と種類の違いをわかりやすく解説

ベッドマットレスのスプリングは、内部に金属のばねを組み込んだ構造を指します。多数のコイルが体を支えることで安定した寝心地を実現し、通気性や耐久性にも優れています。

ウレタンやラテックスだけのノンコイルタイプに比べて底付き感が少ない点も特長です。ただし、スプリングの種類によって寝心地や体圧分散、寝返りのしやすさが異なるため、自分に合ったタイプを選ぶことが重要です。

1-1. スプリングのマットレスの種類と特徴を比較

スプリングマットレスといっても構造にはいくつかの種類があり、それぞれ寝心地や耐久性、通気性に違いがあります。

代表的なのは「ボンネルコイル」「ポケットコイル」「高密度連続スプリング」の3タイプです。ここでは特徴を比較表にまとめました。

種類 特徴 寝心地 耐久性 通気性
ボンネルコイル コイルを連結スプリングとして組み合わせ、面全体で体を支える
  • 硬め
  • 安定感がある
  • 寝返りしやすい
  • 比較的高いが部分的にヘタリやすい
  • コイル間に空間があり湿気がこもりにくい
ポケットコイル 独立したコイルを不織布で包み、点で体を支える
  • フィット感が高い
  • 体圧分散に優れる
  • コイルが独立しているためヘタリにくい
  • 袋に包まれるためやや劣る
高密度連続スプリング 一本の鋼線を高密度に編み上げた特殊構造
  • 自然な寝姿勢を保ちやすい
  • 寝返りもしやすい
  • 非常に強く長期使用でもヘタリにくい
  • 高密度でも通気性は良好で湿気に強い

スプリングマットレスは、構造によって寝心地・耐久性・通気性に大きな差があります。ボンネルコイルは面で支える安定感、ポケットコイルは点で支えるフィット感、高密度連続スプリングは耐久性と自然な寝返りやすさが特長です。

まずはそれぞれの仕組みを知り、違いを理解することが、自分に合ったマットレス選びの第一歩となります。

2. スプリングのベットマットレスはどんな人に向いている?

スプリングマットレスは種類によって寝心地や硬さが異なるため、自分の体型や寝姿勢に合わせて選ぶことが大切です。ここでは代表的なタイプごとに、向いている人とそうでない人の特徴をまとめます。

2-1. ボンネルコイルが向いている人

体重が重い人や寝返りが多い人に適しています。コイル全体で体を支えるため耐久性が高く、硬めの寝心地が特徴です。

寝返りが打ちやすいため、朝起きたときに身体がこわばりやすい人にもおすすめです。一方、痩せ型で骨が出やすい人や横向き寝が多い人には、硬さが負担になることがあります。

2-2. ポケットコイルが向いている人

体重が軽めの人や横向き寝の人、またはベッドを2人で使う人に向いています。独立したコイルが点で体を支えるためフィット感が高く、体圧分散に優れています。

横揺れが少ないため、パートナーの寝返りが気になりにくいのも特長です。ただし、硬めが好みの人やうつ伏せ寝が多い人には柔らかすぎると感じる場合があります。

2-3. 高密度連続スプリングが向いている人

耐久性や通気性を重視し、長期間安定した寝心地を求める人におすすめです。体圧分散性が高いため、腰痛が気になる人や自然な寝姿勢を維持したい人にも向いています。

価格は中〜高価格帯ですが、しっかりとした作りでヘタリにくいため、長く使いたい人に適しています。

3. ベッドマットレスのスプリングが痛い原因

マットレスのスプリングのせいで背中・腰が痛くなる原因は大きく分けて2つあります。

まず最初に、あなたのマットレスがどちらのケースに当てはまるか確認しましょう。それにより取るべき対策が変わってきます。

3-1. マットレス表面の詰め物(クッション)がへたっているため

よくある原因です。

高品質のマットレスでも経年劣化によるヘタリのために、スプリングの硬さを背中・腰で感じるようになります。

詰め物がへたるとスプリングの硬さを感じるようになる
詰め物がへたるとスプリングの硬さを感じるようになる

マットレスの断面図を見てみると分かりやすいです。

マットレスのスプリングの上にはウレタンフォームや羊毛わた、ポリエステルわたなどのクッション材が詰められています。

それら全てがよい状態にあることで、適切な寝心地のマットレスとなります。しかし、クッション材がへたってしまうと、スプリングの硬さが背中・腰に伝わりやすくなり、ひどいケースでは痛みを感じてしまうのです。

硬すぎるマットレスは腰に圧迫を与える
硬すぎるマットレスは腰に圧迫を与える

腰がムズムズと圧迫される不快感に始まり、次第にズキズキとした鈍い痛みに変わっていきます。

私自身、以前住んでいたマンションが家具付きで、マットレスの品質があまりよくなかったためにこの痛みを経験していました。悩ましいお気持ちを察します。

体を悪くする前に対策をとりましょう。

3-2. そもそも表面の詰め物が少なすぎるため

次に多くある原因です。

そもそもマットレスの表面に詰められるべきクッション材が少なすぎるケースです。

5万円以下のスプリングマットレスに、このような品質の悪いものが多々あります。

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詰めものが少ないコイルスプリングマットレス

スプリングの上の詰め物が厚み1cmのウレタンフォームとフェルト材だけ、なんていうマットレスがあります。

「そんなマットレスで寝たら、数ヶ月で腰を痛めてしまうんじゃないか」と私は思うのですが、たぶんそのメーカーは低価格を追求するあまり、削ってはいけないところまで削ってらっしゃるんだと思います。

スプリングの上の詰め物は少なくとも4cmくらいはないと十分ではないと私は考えます。もしあなたのマットレスがこのケースに該当する場合、4-1の対策は効果がないので4-2の対策のみお考えください。

4. ベッドマットレスのスプリングが痛いときの対策

それでは次に、対策についてご紹介していきます。4-1の方が手がかからずに行えるので先にご検討ください。

4-1. マットレスの裏面を使う

あなたのマットレスはもしかすると両面使用可能なタイプではないでしょうか。

マットレスを購入してから月日が何年も経っていると、このことを忘れてしまっていることがあるかと思います。「面裏ひっくり返してみたらまるで新品の寝心地に戻った!」なんていうケースもあるほどです。

マットレスのひっくり返し方
マットレスのひっくり返し方

4-2. マットレスの上にトッパーを敷く

もう一つの方法はマットレスの上にトッパーを敷くことです。

マットレスの元々のクッション材がへたっているから新しいクッション材で補強するとイメージすると分かりやすいかと思います。

敷きパッド ベッドパッド ベッドシーツ トッパー プロテクター
画像 shiki-pad1 bed-pad1 bed-sheet1 mattress-topper1 mattress-protector1
役割
  • 肌触りの改善
  • 温湿度の調整
  • マットレスの汚れ防止
  • 肌触りの改善
  • 温湿度の調整
  • おしゃれ
  • 体圧分散改善
  • マットレスの
    汚れ防止
厚み 1~2cm前後 3~4cm前後 5mm前後 3~5cm 5mm前後
温湿度調整 ×
汚れ防止
洗濯 ×
体圧分散性 × ×

厚手のベッドパッド(厚み2~3cmくらい)でも補強になることはなりますが、寝心地をしっかり改善すること期待するのなら、ウレタンフォームやラテックスのトッパーで厚みが5cm前後あるものがおすすめです。

おすすめのトッパーの選び方について以下のページで説明しているのでご参考にしてください。

関連記事:奇跡の復活!マットレストッパーおすすめ4選と正しい使い方

ただ、もしあなたのマットレスのヘタリがかなりひどく凹みになっているくらいだと、トッパーでも対策しきれない可能性があります。厳密にいうと、クッション性は改善できても凹みにより寝姿勢が悪くなってしまい、背中・腰を痛める可能性が残ってしまうのです。なので、ここまでひどいケースでしたら、素直にマットレス自体を買い換えることをお勧めします。

5. スプリングマットレスはいつ買い替えるべき?

スプリングマットレスの寿命は高品質なもので約10年といわれています。ただし使用環境や体重、メンテナンスによって耐用年数は前後し、状態によってはもっと早く交換が必要になる場合もあります。

ここでは買い替えの目安となる寿命と、具体的なサインを解説します。

5-1. 寿命の目安は約10年

内部のスプリングは長年の使用で徐々に弾力を失い、体圧分散性能が低下します。その結果、寝姿勢が崩れやすくなり、腰や首に負担がかかって痛みや疲労につながることがあります。

衛生面でも湿気や寝汗の影響でカビやダニが繁殖しやすくなるため、清潔な睡眠環境を維持するには10年を目安に買い替えを検討すると安心です。

5-2. 買い替えを検討すべきサイン

以下のような症状が出てきたら、寿命が近い証拠といえます。

  • 寝ているときにスプリングがギシギシと軋む
  • マットレスの一部がへこんで戻らない
  • 朝起きたときに腰や背中が痛む
  • 以前より寝心地が柔らかくなり、体が沈みすぎる
  • 表面や内部にカビが発生した

これらはスプリングや詰め物が劣化しているサインであり、放置すると腰痛や不眠など健康面にも悪影響を及ぼします。異音やへたり、へこみ、衛生状態の悪化を感じたら、早めに買い替えを検討するのが賢明です。

最後に

あなたのマットレスに対してどのような処置をするべきか参考になっていれば幸いです。

また、以下のページで素晴らしい寝心地のマットレスを選ぶポイントと、おすすめのマットレスを紹介しています。マットレスを買い換えようかなとお考えでしたらあわせてご参考にしてください。情報収集した上でマットレス選びをすれば、より満足した一品をお選びいただけます。

関連記事:快眠マットレスおすすめ11選&自分に合うものを絞り込む手順

なお、マットレスに関するページを以下にまとめましたので、気になるトピックがあればあわせてご参考にしてください。

■あわせて読んでおきたい「マットレス」の記事一覧
- 選び方編
○マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順
○敷布団とベッドマットレスの比較。素材ごとの併用の相性とおすすめ
○【失敗しないマットレスの選び方】硬さ、厚さ、密度、線材を吟味
○マットレスの3種類7素材を比較|特徴と選び方、おすすめできる人
○低反発と高反発の違い、あなたに合うマットレスはどっちか
○【快眠の方程式】マットレスの理想の硬さ=理想の寝姿勢
○マットレスの正しい厚み(高さ)は「用途と目的」を軸に考える
○【マットレスの通気性】素材・加工ベースで比較評価
- 使い方編
○【マットレスの使い方】シーツ、パッドの正しい順番とは
○マットレスにすのこは必要か?おすすめの選び方
○マットレスの上に布団を敷いてはいけない2つの理由と代替策
○マットレスの正しいダニ退治方法、二度と繁殖させない予防法
○マットレスのカビ除去方法と、再発を防ぐ予防対策
○ベッド・マットレスがずれる?それなら滑り止め対策を
○長生きでお得に!マットレスの寿命を判断する5つの目安
○賢い節約術!マットレスの処分方法を考えるべき順序

よくある質問

Q1. スプリングマットレスの寿命はどのくらい?

A.スプリングマットレスの寿命は、一般的に7〜10年程度とされています。ただし、使用環境や体重、メンテナンス頻度によって前後します。特に以下の状態が見られたら、寿命のサインです。

  • 寝たときにへこみや違和感を感じる
  • ギシギシと異音がする
  • スプリングの反発力が弱くなっている

スプリング(コイル)の種類によっても耐久性は異なり、高品質なポケットコイルは10年以上持つケースもあります。寿命が近づいたマットレスは、寝姿勢の悪化や腰痛の原因にもなりやすいため、早めの買い替えを検討しましょう。

Q2. スプリングが痛いけど買い替えは必要?

A.スプリングの感触が直接体に伝わって「背中や腰が痛い」「寝心地が悪い」と感じるようであれば、買い替えのサインと考えてよいでしょう。

スプリングが痛くなる原因は下記になります。

  • 長年使用によるコイルのヘタリや変形
  • 内部の詰め物(ウレタンやフェルト)の劣
  • 体重に対して硬すぎるor柔らかすぎる構造

一時的な対処法としてトッパーやベッドパッドで表面の当たりを緩和することも可能ですが、根本的な改善にはマットレス自体の買い替えが必要になることが多いです。

Q3. ポケットコイルとボンネルコイル、腰痛にはどっちが良い?

A.腰痛対策としては、ポケットコイルマットレスの方が適しているケースが多いです。

項目 ポケットコイル ボンネルコイル
特徴 独立したコイルが体に沿ってフィット 面で支える構造で反発力が強い
向いている人 腰痛持ち/寝返りが多い人 体格が大きい/硬めが好みの人
寝心地 体圧分散に優れる やや硬めで沈みにくい

ポケットコイルは、腰や背中への負担を分散しやすく、横向き寝や仰向けにも対応しやすいため、腰痛軽減を重視するならポケットコイルが有利です。ただし、個人の体格や好みにもよるため、実際に試し寝できる環境で選ぶと失敗が少なくなります。

Q4. ベッドパッドやトッパーでスプリングの痛みは軽減できる?

A.はい、ベッドパッドやマットレストッパーを使用することで、スプリングの硬さや痛みを和らげることが可能です。

  • ベッドパッド: 薄めで、主に表面の肌ざわり改善・汗対策向き
  • トッパー: 3〜5cm程度の厚みがあり、体圧分散性を補強して寝心地を大きく変えられる

特にウレタン製や高反発タイプのトッパーは、スプリングの当たりを吸収しつつ、腰や背中のサポート力を強化できます。ただし、マットレスの内部コイルが完全に劣化している場合は、トッパーだけでは根本的な改善は難しく、買い替えが必要になることもあります。

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