羽毛布団は日本製を!海外製がおすすめできない2つの理由

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羽毛布団は日本製を!海外製がおすすめできない2つの理由

「日本製の羽毛布団」と言ってもさまざまです。

結局、最後の製造工程を日本で行えば、日本製になるからです。

とはいえ、その違いなどが気になるかと思います。

そこで本日は、

  • 日本製羽毛布団の細かな違い
  • 日本製と海外製の違い(日本製がおすすめな理由)

などについて解説していきます。

ぜひ羽毛布団選びの参考にしてください。

※羽毛と羽根の比率、ダウンパワー、充填量などのスペックを比較した選び方についてこちらのページ「羽毛布団の選び方とおすすめ9選【専門家直伝】」で徹底解説しています。羽毛の充填量だけでなくより網羅的に羽毛布団選びを進めたい方はぜひご参考にしてください。

1. 羽毛布団が作られるまでの流れ

まずは前提知識です。

日本製の羽毛布団は主に以下の流れで作られます。

  • 羽毛採取(ほぼ100%海外産) → 処理(ほぼ100%当地で洗浄) → 輸入(圧縮して輸入される) → 国内再処理(パワーアップ加工or再洗浄)
  • 生地(ほぼ海外産) → 側生地縫製(ほぼ海外産) → 輸入(ほぼ出来上がった状態で輸入)
  • 生地に羽毛を充填(日本国内)

1-1. 羽毛原料はほぼ100%海外産

羽毛はほぼ100%海外産です。

日本産羽毛もなくはないですが羽毛布団として販売されているのを私は見たことがありません。

順位 輸入元 輸入量(kg) 割合 順位 輸入元 輸入金額(千円) 割合 順位 輸入元 単価(円/kg)
1 台湾 1,091,395 37% 1 台湾 ¥5,308,863 29% 1 アイスランド ¥215,539
2 中国 792,856 27% 2 中国 ¥4,650,501 25% 2 ロシア ¥11,245
3 ポーランド 221,272 8% 3 ポーランド ¥2,357,643 13% 3 ポーランド ¥10,655
4 ハンガリー 196,123 7% 4 ハンガリー ¥1,584,449 9% 4 ハンガリー ¥8,079
5 フランス 180,683 6% 5 フランス ¥1,124,952 6% 5 ウクライナ ¥7,872
6 ウクライナ 113,131 4% 6 ウクライナ ¥890,608 5% 6 ブルガリア ¥6,578
7 ブルガリア 96,828 3% 7 ブルガリア ¥636,896 3% 7 スペイン ¥6,326
8 アメリカ 56,193 2% 8 ロシア ¥609,095 3% 8 フランス ¥6,226
9 ロシア 54,167 2% 9 スペイン ¥297,400 2% 9 中国 ¥5,866
10 スペイン 47,009 2% 10 アイスランド ¥232,998 1% 10 台湾 ¥4,864
その他 93,376 3% その他 ¥771,527 4%
合計 2,943,033 合計 ¥18,464,932

(※これは2018年のデータです。今は当時よりも大分値上がりしています。)

そのため、日本製羽毛布団といっても、羽毛自体は海外産と考えてもらって結構です。

なお、産地によりランクがあると考えられていますが、ポーランドやハンガリーなどはダウンパワーの高い大きな羽毛が多い傾向にあるものの、実際、ダウンパワーが同じであればどこの産地であろうが保温性の高さは同じです。

1-2. 羽毛は海外洗浄か国内洗浄か

羽毛は圧縮して輸入されます。

そのままで使用できないため日本国内で再処理されます。

  • パワーアップ加工:圧縮した羽毛に高温のスチームを当てて復元させると同時に輸送に紛れるゴミやダウンファイバーを取り除きます。
  • 洗浄とパワーアップ加工:羽毛を国内で再度洗浄してからパワーアップ加工を行います。

違いは洗浄がされるかどうかです。

一昔前は海外の工場の羽毛洗浄機の品質(と管理)が低かったため、日本で再洗浄されたものでないとニオイが気になりやすいなどの問題がありましたが、近年では洗浄マシンの品質と管理が向上しているため誤差程度の違いになってきました。

海外の硬水と異なり日本の軟水は洗浄に適しているため、やはり日本で洗浄がされているほうがニオイは気になりにくいですが、多くの人にとっては違いがわからないレベルです。

1-3. 生地は国内産でも海外産でもほとんど同じ

日本製の生地は1%もありません。

日本製だとしても生地自体は中国製でそれを日本で縫製しているものが大半です。

そのため、違いは縫製に現れます。とはいえ、こちらも同じように日本向けに製造される生地はベテランの工員さんが担当されるので、違いはほとんどわからない程度になります。

消費者が触って感じられるような生地素材の違いは縫製技術ではほとんど左右されないため、生地の製造地がどこかと気にする必要はあまりないかと私は考えています。

生地素材 生地重量 通気度 評価
綿100%
(100番手)
800g前後 3.0cc以上
  • 10万円以上の最高級品向け。
  • 布団と一体化するような使い心地。
綿100%
(80番手)
950g前後 3.0cc前後
  • 8万円前後の高級品向け。
  • さらっとした肌触りで体によく馴染みます。
綿100%
(60番手)
1100g前後 2.0cc前後
  • 6万円前後の高品質商品向け。
  • 十分快適な肌触りと肌当たりです。
綿100%
(40番手)
1300g前後 1.5cc前後
  • 4万円前後の普及品向け。
  • あまりにも安いものだと生地が硬く重いことがある。
ポリエステル30%
綿70%
900g前後 0.5cc前後
  • 3万円前後の低価格品向け。
  • 蒸れやすいので吸水性のあるカバーを併用すること。
ポリエステル85%
綿15%
750g前後 0.5cc前後
  • 1万円前後の低価格品向け。
  • 蒸れやすいので非推奨。

2. 日本製と海外製の違い(日本製がおすすめな理由)

ここまで羽毛の産地や生地の製造地には大して差がないと伝えてきました。

というのも、最終的に「日本製」であれば、日本人向けの品質基準で作られるからです。

しかし、「海外製」には気をつけてください。「中国製」だけでなく「ドイツ製」なども同様です。その理由について解説していきます。

2-1. ダウン率の許容範囲が広い

日本の羽毛布団のダウン率には、±5%の許容範囲が設けられています。

つまり、ダウン90%と表記されている羽毛布団が、実際にはダウン85.5%であっても法的に問題はないのです。ダウン率90%と思っていたものが85.5%だったら残念ですよね。

しかし、この日本の許容範囲は世界的には厳しいとされていて、ドイツ圏に住む羽毛業界の方から私が聞いた話ではドイツでの許容範囲は20%だそうです。つまりダウン率90%と表記されていても、実物は78%であっても良いのです。

薬事法の規制すらされないAmazonマーケットプレイスで、このような商品が販売されていても何の不思議もありません。

amazon-pillow
Amazonにて睡眠障害が解決すると記された枕。これはひどいですね。

2-2. ダウンプルーフがされていないことがある

また、生地にダウンプルーフ加工がされていない羽毛布団も海外製では少なくありません。

ダウンプルーフ加工とは布団の中の羽毛が吹き出さないようにローラーで生地の目を潰す加工のことです。この加工がないほうが生地の肌あたりが良く、通気性が高いため寝心地自体は良いのですが、使用に応じて、布団から羽毛が吹き出してきます。

海外では羽毛が吹き出しても気にしない人が多いのですが、日本では衛生的観点から許されない方が多いため、ありえないこととされています。知らずに購入してしまわないようにしましょう。

3. おすすめの洗える日本製羽毛布団

最後におすすめの日本製羽毛布団を紹介します。

3-1. 快眠タイムズ 中国産ナチュラルダック90% 羽毛布団

natural-duck-down-comforter

商品 中国産ナチュラルダック羽毛布団
メーカー 快眠タイムズ
羽毛産地 中国
水鳥種類 ダック
ダウン率 90%
ダウンパワー 350dp
充填量 1.1kg
生地 綿100%(60サテン)
価格 19,990円
商品ページ こちら

ダックの羽毛布団です。

冬場の寝室の温度が14℃前後の方におすすめです。側生地は60番手の綿100%です。蒸れにくく快適な肌あたりが期待できます。

3-2. 快眠タイムズ カナダ産グース93% 羽毛布団

canadian-goose-down-comforter

商品 カナダ産グース羽毛布団
メーカー 快眠タイムズ
羽毛産地 カナダ
水鳥種類 グース
ダウン率 93%
ダウンパワー 400dp
充填量 1.2kg
生地 綿100%(60サテン)
価格 49,990円
商品ページ こちら

上記の羽毛布団のグース版です。

冬場の寝室の温度が10~12℃前後の方におすすめです。上記のものよりも保温性がワンランク上です。また、ダックではなくグースの羽毛ですので、ニオイが少なくなります。羽毛臭が苦手な方にもおすすめです。

最後に

日本製羽毛布団の細かな違いや、羽毛布団が日本製と海外製で何が違うのかを知る参考になっていればと思います。

もし羽毛布団のスペック(ダウン率、ダウンパワー、充填量)などを調べた上で比較検討したいということであれば、下記のページで網羅的に解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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