冬なのに暑くて寝れない原因と対策|羽毛布団・寝室環境の工夫

  更新日:

冬なのに暑くて寝れない原因と対策|羽毛布団・寝室環境の工夫

「この羽毛布団、保温性スゴすぎ…!
「むしろ暑いくらい!!

これは決して良いことではありません。

悪いことです。

寝苦しくなり睡眠の質を下げることになります。

どうにかして解決しなければなりません。

そこで本日は、羽毛布団が暑くなる原因とその対策について解説します。

(※動画での解説を加えました!)

※羽毛と羽根の比率、ダウンパワー、充填量などのスペックを比較した選び方についてこちらのページ「【専門家監修】羽毛布団の選び方とおすすめ9選と選び方|失敗しない条件とは?」で徹底解説しています。羽毛の充填量だけでなくより網羅的に羽毛布団選びを進めたい方はぜひご参考にしてください。

1. 冬なのに暑くて寝れない人の特徴

冬は冷え込みが厳しいはずなのに「暑くて眠れない」「夜中に寝汗で目が覚める」という人も少なくありません。その背景には、体質や生活習慣、ホルモンバランスの変化など、いくつかの共通点があります。

1-1. 冷え性で厚着をしすぎる人

冷え性に悩む人は、厚手のパジャマや靴下、電気毛布やカイロを使って就寝することがあります。しかし過度な防寒は体内に熱をこもらせ、寝汗や蒸れを招く原因になります。

羽毛布団は本来、保温性に加えて吸湿性や放湿性にも優れているため、着込みすぎなくても十分に暖かさを保てます。快適に眠るためには、厚着をしすぎない冷え性対策を心がけることが大切です。

1-2. 暖房と羽毛布団を併用する人

室温を高く設定したまま羽毛布団を使うと、寝具内の温度と湿度が上がりすぎて蒸れやすくなります。

寝室は少し涼しいくらいが理想で、就寝前に暖房で温めてから切る、もしくは室温調整を控えめにすることが効果的です。寝汗がひどい場合は換気や加湿器の併用で空気を整えると、寝心地改善につながります。

1-3. 代謝が高い人

体温が高めで代謝が活発な人は、冬でも汗をかきやすく、布団の中が暑く感じられます。こうした人は保温性の高すぎる寝具を避け、吸湿性や放湿性に優れたシーツやパッドを使うと快適です。寝具の通気性を工夫することで、寝汗による不快感を和らげられます。

1-4. 更年期やホルモンバランスの影響を受けやすい人

女性は更年期に入ると女性ホルモンの分泌が低下し、自律神経の働きが乱れやすくなります。その結果、急なほてりや寝汗が起こり、冬でも暑さで眠れなくなることがあります。

男性でも男性ホルモンの低下による更年期障害があり、同様の症状が現れるケースがあります。ホルモンバランスの変化による寝汗は、生活環境を整えても改善しにくい場合があるため、症状が強いときは専門医に相談することも検討しましょう。

2. 羽毛布団が暑くて寝汗がひどくなる原因と各対策

結論、以下の3つのどれかが原因となっているはずです。

  1. 保温性スペックが室温に対して高すぎる
  2. 側生地にポリエステルが使用されている
  3. カバーやその他寝具が蒸らしている

それぞれ具体的に説明していきます!

2-1. 保温性が適切ではなく高すぎる

羽毛布団の保温性は、ダウン率、ダウンパワー、充填量で決まります。

  • ダウン率:羽毛と羽根の割合。羽毛が多いほうが暖かいです。
  • ダウンパワー:羽毛の大きさ。大きいほうが保温性が高いです。
  • 充填量:羽毛と羽根の量。多いほど保温性が高いです。
羽毛(ダウン) 羽根(フェザー)
画像 down-material feather-material
風合い ふわふわ 芯がある
保温性
重量
フィット性
獣臭
価格

保温性が高すぎると問題です。

寝室が暖かいのにもかかわらず、保温性能(スペック)が高すぎる羽毛布団を使うと、暖かくなりすぎて寝苦しくなります。

室温に対して適切なものを選ばなければなりません。

弊社のパートナー企業であるCIL快適睡眠環境研究所が紹介している「羽毛布団のスペック別の適切な寝室の温度例」を参考にしてください。

商品例1 商品例2 商品例3 TOG値 寝室の温度 住居例
ダウン率 85% 12 16~18℃ 年中、冷暖房で調整されている部屋
ダウンパワー 330dp
充填量 1.0kg
ダウン率 85% 90% 93% 13 14~16℃ 気密性の高いマンション
ダウンパワー 330dp 350dp 400dp
充填量 1.1kg 1.0kg 1.0kg
ダウン率 85% 90% 93% 14 12~14℃ コンクリートのアパートや戸建て
ダウンパワー 330dp 350dp 440dp
充填量 1.3kg 1.2kg 1.0kg
ダウン率 85% 90% 93% 15 10~12℃ 同上
ダウンパワー 330dp 350dp 400dp
充填量 1.4kg 1.3kg 1.1kg
ダウン率 93% 93% 93% 16 8~10℃ 築年数の古い木造一戸建て
ダウンパワー 400dp 440dp 440dp
充填量 1.3kg 1.2kg 1.3kg

(※TOG値:保温性レベルとお考えください)

例えば、気密性の高い高級タワーマンションに住んでいるにもかかわらず、ポーランド産マザーグース95%、440dp、充填量1.2kgの羽毛布団を使うと、ほぼ必ず暑苦しくなります。

適切な保温性のものに買い換えましょう。

もしくは、打ち直しの際に羽毛の量を減らせるか業者に依頼してみましょう。

関連記事:ふわっと復活!羽毛布団の打ち直し【料金相場とよくある質問】

2-2. 羽毛布団の生地の品質が悪くて布団内が蒸れている

安物によくある原因です。

側生地がポリエステル素材だと、布団内が蒸れて寝苦しくなります。

羽毛布団の側生地というのは、微細な羽毛が飛び出さないように、ただでさえ目の細かい高密度な作りになっています。

しかもその上から目潰し加工をしたり、ものによってはメンブレンを貼ったりなどして、通気性が非常に低くなっています。

そんな生地を吸水性のほぼないポリエステル素材で作ったら、蒸れて寝苦しくなるのは確実ですよね。

standard-moisture-regain-of-fiber-materials

素材 イメージ 柔らかさ 滑らかさ 吸湿性 放湿性 耐久性 洗濯性





綿
(コットン)
cotton1

(リネン)
linen1



(シルク)
silk1
羊毛
(ウール)
wool1




レーヨン layon1

ポリ
エステル
polyester1 -

もしあなたが「ポリエステル85%、綿15%」の羽毛布団を使っているのなら、買い替えましょう。

もしくは、綿100%の吸水性・吸湿性のいい素材の布団カバーを被せて、なんとか蒸れを減らせられないか試してみるのも一手です。

2-3. 布団カバーや毛布などが布団内を蒸らしている

羽毛布団本体ではなく、他の寝具が原因のこともあります。

  • 布団カバー
  • 毛布
  • 敷きパッド
  • パジャマ

これらの素材がポリエステルやアクリル、吸率発熱素材だと、布団内が蒸れる原因になることがあります。

気化熱と凝縮熱の原理
気化熱と凝縮熱の原理

私自身、ポリエステルマイクロファイバーのプラッシュ生地のふかふかで暖かみのある寝心地は好きです。

ただ、吸水性・吸湿性のない素材であるため、体の上側の寝具との組み合わせは考えなければなりません。体の上下ともあたたか効果の強い寝具で揃えてしまうと、「暖めすぎ」になってしまう恐れがあります。

plush

対策は、敷寝具を見直すことです。

蒸れの原因となるような敷寝具を使うのはやめてみる、暖かくとも吸水性・吸湿性のある上質な羊毛素材の敷きパッドを使う、など色々試してみることをおすすめします。

3. 布団が蒸れると睡眠の質を下げる理由

この件について、質問がありました。

結論、人は眠るときに体温を下げるようになっています。

6sleep-and-temperature
人は眠るときに汗をかいて体温を下げる

脳と体を休めるために体温を下げるのです。

しかし、布団内が暖かすぎることによって体温が下げられないことで、休みにくくなってしまうのです。

寝苦しくて寝つきが悪い、夜中に目が覚める、などというのは睡眠が妨害されている分かりやすい例です。

4. 暑くて眠れないときの応急対策

冬でも寝汗や蒸れで眠れないときは、寝具や体質だけでなく、環境や習慣の影響も大きく関わります。ここでは、自宅ですぐに実践できる応急的な工夫を紹介します。

4-1. 寝室の換気で空気を入れ替える

寝ている間にこもった熱や湿気は、寝苦しさの大きな原因です。就寝前に数分間の換気を行うだけでも、室内の空気が入れ替わり、放湿性が高まります。

朝起きたら窓を開けて空気を循環させることで、寝具に残った湿気も飛ばしやすくなります。

4-2. 室温と湿度をコントロールする

室温が高すぎると蒸れやすく、低すぎると体が熱を逃がしにくくなります。目安は18〜20℃、湿度は50〜60%で、加湿器を活用すると快適さが保てます。

寝床内の温度は33℃前後が理想とされているため、エアコンや暖房は就寝前に切る、もしくは弱めに設定しておくとよいでしょう。

4-3. 一時的に布団をめくる

夜中に暑さを感じたら、布団を少しめくって熱を逃がします。掛け布団を肩や胸元だけ外すなど、部分的に調整することで寝心地改善につながります。

冷え性の人でも、足先を少し外に出すだけで熱がこもりにくくなることがあります。

4-4. 接触冷感素材のパジャマを利用する

パジャマの素材選びも応急対策の一つです。吸湿性・放湿性に優れた綿や麻、あるいは接触冷感の機能を持つ生地を取り入れると、寝汗の不快感を軽減できます。冷感素材のパジャマは、体にまとわりつく熱を逃がしやすく、蒸れを防ぐ助けにもなります。

5. 羽毛布団を快適に使うための調整術

羽毛布団をただ持っているだけでなく、自分の暮らしや季節・使い心地に応じて調整を加えることで、「寝心地改善」がぐっと進みます。以下に代表的な調整術を紹介します。

5-1. 充填量を調整する・打ち直し(リフォーム)する

長年使って羽毛がへたってきたり、かさ高(羽毛の膨らみ)が失われて保温性が落ちたりした布団については、打ち直し(リフォーム)を検討する価値があります。

専門業者で羽毛の洗浄・殺菌を行い、必要であれば足し羽毛を加えて充填量を増やすことで布団のふんわり感を回復できます。

5-2. 軽量掛け布団と併用する

冬の間に暑がりを感じる人や寝汗をかきやすい人には、重厚な羽毛布団だけで寝ると蒸れやすくなりやすいです。そういう場合には、冬用の羽毛布団を使う日数を限定し、それ以外の日は軽量な掛け布団や合い掛け布団と併用する方法が有効です。

たとえば、軽い肌掛け布団や薄手のダウンケットを羽毛布団の内側や上に重ねて調節することで、保温性を残しつつ蒸れを抑えられます。

5-3. シーズンによる掛け替え方法を取り入れる

羽毛布団は一年中同じ仕様で使うより、季節によって掛け布団を切り替えることで快適性が上がります。春や秋の中間期には「合い掛け布団」を使い、冬の寒さが厳しいときのみ冬用羽毛布団に切り替えるといった方式です。

季節ごとに掛け替えることで、保温性が必要な日は厚めに、暑い日は清涼感を重視した軽めの布団にすることができます。

最後に

ポイントは以下の3つです。

  1. 羽毛布団は寝室の室温に対して適切な保温性であること
  2. 側生地が綿100%で蒸れにくいものであること
  3. その他寝具も蒸れにくいものであること

あなたが快適に眠るための一助になっていれば幸いです。

なお、以下のページで最高の羽毛布団を選ぶために考えるべきポイント(ダウン率、ダウンパワー、充填量、水鳥の種類、側生地の品質など)とおすすめの羽毛布団についてまとめて解説しています。是非あわせてご参考にしてください。

関連記事:【専門家監修】羽毛布団の選び方とおすすめ9選と選び方|失敗しない条件とは?

よくある質問

Q: 冬なのに暑くて寝れないのは更年期やホルモンの影響ですか?

A: はい、更年期やホルモンバランスの乱れは体温調整に影響を与え、冬でも寝汗や蒸れによって寝苦しさを感じることがあります。

特に女性は更年期にのぼせや発汗が起こりやすく、布団の保温性が高すぎると寝心地改善につながりません。室温調整や換気を取り入れて体温を逃がす工夫をしましょう。

Q: 冬に寝汗がひどいときの布団の選び方は?

A: 吸湿性・放湿性に優れた天然素材の側生地(綿や麻)を選ぶと蒸れを軽減できます。羽毛布団を選ぶ場合も、充填量が少なめで保温性が適度なタイプがおすすめです。

寝汗が多い方は冷え性とのバランスも考え、掛け布団を二枚重ねて調整する方法も有効です。

Q: 冬の寝室は何度に設定するのが快適ですか?

A: 快眠のためには室温18〜20℃前後、湿度50〜60%が理想とされています。暖房を強くすると布団の中の保温性と相まって暑くなり、寝汗や蒸れの原因になります。

加湿器や換気を組み合わせて快適な寝室環境を整えることが、寝心地改善につながります。

Q: 羽毛布団以外におすすめの掛け布団はありますか?

A: 冬でも暑くて寝れない方には、保温性が高すぎない羊毛布団やシルク布団がおすすめです。羊毛は吸湿性と放湿性に優れ、寝汗による蒸れを防ぎやすい特徴があります。

シルクは軽量で体にフィットしやすく、室温調整がしやすいので更年期の方やホルモンバランスの影響を受けやすい方にも適しています。

商品を絞り込む
種類
お悩み
機能性
季節
シーン
素材
価格
-
絞り込み結果:
絞り込む