熟睡できる冬布団の選び方とお手入れ方法|静電気防止や暖かう使うコツも紹介

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熟睡できる冬布団の選び方とお手入れ方法|静電気防止や暖かう使うコツも紹介
  • 寒くてなかなか眠れない
  • 寝苦しくて汗びっしょりで夜中に目覚めた

これらは粗悪な作りの冬用布団を使っているがために感じられる問題です。私を含め、真面目な寝具メーカーの人からすると「そんな粗末な布団売っちゃダメだろ…」と呆れるような話なのですが、あちこちでそのような冬用布団が販売されているのが現状です。

ぐっすり快眠したいのなら、そのような布団とは縁を切らなければなりません。

そこで本日は「冬の熟睡布団5選と、取扱いのコツ」についてご紹介します。

0. 冬布団とは?寒い季節に快眠するための基本構造

冬布団は、寒い季節に快適な睡眠環境を提供するために特別に設計された寝具です。その役割は、体温を効率よく保ち、外部の冷気から守ることにあります。しかし、単に「暖かい」だけではなく、湿気を逃がしつつ、適切な温度を維持することが重要です。

冬布団の基本構造は、主に側生地、内材(中材)、そして加工技術によって決まります。それぞれの構成要素が、布団全体の「暖かさ」「軽さ」「通気性」に影響を与え、快適な睡眠環境を作り出します。

冬用布団の最も重要な要素は「保温性」ですが、保温性だけでは十分ではなく、吸湿性、放湿性、通気性がしっかりとバランスよく保たれていることが求められます。寝室の湿度や温度に合わせて、素材や中材を選ぶことが、快適な睡眠のためには欠かせません。

1. 熟睡できる冬布団に必須の3つの要素

冬の熟睡布団の「ぬくぬくと丁度よく暖かい上に爽やかで蒸れることなく、それでいて体にふわっとフィットする」ような寝心地は、3つの要素に分けられます。

  • 保温性(暖かいこと)
  • 吸放湿性(蒸れないこと)
  • ドレープ性(体へのフィット性)

そして、これらの要素を布団の素材別に◎◯△で表すと以下のようになります(吸放湿性は吸湿性と放湿性の2つに分けています)。

素材 画像 保温性 吸湿性 放湿性 ドレープ性 価格目安
羽毛
(ダウン)
down-materials
羽根
(フェザー)
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ポリ
エステル
-
綿
(コットン)
cotton1
真綿
(絹/シルク)
silk1
羊毛
(ウール)
wool1

なお、この評価はそれぞれの素材の布団の中でも一般的なものの評価であり、品質の高いものであれば◯が◎になることもありますし、逆に低品質なものだと◯が△になることがあります。

それでは次に、保温性、吸放湿性、ドレープ性についてより詳しく、それぞれの素材の布団でどのような寝心地になるのかという点に触れつつご説明していきます。

1-1. 保温性は高すぎてはダメで適度でなければならない

適度に暖かいくらいの保温性が理想的です。

というのも、人は眠るときに体温を下げなければいけないので、それを妨げてしまうほど保温性が高いと、深い眠りに入りにくくなり睡眠の質が下がるからです。

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眠るときに体温は下がっていき、起床に向けて上がっていく

例えば、羽毛よりも暖かい吸湿発熱性ポリエステルの布団にはかなり注意しなければなりません。「とりあえず暖かい布団作れば売れるだろ!」という考えで睡眠への理解が乏しいメーカーがこの手の布団を作ってしまいがちですが、このような布団で眠ると夜中に暑くて目覚めてしまうほどです。

また、あなたの住環境を考慮することも大切です。というのも、ここ10~20年に建てられたマンション(特にベランダのないタワーマンション)や寒冷地の一戸建ての家は、かなり機密性がしっかりしていることがあります。そのようなお住まいなら、例えば羽毛布団なら真冬用(ダウン率95%で440dpなおかつ1.1kgも充填されているようなもの)は絶対に不要です。さらに、暖房やヒーターを使われるのであれば、春秋用布団でも十分暖かくなるケースがほとんどです(むしろこれは私のおすすめの冬の眠り方です)。

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なお、「うちの布団どんどん暖かくなくなってきてる…」というのは、布団のヘタリが主な原因です。羽毛にしろポリエステルにしろ木綿にしろ、暖かさというのは素材が空気を抱え込むことから生じています(発熱繊維は別ですが)。そのため、わた素材がヘタってしまうと空気を抱え込む余地がなくなってしまい、保温性が悪くなってしまうのです。

1-2. 一流の布団は暖かいだけじゃなく吸放湿性があるから蒸れない

また、寝ようとしているのに布団内が暑くなってきて、外の空気を布団内に入れて涼しくしようとしたことはないでしょうか?

これはその布団の吸放湿性が低いことが原因です。ポリエステルわたの布団で起こることが多いですが、側生地にポリエステルが多用されていることも大きな要因です。ポリエステル繊維には吸水性がほとんどありません。そのため、ポリエステル生地の布団で寝るということはビニールに包まれて寝るようなもので、蒸れてしまい寝苦しくなるのです。そして、安価な冬用布団にはポリエステル生地が信じられないほど多用されているのです。木綿わた100%の布団なのに側生地がポリエステル80%綿20%となると、木綿わたが優れた吸湿性を発揮できなくなってしまいます。

冬の布団が吸放湿性に優れていると全く別次元の寝心地です。人が眠るときに体温を下げるために200mlの寝汗をかきますが、この発汗と体温の低下が非常にスムーズに行えるようになるのでスーッと深い眠りに落ちやすくなるのです。

特に、羊毛布団は他素材と比べて圧倒的に吸放湿性に優れています。新陳代謝の高い人は吸放湿性に注目して布団を選ぶようにすることをおすすめします。

1-3. ドレープ性が高いと布団と一体化したような寝心地に

ドレープ性(布団のフィット感)も忘れてはならない大切なポイントです。

(安価な素材であることを隠すためかのように)パンパンに羽毛が充填された羽毛布団やポリエステル布団、これらは生地が張りすぎてしまうために体へのフィット性が悪くなります。そうすると布団と体との間に空間が出来てしまうため、布団内の暖まりにくくなります。ひどいケースだと、布団と首元の隙間が出来てしまい布団内に冷たい風がスースー入ってきて、寒くて眠りづらくなることすらあります。

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首元から布団内に隙間風が入る

このようなケースは適切な布団カバーを購入することである程度解消することはできますが、出来ることなら最初からそのようなことが起こりえない羽毛を買いたいものですよね。

また他にも、羽根布団・羽毛布団などは羽毛が吹き出さないように目を潰した高密度の生地が採用されるのが常なのですが、綿100%の生地でも安価なものだとかなり風合いが硬く体にフィットしづらいものが多いです。

1-4. 「軽い布団が良い」のは根拠のない話

軽い布団といえば羽毛布団で一般的に2.3kg前後、重いとされる木綿布団だと4kg前後になります。かなり重さが異なります。世間的に「布団は軽いものが良い」というイメージがあるかと思いますが、これはなんの裏付けもない風説です。布団が軽いから呼吸がしやすい、とまで言われることがありますがそれも言い過ぎでしょう。羽毛布団を売りたい寝具屋の店員の誇張営業トークから広まっていった話だと私は思っています。

実のところ、アメリカの動物学者のテンプル・グランディン女史の研究で、圧迫を与えることでリラックス状態を生むと報告されており、実際に、重さが10kgもあるブランケットが販売されてもいるためです。それでリラックスして眠れている人がいるのです。

そのため、布団の重さについては好みで決めてしまって良いと私は考えています。念のため付け加えておくと、軽量で上質な羽毛布団がふわっと体に覆いかぶさるのはこの上ない寝心地です。しかし、その逆に、重さが10kgもあるブランケットのずっしりした圧迫感の寝心地もそれはそれの良さがあります。布団の重さについては本当に好みで別れるところです。

2. 冬の快適さは【素材 × 生地の組成 × 機能性】で決まる

冬の布団は「あたためる力」だけでなく、「湿気をためないこと」も重要です。まず中わたの素材を決め、つぎに生地の素材と組成を選び、最後に機能性で微調整すると、体質や寝室環境に合わせやすくなります。

2-1. 中わたの素材

素材は、それぞれ異なる特性を持ち、冬の寒さや湿気に適したものを選ぶことができます。

素材 弾力性 保温性 吸湿性 放湿性 耐久性 洗濯性



植物
綿わた
麻わた
カポックわた
動物
絹わた
羊毛(ウール)
キャメル
馬毛



再生 レーヨン
合成 ポリエステルわた -
中空ポリわた -
アクリレート
エアロゲル
有機 ジェル -
無機 シリカゲル
アルミシート

2-1-1. 綿(コットン)わた

綿わたは自然素材で柔らかく、吸湿性に優れています。湿気を吸い取るため、寝ている間に発生する湿気をしっかりと吸収し、快適な睡眠環境を提供します。しかし、速乾性に欠けるため、湿気が多い冬に頻繁に洗う場合は乾きに時間がかかります。そのため、綿×ポリエステルのブレンドやポリエステル綿と組み合わせると、速乾性が加わり、湿気が溜まりにくくなります。寒い季節でも温かさと快適さを保ちながら、湿気を逃がすことができます。

2-1-2. 麻(リネン)わた

麻わたは、綿の約4倍の吸湿力を誇り、湿気をすばやく吸収し放出する性質があります。これにより、寝具の湿気がこもりにくく、冬でも快適な温湿度を保つことができます。麻の素材は特に湿度が高い環境で効果を発揮し、冬の湿気や暖房で発生する不快な湿気を防ぎます。ただし、硬さが気になることがあるため、綿混麻わたなどのブレンドを選ぶことで、肌触りを改善し、快適に使用できます。

2-1-3. カポックわた

カポックわたは中空の繊維構造を持ち、軽量でありながら断熱性に優れています。そのため、冬の寒さをしっかりと防ぎ、暖かさを長時間維持することができます。また、環境に優しい素材として注目されていますが、単体で使用することは少なく、他の素材と組み合わせて使用されることが多いです。冬の布団として使用する際には、綿やポリエステルとのブレンドが効果的です。

2-1-4. 羊毛わた(ウール)

羊毛わたは、冬の寒さに最適な素材です。羊毛の特徴である優れた保温性と、湿気を吸収したあとも表面がサラサラしている調湿性を持つため、冬場の湿気や冷気を防ぎ、温かい寝床を提供します。羊毛わたは、冬の布団で特に活躍する素材ですが、暑がりの方には不向きかもしれません。洗濯が難しく、価格がやや高いですが、高品質な羊毛を選ぶことで、長期間にわたり快適に使用できます。

2-1-5. キャメルわた

キャメルわたは、ウールの上位互換として、非常に優れた保温性と調湿性を持ちます。砂漠の過酷な環境で生き抜くフタコブラクダの繊維が素材として使われており、その温かさと調湿性能は非常に高いです。寒さに強く、湿気を逃がしやすいため、冬の寒い地域での使用に最適です。高価で自宅で洗濯ができないため、予算に余裕があり、長期間使用することを前提に選ぶと良いでしょう。

2-1-6. 馬毛

馬毛は通気性と弾力性に優れ、吸湿性や放湿性にも長けています。非常にしなやかな繊維で、理想的な睡眠環境を提供するため、寒い季節に最適な素材です。馬毛は高価格帯の寝具に使用されることが多く、非常に贅沢な素材です。寒冷地での使用に向いていますが、価格と取り扱いには注意が必要です。

2-1-7. 羽毛(ダウン)わた

羽毛わたは、冬に最適な保温力を提供する素材です。特にダウンパワーが高い羽毛は、空気を多く取り込むことで、非常に軽くて暖かい寝具を作り上げます。暖かさと軽さを両立させるため、冬の寒さ対策としておすすめです。ただし、ダウン素材は夏には熱くなりやすく、湿気の多い時期には向かないため、冬の寒さが厳しい時期に最適です。

2-1-8. レーヨンわた

レーヨンわたは、綿よりも優れた吸湿性と放湿性を持ち、寝汗をしっかり吸い取ります。湿気がこもりやすい冬でも快適に過ごせますが、濡れると弱くなり、へたりやすい特性があります。これを補うために、ポリエステル混のレーヨンわたが主流となっており、コストパフォーマンスを重視する方におすすめです。

2-1-9. ポリエステルわた

ポリエステルわたは軽量で速乾性があり、非常に取り扱いやすい素材です。冬に使用する場合、温かさが不足しがちですが、綿やレーヨン、シリカゲルとブレンドすることで、保温性を補いながら快適に使用できます。コストを抑えたい方に向いており、特に湿気が少ない寒い冬の寝室では活躍します。

2-1-10. 中空ポリエステルわた

中空ポリエステルわたは、軽量かつボリューム感があり、優れた保温性を発揮します。また、通気性と速乾性も兼ね備えています。冬の寒さを防ぎつつ、湿気がこもりにくいという特性を持っているため、多湿地帯でも快適に使用できる素材です。ムレを防ぐため、他の吸湿性のある素材とブレンドすることをおすすめします。

2-1-11. アクリレートわた

アクリレートわたは、吸湿発熱素材として有名で、湿気を吸収する際に微量の熱を発生させ、冬の冷え込みを和らげる効果があります。冷え性の方にぴったりの素材ですが、過剰に発熱すると寝床の温度が下がりにくくなることがあるので、温かさの調整が必要です。コスト面でもお手頃で、手入れが簡単なので人気です。

2-1-12. シリカゲルシート

シリカゲルシートは吸湿性に優れており、湿気の発生を抑えるため、冬の湿気や結露による不快感を解消します。シリカゲルは繰り返し使用できるため、経済的で環境にも配慮されています。安価で手入れも簡単なので、冬の湿気対策には最適な選択肢です。

2-1-13. アルミシート

アルミシートは、体熱を反射しながら床からの冷気を遮る効果があります。冬の冷え込みが厳しい地域や寝室におすすめです。寝具に多層構造で使うことで、温かさを維持しつつ湿気を効率的に管理できます。価格も安価で、手軽に冬の寒さ対策ができる素材です。

2-1-14. ジェル

ジェルは高い熱伝導率を持ち、体温を素早く吸収して冷感を提供する素材です。冬には冷たすぎる可能性があるため、冬用布団としては避けるか、特定の冷感効果を狙った布団で使用されます。吸湿性が低いため、湿気対策としては不向きですが、冷感を得たい場合に使用されることが多いです。

2-2. 生地の素材(繊維)

2-2-1. 綿(コットン)

肌なじみが良く、汗や皮脂を受け止めてくれる安心感があります。一方で乾きは遅めです。暖房で汗ばむ夜や部屋干し中心のご家庭では、綿×レーヨン混や裏面3Dメッシュを組み合わせると、あたたかさを保ちつつムレ戻りを抑えやすくなります。安価品はザラつきを感じやすいので、できれば細番手・高密度の表記があるものを選ぶと快適です。

2-2-2. 麻(リネン)

基本は夏向きの印象ですが、冬でも汗をかきやすい体質や加湿器で湿度が高めの寝室では有効です。放湿が速く、布団内の湿気滞留を減らします。硬さが気になる場合は綿混(リネン×コットン)にすると冬でも扱いやすくなります。

2-2-3. レーヨン(リヨセル/バンブー系含む)

非常にやわらかく吸放湿に優れ、起毛生地と重ねてもベタつきにくいのが冬の強みです。濡れにやや弱い性質があるため、綿やポリエステルとのブレンドで耐久・洗濯性を補った設計がおすすめです。

2-2-4. ポリエステル/ナイロン

軽くて丈夫、速乾が最大の利点です。単独だと吸水が弱いので、冬はレーヨン混や中わた・裏面メッシュで“湿気の逃げ道”を確保すると、こもりと冷え戻りを抑えられます。頻繁に洗いたいご家庭や来客用にも向きます。

2-2-5. アクリル

ふわっと軽く保温に優れ、入床直後の暖かさを作りやすい素材です。吸湿は低めなので、暖房で汗ばむ方はレーヨン混のカバーや裏面メッシュで放湿を補うと快適です。起毛系の表生地との相性が良好です。

2-2-6. ウール(羊毛)/シルク

ウールは保温×吸放湿のバランスに優れ、湿度が高い寝室でも“カラッと暖かい”体感になりやすいです。シルクは滑らかな肌すべりが特長で、乾燥期のチクチクが苦手な方に好評です。どちらも価格・取り扱い表示(洗濯可否)を確認し、管理の仕方(洗濯頻度・干し方)で選ぶと安心です。

2-2-7. ポリエチレン

接触冷感の初期値に優れる素材で、冬用途では優先度を下げるのが基本です。もし混在していても、比率が低く綿やレーヨンとブレンドされていれば冷えすぎを感じにくくなります。

2-3. 生地の組成(織り・編み・起毛・立体)

同じ素材でも作り方(組成)で体感は大きく変わります。冬は「あたため方」と「湿気の逃がし方」のバランス設計が鍵です。

2-3-1. 平織りガーゼ/多重ガーゼ

軽く通気が良く、汗離れに優れます。二重・三重の多重ガーゼは生地間の空気層がほんのり保温に働くため、起毛面や厚手の掛けと合わせてもムレを溜めにくい構成を作れます。冬の蒸れやすさ対策に効果的です。

2-3-2. サッカー(しじら)

細かな凹凸で接触面積を減らし、ベタつきを防ぎます。一般には夏素材ですが、汗っかきの方の冬用レイヤーとしても有効です。中わたや掛けとの合わせで保温を確保すれば、布団内気候が安定します。

2-3-3. サテン(繻子織)

糸の浮きが多く、滑らかな肌あたりとほこりの絡みにくさが魅力です。乾燥期の摩擦が気になる方や、掛け替え時の引っかかりを減らしたい方に向いています。

2-3-4. 天竺ニット

適度な伸縮で体に沿い、寝返り時の突っ張りを感じにくい作りです。敏感肌や“シーツのような滑らかさ”を好む方にとって冬でも快適です。保温は中わたや毛布側で補い、肌面はニットでやさしく整える構成がまとまります。

2-3-5. ワッフル/鹿の子

凹凸により肌離れと通気を確保します。加湿器+暖房の環境や、湿度が上がりやすいお部屋で、あたたかさを保ちつつムレ戻りを減らしたいときに有効です。

2-3-6. フランネル/マイヤー/ニューマイヤー/ボア

毛羽が空気を抱え込み、入床直後から“ふわっと暖かい”体感を作ります。いっぽうで皮脂や湿気が残りやすいため、制電+抗菌防臭の採用と、2〜4週間に一度の洗濯を前提に管理すると衛生性が保ちやすいです。ニューマイヤーは軽め、マイヤーは厚みと重厚感で保温寄りです。

2-3-7. パイル(タオル系/シャーリング)

ループが水分をよく吸い、洗っても戻りが早い生地です。シャーリングは表面がさらっとしていて、起毛のこもりが苦手な方でも冬の汗処理をしやすいのが利点です。上層で保温、肌面はパイルで汗対策という役割分担がしやすいです。

2-3-8. 3Dメッシュ(主に裏面)

上下メッシュを柱糸で支えた立体構造で、熱・湿気の逃げ道を確保します。表=好みの肌面(起毛・ガーゼ・ニット等)/裏=メッシュの二層設計にすると、冬でもあたたかさ×ムレ対策を両立できます。掛け布団側との総量バランスを見ながら、*暖かいのに蒸れない”環境を作りやすくなります。

2-4. 機能性

機能性は、素材(繊維)と生地の組成で作った基礎性能を補正・安定化する役割です。目的に合わせて選ぶと快適さが長続きします。

2-4-1. 吸湿発熱(アクリレート等)

体から出る水分に反応してじんわり発熱します。冷え性の方に有効ですが、強すぎる発熱は入眠時の体温下降を妨げる場合があるため、掛け・敷きの合算で“ほどほど”を選ぶと快適に使いやすいです。

2-4-2. 温度調整(PCM)

温度の乱高下を緩やかに整えます。暖房を弱めに使う寝室や、寒暖差の大きい日でも安定感が出ます。強い発熱と重ねすぎないことがコツです。

2-4-3. 抗菌防臭/消臭

冬は起毛系のカバーに皮脂が残りやすく、におい戻りが起きやすいです。抗菌防臭+消臭を併用し、2〜4週間に一度の洗濯を前提にすると衛生性を保ちやすくなります。

2-4-4. 制電(静電気対策)

乾燥期のパチパチやまとわりつきを抑えます。フランネルやボアと組み合わせる場合は効果を実感しやすいです。

2-4-5. 防ダニ

表示だけに頼らず、洗えることと乾きやすいことを優先すると実効性が上がります。陰干しやカバーの洗濯を習慣化すると、アレルゲン対策に有効です。

2-4-6. 防水(運用はプロテクター推奨)

おねしょや汗染み対策は、布団本体ではなく防水プロテクターで行うと通気を損ねにくいです。洗濯も簡単で衛生面の管理がしやすくなります。

3. 暖かいだけじゃない!冬布団選びのポイント

冬布団を選ぶ際は、保温性と快適さのバランスを取ることが大切です。以下のポイントを押さえることで、冬でも蒸れずに快適に眠れる布団を選ぶことができます。

  • 体型や寝姿勢に合わせた弾力性:厚みや中材の素材によって体圧分散が異なります。高反発の中材やウールを使用した布団は、体型にフィットし、寝返りをしやすくします。
  • ダニやアレルギー対策:冬でも湿気がこもるため、防ダニ加工や抗菌加工が施された布団を選ぶと安心です。
  • 洗濯のしやすさ:冬布団の中には、ウォッシャブル仕様のものもあります。アレルギー体質の方や小さなお子さんがいる家庭では、手入れが簡単な布団を選ぶことが大切です。

4. 冬におすすめの熟睡布団5選

それでは冬におすすめの布団を紹介していきます。

4-1. フォスフレイクス スーパーキルト

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製品:フォスフレイクス スーパーキルト
価格:9,900円
【当製品の販売ページ】

衛生面や低アレルギー性を重視されているならおすすめなのがフォスフレイクス布団です。樹脂由来のフォスフレイクス70%にポリエステルわた30%のブレンドに、ダニ通過率0の綿100%高密度の生地で仕上げているため糸ボコりが出づらく、ダニの繁殖の心配もほとんどありません。ただ、保温性はそこまで高くないため、寝室をオイルヒーターで暖めて眠るような方のみにおすすめです。衛生面重視の方におすすめです。

4-2. シルク100% 真綿布団

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製品:シルク100%真綿布団
価格:32,292円
【当製品の販売ページ】

寝室の冷え込みが強くないのならおすすめなのが真綿布団です。こちらの製品は真綿100%なことに加えて側生地がレーヨン100%(綿よりも吸水性、放湿性、ドレープ性に優れる)のため、暖かくも蒸れにくい快適な寝心地が期待できます。真綿もレーヨンも長繊維で糸ぼこりが出にくいため、こちらの布団も糸ぼこりが出づらい衛生的な寝室環境作りに役立てられます。

4-3. 快眠タイムズ エアロゲル掛け布団

快眠タイムズ エアロゲル掛け布団

製品:快眠タイムズ エアロゲル掛け布団
価格:14,800円
【当製品の販売ページ】

新素材エアロゲルを採用した掛け布団です。
ラビットファー調のさらさらふわふわの生地で布団に入った瞬間にすぐに暖かくお使いいただけます。また、ムレないように吸湿素材のアクリレートが採用されているので、爽やかな暖かさで寝ていただけます。自社商品のため手前味噌ですが、1万円台としては素晴らしい出来だと自負しています。

4-4. 快眠タイムズ 中国産ナチュラルダック90% 羽毛布団

快眠タイムズ 中国産ナチュラルダック90% 羽毛布団

製品:快眠タイムズ 中国産ナチュラルダック90% 羽毛布団
価格:29,900円
【当製品の販売ページ】

シルバーダックの羽毛布団です。ダウンパワー350dp、羽毛充填量1.1kg、側生地超長綿100%60番手サテン織り、立体キルト構造です。自社製品で手前味噌ですが、かなりのコスパを感じていただける仕上がりとなっております。

4-5. 快眠タイムズ カナダ産グース93% 羽毛布団

快眠タイムズ カナダ産グース93% 羽毛布団

製品:快眠タイムズ カナダ産グース93% 羽毛布団
価格:69,900円
【当製品の販売ページ】

ホワイトグースの羽毛布団です。ダウンパワー400dp、羽毛充填量1.2kg、側生地超長綿100%100番手サテン織り、立体キルト構造です。かなりの保温性を感じていただけます。こちらも自社製品となり恐縮ですが、おすすめの一品です。

5. 冬布団を長持ちさせるお手入れと保管方法

冬布団は適切なお手入れと保管方法を守ることで、寿命を延ばし、快適な寝心地を保つことができます。以下のポイントを守り、シーズンオフでも長持ちさせましょう。

  • カバーやシーツは頻繁に交換し、清潔な状態を維持しましょう。
  • 使用後は完全に乾燥させてから収納し、通気性の良い収納袋に入れましょう。
  • 圧縮袋は避けることが重要です。繊維を潰してしまい、保温性が低下します。

また、日常的なお手入れ方法もご紹介します。

  • 月に1,2度を目安に日陰干しをする
  • 木綿布団なら週に1,2度日陰干しをする
  • 朝起きたら内側が外を向くようめくっておく
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布団をめくって乾きやすいようにする

木綿布団は吸水性・吸湿性に優れるものの乾きにくいので、その他の素材の布団よりも積極的に日陰干しをすることをおすすめします。また、押入れに布団を収納する人は朝起きたらすぐに収納せず、布団の内側が乾きやすいようにめくったまま少し放置することをおすすめします。敷寝具の効率的な乾燥にもなります。

6. 冬の布団の取扱いによくある疑問

冬の快眠に役立つ豆知識です。

6-1. なかなか暖まらない布団への対処法とは?

いざ寝ようと布団に入ると寒くて眠るどころじゃない、なんて日々を過ごしている人には以下のあったか快眠法がおすすめです。

  • 布団を布団乾燥機で暖めておく
  • オイルヒーターで部屋を温めておく
  • あったか敷きパッドを導入する

布団乾燥機やオイルヒーターは電気代こそかかりますがやはり文明の利器だけあって寒さの悩みを手軽に解決できます。さらに、布団乾燥機は布団を温めるだけでなく同時に乾燥させることにもなるので、冬の寒い中布団を干す手間を省けるのでおすすめです。

6-2. 冬に布団が重くなるのはなんで?

「冬になると布団が重くなるように感じる」というお声をいただきますが、それは湿気が原因となっていることが多いです。冬になり布団を干す回数が減ってしまい、布団が湿気りやすくなります。そうすると湿気りにより若干布団が重く感じられますし、ふわっとした風合いがなくなることで感覚的に重く感じてしまうのです。

6-3. 掛け布団の洗濯はクリーニング店への依頼がおすすめ

「自宅で洗濯可能」と記載のあるもの以外、掛け布団はクリーニング店に出して洗ってもらうことをおすすめします。

自宅の洗濯機やコインランドリーで洗うと、わた素材同士が絡み合ってしまいダマになってしまうケースが多発しているからです。中わたがダマになると、わたが空気を抱え込みにくくなってしまい保温性が下がってしまいますし、ボコボコして体にフィットしづらくなって寝心地が悪くなってしまいます。

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巻いて縛った布団はコインランドリーで洗っても型崩れしにくい

このように布団を縛って洗うことでダマが出来にくく洗うことができますが、それでもやはり限界があるのでクリーニングを利用することをおすすめします。羽毛布団のクリーニングについては以下のページで説明しているのでご参考ください。

6-4. 布団の収納・保管は不織布袋に

布団を使わないときは不織布袋に入れて収納しましょう。

布団を買った時に入っていた袋といえばイメージ出来るかと思います。不織布は通気性にすぐれた素材のため、収納されている布団が湿気ったりしにくいから採用されています。

くれぐれも圧縮袋の利用はお控えください。例えば、羽毛布団だとダウンボールが潰れてしまい性能を一気に悪くしてしまいますし、羊毛布団だと羊毛同士が絡まってダマになりやすくなり寝心地が悪くなります。

6-5. 冬布団の寿命はどのくらい?

冬布団の寿命は使用頻度やメンテナンスによって異なりますが、一般的に5〜8年が目安です。特に羽毛布団やウールの布団は、良質な素材であれば10年近く使用可能です。寿命を延ばすためには、定期的な陰干しや通気性の確保が重要です。

弾力性の低下や、保温性が感じられなくなったら交換のサインです。定期的に布団の中材や側生地をチェックし、圧縮や汚れが目立つ場合は早めに買い替えを検討しましょう。

6-6. 冬布団を軽く暖かく使うには?

冬布団を軽く暖かく使いたい場合は、中綿素材の選び方と寝具の組み合わせが鍵です。例えば、軽くて保温性の高いダウン(羽毛)布団やポリエステルわたを選ぶことで、寒い季節でも体をしっかり暖かく保ちながら、重さを軽減できます。

さらに、寝室の温度に合わせて薄手の掛け布団を選び、毛布や電気毛布といった追加アイテムを使用すると良いでしょう。

寝室の温度管理(20〜22度)が適切であれば、布団だけで暖かく快適な睡眠ができます。また、冷気の侵入を防ぐために、ふとんカバーやボックスシーツも保温性が高い素材(フランネルやマイクロファイバー)を選びましょう。

6-7. 冬布団の静電気を防ぐには?

冬は乾燥した空気が静電気を引き起こしやすい季節です。静電気防止には、布団の素材とお手入れ方法が重要です。

  • 天然素材の側生地(コットン、テンセル®、ウール)は、静電気が発生しにくいため、これらの素材を選ぶと良いです。特にウールやテンセル®は、静電気だけでなく、湿気のコントロールにも優れています。
  • 柔軟剤の使用を控えることも大切です。柔軟剤は繊維に残留物を残し、静電気を引き起こす原因になります。
  • 静電気防止スプレーや抗菌スプレーを布団に使うことで、帯電を防ぎ、肌荒れや乾燥を防止できます。
  • 湿度管理も重要で、加湿器を使って部屋の湿度を40〜60%に保つと、静電気が発生しにくくなります。

最後に

冬用に気持ちよく眠れる布団がどのようなものかご理解いただけたかと思います。あなたの冬の快眠の一助にしていただけると幸いです。

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