パイプベッドのデメリットとは?揺れる・きしむ原因と後悔しない選び方

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パイプベッドのデメリットとは?揺れる・きしむ原因と後悔しない選び方

安いベッドならパイプベッド。

そう言われるほど、各種ベッドの中でも圧倒的に安いのがパイプベッドです。

しかし、安さは嬉しいものの、揺れやすかったりきしみやすかったりデメリットが多いのも事実です。

そこで本日は、

  • パイプベッドの特徴
  • 種類別のパイプベッドの長所と短所
  • パイプベッドと木製ベッドの比較
  • パイプベッドを選ぶときに押さえるポイント
  • おすすめのパイプベッド3選
  • よくある質問

などについて解説していきます。

1. パイプベッドとは

パイプベッドとは、パイプ型のスチール(鉄)素材のベッドです。

そのため、スチールベッド、アイアンベッドとも呼ばれます。

シンプルな見た目で、軽くて組み立てやすく、安価なことから子供向けのベッドや一人暮らしの学生などに人気です。

1-1. 全種類のパイプベッドに共通した長所

パイプベッドにはいくつか種類がありますが、まずは全種類に共通する長所・短所について解説していきます。

長所 短所
  • 通気性◎
  • 掃除◎
  • 収納量◯
  • 組み立て◎
  • 安価
  • 安定性△
  • きしみ音△
  • サイズ展開△
  • 耐荷重△
  • 寝具制限△

1-1-1. 通気性が高くカビにくい

ベッドの構造上、通気性が高いです。

また、パイプ(スチール)素材は湿度を溜め込むことがないため、結露のある環境でもカビが生えることはありません。湿気が気になる方には嬉しいポイントですね。

1-1-2. 掃除がしやすい

タオルで拭いて掃除可能です。

革張りや、ファブリック素材などのベッドと比べると掃除がしやすいです。また、そもそもホコリが溜まりづらいのもメリットです。

1-1-3. ベッド下が収納スペースに

ベッド下に収納ラックを置いてスペースの有効活用ができます。ベッド下の掃除は手間がかかるようになりますが、あなた好みの収納スペース作りができます。

1-1-4. 軽くて組み立てやすい

シンプルな構造なので組み立てがかんたんです。

また、木材と比べて半分くらいの重量なので、軽くて手間がかからないのもメリットです(以下の組み立て動画をご参考にしてください)。

1-1-5. 1万円前後の商品もあり安価

パイプ素材が安いため1万円以下のベッドもあります。

2020年から世界的に木材の価格高騰が続いていることもあり、パイプベッドの安さがより際立つようになってきています。

1-2. 全種類のパイプベッドに共通した短所(デメリット)

1-2-1. 安定性が低くグラグラ揺れやすい

  • スチール素材は振動が伝わりやすい
  • 脚が細めのものが多い
  • 床板のサポート性が不十分

などの理由によりパイプベッドは安定性が低いものが多くグラグラ揺れやすいです。二人寝は避けましょう。

parts-of-bed
ベッドを構成するパーツ

1-2-2. 素材の性質上、ギシギシきしみやすい

ベッドが揺れる際、スチールとスチールの接合部分が擦れるため、ギシギシ音が鳴りやすいです。

このきしみ音は人によっては非常にうるさく聞こえ、後悔されることもしばしば。

1-2-3. サイズ展開が少なく夫婦・二人寝には向かない

パイプベッドの大きいサイズは、

  • 揺れやすくなる
  • きしみ音がひどくなる

などなどデメリットがさらに際立つことになります。

そのため、大きいサイズの展開が少なく、セミシングルサイズとシングルサイズの展開がほぼ大半になります。

名称 幅寸法 イメージ 寝室目安 用途
セミシングル 80cm mattress-semi-single-size1 4畳 1人(子供・小柄な方)
シングル 97cm mattress-single-size1 4畳 1人(中柄な方)
セミダブル 120cm mattress-semi-double-size1 6畳 1人(大柄な方)
ダブル 140cm mattress-double-size1 8畳 1~2人(小柄な方2人)
クイーン 160cm mattress-queen-size1 8畳 2人(中柄な方)
キング 180cm mattress-king-size1 10畳 2人(大柄な方)

1-2-4. 耐荷重が低めなものが多い

安くて軽くてシンプルなものが多いため、耐荷重が低めなものが多いです。スペックを吟味して選びたい方は2-2で詳しく解説しているのでご参照ください。

1-2-5. 敷布団や厚いマットレスは使えない

  • 薄い敷布団だとパイプが背中に当たって痛い
  • コイルマットレスは耐荷重をオーバーする恐れがある

などの理由から、パイプベッドにはノンコイル薄型マットレスの使用しか向きません。敷布団やコイルマットレスを使いたい人には向かないでしょう。

敷布団 ノンコイル
薄型マットレス
ノンコイル
ベッドマットレス
コイルスプリング
ベッドマットレス
画像 futon1 thin-non-coil-mattress1 thick-non-coil-mattress1 coil-mattress1
厚み 5~10cm前後 7~10cm前後 15~25cm前後 20~35cm前後
重量 3~6kg前後 4~7kg前後 10~20kg前後 20~30kg前後
寝心地
耐久性
揺れ&音
使用環境 床&ベッド ベッド ベッド
手入れ
クリーニング × ×
処分
価格

1-3. 種類別の長所(メリット)と短所(デメリット)

次に、種類別での長所と短所です。

使い勝手が変わりますので、あなたの生活スタイルとの向き不向きを考えましょう。

シンプル ラック付き ロフトベッド 折りたたみ
画像 pipe-bed-simple pipe-bed-with-rack pipe-bed-loft foldable-bed1
長所
  • 通気性◎
  • 掃除◎
  • 収納量◯
  • 組み立て◎
  • 安価
  • 通気性◎
  • 掃除◎
  • 収納量◎
  • 組み立て◯
  • 通気性◎
  • 収納量◎
  • 生活感少ない
  • 通気性◯
  • 省スペース
  • 移動させやすい
  • 組み立て◎
  • やや安価
短所
  • 安定性△
  • きしみ音△
  • サイズ展開△
  • 耐荷重△
  • 寝具の制限あり
  • 安定性△
  • きしみ音△
  • サイズ展開△
  • 耐荷重△
  • 寝具の制限あり
  • 安定性△
  • きしみ音△
  • 採光△
  • 組み立て△
  • サイズ展開△
  • 耐荷重△
  • 寝具の制限あり
  • 転落の心配
  • 上り下りが面倒
  • 安定性△
  • きしみ音△
  • ベッド下収納△
  • マットの制限
  • サイズ展開△
  • 耐荷重△

1-3-1. シンプルパイプベッド

pipe-bed-simple
シンプルパイプベッド
  • 長所:通気性◎、掃除◎、収納量◯、組み立て◎、安価
  • 短所:安定性△、軋み音△、サイズ展開△、耐荷重△、寝具の制限あり

一般的なパイプベッドです。

1章で説明した長所と短所のままです。ただ、ヘッドボードの有無、床板の構造、パイプの太さなどで使い勝手が変わってきます。この点については2章をご参照ください。

1-3-2. ラック・棚付きパイプベッド

pipe-bed-with-rack
ラック・棚付きパイプベッド
  • 長所:通気性◎、掃除◎、収納量◎、組み立て◯
  • 短所:安定性△、軋み音△、サイズ展開△、耐荷重△、寝具の制限あり

ラックや棚などが付いたパイプベッドです。

小物を置くスペースがあり便利です。ベッドで読書をしながらお茶を飲んだり、ベッドに腰掛けながらパソコンで作業するなど、ベッドで寝るだけではない生活スタイルをお考えの方に向いています。

1-3-3. ロフトベッド

pipe-bed-loft
ロフトベッド
  • 長所:通気性◎、収納量◎、生活感少ない
  • 短所:安定性△、きしみ音△、採光△、組み立て△、サイズ展開△、耐荷重△、寝具の制限あり、転落の心配、上り下りが面倒

高さがあり、その下が収納スペースになっているパイプベッドです。

収納量では各種ベッドの中でもトップで、さらに、寝床が視界に入りにくいため生活感が出にくく若い人に人気です。ただ、非常に揺れやすく、上り下りが面倒のため、二人寝をされる方には不向きです。

1-3-4. 折りたたみベッド

foldable-bed
折りたたみベッド
  • 長所:通気性◯、省スペース、移動させやすい、組み立て◎、やや安価
  • 短所:安定性△、きしみ音△、ベッド下収納△、マットの制限、サイズ展開△、耐荷重△

真ん中を折り上げてたためるパイプベッドです。

脚にキャスターが付いていることもあり、ベッドをたたんで部屋のふちに移動させて片付けられます。しかし、なんだかんだ面倒で折りたたまなくなる人が多数ですので、事前に使い勝手に熟考しておくことをおすすめします(詳しくは下記ページをご覧ください)。

1-4. パイプベッドと木製ベッドとの比較

パイプと木材、素材によりベッドの使い勝手が変わります。

主な特徴を比較すると以下のようになります。

  パイプ 木材
安定性
きしみ音
耐荷重
湿気対策
掃除
重量
サイズ展開
テイスト
  • クール
  • アーバンなど
  • あたたか
  • ナチュラルなど
対応敷寝具 ノンコイル薄型のみ ほぼ全て
価格

そもそも自分はパイプベッドが合うのか考えてみましょう。

2. パイプベッドを選ぶときの要チェックポイント

それでは次に、パイプベッドを選ぶときの要チェックポイントについてです。

2-1. 床板の種類・素材で寝心地が変わる

パイプベッドの床板には以下の3つの種類があります。

  メッシュ 合板 すのこ
画像 pipe-bed-with-mesh-base pipe-bed-with-plywood-base pipe-bed-with-sunoko-base
素材 スチール 木材 スチールor木材
通気性 ×
耐久性
きしみ音
価格 安い 安め ふつう

  • メッシュ:安価なものの耐久性が低く、凹みやすく、きしみ音がしやすいです。予算が許すなら避けることをおすすめします。
  • 合板:耐久性が十分なのできしみ音の問題もありません。しかしその一方、通気性が低くなるので、除湿シートを床板の上に敷くことをおすすめします。
  • すのこ:価格が高くなりますが機能性のバランスが良いです。敷寝具が10cm以下の厚みだと、腰にすのこの角の硬さを感じるのでその点だけは注意しましょう。

2-2. 耐荷重で耐久性を確認すること

パイプベッドで気になるのが耐久性ですよね。

体重制限以上の重さ(使用者+マットレスなどの重量)だと床板が凹んだり、曲がるので、絶対に気をつけましょう。

一般的な耐荷重は下記のようになっていますが、この数値が「使用者の体重×1.5」以上あることを目安に選ぶようにしましょう。

ベッドサイズ 一般的な耐荷重
シングル、セミダブル 100kg前後
ダブル、クイーン 200kg前後

2-3. 高すぎると不具合が生じるので注意

パイプベッドの脚の長さには注意しましょう。

高さがあるとベッド下の収納スペースが増えるには増えますが、その分、揺れやきしみが強まります。床から床板までの高さは25cm前後を目安にしましょう。

低い 標準 高め 高い
画像 bed-lower
目安 ~30cm 35~45cm 50~60cm 90cm~
開放感 ×
出入り
ホコリ
転落
収納
安定性
寝具制限

なお、ベッドの揺れが気になるなら、太めのパイプが採用されているベッドがおすすめです。より安定性が高くなります。

2-4. ヘッドボードの必要性を確認すること

ヘッドボードの有無も検討しましょう。

テイストから使い勝手が変わります。

ヘッドレス パネル 宮付き(棚付き) クッション ワイド(幅広)
画像 head-less-bed wood-panel-head-board-bed head-board-with-shelf-bed cushion-head-board-bed wide-head-board-bed
長所
  • 安価
  • 部屋が広く使える
  • 掃除しやすい
  • デザイン性高い
  • 小物を置ける
  • 機能性高い
  • デザイン性高い
  • 背もたれになる
  • デザイン性高い
短所
  • ベッドがズレやすい
  • 小物が落ちやすい
-
  • やや場所をとる
  • やや場所をとる
  • やや高価
  • 場所をとる
  • 高価

あなたに合うものはどれか考えてみましょう。

2-5. 組み立ては簡単(動画でチェック)

パイプベッドの組み立て動画です。

小さな棚付きで床板は合板の仕様です。かんたんに組み立てられるのがお分かりいただけるかと思います。

2-6. ベッド脚には床傷防止・滑り止め対策をすること

ベッド脚の裏には床傷防止や滑り止め対策となるものを貼りましょう。

擦り傷ができたり重さによる凹みができる原因になります。賃貸マンションだと損害請求されることもありますので、忘れないように。

silicon-mat-for-bed-leg
>>ベッド脚のシリコンマット

2-7. 処分方法と費用を事前に確認しておくこと

パイプベッドは粗大ゴミとして処分することになります。

お住まいの地域にもよりますが、解体すれば1,200円前後で捨てることができます。

再組み立てできるものならリサイクルショップなどに持ち込むのも一手です。

3. パイプベッドのデメリットを軽減するための対策方法

パイプベッドは軽量で価格も手ごろですが、きしみ音や揺れ、耐久性の短さといったデメリットが指摘されることがあります。しかし、日常的なメンテナンスや少しの工夫で、これらの弱点を大幅に改善できます。以下の方法を参考にしてみましょう。

3-1. きしみ音・振動を抑える

パイプベッドで最も多いトラブルが、きしみ音や共振による揺れです。これは、スチールパイプの接合部が緩んだり、金属同士が摩耗することで起こります。

  • 定期的にボルトやネジを締め直す
  • 接合部に「防振ゴム」や「潤滑スプレー(シリコン系)」を塗布
  • 脚部に「防振マット」や「床傷防止フェルト」を設置

これらを行うことで、金属同士の摩擦音や振動の伝達を軽減でき、静かな寝心地を維持できます。

3-2. 揺れを防ぐための補強

パイプベッドは軽量な分、構造的に横揺れやフレームの歪みが起こりやすい傾向があります。特に長期間使用していると、接合部のわずかな緩みが安定性に影響する場合も。

  • 壁や家具にベッドを密着させる(揺れ防止)
  • ベッド脚に防振パッドを敷き、床との接地面を安定化
  • 中央部分に「ベッドボード」や「補強バー」を追加

これにより、寝返りをうっても揺れにくく、体圧分散と安定性が向上します。

3-3. 湿気・サビ・劣化対策

スチール素材は湿気に弱く、サビや腐食の原因になります。特に梅雨や冬場はベッド下に湿気がこもりやすいため、定期的な通気と除湿が重要です。

  • ベッド下に「除湿シート」や「竹炭シート」を敷く
  • 部屋の換気・除湿機の併用
  • 拭き掃除後は必ず乾拭きを行い、サビ防止スプレーでコーティング

また、メッシュタイプの床板を選ぶと通気性が高く湿気がこもりにくいため、カビや臭いを防ぐことができます。

3-4. 耐荷重・耐久性を高める工夫

パイプベッドは構造上、耐荷重が低め(約100kg前後)に設定されていることが多いです。耐久性を高めるには、次のような工夫を取り入れましょう。

  • 床板下に「補強プレート」や「支え棒」を追加
  • 定期的にネジを締め直して構造のゆるみを防ぐ
  • 体格やマットレスの重量を考慮して、耐荷重120kg以上のモデルを選ぶ

これらを実践することで、寿命が延びるケースもあります。軽量性や通気性というメリットを活かしながら、弱点を補う使い方を意識しましょう。

4. おすすめのパイプベッド3選

パイプベッドはあなたに合いそうでしょうか。

もしそうでしたら、次におすすめのパイプベッドを3つ紹介しますのでご参考にどうぞ。

pipe-bed2
脚付きパイプベッド

シンプルな脚付きベッドです。

価格優先でシンプルな見た目を好む方におすすめです。床板がスチール製のすのこで通気性が高いことに加えて、耐荷重が150kgのため体が大きい人も安心して使えます。

antique-pipe-bed1
欧風アンティークアイアンベッド

見た目が素敵なパイプベッドです。

部屋をファンシーにコーディネートされたい方にはぴったりです。ただ、耐荷重が80kgしかないので体の大きな方や二人寝の可能性がある方にはやや不向きです。

pipe-bed-with-rack1
人をダメにするベッド

ラックと棚付きのパイプベッドです。

テーブルや棚が木目でおしゃれでアーバンテイストの部屋にぴったりです。名前の通りベッドでの時間が楽しくなりそうです。ただ、耐荷重は100kgですので二人寝の可能性がある方にはやや不向きです。

最後に

パイプベッドは

  • 揺れやすさ
  • きしみ音のしやすさ
  • 耐荷重の低さ

が向き不向きの分かれ目になります。あなたに合っているか考える参考になっていれば幸いです。

よくある質問

Q1. パイプベッドの寿命はどのくらい?

一般的なパイプベッドの寿命は3〜5年程度が目安です。スチール素材は軽量で扱いやすい一方、湿気や摩耗による劣化が早い傾向があります。

ただし、防振マットや補強プレートを使い、定期的にネジの緩みを点検すれば、5年以上快適に使い続けることも可能です。

Q2. きしみ音が気になるときの対処法は?

きしみ音の多くは、金属の摩擦音や接合部のゆるみが原因です。

  • ネジを定期的に締め直す
  • 接合部に「潤滑スプレー」を塗布
  • 防振ゴムやシリコンパッドを挟む

これらの対策で、振動の吸収と摩耗防止ができ、静音性が大きく向上します。湿度が高い環境ではサビが音の原因になることもあるため、除湿対策も併用しましょう。

Q3. 耐荷重を超えるとどうなる?

耐荷重を超えると、フレームのたわみ・きしみ・溶接部分の破損につながります。特に中央支柱付きのタイプは、そこに荷重が集中しやすく注意が必要です。

購入前に「体重+マットレス重量+寝具の合計」を確認し、**余裕をもった耐荷重設計(120kg以上)**を選ぶと安心です。

Q4. パイプベッドと木製ベッド、どちらが長持ちする?

一般的には木製ベッドの方が長持ちします。木製は構造が安定しており、寿命が7〜10年と長めです。一方、パイプベッドは軽量で通気性に優れていますが、金属疲労や接合部の緩みで劣化が早く、寿命は3〜5年が目安です。

ただし、補強やメンテナンスを続ければ、木製に匹敵する耐用年数を実現することも可能です。

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