【普段使いNG?】エアーベッドの寝心地・種類・メリットやデメリットを徹底解説

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【普段使いNG?】エアーベッドの寝心地・種類・メリットやデメリットを徹底解説

こんにちは、加賀照虎です。

突然ですが、エアーベッドは安易に購入してはいけません。

キャンプ用、車中泊用、来客用にはいいですが、普段使いをするベッド(マットレス)としては寝心地が不十分です。

寝具を作る人間として申し上げると、エアーベッドは全くおすすめできません。

とはいえ、いきなりそんなこと言われても受け入れ難いかと思います。

そこで本日は、

  • エアーベッドの種類
  • 種類別の長所と短所
  • 購入するときの注意点
  • よくある質問

などについて解説していきます。

購入を検討されている方はぜひ参考にしてください。

1. エアーベッド(マットレス)とは

このページでの「エアーベッド」とは空気を入れて膨らませるベッド(マットレス)のこととご理解ください。「空気の層」で体を支える構造になっているため、軽量で持ち運びしやすく、使わないときは空気を抜いてコンパクトに収納できるのが大きな特徴です。来客用の簡易ベッドやキャンプ・車中泊など、限られたシーンで便利に使えるアイテムとして人気があります。

一方で、通気性や耐久性といった点は、一般的な布団やマットレスとは大きく性質が異なります。内部は空気の密閉構造になっているため、湿気を吸ったり逃がしたりする機能はほとんどありません。また、エアーベッドそのものには「反発力のある中材」が入っているわけではないので、寝心地は空気圧の調整に大きく左右されます。空気を入れすぎれば硬くなり、抜きすぎれば沈み込みが強くなるなど、安定した寝心地をつくるには慣れが必要です。

エアウィーブやブレインスリープなどの高反発ファイバー素材のマットレスや、褥瘡予防に使用されるエアーマットのことではありません。

種類 イメージ 体圧分散 反発弾性 横揺れ 通気性 お手入れ






高弾性ウレタン high-resiilience-foam
ラテックス latex-foam


高反発ウレタン regular-foam
高反発ファイバー air-fiber


低反発ウレタン memory-foam




ハイブリッド 3-layers-hybrid-mattress - - - - -


ボンネルコイル bonnel-coil -
ポケットコイル pocket-coil -
※コイルスプリングマットレスの体圧分散性はコイルの上の詰めもの(ウレタンフォーム やわたなど)の量と品質により大きく左右され、単体での評価が不可能なため「 - 」としています。また、それぞれ加工・品質により△が◯になったり、◎が◯になることがあります。

1-1. エアーベッドの素材

エアーベッドの表面の素材もエアーベッドの特徴を決める重要なポイントです。多くの製品はPVC(塩化ビニール)やTPUといった樹脂素材をベースにしており、その上にベロア調の起毛生地やフロッキング加工を施して肌ざわりを良くしています。

これらの素材は水を通しにくく防水性に優れる一方で、通気性がほとんどないため「蒸れやすい」傾向がどうしても強くなります。寝ているあいだの汗や体温がこもりやすく、とくに夏場や湿度の高い環境では、敷きパッドやシーツで上手に調整しないと不快感につながることも少なくありません。

このように、エアーベッドは「軽くて片づけやすい」「一時的な寝具として便利」という大きなメリットがある一方で、通気性・耐久性・寝心地の安定性という点では、一般的なベッドや敷布団とは違う性格を持った寝具です。

普段使いを検討するのであれば、エアーベッドの構造や素材の特徴を理解したうえで、自分の使い方に合っているかどうかを見極めることが大切です。

1-2. エアーベッドの種類

エアーベッドは厚みによって2種類に分けられます。

薄型

極厚

画像

thin-air-mattress

thick-air-mattress

厚み

5~7cm

30~40cm

重量

800g前後

5kg前後

用途

  • キャンプ
  • 車中泊
  • 来客用
  • 自宅用
  • 来客用

長所

  • コンパクト収納
  • 洗える
  • 安価
  • コンパクト収納
  • 洗える
  • 安価

短所

  • 寝心地△
  • 設置の手間
  • 寝心地△
  • 設置の手間と騒音

またさらに細かい分類では、それぞれ空気の入れ方が異なります。

空気を入れる手間が大きく変わります。

薄型

極厚

空気入れ方

足踏み

吹き込み

手動

電動

推奨度

1-3. 薄型エアーベッドの特徴

1-3-1. 長所(メリット)

薄型エアーベッドはコンパクトに畳めるのが最大の特徴です。

一般的な60x195x7cmサイズのものを畳むと、13x13x30cmほどになります。重量は800g前後。そのため、収納や持ち運びがしやすいです。

また、水に強い素材が多いので洗うこともできますし、価格も5,000円前後とベッド(マットレス)としては非常に安価です。

1-3-2. 短所(デメリット)

利便性に優れる反面、寝心地はやや不十分です。

薄型であるためどうしてもサポート性が足りなく、底つき感などが出てくるためです。キャンプなどのために数日使う分にはいいですが、日常使いが目的ならおすすめできません。

1-4. 極厚エアーベッドの特徴

1-4-1. 長所(メリット)

極厚エアーベッドの特徴は薄型と同じく、コンパクトになること、部分洗いができること、安価であることになります。

例えば、95x195x35cmのエアーベッドを畳むと、30x30x20cmくらいのサイズになります。重量は5kg前後です(近年主流の空気を電動で入れられるインフレーターマットの場合。手動は手間がかかりすぎるので非推奨です)。

ある程度コンパクトにはなるので収納はしやすいです。

1-4-2. 短所(デメリット)

極厚タイプは薄型よりも短所が多いです。

まず寝心地は同じくイマイチです。極厚タイプは空気を入れる量によって硬さが調整できると言われることが多いのですが、正直、結局はイマイチです。

  • 空気量多め:空気を多めに入れるとエアーベッドがパンパンに張って、硬めの寝心地になります。しかし、ただ硬めなだけで体圧分散性が低いため、腰などに圧迫を感じることになります。
  • 空気量少なめ:空気をやや少なめに入れるエアーベッドがふわっとゆとりのある状態になります。そのため、体圧分散性は良くなります。しかし、弾力性がない状態になりますので寝返りがしづらくなりますし、仮に寝返りをしたとしてもふわふわ揺れるような感覚がします。

なお、持ち運びには不向きです。

ある程度コンパクトにはなるものの、空気を入れるための装置が付いているため重量が5kg前後になるからです。また、電源確保などの手間も同時に必要となります。

さらには、空気入れの騒音もかなりのものです。

この点については下記の動画を参考にしてください(7:06からご覧ください)。

1-5. 結論、エアーベッドは普段使いにはおすすめできない

上記の特徴から、エアーベッドは普段使いには向かないと私は考えています。

ただ、来客用ベッドとしてなら悪くありません。この場合、以下の2つのタイプのどちらかがおすすめです。

  • 薄型足踏み:見栄えはイマイチですが収納時のコンパクトさがピカイチです。収納スペースに限りがあるならこのタイプがおすすめです。空気入れも1分ほどでできます。
  • 極厚電動:見栄えを重視するならこのタイプがおすすめです。薄型よりはおもてなし感があります。空気を入れるためにうるさくなりますが、その他の方法だと大変すぎるので電動のものを選びましょう。

2. エアーベッドを使うべき人/使うべきでない人

エアーベッドは用途によって非常に便利に使えますが、構造的な特性から“向いている人”と“向いていない人”がはっきり分かれる寝具です。快適に使うためには、まず自分の生活スタイルや体質、睡眠環境に合っているかどうかを見極めることが大切です。

2-1. エアーベッドを使うべき人

  1. 来客用や短期間の利用が中心の人

    エアーベッドは空気を抜けばコンパクトに収納できるため、来客時だけ使いたい家庭に最適です。普段は収納しておけるので、部屋のスペースを圧迫しません。

  2. キャンプや車中泊で使う人

    軽量・携帯性に優れるため、室外で使いやすい寝具です。地面の凸凹を吸収し、快適な寝心地を確保できます。ただし気温差の大きい環境では空気の膨張・収縮に注意が必要です。

  3. ベッドが置けない・収納スペースが限られている人

    ワンルームや子ども部屋など、省スペースで暮らす人にとって、折りたたんでしまえるエアーベッドは合理的な選択です。

  4. カジュアル用途で“寝心地の完璧さ”を求めない人

    エアーベッドは空気圧で硬さが変わるため、一般的なマットレスほど安定した寝心地は期待できません。「ある程度寝られればOK」という用途には十分向いています。

2-2. エアーベッドを使うべきでない人

  1. 毎日しっかり眠りたい・普段使いしたい人

    構造上、通気性・耐久性・体圧分散性の面で一般的なマットレスに劣ります。沈み込みのムラや揺れが続けば、腰や背中に負担がかかり、朝の疲労感や腰痛の原因になることがあります。

  2. 腰痛・肩こりなど体の不調がある人

    エアーベッドは空気量によって体が沈みやすく、寝姿勢が安定しません。高反発ウレタンやコイルマットレスに比べると、腰椎のサポート力が弱いため、腰痛持ちには不向きです。

  3. 寝汗が多い・湿気に弱い人

    PVC・TPU素材は通気性がほぼないため、汗や体温がこもりやすく、蒸れ・べたつき・カビの原因になります。布団や敷きパッドとの組み合わせが必須ですが、それでも一般的な寝具より蒸れやすさは残ります。

  4. ペットや小さな子どもがいる家庭

    とがった爪や硬いおもちゃが原因で穴があきやすく、気づかないうちに空気漏れを起こしやすくなります。安全性・耐久性の観点からも慎重に検討したいところです。また、ビニール生地(もしくは滑り止めのベロア生地)の上に寝てしまうと非常に蒸れやすいのでおすすめできません。

    新陳代謝が高く汗をよくかく赤ちゃんがこのような環境で寝ると蒸れて寝苦しくなり、良い睡眠が取れなくなるので避けることをおすすめします。

  5. 湿度の高い地域でフローリング直置きしたい人

    エアーベッドは底面の湿気が抜けないため、結露によるカビが発生しやすい寝具です。除湿シート・すのこ・敷きパッドなど複数の対策が前提となるため、環境に合わない場合は別の寝具を選んだ方が快適です。

3. エアーベッドを選ぶときの注意点

さあ、そんなエアーベッドですが、あなたは欲しくなりましたでしょうか?

もし「エアーベッドを買ってみようかな」とお考えであれば、次に紹介していく選ぶときの注意点を抑えるようにしてください。

低品質なものを避ける目安にしていただけます。

3-1. 耐荷重は十分か

エアーベッドを購入する上でもっとも気になる点が「耐久性」かと思います。

これについては商品概要などに記載されている「耐荷重」をご参照ください。

一般的なベッドの耐荷重は100kgが目安ですが、エアーベッドは直接その上に寝て使うことが多く、体重が一点に集中しやすいためやや高めの設計になっています。

耐荷重が十分かどうかを確認するとともに、体重が一点に集中しないよう使うときに気をつけるようにもしましょう。

3-2. 空気の出し入れは簡単か

上記で説明したとおり、エアーベッドは種類により空気の入れ方が異なります。

薄型 極厚
空気入れ方 足踏み 吹き込み 手動 電動
推奨度

薄型の吹き込みタイプのものや、極厚の手動タイプのものは安価なのが魅力ですが、空気を入れるのにかなり手間がかかることを頭に入れておきましょう。

薄型とはいえ口で空気を吹き込むとなるとかなり大変です。何度もクラクラっと酸欠状態になるはずです。また、極厚タイプのものにフットポンプで空気を入れるのもかなり時間がかかります。

下の動画によりますと、電動エアーポンプでさえ早くて6分30秒かかりますし、遅いものだと10分ほどかかります。

3-3. 薄型は底冷えしやすい

薄型エアーベッドはご覧のとおり凸凹構造になっており、薄い部分から冷気が浸透しやすくなっています。

back-side-of-air-mattress
エアーベッドの凸凹

そのため、フローリングの上などの直置きして使うと一般的なマットレスよりも床冷えしやすいです。

冷え性の方は気をつけるようにしましょう。

3-4. 極厚タイプはふわふわ揺れやすい

極厚タイプは空気の動きにより揺れやすいです。

ふわふわ、ゆらゆらなど人によって表現の仕方は異なりますが、空気の動きによりどうしても揺れが発生します。体質により気になるかどうかが変わりますが、三半規管が敏感な方は船酔いのような感覚になるようなので気をつけるようにしましょう。

4. エアーベッドでよくある質問

それでは最後に、エアーベッドの使用に関してよくある質問についてです。

4-1. シーツなどは必要か

エアーベッドの素材は通気性や吸湿性がないので、敷きパッドやシーツなどを上に敷くようにしましょう。

同じく、エアーベッドの下に湿気が溜まったり結露が発生することがあるので、置きっぱなしで使うのは避けましょう。湿気が気になる方は、除湿シートを敷くことをおすすめします。

敷きパッド ベッドパッド ベッドシーツ トッパー プロテクター
画像 shiki-pad1 bed-pad1 bed-sheet1 mattress-topper1 mattress-protector1
役割
  • 肌触りの改善
  • 温湿度の調整
  • マットレスの汚れ防止
  • 肌触りの改善
  • 温湿度の調整
  • おしゃれ
  • 体圧分散改善
  • マットレスの
    汚れ防止
厚み 1~2cm前後 3~4cm前後 5mm前後 3~5cm 5mm前後
温湿度調整 ×
汚れ防止
洗濯 ×
体圧分散性 × ×

4-2. 空気漏れしたら穴は補修できるか?

空気漏れをしたら穴にシールなどを貼ることで補修できます。

補修用シールが同梱されている商品もありますが、もしなければ別途購入しましょう。

repair-sticker
>>エアーベッド補修用シール

ただ、ベロア生地などにはシールはくっつかないので、このような部分に穴ができている場合は諦めるしかありません。

4-3. 廃棄方法は粗大ゴミ?燃えないゴミ?

PVC素材でできているものであれば細かく切れば燃えないゴミとして捨てることができます。

空気入れモーターなどの部分は別途切り取るようにしましょう。

4-4. エアーベッドは普段使いしても大丈夫?

短期間であれば問題ありませんが、長期間の普段使いには向きません。寝姿勢が安定しにくく、沈み込みによって腰や背中の負担が増え、寝返りも打ちづらくなります。空気の出し入れや湿気対策などメンテナンスも必要なため、一般的なマットレスと比べると扱いは難しい寝具です。

4-5. エアーベッドはカビが生えやすいって本当?

本当です。エアーベッドは内部が空気構造で湿気を吸わないため、底面に湿気が滞留しやすく、フローリングでは結露が発生しやすい傾向があります。防水シーツ+除湿シート+すのこを併用して湿度管理をすることがカビ対策の基本です。

4-6. 冬にエアーベッドが冷たく感じるのはなぜ?

空気は温度変化に敏感で、寒い環境では内部の空気が冷え、底冷えしやすいのが原因です。 断熱シートやウール・綿わたの敷きパッドを組み合わせると、体温の逃げを抑えることができます。

4-7. エアーベッドの寝心地を良くするには?

以下をセットで使うと快適性が大きく向上します。

  • 綿・麻の敷きパッド(蒸れ対策)
  • 防水シーツ(結露対策)
  • すのこ or 除湿シート(湿気管理)
  • 上に薄手のマットレスや高反発パッドを重ねる(腰の沈み込み防止)

エアーベッド単体では寝心地が安定しにくいため、組み合わせで補うのが前提です。

4-8. 賃貸でエアーベッドを使っても床は傷つかない?

直接置くと摩擦や荷重で床に跡が残る可能性があります。特にPVC底面は滑りにくく、動かす際に傷がつきやすいため、ラグ・保護シート・すのこを敷くと安心です。

4-9. エアーベッドは何年使える?

素材や使用頻度によりますが、一般的に1〜2年程度が耐用目安です。空気構造のため、素材の伸びやパンクなどで徐々に安定性が落ちやすく、長期使用の耐久性は通常のマットレスに劣ります。

最後に

エアーベッドについてご理解いただく参考になっていればと思います。

繰り返しになりますが、あなたの睡眠を大事にしているのであれば、普段使いはしないことをおすすめします。

きちんとした寝具を選ぶなら下記のページで解説していますので、ぜひあわせてご参考にしてください。

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