ウレタン敷布団の特徴と選び方|腰痛対策や体圧分散で選ぶポイントを徹底解説

  更新日:

ウレタン敷布団の特徴と選び方|腰痛対策や体圧分散で選ぶポイントを徹底解説
  • 「敷布団でウレタン素材?」
  • 「寝心地いいのかな?」

などと疑問に感じてはいないでしょうか?

サポート性では他の素材と比べてダントツのウレタンフォームですが、吸水性がなくムレやすかったり、洗えないなどの欠点があるのが事実です。とはいえ、底つき感のない寝心地を敷布団に求めるなら、やはりウレタン素材が一番おすすめです。

そこで本日は、

  • 二種類あるウレタン敷布団のそれぞれの特徴
  • 他素材と比較したウレタン敷布団の特徴
  • おすすめのウレタン敷布団
  • ウレタン敷布団を購入する前に知っておきたいQ&A

などについて解説していきます。

※敷布団の素材別の特徴、機能性を比較した選び方についてこちらのページ「【熟睡敷布団のおすすめ7選】正しい選び方3つのコツ」で徹底解説しています。ウレタン素材だけでなく、より網羅的な敷布団選びの情報をお探しでしたらあわせてご参考にしてください。

1. 二種類あるウレタン敷布団の違いと特徴

まず最初に、ウレタン敷布団には2つの種類があります。

  • ウレタンキルト敷布団:中心にウレタンフォームがあり、その上にわたや側生地などがあり、それらが全てキルティング(縫製)されている構造のもの。いかにも敷布団の見た目をしています。
  • ウレタン非キルト敷布団:ウレタンフォームに側生地が別途付けられている構造で厚さが5~10cm以下のもの。マットレスと呼ばれることもありますが床置き使用のため敷布団とも呼ばれます。

そして、それぞれ寝心地と使い勝手が大きく異なります。

キルト敷布団 非キルト敷布団
画像 futon1 thin-non-coil-mattress1
サポート性
蒸れやすさ 素材による 素材による
手入れ

私は圧倒的にウレタン非キルト敷布団がおすすめなのですが、しっかり納得していただくためにまずは双方の違いについて分かりやすく解説していきます。

1-1. サポート性【ウレタンの厚さが大きく異なる】

わたと比べるとウレタンフォームのサポート性は抜群です。

しかし、もちろん、どれくらいの厚みなのかでそのサポート性が変わってきます。基本的に、ウレタン敷布団はそれぞれ下記のようなウレタンフォームの厚みになっています。

  • 3~5cm前後:キルト敷布団
  • 7~10cm前後:非キルト敷布団

これは数字のままサポート性にほぼ倍の差があると考えてもらって結構です。

そのため、敷布団の硬い寝心地に慣れている方ならともかく、ウレタンフォームがキルティングされた敷布団では腰が床につくような底つき感などに悩まされることになることがあるのです。

底つき感のイメージ
仰向け 底つき感_仰向け
横向き 底つき感_横向き

1-2. 蒸れやすさ【素材で大きく変わる】

  • キルト敷布団:側生地とわたの素材に左右される。
  • 非キルト敷布団:側生地の素材に左右される。

ウレタンフォームは蒸れやすいです。

そのため、その上に吸水性・吸湿性のある素材がないと寝苦しくなります。

生地素材 肌触り 吸水性 放湿性 洗濯 費用
綿(コットン) cotton1
ポリエステル polyester1 -
レーヨン layon1
麻(リネン) linen1
わた素材 弾力性 吸水性 放湿性 洗濯 費用
綿(コットン) cotton1
ポリエステル -
麻(リネン) linen1
羊毛(ウール) wool1
除湿材 Dehumidifier1

とはいえ、敷布団の上にそのまま寝ることはないはずです。

敷布団を汚さないように敷きパッドなどを敷かれることになるかと思います。そして、このようなものを一枚敷布団の上に敷いてしまえば側生地やわたの品質はあまり関係なくなってしまいます。

敷きパッド ベッドパッド ベッドシーツ トッパー プロテクター
画像 shiki-pad1 bed-pad1 bed-sheet1 mattress-topper1 mattress-protector1
役割
  • 肌触りの改善
  • 温湿度の調整
  • マットレスの汚れ防止
  • 肌触りの改善
  • 温湿度の調整
  • おしゃれ
  • 体圧分散改善
  • マットレスの
    汚れ防止
厚み 1~2cm前後 3~4cm前後 5mm前後 3~5cm 5mm前後
温湿度調整 ×
汚れ防止
洗濯 ×
体圧分散性 × ×

そのため、蒸れにくいことは大事なポイントではあるものの、敷きパッドなどで代わりに対処できる(むしろするべき)ことだと考えていただければ結構です。

1-3. 手入れのしやすさ【毎日のことなので超重要】

  • キルト敷布団:7cm厚で4kg前後
  • 非キルト敷布団:10cm厚で6kg前後

製品スペックだけを見比べるとウレタンキルト敷布団のほうが軽くてお手入れがしやすそうですが、実態は違います。

というのも、ウレタン非キルト敷布団で厚みが10cm前後あるものだと下のイラストのように壁に立てかけることができるからです。一方、ウレタンキルト敷布団のほうでは自立するほどの厚みがないため手入れが大変になります。

how-to-dry-mattress

1-4. ウレタン敷布団を選ぶなら非キルト仕様がおすすめ

  • サポート性はやや不十分なことが多い
  • 品質の良いものを選べば蒸れにくさは解消できる(が、敷きパッドで良いものを探したほうがベター)
  • 手入れは一般的な敷布団と同じく大変

といったこれら3つのポイントを踏まえると、ウレタンキルト敷布団はあまりおすすめできません。「ウレタン敷布団」を検討されているなら、ウレタンフォームがキルティングされていない構造のものがおすすめです。

2. 【他素材と比較】ウレタン敷布団の特徴とおすすめの選び方

それでは次に、ウレタン敷布団についての理解をより深めるために、敷布団の代表的な素材と以下の5つの視点から比較していきます。

  • サポート性(寝心地、体圧分散性)
  • 吸湿性(ムレにくさ)
  • 重さ(取り扱いの手軽さ)
  • 洗濯(洗えるかどうか、洗いやすさ)
  • 価格
イメージ 体圧分散 反発弾性 吸湿性 放湿性 洗濯耐性 重量目安
木綿
(綿/コットン)
cotton1 6kg
ポリ
エステル
- 3.5kg
羊毛
(ウール)
wool1 3.5kg
キャメル
(らくだ)
camel1 3kg
真綿
(絹/シルク)
silk1 3kg
ウレタン
フォーム
regular-foam1 - 6kg

(重さはシングルサイズのものの目安です。)

なお、ここからの「ウレタン敷布団」とは「ウレタンフォームがキルティングされていない敷布団タイプのもの」としてご理解ください。

2-1. 敷布団の代表的な素材の特徴

2-1-1. 綿(コットン)の特徴

綿(コットン)は、敷布団にもっとも広く使われている素材のひとつで、吸湿性に優れ、汗をしっかり吸い取ってくれるのが大きな特徴です。寝ているあいだの湿気を受け止めてくれるため、ムレ感が少なく、年間を通して比較的快適に使いやすい素材と言えます。肌ざわりもやわらかく、天然繊維ならではの安心感があるのも綿の魅力です。

一方で、吸った水分を外に逃がすまでに時間がかかるため、乾きやすさという点ではやや劣ります。敷布団や側生地に綿を使う場合は、こまめに干したり、風通しをよくしたりといった手入れが必要になります。

2-1-2. ポリエステルの特徴

ポリエステルは、軽くてシワになりにくく、乾きの早さに優れた化学繊維です。洗濯しても乾きやすく、型くずれしにくいため、日々の取り扱いがラクという点で大きなメリットがあります。価格も比較的手ごろで、コストパフォーマンスを重視したい場合にも選ばれやすい素材です。

一方で、ポリエステルは吸湿性がほとんどないため、汗や湿気を吸いにくく、寝床内に湿気や熱がこもるとムレを感じやすくなります。敷布団の中わたや側生地がポリエステル主体の場合は、通気性の良い敷きパッドを重ねるなど、ムレ対策を意識した使い方が必要になります。

2-1-3. 羊毛(ウール)の特徴

羊毛は、天然繊維の中でも吸湿性と放湿性が非常に高い素材で、敷布団として理想的な性質を備えています。汗や湿気を素早く吸収し、外へ放出するため、季節を問わず蒸れにくく快適に使えるのが最大の特徴です。

さらに、繊維の中に細かな空気層を持つため、冬は暖かく、夏はさらっと使える温度調整性の高さも魅力です。復元力が強く、へたりにくいため、長く使ってもふっくらとした弾力を保ちやすい点もメリットです。一方で、天然素材ゆえに価格帯が少し高めで、水洗いできないものがほとんど。湿気の多い環境ではカビ対策が必要になります。

2-1-4. キャメル(らくだ)の特徴

キャメルは、ウール以上に調湿性と保温性が高い高級素材として知られています。らくだの毛は中空構造になっており、湿度と温度の変化に非常に強く、寝床内の環境を安定させる力に優れています。

またウールよりも軽量で、繊維がしなやかなため、体に柔らかく沿ってくれるやさしい寝心地が魅力です。寒暖差の激しい砂漠を生き抜く動物の毛だけあって、夏のムレにも冬の寒さにも強い万能素材です。難点としては、非常に高価な点と、取り扱いに注意が必要な点。家庭での洗濯はできず、メンテナンスには少し気を配る必要があります。

2-1-5. 真綿(絹/シルク)の特徴

真綿は、蚕の繭から作られる最高級の天然繊維で、肌ざわりのなめらかさは群を抜いています。しっとりと体に沿うフィット感があり、寝返りの際にも布団が体にスムーズに追従するため、圧迫感をほとんど感じません。

繊維一本一本が非常に細いため、吸湿性・放湿性ともに高く、ムレにくいのに加え、静電気が起きにくい点もメリットです。アレルギーの原因となるハウスダストを寄せつけにくい性質もあり、肌の弱い方にも人気があります。ただし、デリケートな素材のため耐久性はやや低めで、価格も非常に高価。水洗いにも向いておらず、丁寧な取り扱いが必要です。

2-1-6. ウレタンフォームの特徴

ウレタンフォームは、体圧分散性と反発力に優れた素材で、寝姿勢のサポート力を重視する方に選ばれやすい中材です。高反発タイプは沈み込みを防ぎ、寝返りがしやすく、腰や背中への負担を軽減します。低反発タイプは包み込まれるような柔らかさが特徴です。

一方でウレタンは吸湿性がほぼゼロのため、湿気がこもりやすく、通気性が弱い点は大きなデメリットです。長期間湿気が溜まるとカビの原因にもなるため、プロファイル加工(凸凹)やピンホール加工(通気孔)など、通気性を改善した加工が施されているかが重要になります。重量は素材によって異なりますが、一般的には軽量で扱いやすく、折りたたみ可能なタイプも多く、一人暮らしにも使いやすい素材です。

全体的な素材に関しては「敷きパッドおすすめ10選と選び方|素材と機能を徹底解説」の記事にて詳しく紹介していますので、合わせてぜひ参考にされてください。

2-2. サポート性は敷布団の中でもダントツ

ウレタン素材のサポート性は、他素材よりも圧倒的にすぐれています。

しかし、サポート性があるとはいえ、あまりにも薄いものだと、寝心地が悪くなります。大人用であれば7cm以上の厚みがほしいところです。

種類 イメージ 厚み 評価
マットレス
トッパー
mattress-topper3 3cm
  • 一般的なマットレストッパーの厚み
  • 分厚いパッドと同等のサポート性
  • これ一枚で寝るのはやや不十分
5cm
  • 厚めのマットレストッパー
  • 体圧分散改善◎
  • 体重30kg前後の子供ならこれで十分
敷布団/
ノンコイル
薄型
マットレス
thin-non-coil-mattress3 7cm
  • やや薄めの敷布団などの厚み
  • 体重60kg前後の人向き
  • 横向き寝だと底つき感の心配あり
10cm
  • 敷布団・床置きマットレスの厚み
  • 体重80kg前後人向き
  • 折り畳んだり、収納できる限度の厚み
ノンコイル
ベッド
マットレス
thick-non-coil-mattress3 15cm
  • 体重の重い人でも快適に寝られる厚み
  • 折り畳んだり収納するのは困難
  • ベッドでの使用に向いている
20cm
  • 分厚いノンコイルマットレスの厚み
  • 薄めのコイルマットレスの厚み
  • コイルの上の詰めものが不十分なことがある
コイル
スプリング
ベッド
マットレス
coil-mattress3 25cm
  • 標準的なコイルマットレスの厚み
  • シングルサイズでも20kg以上の重さになる
35cm
  • ベッドマットレスとしては分厚い部類
  • 両面仕様のものが大半
  • ものによっては厚すぎることも

また、ウレタン素材にもいろいろあります。

  • 硬質ウレタンフォーム:体圧分散性△
  • レギュラーフォーム:体圧分散性◯
  • 高弾性フォーム:体圧分散性◎

硬質ウレタンフォームはおすすめできません。

レギュラーフォームはしっかり硬めの悪くない寝心地です。プロファイルカットなどの表面加工があれば満足できるはずです(後述)。高弾性フォームのものは値段が高めなものの弾むような寝心地でかなり快適です。

2-3. ウレタン素材は吸湿しないのでムレやすい

ウレタン素材は吸湿しないのでムレやすいです。ポリエステルの敷布団と同じく、このムレやすさについては素材特有のものなので仕方がないです。

Profile-and-pinhole1

そのため、以下の2つのポイントを押さえるようにしましょう。

  • プロファイルやピンホールなどの加工があるものを選ぶ
  • ベッドパッドや敷きパッドを併用する

2-4. ウレタン敷布団は重いが干す必要はない

吸湿しないというデメリットは、裏を返すと、湿気りにくいので乾かす必要がないというメリットになります。

パッドを敷いていれば尚更ですが、天日干しをしなくてよいとなると気が楽になります。とはいえ、ずっと敷きっぱなしにしてはいけません。週に1~2度でいいので、壁に立てかけて風を当てて通気させましょう。

ウレタン敷布団は厚みが10cmのもので6kgくらいの重さです。持ち上げるには少々重たいですが、壁にたてかけるには難なくできるでしょう。なお、厚みが7cm以下のものや柔らかいものは自立させるのが難しいことご了承ください。

2-5. ウレタン敷布団はほぼ洗濯不可能

ウレタン敷布団はクリーニングやコインランドリーでの洗濯はおろか、手洗いも不可能なことが大半です。

ということでウレタン敷布団の上にはパッドなどを敷くことをおすすめします。蒸れやすさを抑えることも期待できるので「絶対にあったほうが良い」と断言しておきます。

敷きパッド ベッドパッド ベッドシーツ トッパー プロテクター
イメージ shiki-pad1 bed-pad1 bed-sheet1 mattress-topper1 mattress-protector1
役割
  • 肌触りの改善
  • 温湿度の調整
  • マットレスの汚れ防止
  • 肌触りの改善
  • 温湿度の調整
  • おしゃれ
  • 体圧分散改善
  • マットレスの
    汚れ防止
厚み 薄め(5mm前後) 厚い(1~2cm前後) 薄い 厚い(3~5cm) 薄い
温湿度調整 ◯(生地で) ◯(中材で) ◯(生地で)
汚れ防止
手入れ 簡単 やや大変 簡単 (保護対象) 簡単
体圧分散改善

2-6. 中芯がウレタンフォームの敷布団

ウレタンフォームが中芯に入っており、その周りに綿やポリエステルのわたが詰められている敷布団があります。

結論からいうと、これらの敷布団は性能が中途半端なのでおすすめできません。

寝心地だけでいうと、通常の木綿敷布団やポリエステル敷布団よりもいいのですが、その反面、重くて干しにくかったり、手洗いをすると内部が乾きにくく雑菌の繁殖の恐れがあったりと、取扱に難があります。

3. ウレタン敷布団のおすすめの選び方

3-1. 中わた素材で選ぶ(キルトタイプの場合)

ウレタン敷布団の中には、ウレタンフォームの上にわたをキルト状に重ねた「ウレタンキルト敷布団」 があります。このタイプは、ウレタンの寝心地に加えて、中わたの素材によって ムレにくさ・柔らかさ・扱いやすさ・季節適性 が大きく変わるため、選ぶ際にチェックすべきポイントのひとつです。

ここでは、代表的な「綿」「ポリエステル」「麻」「羊毛」の特徴と、どんな人に向くかを紹介します。

3-1-1. 綿(コットン)わたを選ぶ場合

綿わたは吸湿性が高く、ウレタンが持つ蒸れやすさを最も補ってくれる素材です。肌あたりも自然で、キルト部分がふんわりと仕上がり、寝心地のやわらかさが増します。一方で、湿気を吸ったあとの乾きは遅いため、湿度の高い部屋で使う場合はこまめに通気させる必要があります。

▼こんな人に向いています

  • ウレタン敷布団のムレやすさをできるだけ抑えたい
  • 天然素材のやさしい風合いが好き
  • 柔らかめの寝心地が好み

3-1-2. ポリエステルわたを選ぶ場合

ポリエステルわたは 軽くて乾きやすく、扱いやすさに優れた素材です。価格帯も比較的手軽で、日々のメンテナンスをラクにしたい方には使いやすい選択肢になります。ただし、吸湿性が弱いため、ウレタン×ポリエステルの組み合わせは蒸れやすさが課題になる場合があります。軽さ・手入れのしやすさを優先する場合は、敷きパッドでのムレ対策も併用すると快適です。

▼こんな人に向いています

  • 軽くて扱いやすい敷布団がほしい
  • メンテナンスを簡単にしたい
  • コスパ重視で選びたい

3-1-3. 麻(リネン)わたを選ぶ場合

麻わたは綿の約4倍の吸湿性を持ち、汗を吸ってもすぐに乾く性質があります。夏の寝苦しさや蒸れ対策としては最も相性の良い素材のひとつで、ウレタン敷布団の弱点である通気性の低さを大幅に補ってくれます。ただし、寝心地はややシャリっとした感触があり、柔らかい風合いが好みの方には少し硬く感じることがあります。

▼こんな人に向いています

  • 夏場でもとにかくムレにくい寝床にしたい
  • 汗をかきやすい
  • ウレタンの熱こもりを最小限にしたい

3-1-4. 羊毛(ウール)わたを選ぶ場合

羊毛わたは、天然素材の中でも 吸湿性・放湿性が非常に高く、季節を問わずムレにくい素材です。また、繊維に空気を多く含むため、冬は暖かく、夏はさらっと使える温度調整性にも優れています。キルト部分に使うことで、寝心地がふっくらと厚みのある快適さになり、高級敷布団に採用されることも多い素材です。ただし、水洗いには不向きで、日常的な手入れは「干す」ことで湿気を飛ばす必要があります。

▼こんな人に向いています

  • オールシーズン快適に使いたい
  • ムレにくく、温度調整もできる素材を選びたい
  • 寝心地のふっくら感も重視したい

3-2. 機能性で選ぶ場合

ウレタン敷布団は、機能性加工を施すことで、寝心地がさらに向上します。特に、ウレタンフォーム自体は通気性が悪いため、プロファイルカットやピンホール加工などが有効です。

3-2-1. プロファイルカット

ウレタンフォームの表面に凹凸を作ることで、通気性を改善し、湿気のこもりにくさを実現します。これにより、寝返りをスムーズにし、熱の発生を抑えることができます。

3-2-2. ピンホール加工(通気孔)

ピンホール加工により、ウレタン敷布団に小さな通気孔ができ、熱と湿気を効率的に逃がすことができます。これにより、ウレタン敷布団の蒸れを軽減し、夏でも快適に使用できるようになります。

3-2-3. 抗菌防臭加工

湿気を吸わないウレタン自体は、菌の繁殖が抑えられる特徴がありますが、抗菌防臭加工を施すことで、さらに快適に使うことができます。寝汗や湿気で臭いが気になる季節でも、臭いの発生を抑える効果があります。

3-2-4. 防ダニ加工

ダニが繁殖しやすい環境を防ぐため、ウレタン敷布団に防ダニ加工を施すことで、アレルギー対策やダニによるかゆみを軽減できます。ウレタンフォームはダニが繁殖しにくい素材ですが、さらに加工を加えることで、アレルギーや健康面の心配を軽減できます。

3-3. 用途別で選ぶ場合

ウレタン敷布団は使用目的や体質によって最適な選び方が異なります。腰痛対策や寝返りをサポートする高反発タイプ、スペースを有効に使いたい一人暮らし向け、蒸れを防ぎたい方に適した製品など、目的に合わせた選択がポイントです。

3-3-1. 腰痛対策を重視する場合

腰への負担を減らすには、高反発ウレタンで厚みが10cm前後ある敷布団が最適です。反発力の高さによって腰の沈み込みを抑え、自然なS字カーブを維持しやすくなります。密度30D以上であれば、長期間安定した寝心地が続きやすい点も魅力です。

3-3-2. 横向き寝が多い場合

横向き寝は肩や腰に圧力が集中するため、やや柔らかめの高反発または中反発タイプのウレタンが向いています。プロファイルカットやピンホール加工が施された仕様だと体に沿いやすく、負荷が分散されて痛みを感じにくくなります。

3-3-3. ワンルーム・一人暮らしの場合

部屋のスペースを有効に使いたい方には、三つ折りタイプが便利です。折りたたんで収納でき、床置きでも十分なサポート力が得られるため、ベッドを置かない暮らしでも快適に眠れます。来客用としても扱いやすく、場所を取らない点が大きな利点です。

3-3-4. 蒸れやすい体質・夏場の寝苦しさが気になる場合

通気性を高める加工(プロファイル加工・ピンホールなど)が施されたウレタン敷布団を選ぶと、湿気がこもりにくく快適に使えます。さらに、吸湿性の高い敷きパッドや除湿シートを併用することで、一年中ムレにくい環境を作ることができます。

3-3-5. 耐久性重視の場合

長く使いたい方は、密度40D以上の高弾性ウレタンが最適です。金額は高くなりますが、へたりにくく、体圧分散性も安定するため、5〜8年程度と寿命が長い傾向があります。体重が重めの方や寝返りが多い方でも性能を維持しやすい素材です。

4. ウレタン敷布団のメリット・デメリット

ウレタン敷布団には、高い体圧分散性とサポート力、収納のしやすさといった多くのメリットがありますが、通気性の弱さや洗えない点、重さなどのデメリットもあります。これらの特徴を理解したうえで選ぶことが大切です。

4-1. メリット|体圧分散性・サポート力・収納性に優れる

ウレタン敷布団の最大の強みは、優れた体圧分散性と高いサポート力です。体の重さを均等に支えるため、腰や肩の負荷が集中しにくく、横向き寝・仰向け寝のどちらでも姿勢が崩れにくいという特徴があります。特に高反発タイプは沈み込みが少なく、腰の負担軽減を求める方や寝返りが多い方に適しています。

さらに、ウレタン敷布団は折りたたみやすく収納しやすいのもメリットです。三つ折りできるモデルが多く、ワンルームでも扱いやすい点は、他の素材では代わりが利きません。床置きにも向いており、ベッドを持たない生活スタイルにも使いやすい敷布団です。

4-2. デメリット|通気性が良くない・洗えない・重さの問題

デメリットとしてまずあるのが通気性が良くない点です。ウレタンは吸湿性がなく湿気がこもりやすいため、夏場は蒸れやすくなります。プロファイル加工や通気孔で改善できますが、敷きパッドや除湿シートとの併用はほぼ必須と言えます。

また、ウレタン素材は基本的に水洗いできません。クリーニングに対応していない製品も多く、汚れを防ぐためには上に敷くシーツや敷きパッドの活用が欠かせません。

重さについても考慮が必要で、シングルでも6〜8kgほどあるため、取り扱いに苦労する場合があります。干す必要はありませんが、週に数回の立てかけによる通気は必要で、この作業を面倒に感じる方も一定数います。

5. おすすめのウレタン敷布団2選

5-1. エコラテエリート 三つ折り敷布団型マットレス

エコラテ エリート 三つ折りマットレス
エコラテ エリート 三つ折りマットレス
型・種類 ノンコイル薄型/高反発ウレタンフォームマットレス
厚み 10cm
硬さ ふつう~やや硬め
送料 無料
返品保証 3週間
サイズ・重量 シングル: 98×195×10cm・約7kg、セミダブル: 118×195×10cm・約8kg、ダブル: 138×195×10cm・約9kg、クイーン: 158×195×10cm・約10kg
価格 シングル: 19,990円、セミダブル: 22,990円、ダブル: 26,990円、クイーン: 29,990円
リンク 商品ページ

しっかりめのウレタンフォームに凸凹プロファイルカットをした三つ折りの敷布団型マットレスです。

マットレスのしっかりしたサポート性と敷布団の扱いやすさの良いどこどりのようになっています。

5-2. セルプール ハイブリッドマットレスEX

セルプール ハイブリッドマットレスEX
セルプール new ハイブリッドマットレスEX
型・種類 ノンコイル薄型/高弾性ウレタンフォームマットレス
厚み 8cm
硬さ ふつう
送料 無料
返品保証 なし
サイズ・重量 シングル: 98×197×8cm・約8kg、セミダブル: 118×197×8cm・約10kg、ダブル: 138×197×8cm・約12kg、クイーン: 158×197×8cm・約14kg
価格 シングル: 59,900円、セミダブル: 72,900円、ダブル: 85,900円、クイーン: 98,900円
リンク 商品ページ

さらに上質な寝心地をお好みの方におすすめです。

厚みがたったの8cmとは思えないほど弾力性に優れています。トップクラスの弾力性と密度(50D)のため、見かけによらずしっかりとあなたの体をサポートします。また、ウレタンフォームが吸放湿するため、ウレタン素材なのにムレにくいという素晴らしい性能を持っています。私どもが扱う中で最高峰のウレタン素材です。

6. ウレタン敷布団を購入する前に知っておきたいQ&A

先に紹介した特徴に加えて、以下のよくあるQ&Aを念頭において、ウレタン敷布団があなたに合っているか考える参考にしてください。

6-1. ヘタレやすい?寿命(耐用年数)はどれくらい?

ウレタン素材の耐久性は、その密度に大きく左右されます。密度が低ければ低いほど、ヘタレやすいです。トッパーや三つ折りマットレスなどの敷布団タイプのウレタン素材は、密度が20~30のものがほとんどです。それぞれの耐久性は以下のようになります。

ウレタン密度(kg/㎥) 耐久性の評価
高反発 低反発
20D以下 30D以下
  • 数ヶ月~1年程度の耐用年数。
  • 1万円をきる安価なマットレスに使用される。
25D前後 35D前後
  • 3~5年程度の耐用年数。
  • リーズナブルなマットレスに使用される。
30D前後 40D前後
  • 5~8年程度の耐用年数。
  • 国内・海外ブランドの有名マットレスに使用される。
40D以上 50D以上
  • 8年以上の耐用年数。
  • 高価で高品質なマットレスに使用される。

使用環境に応じて誤差があるのはもちろんですが、例えば、密度が20前後のものは厚みが10cmあっても、1年ほど使うと6~7cmくらいになってしまいます。また、密度の記載のない安価なウレタン敷布団は、耐久性に疑問が残るのでおすすめできません。

6-2. ダニは繁殖しにくいのか?

ウレタンフォームはわたと比べるとダニは繁殖しづらいです。

とはいえ、ずっと敷きっぱなしにすると、もちろんダニが繁殖します。ダニやハウスダストを気にされる方にウレタン敷布団はおすすめですが、少なくとも週に1~2度は壁に立てかけて通気させることを怠らないようにしましょう。

6-3. 独特のニオイはするのか?

使用当初はウレタン独特のニオイがします。特に、ビニールの中に真空パッキングされたものはニオイが強いです。ただ、1~2日風に晒しておけば、ニオイは飛んでいきます。

6-4. 蒸れやすい?上に何か敷いたほうがいいのか?

1章で述べたように、そのまま直接上に寝るとムレやすいですし、汚れたら洗うのが大変です。ベッドパッドや敷きパッドを併用しましょう。

6-5. 手入れはどうすればいいのか?

  • 週に1~2度立てかける
  • 側生地は汚れたら洗う
  • マットレスの底面が湿気っていたら除湿シートを敷く

などがお手入れになります。汚さないよう使うことができると本当にお手入れの手間が省けられますので、敷きパッドなどの併用は絶対におすすめです。ちなみに、敷きパッドの選び方については下記のページで詳しく解説しています。よろしければ参考にどうぞ。

6-6. ウレタン敷布団は腰痛に効果がありますか?

ウレタン敷布団は、特に 高反発タイプ で 体圧分散性が高いため、腰痛に悩む方に適しています。反発力が強いウレタンフォームは、腰や背中を均等にサポートし、床からの圧力を軽減します。仰向け寝でも横向き寝でも、体が沈み込みすぎず自然な寝姿勢を保ちやすいため、腰痛改善に役立ちます。

6-7. ウレタン敷布団の収納方法は?

三つ折りタイプのウレタン敷布団であれば、収納時は簡単に折りたたんで収納できます。サイズによっては重さ(6〜8kg) があるため、収納場所に設置してから壁に立てかけて通気させることが推奨されます。

これにより湿気を防ぎ、長期間使用できます。収納時は、折りたたむ前にできるだけ風通しを良くして乾燥させることが重要です。

6-8. ウレタン敷布団の反発力について教えてください

ウレタン敷布団の反発力は、使用されているウレタンフォームの種類によって異なります。

  • 高反発ウレタン は、しっかりとした反発力で体を支え、寝返りがしやすいです。寝返りをスムーズに行いたい方や、 腰痛対策 に最適です。
  • 低反発ウレタン は、体重を感じながらゆっくり沈み込む特徴があり、包み込まれるような寝心地を提供します。ただし、沈み込みすぎて 寝返りがしづらくなる場合 もあるため、寝返りの頻度が高い方には向いていないことがあります。

6-9. ウレタン敷布団の重さについて教えてください

商品によって異なりますが、6〜8kg程度の重さがあるため、比較的重めの寝具となります。特に厚みが10cm前後のモデルでは重量が増しますが、三つ折りタイプであれば折りたためるため収納や取り扱いが簡単です。重さが気になる場合は、薄めのタイプや、他の素材を検討することも一つの手段です。

6-10. ウレタン敷布団は冷感効果がありますか?

ウレタン自体は冷感効果を持っていませんが、プロファイル加工やピンホール加工が施されたウレタン敷布団 なら、熱がこもりにくくなります。また、ウレタン敷布団の上に冷感敷きパッドを敷くと、より快適に眠れるため、夏場の暑い時期でもムレにくい寝床を作りやすくなります。

最後に

ウレタン敷布団があなたに合っているかどうか、判断するための参考になっていれば幸いです。

商品を絞り込む
種類
お悩み
機能性
季節
シーン
素材
価格
-
絞り込み結果:
絞り込む