寝返りしない大人は腰を痛める?寝返りが少ない原因と腰痛との関係
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「寝返りなんてしてないと思うけど大丈夫かな?」
大人になってから寝返りが少なくなった人から、このような質問を受けることがあります。
結論から言うと、寝返りをほとんどしない大人でも、毎朝スッキリ起きれていれば問題ありません。
しかし、起床時に腰の痛みや疲れを感じる場合、もしかすると寝返りが少ないことが睡眠の質の低下や原因になっている可能性があります。そこで本日は「寝返りの役割と腰の痛みの関係」についてご紹介します。
| ※睡眠の質を上げるための方法をこちらのページ「睡眠の質を高めるための方法(総まとめ編)」でまとめています。ぜひあわせて参考にしてください。 |
0. 寝返りしない大人は異常?問題になるケース・ならないケース
「寝返りをほとんどしないけれど大丈夫なのか」「大人になってから寝返りが減った気がする」と不安に感じる人は少なくありません。結論から言うと、寝返りしないこと自体が異常とは限りません。重要なのは、寝返りの回数ではなく、体に不調が出ているかどうかです。
0-1. 問題にならないケース
次のような状態であれば、寝返りが少なくても大きな問題にならないことが多いです。
- 朝起きたときに腰痛や体のこわばりがない
- 熟睡感があり、日中の疲労感が残らない
- 夜中に目が覚めることが少ない
- 同じ姿勢でも違和感や圧迫感を感じにくい
体に合った寝具を使っている場合、寝返りの回数が少なくても、血流や体圧分散が保たれているケースがあります。
0-2. 問題になりやすいケース
一方で、以下に当てはまる場合は注意が必要です。
- 起床時に腰や背中が痛い・重い
- 夜中に何度も目が覚める
- 寝たはずなのに疲れが取れない
- 同じ姿勢で寝ていると体がしびれる
- 寝返りを打ちたくても体が動かしづらい感覚がある
これらは、寝返りが少ないことで体圧が偏り、血行不良や筋肉の緊張が起きているサインと考えられます。「寝返りしない大人」が問題になるかどうかは、症状の有無で判断することが重要です。
1. そもそも寝返りの役割とは
まずそもそも「なぜ人は睡眠中に寝返りをするのか」という点について。
眠っている間ずっと同じ寝姿勢を続けると、一定の部位に圧力がかかり続けてしまいますよね。
そのため、圧のかかる部位を変えるために、人は寝返りするのです。
その結果、体への圧迫を少なくできるため負担を極力少なくし、快適に眠ることができます。
これは地球に重力がある限りは正しいです。将来的に反重力装置が開発され、本当の意味での無重力の眠りが可能になれば、人間は寝返りをすることもなくなるのではと考えています。
1-1. 必要な寝返りと不要な寝返り
とはいえ、寝返りが多ければ多いほど良い、という訳ではありません。
例えば、低価格の民宿に泊まった際、年季の入ったとても硬いマットレスで寝たことはないでしょうか。そのようなとき、腰や背中位が痛くて、仰向けから横向きになったり、何度も何度も寝返りをすると思います。夜中に目覚めてまで寝返りをすることもあると思います。これは完全に不要な寝返りです。
敷寝具が硬すぎると圧迫感が強いため、どうしても寝返りの回数が増えてしまいます。これは寝返りというよりもむしろ、体が痛み(圧迫感)を逸らすための拒否反応だと私は考えています。
- 寝返りなし:マットレスに体が沈み込みすぎて寝返りがまったく出来ないと疲れがたまりやすい。
- 良い寝返り:ずっと同じ寝姿勢だと体が疲れやすいため、それを防ぐための寝返りは良い寝返り。
- 悪い寝返り:マットレスが固すぎたり柔らかすぎると、体に負担がかかります。その負担をそらすための寝返りはそもそも不必要な悪い寝返り。
1-2. 寝返りができないとなぜ腰痛の原因に?
寝返りができないことで腰を痛めてしまうのには、以下の2つの流れがあります。
- 「圧迫」→「物理的に腰を痛める」
- 「圧迫」→「血行不良」→「筋肉酸欠」→「痛み」
例えば、ずっと同じ姿勢のまま椅子に座り続けることを想像すると分かりやすいです。10分もしない内に圧がかかっている箇所の圧迫感が不快に感じられますし、立つと止められていた血液がサーっと流れていくのが感じられると思います。
座り姿勢と寝姿勢ではかかる負荷こそ違いますが、約7時間の睡眠中ずっと圧を逸らすことができないと、腰が痛くなっても仕方がないのがお分かりいただけたと思います。
1-3. 寝返りができないことによるその他の悪影響は?
また、寝返りができない状態で眠っていると、腰を痛める恐れがある他に以下のような被害をこうむる可能性があります。
- 体が凝りやすい
- 疲れが残りやすい
- ムレを感じやすい
血流が悪くなると体が凝りやすくなりますし、疲労回復もしづらくなります。また、背中がずっと敷寝具と接し続けるため、蒸れやすくもなります。
とはいえ、特別な体質なのか敷寝具との相性なのか、寝返りをほとんどしないにもかかわらず快眠できる人がいるのも事実です。
もしあなたが寝返りをしないがなんの不都合も感じていないのなら、特段心配する必要はありません。
1-4. 寝返りが少なくなった(しなくなった)原因とは?
もしあなたが「近頃寝返りをしなくなった」「寝返りが少なくなったせいで、睡眠の質が下がっている気がする」とお考えであれば、原因を考えて対策をすることをおすすめします。
- マットレスが狭すぎるため、無意識的に寝返りを避けている
- 隣で寝ているパートナー、子供を気遣って寝返りがしづらくなっている
- 体重増加などの理由で体がマットレスに沈み込んでいるため、寝返りがしづらい
- 年齢による筋力低下
- マットレスの経年劣化
- 寝返りを妨げる寝具環境
などが寝返りを少なくしてしまう主な原因と考えられます。あなたがお使いのマットレスのサイズは使用環境に相応しいでしょうか。
| 名称 | 幅寸法 | イメージ | 寝室目安 | 用途 |
| セミシングル | 80cm |
|
4畳 | 1人(子供・小柄な方) |
| シングル | 97cm |
|
4畳 | 1人(中柄な方) |
| セミダブル | 120cm |
|
6畳 | 1人(大柄な方) |
| ダブル | 140cm |
|
8畳 | 1~2人(小柄な方2人) |
| クイーン | 160cm |
|
8畳 | 2人(中柄な方) |
| キング | 180cm |
|
10畳 | 2人(大柄な方) |
一人で寝ているならシングルサイズでいいですが、体が大きい人にはセミダブルサイズをおすすめします。二人で寝るなら、クイーンサイズ以上がおすすめです。
また、もしかするとあなたのマットレスがヘタってきていたり、柔らかいマットレスに買い換えたために、体がマットレスに沈み込んでいることはないでしょうか。
このような状態で寝ていては寝返りが少なくなってしまうのも想像に難くないと思います。
起床時の体調に不満があれば、マットレスを買い換えることをおすすめします。
なお、こちらのページ「寝返りしやすいマットレスで快眠!腰痛改善にも効果的なマットレスの選び方」で寝返りのしやすいマットレスを紹介しているので、ぜひあわせてご参考にしてください。
まとめ
上記の内容を簡単にまとめると、
- 寝返りは圧迫を逸らして快眠するために大事
- 寝返りなしだと、腰の痛み、コリ、蒸れ感の原因に
- とはいえ、寝返りには不要な寝返りもある
もし寝返りが少なくなっているせいで睡眠の質が下がっているとお考えでしたら、なるべく早めに対策することをおすすめします。
なお、以下のページでこれまで紹介してきた、数々の研究で実証された良質な睡眠のために「するべきこと」と「してはいけないこと」を網羅的にまとめています。美味しいところ(結論)だけをつまみ食いできる構成になっています。是非ご一読ください。
関連記事:睡眠の質を高めるための方法(総まとめ編)
よくある質問
Q1. 大人になってから寝返りが減るのは普通ですか?
珍しいことではありません。大人になると、筋力の低下や体重変化、寝具の影響などにより、若い頃より寝返りの回数が減ることがあります。また、仕事や生活習慣による疲労の質が変わり、同じ姿勢で眠り続けやすくなることも一因です。寝返りが減っても、起床時の不調や疲労感がなければ、必ずしも問題とは限りません。
Q2. 寝返りをしないと腰痛になりますか?
必ず腰痛になるわけではありませんが、リスクは高まります。寝返りには体圧を分散し、血流を促す役割があります。寝返りが極端に少ない状態が続くと、腰や背中の同じ部位に負担がかかり、筋肉の緊張や血行不良が起こりやすくなるため、腰痛につながる可能性があります。特に、朝起きたときに腰が痛い場合は、寝返り不足が影響している可能性があります。
Q3. 寝返りが少ない人に向いているマットレスは?
寝返りが少ない人には、体が沈み込みすぎず、適度な反発力のあるマットレスが向いています。
-
柔らかすぎるマットレス
→ 沈み込みが大きく、寝返りに力が必要になる -
適度な反発力があるマットレス
→ 体の動きに反応しやすく、自然な寝返りをサポート
体圧分散と反発力のバランスが取れていることが重要で、硬さだけで選ぶのはおすすめできません。
Q4. 寝返りの回数はどれくらいが正常ですか?
個人差はありますが、一般的には一晩に20〜30回程度の寝返りが起こるとされています。ただし、回数が少ないからといって異常というわけではなく、回数よりも睡眠中の快適さや翌朝の体調を基準に考えることが大切です。
Q5. 横向き寝だと寝返りは減りますか?
減る場合があります。横向き寝は体が安定しやすく、仰向け寝に比べて寝返りの回数が少なくなることがあります。ただし、横向き寝自体が悪いわけではなく、肩や腰に違和感が出ていなければ問題ありません。横向き寝で寝返りが少ない場合は、枕の高さやマットレスの硬さが体に合っているかを確認するとよいでしょう。
著者紹介
著者情報
加賀 照虎(上級睡眠健康指導士)
上級睡眠健康指導士(第235号)。3,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。取材依頼はこちらから。
各種SNSで情報発信中。
上級睡眠健康指導士(第235号)。3,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。取材依頼はこちらから。
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