布団に入ると体がかゆい7つの原因と正しい対策を解説

  更新日:

布団に入ると体がかゆい7つの原因と正しい対策を解説

こんにちは、加賀照虎です。

布団に入るとぞわぞわと体が痒くなることはないでしょうか。

不快を通り越して、不安を感じることと思います。

でも、ご安心ください。

状況によっては今すぐに治すことも可能です。以前はなかった痒みが急に感じられるとすると、そこには何か明確な原因があるはずです。あなたが該当する原因を特定して、適切な対処をしましょう。そうすれば寝るときに感じられるかゆみを無くすことが期待できます。

そこで本日は「布団に入ると体が痒くなる7つの原因と対策」についてお話ししていきます。

※ダニの原因から症状、布団・マットレスなどの対象別の対策をこちらのページ「これで絶滅!ダニの発生原因、症状、駆除、予防の総まとめ」で徹底解説しています。布団以外の場所にもダニがいると考えられる方はぜひご参考にどうぞ。

1. 布団に入るとかゆいのはなぜ?痒くなる7つの原因

布団に入ると体が痒くなる場合、考えられる原因には以下の7つがあります。

  1. チリダニの大繁殖
  2. ツメダニによる刺咬
  3. ダニアレルゲンによるアレルギー反応
  4. ダニノイローゼ(ダニ被害妄想)
  5. 布団素材によるアレルギー反応
  6. 皮膚と布団の乾燥
  7. むずむず脚症候群

どのような状況だと、各状況が起こり得るのかそれぞれ説明します。

あなたの状況と照らし合わせて、痒みの原因を突き止めましょう。

1-1. チリダニの大繁殖

夏場、体に赤みを帯びた発疹など出ていないにもかかわらず、布団に入るとだんだんぞわぞわと痒みが上がってくる感じがする場合は、布団にチリダニが大発生している可能性が高いです。

チリダニは人を刺すことはないものの、大群で体によじ登られるとぞわぞわした痒みを伴います。

成虫で0.3mmととても小さく、肉眼で見ることはできません。そのため、原因の分からない痒みとして考えられることが多いです。

1-2. ツメダニによる刺咬

次に、ぽつぽつと赤みを帯びた発疹を伴う痒みの場合、ツメダニなどに刺されている可能性が考えられます。

ツメダニが痒みの犯人であれば、上記の布団のダニ退治方法で解決できます。

しかし、痒みの原因がツメダニでなく、マダニ、ノミ、南京虫(トコジラミ)の場合もあります。刺された跡だけを見て犯人を突きとめるのは困難ですが、「刺された体の部位」「目に見えるか否か」「その色」などで判断することができます。

チリダニ ツメダニ マダニ ノミ 南京虫
被害の
多い箇所
人を刺し咬みしないが、
アレルギーの元となる
露出していない柔らかい箇所
(腹周り、ふともも)
手足などの露出している箇所 屋外ではすねを中心とした脚、
屋内では腕・体など
手足などの露出している箇所
刺咬跡 - 1つの刺し跡 1つの吸血跡 1つの刺し跡 2つの刺し跡
大きさ 成虫で0.3mmのため
肉眼での確認はほぼ不可能
成虫で0.5~0.8 mmのため
肉眼での確認は困難
成虫で3~4mmだが
吸血後は1cmになることも
成虫で2~3mmの大きさ。
ぴょんぴょん跳ねる
成虫で5~8mmなので目
を凝らせば肉眼で把握できる
乳白色 淡黄~オレンジ 焦げ茶~黒 赤茶~茶 赤茶
症状 死骸や糞などから
アレルギー症状を引き起こす
刺されてから5~8時間で
腫れ始め2日目にピーク
吸血に気づかず、
後日感染症を起こすことも
刺されてから1~2日後に
腫れ始める
刺されてから一週間前後で
腫れ始める

もし、特定の部位が集中的に刺されていて痒みがとても強い場合、皮膚科で薬を処方してもらいましょう。また、南京虫が原因の場合、個人による退治は難しいので、業者に駆除の依頼をすることをおすすめします。

1-3. ダニアレルゲンによるアレルギー反応

「布団のダニは退治したはずだから、ダニが痒みの原因とは考えられない」

このような場合、ダニアレルゲン(ダニの死骸、糞など)がまだ布団に残っており、それが原因でアレルギー反応(アトピー性皮膚炎)が生じている可能性があります。

部位 症状
鼻づまり、鼻水、くしゃみなど。アレルギー性鼻炎。
気管支 咳、気道の炎症、呼吸困難など。気管支喘息。
皮膚 痒み、湿疹、蕁麻疹など。アトピー性皮膚炎。
目やに、痒み、充血など。アレルギー性結膜炎。

ダニの繁殖が落ち着いた秋の時期に多い原因です。この原因が疑われる場合は、以下の対策を行いましょう。

  • ベッドシーツ・カバー類を洗濯機洗いする
  • 布団・マットレスにゆっくり掃除機をかける
  • 布団・マットレスをクリーニングに出す
  • ベッド、畳、カーペット、ソファ、部屋の隅までゆっくりと掃除機をかける

洗濯機洗いと掃除機がけでとことんキレイにしましょう。そうすることで大方のダニアレルゲンは除去可能です。

1-4. ダニノイローゼ(ダニ被害妄想)

珍しいケースですが、布団にダニがいると強く思い込みすぎていることが原因で、痒みが生じることもあります。

ダニ検査を何度行っても加害種が検出されず、心理的要因や身体的要因などによってかゆみが収まらないものを、ダニが原因であると信じて疑わない精神的な症状である。

(引用:『室内微生物汚染 ダニ・カビ完全対策』 小峰裕己 編著)

この原因の場合、精神的な症状であるため、あなたの認識を変えることが対策となります。

専門医に症状を診てもらうのも1つの手です。詳しくはこちらのページ『ダニを気にしすぎの方、その症状はダニノイローゼかも。』をご参考にしてください。

1-5. 寝具素材に対するアレルギー反応

「最近、寝具を新しく買い替えたばかり」という場合、寝具の素材が原因でアレルギーが生じている可能性があります。

  1. ラテックス
    側生地があるためラテックス素材に直接触れる訳ではないとしても、ゴムアレルギーの方は使用を控えることをおすすめします。
  2. そば殻
    そばアレルギーの方は使用を控えましょう。使用に応じてそば殻が割れていくと、吸引の恐れがあり症状がさらに悪化する恐れがあります。
  3. 特価品の羽毛布団
    羽毛がアレルギーを起こすことはかなり稀なケースですが、生地からの羽毛の吹き出しているような環境下だとその可能性は否定できません。また、羽毛の洗浄が不十分なモノの場合、雑菌が原因となっている可能性も考えられます。

1-6. 皮膚と布団カバー・シーツの乾燥

比較的冬に多い原因ですが、皮膚と布団カバー・シーツの生地が乾燥しているために痒みが生じていることがあります。

ニベア クリーム
ニベア クリーム

皮膚に関してはクリームを塗るなどして保湿することで乾燥予防をしましょう。私はお風呂上がりに水で少し薄めたクリームを乾燥している部位に塗っていますが、痒みをほとんど感じなくなるほどです。

布団カバーとシーツが乾燥でガサガサしている場合は、長時間の天日干しなどによる生地の痛みが原因と考えられます。一度傷んだ生地を回復するのは困難なので、これからは以下の2つの対策を取りましょう。

  1. 柔軟剤と洗濯ネットを使用して洗う
  2. 乾燥機で乾かす、もしくは、日陰干しをする

また、ヒート系(吸湿発熱)生地の敷パッドやパジャマは、汗の吸い取り機能がすごいので、皮膚の乾燥が激しくなります。私はヒート系の長袖を着ると、腕が白くなるくらい乾燥して痒くなります。もしお心当たりがあるのなら、この手の敷パッドやパジャマなどは控えるようにしましょう。

1-6-1. 熱いシャワーを浴びるのは厳禁

皮膚が乾燥気味の人の中に、熱いシャワーを浴びて痒みを鎮めている人がいますが、今後は絶対に行わないようにしましょう。

これは、ただでさえ弱っている皮膚に、軽いヤケドを負わせているようなことになる。それにアトピーのように皮膚が過敏になっている人は、軽い刺激ですら、かゆみとして感じてしまうので、あとで地獄のような強いかゆみがおとずれることになる。

(引用:『なぜ皮膚はかゆくなるのか』 菊池 新 著)

たしかに、熱い湯につかった後、皮膚がかゆくなることありますよね。

私は今まで血行が良くなっているからだと思っていましたが、どうやら、皮膚が軽いヤケド状態になって痒みを感じているそうです。心当たりがある方は、一度入浴温度を40℃程度にしてみて変化があるか様子を見ることをおすすめします。

1-7. むずむず脚症候群

もしあなたの感じる痒みが、

  • 脚の内部で虫がはっているように感じ
  • ちくちく、ひりひりするような感じ
  • 夕方から夜間にかけて生じやすい
  • 夜になると体がかゆくなる

これらに該当するのであれば、むずむず脚症候群という睡眠障害の可能性があります。

こちらのページ『むずむず脚症候群の原因とは?症状の程度をQ&Aチェック』で詳しく解説しているのでご参考にしてください。

2. かゆみの原因が布団かどうか見極める方法

寝ているときに肌がかゆくなると「布団やマットレスのせい?」と考える方は多いですが、原因は必ずしも寝具だけではありません。

ここでは、布団が原因かどうかを切り分けるためのチェックポイントを紹介します。

2-1. ダニや寝具由来のかゆみ

布団やマットレスに潜むチリダニ・ツメダニなどは、赤い小さな腫れや翌日にかゆみを生じるのが特徴です。ダニアレルゲンはアレルギー性皮膚炎や鼻炎を引き起こすこともあり、防ダニ加工や布団乾燥機・掃除機での定期的なお手入れが重要です。

布団をめくって白い粉(死骸やフン)が見える場合もありますが、微小なため市販の検査キットを使って確認すると確実です。

2-2. アレルギーや敏感肌によるかゆみ

布団や寝具素材に含まれる化学繊維や染料が合わない場合、抗菌加工がされていてもかえって肌に刺激を与えることがあります。

新しい寝具を使い始めてからかゆみが出た場合は、この可能性も考えられます。敏感肌や低刺激性の素材に変えると改善することがあります。

2-3. 乾燥や寝汗によるかゆみ

冬場の乾燥で肌が粉をふいたり、夏場の寝汗で皮膚に刺激が残ることでかゆみが出るケースもあります。布団乾燥機や除湿シートで湿気を管理しつつ、加湿器で部屋の湿度を整えると予防につながります。

2-4. ダニ以外の要因

かゆみの原因が布団以外にあるケースも少なくありません。カーペットやソファ、パジャマの素材が合わない、またはストレスや飲酒・熱すぎる入浴といった生活習慣がかゆみを悪化させることもあります。

布団に原因が見当たらないときは、日中も症状が続いていないかを確認し、他の要因も切り分けることが大切です。

3. 布団のかゆみ対策グッズはある?

布団のかゆみを防ぐには、日常的なケアに加えて専用のグッズを活用するのが効果的です。ここでは代表的なアイテムを紹介します。

3-1. 布団乾燥機

湿気はダニやカビの温床になります。天日干しが難しい梅雨や冬場でも、布団乾燥機を使えば内部までしっかり熱風を届けられ、ダニ駆除やカビ防止に役立ちます。

3-2. 掃除機・布団クリーナー

ダニアレルゲンは死骸やフンとして布団内部に残るため、表面を払うだけでは不十分です。布団専用クリーナーや掃除機のアタッチメントを使うと、繊維の奥に入り込んだハウスダストまで取り除けます。週1〜2回を目安に行うと効果的です。

3-3. 防ダニカバー・ダニシート

防ダニ加工が施された布団カバーやマットレスカバーは、ダニの侵入を防ぎます。さらにダニシートを併用することで、布団周辺の環境を清潔に保ちやすくなります。敏感肌や子ども用にも安心です。

3-4. 抗菌敷きパッド・低刺激性寝具

抗菌加工が施された敷きパッドや、低刺激性の素材を使った寝具は雑菌の繁殖を抑え、敏感肌でも安心して使えます。寝汗を吸収し、洗濯機で丸洗いできるタイプを選べば清潔を維持しやすいでしょう。

3-5. アレルブロック洗剤

布団カバーやシーツの洗濯時にアレルブロック成分や酵素系の洗剤を使うと、ダニのフンや死骸に含まれるタンパク質を分解できます。これによりアレルゲンを減らし、かゆみのリスクを軽減できます。

最後に

もしかすると、お昼に食べたエスニック料理の具材の何かが当たっていたり、布団に入る前にカーペットでダニに刺されていたり、夕食後に食べたお土産のフルーツが原因だったりする可能性もあります。

もし症状がひどいようでしたら、皮膚科に相談しにいきましょう。

また、もし「ダニが気持ち悪いから布団ごと買い換えよう」とお考えでしたら、以下のページで綿、羊毛、ポリエステルなどの素材別に、腰・背中をリラックスさせて眠るためのサポート性、キレイに維持するための衛生性、日常生活を楽にするための取扱性、の3つの点から敷布団の選び方をご紹介しています。あわせてご参考にしてください。

関連記事:【熟睡敷布団のおすすめ9選】正しい選び方3つのコツ

よくある質問

Q1. 布団のダニはどれくらいで繁殖する?

A.ダニは高温多湿な環境(温度20〜30℃、湿度60%以上)で急速に繁殖します。特に布団の中は寝汗や皮脂が溜まりやすく、最短で2〜3週間ほどで個体数が倍増することもあります。ダニの繁殖サイクルは、

  • 卵から成虫まで:約2週間〜1ヶ月
  • 成虫の寿命:約2〜3ヶ月
  • 繁殖力:1匹のメスが数十〜百個以上の卵を産むことも

一度繁殖が進むと、布団内部に大量のダニが潜むこともあり、根本的な対策が必要になります。

Q2. かゆいけどダニが見えないのはなぜ?

A.ダニは肉眼では見えないほど小さく(0.2〜0.4mm程度)、刺された跡やかゆみがあっても姿を確認できないことがほとんどです。また、かゆみの原因は必ずしも"生きているダニの噛みつき"とは限らず、以下のようなケースもあります。

  • ダニの死骸やフンに含まれるアレルゲン(タンパク質)によるアレルギー反応
  • 寝汗やホコリ、カビによる皮膚刺激

そのため、「ダニがいない=原因不明」ではなく、見えないアレルゲンが肌や呼吸器を刺激している可能性が高いです。

Q3. 防ダニ布団でもかゆみが出る理由は?

A. 「防ダニ布団」とは、ダニが侵入・繁殖しにくい生地(高密度織り・加工)を使った布団のことですが、完全にダニを"ゼロ"にするものではありません。

かゆみが出る主な原因は、

  • 中綿や表面に付着したダニの死骸・フン
  • 布団カバーの洗濯頻度が少ない
  • ベッドやマットレスなど周辺環境にダニが残っている

防ダニ布団を使用していても、定期的な掃除機がけ・布団乾燥機・洗濯によるアレルゲン除去が必要不可欠です。

Q4. 布団が原因のかゆみを根本から防ぐ方法はある?

A.はい、布団によるかゆみを根本的に防ぐためには、ダニの繁殖を防ぎ、アレルゲンを除去する「総合的な対策」が重要です。具体的な4つの方法を徹底しましょう。

  1. 防ダニカバー・防ダニ布団の使用(物理的にダニの侵入をブロック)
  2. 布団乾燥機で週1回以上高温乾燥(ダニ退治&湿気除去)
  3. 掃除機で表面のダニの死骸・フンを吸引(アレルゲン除去)
  4. こまめな洗濯と天日干し、もしくは布団丸洗い(カビやホコリ対策も兼ねる)

また、寝室全体の湿度管理(50%以下を目安)や、すのこベッド・除湿シートの活用も効果的です。 1つの方法だけでなく、複数を組み合わせて「ダニが繁殖しづらい環境」を保つことが、根本的なかゆみ対策につながります。

商品を絞り込む
種類
お悩み
機能性
季節
シーン
素材
価格
-
絞り込み結果:
絞り込む