ダニアレルギー対策に効果的な布団の選び方|原因・掃除・洗濯のお手入れ方法も解説

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ダニアレルギー対策に効果的な布団の選び方|原因・掃除・洗濯のお手入れ方法も解説

布団に入ると体がかゆくなったり鼻がつまったり、ダニアレルギーの症状に悩まされることはないでしょうか?

なんとか症状をおさえようと、布団のダニアレルギー対策を調べると、さまざまな情報が出てきます。が、どの方法が効果的なのかよく分からず、さらに悩むきっかけになると思います。

そこで本日は、

  • ダニアレルギーの原因と症状
  • ダニアレルギー体質の方向けの布団の手入れ方法
  • ダニアレルギーの方におすすめの布団
  • ダニアレルギー対策に効果的な布団選びのポイント

についてご紹介します。

0. ダニアレルギーの原因と症状を知っておこう

ダニアレルギーは、布団や寝具に潜むチリダニ(ヒョウヒダニ)の死骸やフンに含まれるアレルゲン物質が原因で発症します。特に湿気が多く、温度が20〜30℃の環境ではダニが繁殖しやすく、寝具の中はその温床になりがちです。

ダニが増えることで、寝ている間にアレルゲンが吸い込まれたり皮膚に触れたりし、次のような症状を引き起こします。

  • 朝起きたときの鼻づまり・くしゃみ
  • 目のかゆみや充血
  • 喉の違和感・咳・息苦しさ
  • 肌のかゆみ・湿疹・赤み

これらの症状は、ハウスダストや花粉症と似ていますが、寝具の環境が原因で悪化することが多いのが特徴です。とくに小さな子どもやアトピー体質、喘息を持つ人は影響を受けやすいため、「ダニを減らす」+「アレルゲンを溜めない」寝具環境が不可欠です。

ダニアレルギーを防ぐには、ダニが「入り込めない素材」を使う・ダニの「繁殖しにくい環境」を保つ・ダニアレルゲンを「定期的に除去する」。この3つを徹底することが大切です。

1. ダニアレルギー体質向け|布団のお手入れ3ステップ

ご紹介のお手入れは以下の3ステップです。

手軽にできることから徐々に本格的なお手入れになります。

  • シーツとカバーを洗濯する
  • 布団に掃除機をかける
  • 掛け敷布団の水洗い/クリーニング

全てのお手入れをする必要はなく、1ステップ目で症状が改善されれば、そこでお手入れを終了しても構いません。

また、お手入れが面倒であれば、ダニ対策アイテムで工夫して楽にするのも一手です。

1-1. STEP1: シーツとカバーを洗濯する

まず最初にやるべきことは、布団のシーツ、カバー、タオルケットを洗濯機で洗うことです。

ダニアレルギー症状の原因となっているダニアレルゲンの大部分を占める糞は水溶性のため、家庭用洗濯機洗いでほぼ全部洗い流すことができると報告されています。

ダニ
除去率
ダニアレルゲン
除去率
評価
シーツ、
カバー、衣類
90% ほぼ100% ダニが生地に潜り込む余地がないため、
洗濯機の水流でほぼ全て洗い流すことができる。
毛布、
厚いタオルケット
50% 90~100% 家庭用洗濯機で50%程度のダニは除去でき、
ダニアレルゲンはほぼ大半を除去できる。
掛け敷布団 40% 90% 布団の中綿に潜り込んだダニは専門業者による
丸洗いでも簡単には除去しきれない。

たったこれだけでも、意外と症状が緩和されることがあります。

また今後は、シーツとカバーは布団を汚れから守ってダニの繁殖を抑える役目もあるため、汚れる前にこまめに洗うようにしましょう。

週に1度、どんなに少なくとも2週間に1度は洗濯するようにしましょう。

1-2. STEP2: 布団の掃除機掛け

シーツとカバーの洗濯では症状の改善が見られない場合、敷布団と掛け布団に掃除機がけをしましょう。

掃除機で生きているダニを除去することはできませんが、布団の表面近くにあるダニアレルゲンを約半数取り除くことができると報告されています。

布団1枚に3分間丁寧に掃除機をかけると、表面の側生地の下の中綿のダニアレルゲン量が掃除機をかける前に比べて半減する という結果が出ているからです。これはあくまでも表面部分に近い中綿でのことです。

(引用:『住まいQ&A 寝室・寝具のダニ・カビ汚染』吉川翠、戸矢崎紀紘、田中正敏、須貝高、生協・科学情報センター 共著)

少し手間ですが片面に3分間ゆっくり掃除機をかけましょう。

「ダニに特化した布団クリーナーを使うべきか?」という質問がたまにありますが、数百円前後で販売されている布団掃除用の専用ノズルの使用で十分だと思います。

1-3. STEP3: 掛け敷布団の水洗い/クリーニング

それでもダニアレルギー症状があるとすると、布団に相当大量のダニアレルゲンが溜まっていると考えられます。

その場合、少し面倒ですが布団を洗いましょう。

お持ちの布団によって以下の4パターンのうちのどれかになると思います。

  • 洗濯可能な布団であれば洗濯機洗い
  • 手洗い可能な布団であれば浴槽で揉み洗い
  • 手洗いも不可なら宅配クリーニングに出す
  • マットレスは出張クリーニング業者に依頼

ダニアレルゲンは水溶性なので、じっくり布団を浴槽で揉み洗いすれば十分洗い流すことができます。

しかし、布団自体が洗えない場合や、自分で洗うと中綿がダマになりそうで心配であれば、専門のクリーニング業者に依頼することをおすすめします。

クリーニングの概要や注意点に関してはこちらのページ『まとめ洗いは効果薄?!布団クリーニングでダニ退治の注意点』『マットレスクリーニングの料金相場と注意点|依頼前に知るべき内容を解説』をご参考にしてください。

2. 布団のダニアレルギー対策|注意点とNG行為

布団を干してもダニアレルギー対策にはならない点、注意しましょう。

布団から湿気を取ることでダニの繁殖を抑制する効果はありますが、ダニアレルゲンが減ることはありません。

また、布団を一生懸命叩かれる方もいますが、布団を叩くと布団内部から表面にダニアレルゲンが出てきて、さらにダニアレルギー症状を起こしやすくするので注意が必要です。

布団 除去作業(排泄物) 除去前 除去後 除去率
A たたく 10,300 13,600 -32.00%
B たたく+掃除機 23,700 13,900 41.40%
C 掃除機 28,900 14,900 48.40%
布団 除去作業(虫体) 除去前 除去後 除去率
A たたく 12,300 15,500 -26.00%
B たたく+掃除機 36,200 19,600 45.90%
C 掃除機 40,300 24,300 39.70%

(引用:『ダニ・カビ完全対策』 小峰裕己 編著)

なお、布団を干すときは天日干しよりも陰干しをすることをおすすめします。

というのも、直射日光に長時間さらされると、人の肌が日焼けをするように、布団の生地(繊維)も日焼けをしてしまい、その結果、糸ぼこりが出やすくなるためです。

ダニアレルギー体質の方は、ほこりにも敏感だと思うので注意しましょう。

3. 掃除ってアレルギー対策として効果あるの?

ここまで、布団の掃除方法をご紹介してきましたが、もしかするとあなたは「布団をキレイにするだけで本当にダニアレルギー症状が和らぐの?」と疑問に思っているかもしれません。

しかし実際に、こまめな掃除によってアレルギー症状が改善したと調査実験により検証されているのです。

気管支喘息患者4名に連日の掃除を指導し、1名についてはカーペットの除去、全寝具の更新も行った結果によれば、ダニ密度が比較的低く、軽症であった症例3,4番では、連日掃除によって症例が改善し、掃除によるアレルゲン除去の影響が大きいことが推察された。

(引用:『室内微生物汚染 ダニ・カビ完全対策』 小峰裕己 編著)

アレルギー症状が軽症であれば、布団を含めた毎日の掃除で症状が改善しています。

ステロイド依存性のある重症患者は掃除だけでなく、カーペットをフローリングに変更し、寝具を買い替えていますが、それによって症状が改善したと報告されています。

ダニアレルギー体質の方は、ほこりにも敏感だと思うので注意しましょう。

4. ダニアレルギー対策に効果的な布団選びのポイント

アレルギー体質の方にとって、布団選びは「防ダニ性能+通気性+清潔性」のバランスが最も重要です。ここでは、素材や構造の観点から、ダニが繁殖しにくい布団を選ぶポイントを解説します。

4-1. 高密度織りの側生地を選ぶ

ダニの侵入を防ぐには、1インチあたり250本以上の高密度織り生地が理想です。繊維の隙間が小さいため、ダニやアレルゲンが布団内部に入り込みにくく、薬剤を使わずに防ダニ効果を発揮します。

「防ダニ加工布団」と表示されている場合でも、薬剤コーティングではなく物理的にブロックするタイプを選ぶと安心です。おすすめの素材としては、綿高密度織り、ポリエステル高密度織り、テンセル®混生地です。

4-2. 洗える布団(ウォッシャブルタイプ)を選ぶ

ダニの死骸やフンは水に溶けやすい性質があるため、洗える布団が最も効果的な対策です。家庭用洗濯機対応のウォッシャブル布団なら、アレルゲンを90%以上除去できます。

特に中綿素材にポリエステル中空繊維やフォスフレイクス®素材を使用しているタイプは、乾きが早く清潔を保ちやすい点も魅力です。

4-3. 通気性・吸湿性にも注目する

防ダニ性だけでなく、湿気がこもらない通気性と吸湿発散性も大切です。湿気はダニの繁殖原因になるため、すのこベッドや除湿シートとの併用も有効でしょう。

通気性の高いテンセル®やリネン混素材を使用した布団カバーを組み合わせることで、より快適な寝環境を保てます。

4-4. 抗菌防臭加工の布団を選ぶ

アレルゲン対策には、抗菌・防臭・防カビ加工が施された布団も効果的です。特に「SEKマーク(繊維評価技術協議会認証)」が付いた商品は、安全性が高く、薬剤残留の心配が少ないため、敏感肌や子どもにもおすすめです。

4-5. 中綿素材にも注目

布団の内部に使われる中綿素材によって、ダニの繁殖しやすさが変わります。

中綿素材 特徴 ダニ対策効果
ポリエステル中空繊維 軽量で乾きやすく、通気性◎ ダニ繁殖を防ぎやすい
フォスフレイクス® 水洗い可能・復元力高い アレルゲン蓄積を防ぐ
羽毛(ダウン) 保温性高いが湿気に弱い 定期的な乾燥・クリーニング必須

特に「防ダニわた入りのポリエステル布団」や「高密度カバー付きダウン布団」は、軽量かつ清潔を保ちやすく、アレルギー対策と快適性を両立できます。

5. ダニアレルギーでお困りの方におすすめの布団

もしあなたが「ダニ対策ができる布団に買い換えようかな」とお考えでしたら、

  • 家庭用洗濯機で丸洗いできるもの
  • 高密度生地でダニが布団内部に入れないもの

のどちらの布団を選ぶことをおすすめします。

fossflakes-super-quilt

製品:フォスフレイクス スーパーキルト
価格:9,900円
【当製品の販売ページ】

綿100%の高密度生地が採用された布団です。中材はポリエチレン樹脂由来のフォスフレイクスにポリエステルわたを30%ブレンドしています。自社製品のため恐縮ですが、薄くて軽くドレープ性がよく体への密着感があり肌着のような使用感です。もちろん、洗濯機(もしくはコインランドリー)で丸洗い出来るので長く衛生的にお使いいただけます。

製品:スザキーズプレミアム掛け布団
価格:15,984 円
【当製品の販売ページ】

ポリエステルを高密度に織り上げた生地を使った掛け布団です。ダニを布団内部で繁殖させにくくできます。また、家庭用の洗濯機で丸洗いも可能なので、布団表面にダニがついてしまっても洗い流せられます。ポリエステル生地なのでやや蒸れやすいので、綿や麻、シルク、テンセル®︎素材などの布団カバーを併用しましょう。

製品:☆アレルギークリア☆
敷布団価格:33,264円 【敷布団の販売ページ】
掛け布団価格:30,456円 【掛け布団の販売ページ】

こちらは綿100%で高密度生地に仕立てあげた布団です。お値段がやや上がってしまいますが、防ダニ性だけでなく、蒸れにくさなどの寝心地もこだわりたい方におすすめです。

最後に

「書いてある通りにダニ対策のお手入れをしたのに、なんかまだ症状が多少ある気がする」という場合、畳やソファーなどにもダニがいることが考えられます。

こちらのページ『これで絶滅!ダニの発生原因、症状、駆除、予防の総まとめ』で対象別にダニ退治の方法をご紹介しているので併せてご参考にしてください。

よくある質問

Q1. ダニアレルギーでも布団を干すのは効果がありますか?

A. はい。天日干しには「湿気を取り除き、ダニの繁殖を抑制する効果」がありますが、ダニそのものを死滅・除去する効果は限定的です。ダニは高温多湿を好み、湿度60%以上・温度25〜30℃で繁殖します。

天日干しで布団の表面温度が50℃前後まで上がっても、内部の温度は40℃以下しか上がらないため、布団の奥に潜むダニは生き残る可能性が高いのです。

したがって、天日干しは「湿気対策」や「ニオイ除去」として有効です。「ダニ除去」には掃除機による吸引や丸洗いを併用することが重要です。

おすすめの手順としては、下記になります。

  1. 晴天日に2〜3時間、裏表を入れ替えながら天日干し
  2. 干した後に掃除機で両面をゆっくり吸引(1㎡あたり20秒以上)
  3. 定期的に布団乾燥機(60℃以上で1時間)を使うと、ダニの死滅率を高められます

注意点としては、布団を叩くとダニの死骸やアレルゲンが舞い上がり、空気中に拡散して逆効果です。軽くブラッシングする程度にとどめましょう。

Q2. ダニを通さない布団カバーは本当に効果がありますか?

A. はい。高密度織り生地(1インチあたり250本以上)の布団カバーは、物理的にダニを遮断する仕組みを持ち、非常に高い防ダニ効果を発揮します。

ダニの体長は約0.2〜0.4mmですが、高密度織りカバーはそれよりも細かい繊維間隔(約0.06mm以下)で構成されており、繊維の隙間からダニが侵入できません。薬剤を使わないため、化学物質による肌刺激がなく、敏感肌や小さな子どもにも安心です。

さらに最近では、以下のような機能性加工も増えています。

  • 防ダニ×抗菌防臭加工:汗や皮脂による菌の繁殖を抑制
  • 吸水速乾・通気性強化タイプ:蒸れにくく、快適な睡眠環境をキープ
  • 静電気防止加工:冬場のほこり付着を軽減

選ぶポイントとしては、下記になります。

  • 「薬剤不使用」「高密度織り」「SEKマーク(衛生加工認証)」をチェック
  • 布団だけでなく、枕カバーや敷きパッドも防ダニ仕様で統一すると効果が高まります

Q3. ダニアレルギー体質の人は布団をどのくらいの頻度で洗うべき?

A. 掛け布団・敷布団ともに、年2〜3回の丸洗いが理想です。特に春(花粉期後)と秋(湿気シーズン後)は、アレルゲンが蓄積しやすいため、季節の変わり目に洗うのがおすすめです。

  • シーツ・布団カバー:週1〜2回
  • 枕カバー:2〜3日に1回(顔の皮脂や汗が多いため)
  • 敷布団カバー/パッド:週1回程度

ポイントとしては、家庭洗濯OKの「ウォッシャブル布団」なら、40℃前後のぬるま湯で洗濯ネット使用することです。また、洗濯後は完全に乾かす(天日または乾燥機60℃以上)ことで、アレルゲンの再発生を防止できます。

もし、洗えない布団は年1回程度の布団クリーニングまたは布団乾燥機+掃除機で代用すると良いでしょう。

Q4. ダニアレルギーに効果的な素材は?

A. ダニ対策に最も効果的な素材は、高密度織りコットン・ポリエステル高密度織り・ウォッシャブル中綿素材の3つです。

素材タイプ 特徴 ダニ対策効果
高密度コットン 通気性が高く、自然素材で肌触り◎。ダニの侵入を物理的に防ぐ。 ◎(薬剤不使用でも高防御)
ポリエステル高密度織り 軽量で乾きやすく、静電気防止加工付きタイプも多い。 ◎(水洗いでき衛生的)
フォスフレイクス®・ポリエチレン中綿 通気性が高く、水洗い後も復元性が高い。 ◎(内部繁殖を抑制)

おすすめの組み合わせとしては、下記になります。

  • 外側:高密度防ダニカバー(通気性・吸湿性の良いテンセル®混素材)
  • 中材:ウォッシャブル中綿(ポリエステル中空繊維やフォスフレイクス®)

この組み合わせにより、「ダニが入り込まない+内部でも繁殖しない」二重防御構造を実現できます。

また、防ダニ効果を維持するためには、月1回の陰干しと定期洗濯が欠かせません。薬剤コーティングに頼らず、繊維構造と清潔管理でダニアレルギーを根本から軽減するのが理想です。

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