睡眠

光は天然の睡眠薬!上手な活用方法と注意点

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加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。1,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。取材依頼はお問い合わせから。インスタグラムでも情報発信中⇒フォローはこちらから

「朝浴びる太陽の光は睡眠薬よりも効果的だ」とまで言われるほどですが、それは決してオーバーな言い回しではありません。

太陽の光(もしくは強い光)は体のメカニズムに影響を与えて睡眠に作用するのです。しかも、驚くほど効果的に。ただ、浴びる「時間たい」と「量」を間違えると効果がなかったり、逆に眠れなくなってしまいます。

そこで本日は「光は天然の睡眠薬!上手な活用方法と注意点」についてご紹介します。


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1. 午前中に光を浴びると睡眠ホルモン「メラトニン」が分泌される

そもそもなぜ光を浴びることが睡眠によいのかというと、メラトニン量を増やしてくれるからです。

メラトニンは「睡眠ホルモン」と呼ばれるほど眠りに影響を与える脳内物質です。

メラトニンとは、松果体より分泌される脳内ホルモンで、トリプトファンからセロトニンを経て合成される。昼間は少なく夜間睡眠時に分泌が上昇する。メラトニンは直接的に睡眠作用を持つほか、概日リズム(体内時計)に深く関係し、深部体温を低くする作用があり、睡眠・覚醒リズムの調整に重要な役割を果たしている。

(引用:『医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック』宮崎総一郎・佐藤尚武 編著)

このメラトニンは食事から摂取できない(サプリがあるが日本では買えない)ので、光を浴びることが大切なのです。

どのようにメラトニンが脳内で合成されるのかというと、以下の流れになります。

How-melatonin-is-made
メラトニンが合成される流れ
午前中の光が夜間のメラトニン合成を促す

トリプトファン(必須アミノ酸)は食事から摂取できます。バランスの良い食事を摂っていれば不足することはまずないそうです。が、気になる方は下記ページで詳しく説明しているのでご参照ください。

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なお、午前に光を浴びると夜間にメラトニン分泌量が増えますが、その過程でセロトニンの分泌量も同時に増えます。セロトニンは別名「幸福ホルモン」と呼ばれており、精神の安定にかかわっています。そのため、日光を浴びることで睡眠が良くなるだけでなく、精神面の改善も見られると考えられます(もちろん、睡眠が良くなることで精神が安定する側面もあります)。

さらにいうと、光は人の体内時計(生体リズム)を調整する役割もあります。通常、人の体内時計は1日24時間強で進んでいきます。そのため、光を浴びずに暮らすと下記のチャートの自由継続型のようにズルズルと生活時間帯が後退していってしまうのです。

sleep-phase

次に、光を浴びることで実際に睡眠が良くなったとされるデータを紹介していきます。

1−1. 窓から光が入るオフィスワーカーは睡眠の質・生活の質が高い

オフィスワーカーの方にぴったりなデータがあります。アメリカのノースウェスタン大学とイリノイ大学の共同研究です。2つのグループが作られ睡眠と生活の質が比較調査されました。

  • Aグループ:窓から日光が入る職場で働いている。
  • Bグループ:窓がなく日光が入らない部屋で働いている。

AグループはBグループよりも173%多くの日光を勤務中に浴びています。それぞれのグループに属する人の生活や睡眠を比較したところ、以下のことがわかりました。

  • Aグループの睡眠は46分間長い(入眠が良好で、睡眠の中断が少ない)。
  • Aグループのほうが活発に行動する傾向がある。
  • Bグループは全体として睡眠の質や睡眠障害のスコアが低いだけでなく、身体的問題や活力のスコアも悪い。

驚愕するほど大きな差ですよね。

日中の活動にまで影響が出ていることを考えると、「天然の睡眠薬」以上の効果があるように思えます。職場の窓際から遠いところで働いている人は窓際への移動を要請する、もしくはお昼休みに日向ぼっこをするなどすると眠りの質を高められます。

1−2. 夜更かし型(睡眠相後退型)不眠が2500lxの光を1週間浴びると改善

オーストラリアのフリンダース大学が2007年に行った調査では、夜更かし型の不眠がたった1週間で改善したと報告しています。こちらの実験でもまず2つのグループが作られ、それぞれ1週間異なった照度の光を浴びてもらいました。

  • 2500lxの明るい光を午前に浴びる
  • 100lxのほの暗い赤色の光を午前に浴びる
illuminance-Data
身近な光の照度

そして、睡眠の質、不眠の程度、日中の調子などを調査したところ、100lxの光を浴びたグループには大した変化がなかったものの、2500lxの光を浴びたグループでは、

  • 1時間21分もメラトニンの分泌が早まり
  • 入眠時間が早まり
  • 入眠にかかる時間が短くなり
  • 合計睡眠時間が平均で51分も長くなり
  • 不眠の程度が軽くなったと感じられ
  • 就寝前の不安感も減り
  • 日中の疲れ・眠気が減り調子が良くなった

と報告されています。

2500lxの光(晴れた日の窓際辺りの照度)を浴びるだけでここまで改善されるのはびっくりですよね。

1−3. 精神生理性不眠が10,000lxの光を60日浴びると改善

さらにすごいデータがあります。

スタンフォード大学が2004年に、精神生理性不眠(心理的不安から眠れなくなる症状)すらも日光を浴びることで改善されたと報告しています。

60歳以上の精神生理性不眠に悩む人たちが2つのグループに分けられました。

  • 毎日20分10,000lxの光を60日間浴びるグループ
  • 毎日45分10,000lxの光を60日間浴びるグループ

そして、入眠にかかる時間、総睡眠時間、疲労感、日中の調子にどのような変化があるか調べました。

その結果、どちらのグループにも改善はあったものの45分光を浴びたグループでかなりの改善がみられたそうです。また、60日間の試験が終わってもその効果が継続していたようで6ヶ月目の時点でも光による睡眠改善は戻っていなかったようです。

10,000lxを45分というと、曇りの日でも良いので屋外で活動をしていれば自然と浴びられますよね。60日間続けるのは根気が要りますが、逆に根気さえあれば費用も副作用もなく睡眠が改善させられるので是非試してみてはいかがでしょうか。

※採光の良い老人ホームだと入居者がよく眠れる

また他にも、私が学会で聞いたところでは(江戸川大学の福田一彦教授の話だった気がします。違っていたらすみません。)、老人ホームでも光が活用されていてすごく役に立っているそうです。

ある老人ホームでは夜中になると、おじいちゃんおばあちゃんが「眠れない」「夜中に目が覚めた」とウロウロ徘徊することがずっと問題になっていたそう。日中の運動量が少ないご老人だと眠りが短く浅くなるのでしょうがない部分もあるのですが、福田教授が目をつけたのが光。光環境を整えてご老人たちの眠りを改善しようと取り組みました。具体的には、日中にご老人が集まるスペースの屋根をガラス張りにしたり鏡を置いたりして採光量を増やしたのですが、かなり効き目があったようで夜になるとご老人が皆さんバタバタと眠るようになったとか。


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2. 夜間の光は避けるべし!メラトニンの分泌を抑制する

ただ、光を浴びるのは日中の間だけに留めておきましょう。

というのも、夜間に強い光を浴びると、脳内で合成されるはずのメラトニンが抑制されてしまうからです。日本の一般的な家庭の照度は300~500ルクスですが、この程度の明るさでもメラトニンの分泌が抑制されてしまいます。

illuminance-Data
身近な光の例を再掲します
  • 夕食後は部屋の照明を暗めにする
  • 間接照明器具に変えてみる
  • 夜間はスーパーやコンビニに行かない
  • パソコンやスマホの影響画面の照度を下げる

日本の住宅照明は明る過ぎます。明かりを落とし生活してみてください。いつもより早い時間帯に眠気が催してくるはずです。

なお、スーパーやコンビニの店内は500~700lxあると言われています(近年対策が取られており、ここまで下がったが数年前は1,000lxあると言われていた)。どうしても夜間に行く必要があれば、サングラスをかけるなどをして対策しましょう。

2−1. 夜間の光の影響は子供にはさらに悪い

お子様をお持ちの方はここからは心して読んでください。

実のところ、子供は大人よりも光の刺激でメラトニンが抑制されやすいのです。しかも、想像以上に。2018年コロラド大学のラミーゼ・アカセム教授が実験によりそれを数値化しました。

実験対象は3~5歳の健康な子供が10名。試験期間は7日間で、その間、唾液から採取されたメラトニン値がこまめに測定されていました。最初の5日間はスケジュール管理された生活を送り(ならし期間)、6日目の午後から15lxしかない暗い部屋に入れられました。7日目もそのまま暗い部屋に入れられていましたが、各自、いつもの就寝時間の1時間前になったところで明るい光(1,000lx)を1時間当てられました。そして、その前後のメラトニン量を調べたところ、下記のようだったと報告されました。

How-strong-light-affects-melatonin
光の刺激によりメラトニンの合成が阻害されている

なんと、通常であれば就寝時刻の1時間前からメラトニンが増加して体が入眠モードに入るにもかかわらず、全く増えていないどころか減っています。

前日までの入眠時刻でのメラトニン量は87.6%以下、1,000lxの光の照射が終わってから1時間経ってもメラトニン量は50%以下となっています。かなりの減少しているのが分かりますよね。

この実験の後日談としてラミーゼ・アカセム教授がNew York Times紙で語っていたところによると、子供たちは疲れているはずなのに元気そうだったと語っています。さすがに15lxの明るさにすることは難しいと思いますが、夕食後からは間接照明で部屋を照らすようにすることをおすすめします。

2−2. 眠るときは真っ暗よりもほんのり薄暗い方がいい

なお、眠るときは完全に真っ暗の状態(0lx)よりも多少明かりがある環境(0.3lx)のほうが、深い睡眠がえられたと報告されています。0.3lxの明るいさとは、部屋を暗くしつつもカーテンをちょっと開けておくくらいの明るさです。

ただ、豆電球をつけてしまうと眠るには明るくなり過ぎる(9lx)ことから、睡眠の質を下げてしまう上に、肥満の原因になりえると報告されています。これは奈良県立医科大学の大林賢史教授による調査なのですが、奈良県に住む528人の高齢者の睡眠環境を調べたものです。

  • 照度が3lx以下(平均0.4lx)の環境で眠っている383人
  • 照度が3lx以上(平均8.7lx)の環境で眠っている145人

その結果、豆電球環境で眠っていてグループでは、体重、BMI、胴回りサイズなどの値が高い傾向があることがわかりました(fpg(空腹時血糖値)、HbA1c(ヘモグロビンa1c)、tg(中性脂肪)など値も高かった)。

大林教授によると、明るい環境で寝ることで体内時計が乱れ、睡眠の質を下がり、レプチン(食欲抑制ホルモン)が減少し、グレリン(食欲増進ホルモン)が増加し、食欲が増えることで肥満になったのではないかとのことです。

たかが豆電球、されど豆電球です。思えば、人類は数百万年もの間、暗い環境で眠るのが自然だったため、ちょっとした明かりがあることでも体の歯車が乱れてしまうんですね。なので、これから眠るときは明かりを消すようにしましょう。

2−3. 液晶画面からブルーライトをカットするよりも明るさを徹底的に落とすべし

ティム・ブラウン教授率いるイギリスのマンチェスター大学の報告によると、ブルーライトよりも、イエローライトやホワイトライトのほうがメラトニンの分泌を抑制するとのことです。

そのため、夜間になるとスマホやパソコンの画面が黄色くなるようなナイトモードは睡眠にとっては逆効果になると考えられるようになりました。

ただ、ティム・ブラウン教授曰く、光の色よりも明るさが肝心とのことです。つまり、「色」にこだわるよりも画面から発せられる光を抑えるほうが賢明なのです。例えば、私は夜、パソコンの画面を極限まで暗くするようにしています(QuickShadeというアプリを使っています)。

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パソコンの画面を暗くするイメージ

左がMac book proの画面を最大まで暗くした状態、右がアプリでさらに暗くした状態のイメージです。真っ暗なところでも画面上の文字が読みにくくなるくらい暗くなります。

就寝前、私は読書をします。その時勉強になったことをパソコンにメモします。そういうときにこのアプリが役に立ちます。多少タイプミスが増えますが、大きな問題はありません。


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最後に

長くなりましたが私が伝えたいことは「午前中に光を浴びて、夕方以降は光を避ける」。これだけです。たった、これだけのことを実践していただくだけで睡眠の質に大きな変化が現れますので、是非、本日から試して見てください。

他にも睡眠の質を上げるための具体的な方法を以下のページで紹介しているのであわせて参考にしてみてください。

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