
春夏秋冬いつも快適に眠るために、敷きパッドは大きな助けになります。
しかし、そのためには敷きパッドをどう使うのか、どのような素材・生地のものを選ぶのかが重要になります。もちろん、正しく日々のお手入れをすることも大切です。
そこで本日は「敷きパッドの正しい使い方、選び方、お手入れ方法、おすすめのもの」についてご紹介します。
1. 敷きパッドとは|他との比較でよく分かる
敷きパッドとは、わたが詰められた薄いパッドで、マットレスの上に敷いて直接その上に寝て使います。
とは言うものの、いまいち分かるようで分からないかと思います。そこで、ベッドパッドやシーツなどの類似製品と比べてみましょう。4つの観点から比較をすると敷きパッドについてよく分かるようになります。
写真や○△×の表だけでは分かりづらいと思うので、各ポイントについて具体的に説明していきます。
1−1. クッション性は低いので、寝心地改善は期待できない
敷きパッドの厚みは1cmもないものがほとんどです。
1kgもの大量のわたが詰められるベッドパッドや、ウレタンフォームを中材に使うトッパーと比べると、クッション性はゼロに等しく、へたったマットレスの寝心地改善などには向きません。
1−2. 汚れ防止のために有用
敷きパッドにクッション性がないと言ってもわたが詰められているので、ベッドシーツよりもマットレスから汚れを守ることにおいては秀でています。
マットレスの上にシーツだけを敷いていると寝汗が徐々に浸透し汗染みを作ってしまいますが、敷きパッドなら一枚だけでも汗染み防止にお役立ていただけます。ただ、おねしょとなると流石にマットレスを守りきれないので、そのような際は防水プロテクターなどを利用することをおすすめします。

1−3. 冷感やあたたか生地など季節に応じたバリエーションがある
- ひんやり冷たい接触冷感生地
- 吸湿発熱するあたたか生地
- カラッと爽やかな除湿中材
などなど温湿度調整機能のある生地や中材があるのも敷きパッドならではです。

羊毛わたを中材としたベッドパッドも、若干暖かみがあり温湿度調整を行えますがかなり高価です。また、繊維素材・生地にこだわったベッドシーツに暖かみのある吸湿発熱効果(凝縮熱)や、接触冷感効果を持つものがありますが、そこまで強く効果を実感できるものは稀です。
1−4. やや重いがこまめな手入れができる
敷きパッドは洗濯機で洗うことができます。
ベッドシーツよりはやや嵩張りますが手軽に洗えるのは大きな利点です(敷きパッドは直接その上に寝ることが想定されているので洗えて当然といえば当然ですが)。ちなみに、多くのベッドパッドはクリーニングに出すことが推奨されていますし、トッパーの洗濯・クリーニングは不可です。
2. 敷きパッドの正しい使い方
敷きパッド(と上記の類似製品)の正しい使い方(マットレスに敷く順番)は、以下のイラストのようになります。

もちろん、これらを全部使う必要はありません。
使い分けることが大切です。おすすめの組み合わせをご紹介していきます。あなたのニーズに合うように使い分けましょう。
2−1. 極力少ない組み合わせなら敷きパッドのみで十分
(下)マットレス → 敷きパッド(上)
実際、ほとんどの方はマットレスの上に敷きパッドを敷くだけで十分かと思います。3章で詳しく紹介しますが、夏はマットレスの上に接触冷感敷きパッド、冬はあったか敷きパッド、春秋はオールシーズン使える敷きパッドがあれば寝心地、温湿度、汚れ対策の全てにご満足いただけるはずです。
2−2. 好みのベッドシーツがあるならシーツの下に敷きパッド
(下)マットレス → 敷きパッド → ベッドシーツ(上)
しかし、もしあなたがお気に入りのシルクのベッドシーツだったり、エジプト超長綿のベッドシーツを持っているのなら、敷きパッドの上にそのベッドシーツを敷かれることをおすすめします。敷きパッドに高価な繊維素材が使われることはほぼないので(構造上高価になりすぎたり、無駄の多い作りになるため)、最高級の肌心地を求めるのならベッドシーツで満たすようにしましょう。
2−3. おねしょなど懸念があるならプロテクターの上に敷きパッド
(下)マットレス → プロテクター → 敷きパッド(上)
もしあなたがお子様や犬猫と一緒に寝ていて、飲みこぼし、汚れ、おねしょなどの懸念があったり、防ダニ対策を徹底したいとお考えなら、敷きパッドの下に防水プロテクターを使用するようにしましょう。マットレスが汚れることがなくなりますし、プロテクターによる蒸れやすさを敷きパッドで防ぐことができます。
2−4. マットレスの寝心地が悪くなっているのならトッパーの上に敷きパッド
(下)マットレス → トッパー → 敷きパッド(上)
マットレスを長期間使用しているがためにへたりや硬化が気になるのであれば、マットレスの上にトッパーを敷き、そしてその上に敷きパッドを敷くようにしましょう。トッパーはほとんどウレタンフォームなどの洗えない素材で作られています。汚れから保護するために、そして蒸れやすさを防ぐためにも、敷きパッドを上に敷くことをおすすめします。
※ベッドパッドと敷きパッドの組み合わせは悪手となる可能性がある
ベッドパッドと敷きパッドを組み合わせてはいけないことはありません。
しかし、ベッドパッドと敷きパッドのどちらもふかふかな厚手なものだと、やや寝づらくなる嫌いがあります。もしあなたがベッドパッドも敷きパッドも両方お持ちなら、二つともマットレスに敷いた状態と、片方のみマットレスに敷いた状態とで比較をして、寝づらくならないか確認することをおすすめします。
3. 春夏秋冬季節に応じた敷きパッドの選び方
敷きパッドの選び方はシンプルに2通りです。
- オールシーズン使えるものを春夏秋冬使い続ける
- 季節に応じた素材・生地のものを季節に応じて使い分ける
のどちらかです。とは言っても、素材・生地のことはよく分からないと思いますので、選ぶ上で目安となるポイントを解説していきます。
3−1. 夏でも冬でも吸湿性・吸水性は絶対必要
- 一瞬冷たいだけですぐにヌルくなり蒸れてくる接触冷感敷きパッド
- 暖かいどころか蒸れて暑苦しくなるあったか敷きパッド
このような商品、見聞きしたことあるかと思います。試験データの見てくれの数値だけを追うと、このような商品が出来上がってしまいます。何が問題なのかというと「吸湿性・吸水性がないこと」です。
そのため、吸湿性・吸水性のない繊維(ポリエステル、ナイロン、アクリル)しか使われていない敷きパッドはおすすめできません(中材に吸湿材があれば問題ない)。蒸れは快眠の敵だと心得ましょう。
布団の中の温湿度を専門的に寝床内気候(シンショウナイキコウ)と呼びます。温度が33℃、湿度が50%前後だと快眠出来るとされています。繰り返しますが、蒸れは快眠の的です。

3−2. 接触冷感機能に期待しすぎないこと
夏になると接触冷感敷きパッドが脚光を浴びますが、どのような素材が使われているか吟味することをおすすめします。
q-max値が0.2以上あれば接触冷感素材となり、0.3でまあまあ冷たく、0.4で結構冷たいなと感じられますが、その冷たさが3分以上するものはほぼ存在しないと考えていただいて結構です。寝室がかなり冷えていたたり、扇風機が常に風が送られていたり、ベッドに入って3分以内に寝付けるのなら話は別ですが。
そのため、あまり接触冷感には期待しすぎないようにしましょう。

私のおすすめは綿(コットン)です。特に、冷感加工された綿はややひんやり感がある上に、吸湿性・吸水性があり、しかも肌触りもなかなかです。
ポリエステルとレーヨンが混紡されているものもひんやりして気持ちよく、さらっとして気持ちいいです。ポリエステルの棍率が高くなると蒸れやすいので注意が必要ですが。麻(リネン)はひんやりしている上にさらっと肌離れがよく気持ちいいですが、やや硬めの肌あたりです。1万円以上するものでないとゴワゴワ感に気になるかと思います。
3−3. あたたか機能は適度で十分
冬になるとあたたか敷きパッドが人気になりますが、これもまた注意が必要です。
あたたか敷きパッドの素材・生地は以下の3つのパターンに当てはまることがほとんどですが、ポリエステル・アクリル繊維の起毛生地のもの、吸湿発熱繊維素材が使われているものは寝苦しくなる恐れがあります。
ポリエステル・アクリル繊維の起毛生地の敷きパッドで寝ると寝苦しくなるのは吸湿性・吸水性がないからです。上で説明した通りです。
吸湿発熱はと言うと、体温を下げるメカニズムを阻害する恐れがあるからです。

人は眠りに入るときに体温を下げます。そのために200mlもの寝汗をかきます。つまり、寝汗とは体を冷ますための生理的現象なのです。
もうお気づきでしょうか。体温を下げるための寝汗を吸収して生地が発熱してしまっては体温が下げられません。眠りのメカニズムに真っ向から対立しているのが吸湿発熱素材なのです。吸湿性・吸水性があるから良いという訳ではないのです(また、吸水しすぎて肌が乾燥してしまうこともあります)。
このような理由から、コットンフランネルのような生地は、暖かみがありつつも吸湿性・吸水性があるからおすすめです。
3−4. おすすめの敷きパッド
自社製品となり恐縮ですがおすすめの敷きパッドをご紹介します。

製品:除湿・消臭敷きパッド
価格:7,980円
【購入はこちら】
生地がひやっと気持ちいい敷きパッドです。お菓子の袋の中によく入っている除湿剤のシリカゲルを中材に詰めているため寝汗をとてもよく吸収します。熱帯夜でもカラッと爽やかに眠れます。また、シリカゲルには消臭効果もあるので、汗臭、加齢臭、タバコ臭などもスッキリ除去します。

製品:あったかドライミング敷きパッド
価格:10,778円
サイズ:100×205cm
【購入はこちら】/【商品紹介ページはこちら】
あたたかい敷きパッドです。ポリエステルの起毛生地がふわふわとあたたかで快適です。冬におすすめです。ポリエステル起毛は蒸れやすい嫌いがありますが、シリカゲルの中材が吸湿の役割を果たすので暖かくも蒸れにくい寝心地を再現します。寒さが苦手な方におすすめです。
4. 敷きパッドのお手入れ方法
敷きパッドをずっと快適に使うために、正しくお手入れをする必要があります。
直接敷きパッドの上に寝ているのなら1~2週間に1度、敷きパッドの上にシーツを敷いて寝ているのなら2~3ヶ月に1度を目安に洗濯しましょう。
そして、敷きパッドを洗濯するとき、以下のポイントに気をつけましょう。
- 洗剤は中性洗剤がベスト
- 漂白剤は必要なときにのみ使う
- 柔軟剤は繊維の吸水性を悪くしないもの使う
- 洗濯ネットは使用推奨
酸やアルカリの強い洗剤・漂白剤は、繊維(特にウールなどの動物素材)の使用感を損なうことがあるため、控えるようにしましょう。
また、一般的な柔軟剤の中には、繊維の表面を界面活性剤の膜が覆うようにコーティングしてしまい、繊維素材の吸水性を悪くするものがあります。綿の敷きパッドなのに蒸れて寝苦しくなる、なんてことになってしまいます。そこでおすすめなのが以下のような柔軟剤です。

価格:716円
【販売ページはこちら】
例えば、こちらの柔軟剤ブランドは吸水性を悪くしないように改良が加えられており、洗い上がりを柔らかにするのはもちろん、繊維の吸水性を損ねにくいのでおすすめです。赤ちゃんのためによい柔軟剤を探していたところ発見したものなのですが、意外にも自分自身にもぴったりでした。敷きパッドだけでなく、タオルや衣類などもこのような柔軟剤を使うことをおすすめします。
そして、敷きパッドに限りませんが、洗濯ネットはなるべくどんな洗濯物にも使用することをおすすめします。洗濯による生地の痛みが明らかに和らぎます。良い状態を長持ちさせられます。
製品:布団用 特大 洗濯ネット
価格:1,597円
【当製品の販売ページ】
敷きパッドが入るほどの洗濯ネットなんてお持ちの方は少ないと思いますが、このような洗える布団用などの特大サイズの洗濯ネットであれば、敷きパッドも余裕で入れられます。ここまで大きなサイズの洗濯ネットはドラッグストアなどでも取り扱いが少ないです。
最後に
長くなってしまいましたが、敷きパッドの使い方から選び方、そしてお手入れ方法まで包括的にご理解いただけていれば幸いです。
「オリジナル敷きパッド」を買いたいのですが、「ページが見つかりません」と出てしまいます。現在、売られてないのでしょうか?宜しくお願い申し上げます。
友枝様
申し訳ございません。
オリジナル敷きパッドはただいま売り切りになっております。
ご不便をおかけして申し訳ありません。
加賀照虎
質問です。
現在すのこベッドの上に西川のドライウェル、マニフレックス246の上に肌触りが好みのパシーマのキルトケットをかけています。
寝汗をかくのですが、やはりマットレスの上にはベッドパッドを挟んだ方が良いでしょうか?
その場合こちらのパッドを使った場合、マットレスの機能には影響しますか?
ご回答よろしくお願いいたします。
ももぷち様
コメントありがとうございます。
マニフレックス246の側生地はポリエステル65%、綿35%とのことなので、出来れば綿、麻、レーヨンなどの吸水性・吸湿性のある素材が使用されたパッドを選ぶのが理想です。もし眠るときに背中が暑くなるなどの蒸れ感があるのであれば違いを感じられるかと思います。
ご紹介のパッドどれについても言えることですが、表面に1cmある柔らかいフォームとの間にパッドが入ることで、寝心地が本当に若干ですが硬く感じられるようになるかもしれません。
他にも何かありましたらお気軽にどうぞ。
加賀照虎