
天然ゴムが原料のマットレスと聞いて興味を持つ人が多いのが、ラテックスマットレスです。高反発マットレスとも、低反発マットレスとも異なるその寝心地にとても興味が湧くと思います。
しかし、今の日本ではあまり注目されていないためか情報が少ないのが現状です。
そこで本日は「ラテックスマットレスの優れた点、使用上の注意点など7つの特徴」をご紹介します。
Contents
1. ラテックスマットレスの7つの特徴
ラテックスマットレスの特徴を一言で表すとすると、「柔らかいのに弾性のある快適な寝心地だけど使い勝手で好みが分かれる」といった具合です。
どういうことなのか、各特徴を個別にご紹介していきます。
※その他のマットレス(7種類)との比較情報が知りたい場合、こちらのページ『絶対後悔したくない人向け!マットレスの上手な選び方』をご参考にしてください。 |
※実は3タイプあるラテックス素材
特徴の前に前提として知っておいてほしい知識ですが、ラテックス素材と一口に言っても、3つの種類に分けられることはご存知でしょうか。
- 合成ラテックス
- 天然ラテックス
- 天然ラテックス100%
ラテックスはゴムの樹液を発泡させて生産するのですが、この時に他の原料を混ぜ合わせることにより種類が変わります。天然ゴムの保有量が80%以上であれば天然ラテックス、それ以下であれば合成ラテックス、他の原料が無ければ天然ラテックス100%となります。
もちろん、天然ゴムの保有量が多いものの方が良いです。合成ラテックスだと耐久性が劣っていたり、ゴム臭が強かったりなど、マットレス素材としての使用には難があります。
ちなみに以下の動画は、ゴムの樹液が採取されるところからラテックスマットレスが出来上がるまでを短くまとめているので興味がある方はご覧ください。
○ラテックスマットレスの優れた点
それでは次にラテックスマットレスの特徴を優れたポイントからご紹介します。
①優れた体圧分散性と優しい反発力

冒頭でラテックスマットレスは快適な寝心地と申しましたが、それは体圧をきれいに分散する柔らかさと同時に反発力を併せ持っているためです。
柔らかいマットレスであれば体圧を分散しますが、腰が沈み込みすぎないために適度な反発力が同時に存在することが大切です。
この点においてラテックスマットレスは、ゴム特有の弾性の働きによって腰を持ち上げるため、キレイな寝姿勢をサポートします。
②耐久性が高く処分が楽でエコ
さらに、密度がしっかりしているものは耐久性が高く長期間の使用が期待できます。
もちろん、合成ラテックス素材のマットレスの中にはへたりやすいものもあるので注意が必要ですが、天然ラテックス100%素材のものは製造者側もコストをかけて発泡しているのでムラの少ない品質の良いものが多いです。
また、処分がエコに行える点もラテックスの特徴で、土に埋めてしまえば数年で分解され自然に帰ります。とはいっても、実際に土に埋める人はいないと思います。しかし、ラテックス素材を細かくちぎりゴミ袋に入れて捨てることもできるので処分はとても楽です。(※燃える、燃えない、資源ゴミかは地方自治体により変わりますので、各自ご確認ください。)
③抗菌性があるため衛生的
天然ラテックス素材は抗菌作用を持っているため衛生的です。そのため、雑菌が繁殖しにくくカビが生えにくいという特性を持ちます。また、ダニもマットレス内部に寄せ付けにくいです。
衛生面を重視してマットレスを選ぶ方に評価されるポイントです。
抗菌性はラテックス素材の最大の特徴でもありますが勘違いしてはいけない点が、ラテックスマットレスを覆う側生地(カバー)までは抗菌ではない点です。なので、マットレスの下に除湿シートを敷くなどの湿気対策やお手入れをしなくて良いという訳ではありません。
○ラテックスマットレスの使用上の注意点
このように寝心地も良く、耐久性にも優れる上、抗菌性があり衛生的な素晴らしいマットレス素材のラテックスですが、若干使い勝手が悪いところがあるのが実情です。
海外ほど日本で販売されていない理由ともいえます。
とはいえ、以下で紹介していくデメリットが気にならなければ、あなたはラテックスとの相性が良いとも考えられます。
④通気性を考慮した使用を心がける
ラテックス素材はそこまで通気性が良くありません。そのため、ピンホールという穴がたくさん空いた形状がほとんどですが、やはり熱帯夜にはムレ感が生じることがあります。これが日本でラテックスが受け入れられない最大の理由かもしれません。
とはいえ、空調管理の行き届いた部屋であれば、ムレ感を強く感じることはほとんどありませんし、高価なラテックスマットレスには側生地にウールわたがキルティングしてあったりと、ムレ対策がきちんとされています。また、そのようなムレ対策のされたマットレスでなくとも、ベッドパッドやひんやり敷きパッドを別途購入することで、この懸念は解消されます。
⑤ゴム臭に敏感なら天然ラテックス100%を選ぶ
ゴムの臭い若干するので臭いに敏感な方には不向きかもしれません。
特に合成ラテックスはゴム臭が強いのでおすすめできません。天然ラテックス100%素材であれば臭いは大きく軽減されます。なので、臭いに敏感な方は購入前にスメリング(臭いのテスト)を行うようにしましょう。
※ちなみに臭いに敏感ではない私の体感としては、天然ラテックス100%のマットレスに寝転がった状態で臭いが気になったことはないです。
⑥重いことを念頭に置く
とても重たいです。例えば、厚み10cmのシングルサイズで約20kg弱、厚み15cmのダブルサイズだと優に35kgを超えます。
マットレスを長持ちさせるために定期的に裏表をひっくり返すメンテナンス作業や、除湿シートの換気のお手入れ、引っ越しの場合の搬出入などは手間がかかります。重量だけでなくグニャッとなる分余計持ち運びが煩雑です。
そのため、もしあなたがダブルサイズのラテックスマットレスを買おうと考えているのなら、80cm幅のラテックスマットレスを2つ用意して繋げてご使用することをおすすめします。マットレスの間に溝ができる上に予算も上がりますが、長い目で見ると定期的なケアは楽になります。
⑦ゴムアレルギーをお持ちの方は使用厳禁
多くの方には無関係な話にはなりますが、原料がゴムなので、もしあなたがゴムアレルギーを持っていたらアレルギー反応が出ることがあります。
そのため、ゴムアレルギーをお持ちの方はラテックスマットレス(枕も)の使用は控えましょう。
(追記)ラテックスマットレスのお手入れ方法
「ラテックスマットレスの日々の掃除やお手入れはどのようになりますか?他の種類のマットレスと異なる点はありますか?」との質問がありましたので追記しますが、
- ラテックスは重たいため側生地を外しにくい
- ラテックスは水洗い不可
- 業者によるクリーニングも不可
これら3点を踏まえて、掃除・お手入れについて考えなくてはなりません。
つまり、一度ラテックスマットレスを汚してしまうと掃除が大変なので、敷きパッド、もしくは、マットレスプロテクターを併用してラテックスが汚れないようにしましょう。そして可能であれば、側生地はオープンファスナー構造(全周ファスナー)でマットレスを動かさずとも上面の側生地のみ取り外せる仕様のものをおすすめします。そうしていただければ、
- 2~4週間に1度を目安にパッドorプロテクターを洗濯機洗い
- その際、マットレスに掃除機をかける
- 側生地は汚れたときだけ洗濯機洗い
- 万が一、ラテックスが汚れたら固く絞ったタオルでサッと拭く
加えて、もしもあなたのご家庭(寝室)が多湿環境であれば、除湿シートをラテックスマットレスの下に敷いておくとなお良しです。
快適なマットレスの寝心地を損ねない高品質なマットレスプロテクターはこちらのページ『知らなきゃ大損?!防水マットレスプロテクターの賢い選び方』をご参考にお選びください。
まとめ
ラテックスマットレスは天然ラテックス100%素材のものをおすすめします。
そうであれば、寝心地、耐久性、衛生面に優れた良いものをお選びいただけると思います。と同時に、4つの注意点(通気性、ゴム臭、重さ、アレルギー)を念頭に置いてあなたの生活状況・体質に合うか考えることも必要です。
また、「いわゆる高反発マットレスってどんな寝心地?どういう風に選べばいいの?」と疑問であればこちらのページ『【品質表示まで解析】熟睡できる高反発マットレスの選び方』で正しい寝姿勢のための硬さ/柔らかさ、適切な厚み(高さ)などを説明しているので併せてご参考にしてください。