睡眠

寝不足の症状とは?自立神経の乱れと脳の疲労が原因

「ふらっとめまいを起こすことが多くなった」

もしかするとそれは寝不足が原因かもしれません。睡眠時間が足りないと自律神経が乱れますし、脳が疲労から回復することができなくなります。その結果、さまざまな辛い症状が起こります。

本日は「寝不足の症状とは?自立神経の乱れと脳の疲労が原因」についてご紹介します。

※こちらのページ『睡眠不足の悲惨すぎる症状一覧と、改善のための方法』で睡眠不足による心身へのデメリットの総まとめをしました。睡眠不足が気になる方はあわせてご参考にしてください。
著者情報
加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。2,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。
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1. 寝不足で起こりうる症状

各症状について理解を深めやすいよう、原因別にご説明します。

1−1. 自律神経の乱れにより起こる症状

  • めまい
  • 吐き気
  • 動悸
  • 肩こり
  • 頭痛
  • イライラ

これらは自律神経の乱れにより起こる症状なのですが、自律神経が何かというと

【自律神経とは】
身体全体に張り巡らされている神経。「意識しなくても活動している身体の器官」をコントロールしています。例えば、心臓が身体中に血液を送っていたり、ご飯を食べたら胃が消化したり、など。そして、この自立神経には「交感神経」「副交感神経」があります。これらは表裏一体の関係で、正反対の働きをします。交感神経は、活動時や興奮、緊張しているストレス下で働きます。瞳孔が広がる、心拍数が増える、覚醒度が上がる、という反応が身体に現れます。副交感神経は、休息時やリラックスしているときに働きます。脈拍を抑える、消化を促す、覚醒度を下げる、という反応が身体に現れます。

例えば、めまいは血圧をコントロールする自律神経が乱れることで、脳に送られる血液が不足して起こります。吐き気と動悸は、臓器の機能が低下したことによる不調のサインとして現れます。

また、自律神経が乱れて交感神経が優位な状態が長く続くと、体温が上がり微熱を感じます。さらに、頭・首・肩の筋肉が緊張し、血流が悪くなり、肩こりになります。また、筋肉が緊張することで、神経を刺激し、頭痛を引き起こします。

イライラしやすかったり怒りっぽくなったり精神状態が不安定にもなりやすくなります。

睡眠の悪化は、まずは、脳の前頭連合野の働きを低下させます。これは、やる気、感情のコントロールなどまさに人間の心を形作る働きをつかさどる部分ですから、怒りっぽくなったり、涙もろくなったりします。場合によってはうつ状態にもなります。

(引用:「ぐっすり眠れる3つの習慣」 田中 秀樹 著)

1−2. 脳が回復出来ずに起こる症状

また、睡眠が足りなくなると脳の修復と回復が追いつかず、脳に疲労物質が溜まってしまいます。その結果、脳のパフォーマンスや免疫力が下がり、以下のような症状が起こります。

  • ぼーっとする
  • 物覚えが悪くなる
  • 日中だるい
  • ものごとを選ぶだけで疲れる
  • 体調を崩しやすくなる

さらに、シカゴ大学の実験により明らかにされていますが、睡眠不足になるとホルモンの関係上、そして、脳の判断力が鈍ることで、食欲が増す上に中毒性のある砂糖(お菓子)や脂質(ジャンクフード)を食べがちになります。そのため、

  • 肌が荒れる
  • 太りやすくなる

など、美容・健康上の悪影響を出てきます。また、寝不足が極度のレベルの疲労に達すると、

  • マイクロスリープ(微小睡眠)

という急に眠りに落ちること症状も現れます。これは脳が自己防衛手段として行うシャットダウンと考えると分かりやすいと思います。あなたの意志とは関係なく、眠りに落ちてしまうのです。1秒から数秒の短い眠りのため、マイクロスリープと呼ばれます。運転中や作業中に起こると非常に危険ですから、眠気が強いときは仮眠をしましょう。


2. 症状の原因が寝不足にあるかは眠って判断すること

まずは眠りましょう。

眠っても感じている症状が治らなければ、原因は寝不足でないことが分かります(その場合は、病院に行き専門医の判断を仰ぎましょう)。

例えば、もしあなたが①平日に6時間睡眠②休日に8時間睡眠の生活を送っている。そして③日中、「以前より集中力が落ちた」、「肩こりが以前よりひどい」と感じており寝不足が原因なのか調べたい、とします。

まずは10日間でいいので睡眠時間を長くしましょう。平日は7時間休日は9時間に睡眠時間を確保するようにしてください。平日・休日共に睡眠時間をのばすのがポイントです。休日に寝溜めをしようとしても不可能です。また、休日の起床時刻が平日のそれよりも2時間以上遅くなると生活リズムが狂いやすくなります。翌週月曜日の朝だるくなるブルーマンデーの原因になるのでお気をつけください。

2−1. 適切な睡眠時間は人それぞれで答えがない

寝不足な人に「○時間眠るようにしましょう」と断定することはできません。

人それぞれ適切な睡眠時間が異なるからです。全人口の80~90%の人は、6~9時間の睡眠を必要とします。6時間以下の睡眠でも十分、健康的な生活を過ごせる短眠者(ショートスリーパー)と、9時間以上の睡眠をとらないと不調を感じる長眠者(ロングスリーパー)が、それぞれ5~10%程度存在しています。

5417人の理想的な睡眠時間
5417人の理想的な睡眠時間

どれくらい眠ると最高のパフォーマンスが発揮できるのか把握するようにしましょう。

あなたにとって理想的な睡眠時間はあなたの体が一番よく知っているはずです。


3. 睡眠の質を上げる方法

「なるほど、とにかく眠れば寝不足を解消できるのはわかった。でも現実問題として、時間がないから寝不足になっているんだ」と、あなたは考えているかもしれません。

それでは、睡眠の質に目を向けてみませんか。つまるところ十分な睡眠とは、「睡眠時間 × 睡眠の質」です。時間のない方は睡眠の質を上げることで、寝不足を解消に取り組みましょう。

科学的な実験を通して以下の方法で睡眠の質が上げられると報告されています。

  • 午前中光を多く浴びる
  • 運動をする
  • 眠るときの温湿度を最適化する
  • 寝る前にリラックスする

などなど以下のページでこれまで紹介してきた、数々の研究で実証された良質な睡眠のために「するべきこと」と「してはいけないこと」を網羅的にまとめています。美味しいところ(結論)だけをつまみ食いできる構成になっています。是非ご一読ください。

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最後に

まずは眠りましょう。

それであなたが感じている症状が改善されれば良いに越したことはありませんし、もし変化がなければ他の原因のはずなので病院に行くべきだと分かります。

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