
こんにちは、加賀照虎です。
「高反発マットレスで腰痛が治った!」
という口コミを見て、
「こういう体験談って本当かな・・?」
と疑問に感じたことはないでしょうか。
残念ながら、高反発マットレスで腰痛が治る保証はありませんし、モノによっては腰痛を悪化させてしまうこともあります。
しかし実際に、腰痛が良くなる人がいるのも事実です。
そこで本日は「高反発マットレスで腰痛になることを避ける3つのポイント」についてご紹介します。
これらのポイントを押さえていただければ、快適な寝心地のものを選びやすくなります。
Contents
1. 高反発マットレスで腰痛を避けるための3つのポイント
- 腰痛を避けるためのポイント
- どのような状態を目指せばいいのか
をそれぞれ順に説明していきます。
1−1. 硬すぎないこと(≒圧迫がないこと)
安い高反発マットレスの中に、寝心地が硬すぎるものがあります。
そのようなマットレスは例えば、耐久性を高そうにみせるために必要以上に硬めに仕上げられていたりします。
しかもその上、ウレタンフォームの表面がフラットで凸凹プロファイル加工やカッティングなどが施されていないため、体圧分散性が悪く体に全然フィットしません。
そのため、体の重い部位(主に腰)に体重が集中してかかるため、腰を痛めやすくなります。

また、背中にサポートがなく浮いてしまったままの寝姿勢になるため、背中への負担も大きくなります。
寝起きに腰・背中に痛みを感じるのみならず、腰・背中への不快感で眠れないことすらあります。
このような説明をすると、「なんでそんなマットレスが売られているの?」と驚かれますが、意外にも激安マットレスに限らず、ある程度有名な会社がそこそこの値段で販売していたりするのが現状です。
ずっと煎餅布団に慣れ親しんでいて「やや硬すぎるくらいの寝心地」じゃないと違和感がある人にのみ向けて設計されているのかもしれません。
それはそれとして、どのように高反発マットレスを選べばよいのかと言うと、体の重い部位が適度に沈む(≒スキマなく体にフィットする)くらいの体圧分散性があることを指標にします。
寝具業界でよく言われている、姿勢良く立っている状態を維持して、仰向け寝姿勢になれると理想的だというものです。

とはいえ、自分自身が寝ているときの姿勢がどんな状態か把握するのはなかなか困難かと思います。
そこで、私がおすすめする「マットレスの試し寝方法」をお試しください。
【試し寝方法】 マットレスの上で少なくとも5分は仰向け状態を維持してください(理想をいえば10分間)。その間、腰や背中に圧迫感やムズムズ感が生まれてこないか感覚を研ぎ澄ませていましょう。横向きで寝ることもある人は横向き寝状態を維持して、同じく腰に違和感が出てこないか確認しましょう。その他のチェックポイントは以下のページをご参考にしてください。 関連記事 |
1−2. すぐにヘタらないこと(≒寝姿勢が崩れないこと)
低価格な高反発マットレスはすぐにへたってしまいます。
そしてマットレスの中央の腰の辺りが陥没してしまいます。
そうすると腰が落ち込んだような悪い姿勢で寝ることになってしまいます。

この寝姿勢を立ち姿勢で再現すると、かなり腰が曲がっている姿勢になります。

この姿勢のまま立っていようとすると、一分もしない内に腰がツラくなってくるはずです。
この状態で一晩6~7時間も寝るなんて、腰をいじめているとしてか言いようがありません。
だから、ヘタッたマットレスを使い続けるのはダメなのです。
とはいえ、マットレスはいつか必ずへたります。
そのため、あなたが期待する耐用年数のマットレスを選ぶことが肝心です。
高反発ウレタンマットレスであれば、ウレタンフォームの密度を知ることで大まかな耐用年数を推し量ることができます。
例えば、もしあなたが3年しかマットレスを使う予定がなければ、密度が25Dのマットレスでもよいのです(環境には悪いですが)。
ただ、ある程度長く(7~8年)使うことを想定しているのなら、それに見合った耐久性(密度30D以上)のあるマットレスを選ばないと、へたったマットレスで寝ることになり腰を痛める恐れがあります。
1−3. 薄すぎないこと(≒圧迫がないこと)
高反発マットレスにはいろいろな厚みのものがあります。
薄すぎるもので寝てしまうと底つき感(腰がマットレスの下のフローリングやベッドの天板に当たること)があり、腰に圧迫が生まれてしまいます。
硬すぎるマットレスで寝ているのと同じように、腰に違和感があったり、最悪、痛みに繋がります。

あなたの体重を元に、適切な厚みのあるマットレスを選ぶようにしましょう。
高反発マットレスのウレタンが高密度だったり、フローリングの上でなく畳の上で寝る場合などは、上記で述べている厚みよりやや少なめに見積もっても可能といえば可能です。
2. 高反発マットレスで腰痛が改善するのか?
よく聞かれることなので、あなたも興味があるかと思います。
高反発マットレスで腰痛が改善したとの体験談を耳にされることがあると思いますが、私が思うにこれは「新しく買った高反発マットレスが素晴らしい」のではなく「前のマットレス(もしくは敷布団)がひどすぎただけ」というケースがほとんどです。
実際、弊社が販売している2万円弱ほどの高反発マットレス(私からすると80点の寝心地)を購入された方から「腰痛が治った」「背中の痛みが和らいだ」などのお声をいただくこともあります。稀に◯◯◯から買い換えたと商品名を出されている方がいますが、やはり業界内ではあまり評価の高くないマットレスだったりします。他にも、敷布団(薄いため寝心地が硬すぎることが多い)から買い換えられた方の寝心地の満足度は総じて高いです。私からすると80点ほどの寝心地のマットレスでここまで寝心地に満足していただけると、以前の敷寝具はどんな状態だったんだろうと心配になってしまうほどです。
ただ、誤解しないよう注意してほしいのですが、もしあなたの腰痛の原因がヘルニアなどの腰椎を元とするものであったり、骨の損傷、炎症や内臓の病気などの場合は、いくら素晴らしいマットレスを使っても改善を期待することはできません。事実、弊社の2万円ほどのマットレスを購入した方から「御社のマットレスには期待していたが、腰痛が治らなかったから返品させてほしい」と問い合わせを受けたことが2,3回ほどあります。もちろん、返品には応じましたが、このような方々は寝具以外に腰痛の原因があるはずです。
「マットレスを変えて腰痛対策だ!」と行動に移す前に、あなたの腰の痛みの原因は何か、事前に考えてみることをおすすめします。以下のページで詳しく解説しています。ご参考にしてください。
関連記事最後に
ご紹介の3つのポイントを押さえて、あなたが適切な高反発マットレスで腰のお悩みを解消できれば幸いです。
なお、以下のページであなたに合った高反発マットレスを選ぶポイント(硬さ、厚み、生地、耐久性など)とおすすめブランドを紹介しているのであわせてご参考にしてください。
関連記事
また、「高反発マットレス」に関するページを以下にまとめましたので、気になるトピックがあればあわせてご参考にしてください。
■あわせて読んでおきたい「高反発マットレス」の記事
①最高の高反発マットレスを選ぶ5つのポイントとおすすめブランド
②高反発マットレスとは|素材別の特徴と寝心地を解説
③低反発と高反発の違い、あなたに合うマットレスはどっちか
④高反発マットレスが原因で腰痛に。避けるための3つの知識
⑤高反発マットレスの厚みと硬さは「体重」を元に考える
⑥高反発マットレスのニュートン数をアテにしたらダメな理由
⑦高反発マットレスは「密度」=「耐久性(寿命)」
⑧高反発マットレスの表面、フラットとプロファイルの違いとは
⑨賢くお買い得に!高反発マットレス7つの比較ポイント
⑩高反発マットレスの通気性には期待してはいけない理由
⑪高反発マットレスはやっぱり三つ折り?メリットとデメリット
⑫高反発マットレスに敷きパッドは必須!季節別の選び方
⑬お店でマットレスの試し寝をする時の5つのチェックポイント
⑭マットレスでシングルサイズを選ぶ時の注意点
⑮【高反発マットレスVS敷布団】特徴と寝心地の違いとは
⑯高反発マットレスのダニ対策!素材別に解説
⑰高反発マットレスが臭い?その原因と対策について
⑱高反発マットレスのお手入れ方法
⑲高反発マットレスを処分!賢く安く捨てる方法