マットレス

高反発マットレスは「密度」=「耐久性(寿命)」

 
※高反発マットレスの種類別の特徴、スペックを比較した選び方などついてこちらのページ「【高反発マットレスのおすすめ5選】特徴をもとにした選び方」で徹底解説しています。ウレタン密度だけでなくさらに網羅的なマットレス選びの情報をお探しでしたらあわせてご参考にしてください。

こんにちは、加賀照虎です。

高反発マットレス選びをしているとき「ウレタン密度30D」との記載を見かけ、「ウレタンの密度ってなんだろう」と疑問に思ったことはないでしょうか?

素晴らしい着眼点です。

ウレタンの密度は、そのマットレスの良し悪しを決める大事な指標となります。

比較検討をする上でも重要なポイントになります。

そこで本日は「高反発マットレスの密度」について図解で分かりやすく説明していきます。

著者情報
加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。2,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。
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1. 高反発マットレスの「密度」とは「耐久性」を表す指標

高反発マットレスの密度とは、ウレタンフォームの密度(比重)のことです。

耐久性を表すための数値だとご理解ください(30DのDは英語の密度(Density)という言葉の頭文字)。

想像していただくと分かりやすいと思いますが、スカスカで軽いウレタンフォームとぎっしり詰まった重みのあるウレタンフォーム、どちらがより長持ちするでしょうか。

例えば、100均で売られているような食器洗い用スポンジのような、スカスカの低密度のウレタンフォームはすぐにヘタってしまいます。

スポンジもウレタンフォーム
スポンジもウレタンフォーム

もちろん、ウレタンフォームの密度が高いということは、より多くの原料が必要になるため製造コストも高くなります。

とはいっても、単純に密度が高ければ高いほど良いという訳ではなく、あなたが期待する想定年数に合う密度のマットレスを購入するのが賢いマットレスの選び方です。

と、そこで肝心の「ウレタン密度」と「耐久性」についてですが、ざっくり表すと以下のようになります。

ウレタン密度(kg/㎥)耐久性の評価
高反発低反発
20以下30以下数ヶ月~1年程度の使用に向いています。
1万円をきる安価なウレタンマットレスに使用されることが多いです。
25前後35前後3~5年の使用に向いています。
リーズナブルなマットレスに使用されることが多いです。
30前後40前後5~8年前後の使用に向いています。
国内・海外ブランドの有名なマットレスの密度がこの辺りです。
40以上50以上8年以上の長期使用に向いています。
高価で高品質なマットレスのウレタン密度はこの辺りです。

それでは次に、これらの密度についてやや深掘りしてご説明していきます。

1−1. 密度25D前後

3~5年程度の耐久性が期待できます。2万円前後のリーズナブルなマットレスの密度が大体この辺りです。正直、あまり長く使うことは期待できません。

ただ、転勤などのために2~3年でまた居を移すという方で、毎回マットレスを買い直している人にはいい選択になりえます。手頃な価格で毎回新しい寝心地を味わうことができます。とはいえ、環境のことを考えるともう少し耐久性の高いものをより長く使う方がよいとは思いますが。

1−2. 密度30D前後

5~8年の耐久性が期待できます。

国内・海外ブランドの有名高反発マットレスの密度がこの辺りになります。

中学校に入った子どもが高校を卒業するまでや、大学に入った子供が新卒2~3年目になって自立するまでの間、使い倒すのに丁度いい耐久性です。3万円を超えるそれなりのお値段のものが増えますが、ある程度長く使うことを考えるとウレタン密度の低い安いものを買うよりもお得です。

1−3. 密度40D前後

8年以上の耐久性が期待できます。

7~8万円を超える高品質な高反発マットレスに使われたり、10万円前後のスプリングマットレスに詰められているウレタンフォームはこれくらい高密度なものが多いです。

bedroom2

ただ、密度が40Dを超えてくるとウレタンフォーム自体がかなり重くなってくるのも事実です。そういう兼ね合いもあり、高反発マットレスに40D以上の密度のウレタンフォームが採用されていることは稀です。

1−4. 密度50D前後

10年以上の耐久性が期待できる品質です。

かなり高級な高反発マットレス、もしくは、10万円を超える高級なスプリングマットレスに使われます。

正直、ウレタンフォームの密度は40もあればよっぽど十分なレベルなのですが、そんな中あえて密度50Dのウレタンフォームを採用するメーカーはかなりのこだわりがあると考えられます。「他社のハイエンドマットレスはどんな作りなんだろう」と色々なメーカーのカタログを見てきた上で思うのですが、わざわざ密度50Dのウレタンフォームを部材に採用しているところは、こだわりの強いメーカーしかありません。

※「密度」と「硬さ」は無関係、「寝心地」もほぼ無関係

よくある質問なのですが、ウレタンフォームの「密度」と「硬さ」は一見関係ありそうですが無関係です。

しっかりした硬さだと耐久性が高く感じられますが、必ずしもそうではありません。「密度」と「寝心地」もほぼ無関係ですが、密度が低すぎるとウレタンがすぐにへたってしったり、弾力性のある柔らかさに仕上げられないので、全く無関係という訳ではありません。

とはいえ、ウレタンの密度と柔らかさをコントロールした上で、仕上がりに弾力性を持たせられるウレタン発泡メーカーは限られるのも事実です。

※柔らかいマットレスにはより高密度が求められる

柔らかいウレタンフォームは硬いものよりもヘタレやすいです。

そのため、より高い密度が求められます。

柔らかいウレタンフォームでしたら密度を5くらい足して硬めのものと同等と考えるとよいです(低反発ウレタンフォームなら+10くらいする)。

※高密度とはいってもある程度の厚みは必要

ここまで読むと「ウレタンの密度が高ければマットレスが薄くてもサポート性は十分になるの?」と疑問を感じられると思います。

結論から言うとYesですが、若干サポート性が高まるくらいです。

例えば、以下の2つのマットレスがあるとします。

  1. 高反発マットレス厚み6cm、密度40D
  2. 高反発マットレス厚み8cm、密度30D

どちらがより底つき感が少ないかといえば後者です。

密度が10Dも違うなんてかなり大きな差ですが、ウレタンの厚み2cmの差を超えるほどではありません。高反発マットレスの厚みについて考えるのなら、以下のページをご参考にしてください。

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2. 復元率99%でも使用環境によっては3年でヘタれる理由とその対策

話を一気にひっくり返すようで申し訳ありませんが、上記の「ウレタン密度30Dなら5~8年の耐久性が期待できる」というのはあくまでも理論値です。

つまり、使用環境によって大きく左右されるのです。

テレビのCMなどで「復元率99%」と言われているマットレスでも、実際に家で使ってみると2~3年でヘタってしまうことがあるのはこのためです。

なぜこのようなことが起こるかと言うと、試験環境と使用環境に差があるからです。

このような製品試験を行うときの湿度環境は大抵50%前後のやや乾いた状態です。

対して、マットレスの一般的な使用環境はと言うと、寝汗をかいたりするためかなり湿気った環境になります。

ウレタンフォームは湿気が天敵です。湿気った環境下で体重がかかり続けるとかなりへたりやすくなります。私の見立てでは復元率99%だったとしても80%を下回るのではと考えています。

そのため、マットレスの上にはシーツやパッド、プロテクターなどを使うことが推奨されているのです。

 イメージ役割
ベッドシーツbed-sheet1肌触りや汗取り、コーディネートのためのもの。汚れ防止の役割もあるが
生地が薄いためこれ一枚では不十分。多様な素材、生地、柄がある。
敷きパッドshiki-pad1肌触り、汗取り、温湿度調整、マットレスの保護の役割がある。
夏用の冷感生地や冬用のあたたか生地のものなど多様。
ベッドパッドbed-pad1敷きパッドと似ているが、より厚みがあり体圧分散性を高める
ためのものが多い。厚い分洗濯しづらいのでシーツとの併用推奨。
トッパーmattress-topper1薄いマットレス。へたったマットレスなどに重ねて体圧分散性を
改善させるために使う。この上に寝てはいけない。
プロテクターmattress-protector1防水生地のシーツ。マットレスを汚さずにキレイに使うための
保険のようなもの。種類は少ない。
除湿シートdehumidify-sheet2マットレス下の湿気を取るためのもの。床置きなら必須。
ベッドでマットレスを使うとしてもあったほうがベター。

以下のページで詳しく説明しているのであわせて参考にしてみてください。

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(追記)ウレタンフォームの密度は簡単に誤魔化せる

本日(2019年5月1日)広州交易会にて、仕入れ先のウレタンフォームメーカーの社長から知らされましたが、ここ数年、ウレタンフォームの密度を誤魔化しているメーカーが増えているようです。

そもそも密度とは、ウレタンフォームの体積に対する重さです。

例えば、重さ6kgで100×200×10cmのマットレスなら、6÷(1×2×0.1)=30となり、密度が30Dだと分かります。弊社のようにマットレスの製造を外部に委託しているメーカーは、作られたマットレスが届くやいなやサンプルを一つ抜き取り重さを測って密度が正確か確かめているのです。だから、マットレスの重さが規定どおりであれば問題ないのです。

が、なんと、石の粉を混ぜて密度を誤魔化しているメーカーがあるそうです。

ウレタンフォームの原料を少なくしてコストを下げつつ、石の粉を混ぜ込んで重さを出して見かけの密度を高めているとのこと。うーん、なんという悪知恵。困ったことに消費者だけでなく、我々や試験機関でさえパッと見でその違いを見分けられないほど巧妙なのです。そのため、「ウレタン密度30D」と記載があっても、もしかするとその試験結果自体がおかしいこともあるのです。どんなことにも抜け穴は存在するんですね。例えば、「ウレタン密度50D」と記載があるのに明らかなに価格が他と比べても安いものは注意することをおすすめします。

ウレタンフォームの密度が異なるとどれくらい耐久性に差があらわれるのか

百聞は一見にしかずです。

推定密度10Dのウレタンフォーム(左)と推定密度25Dのウレタンフォーム(右)の上に25lbの重り(約11kg)をのせてどれくらいの差があるのか実験している動画を見つけました。ウレタン密度の違いで生まれる耐久性の差がよくわかります。

また同時に、ウレタンが一度へたると復元させるのは不可能だということもよくわかります。


最後に

マットレスの密度がどういう性質のものかご理解いただけたかと思います。マットレス選びをする上で大事な要素なのでしっかりと覚えて、比較検討にお役立てください。

なお、以下のページであなたに合った高反発マットレスを選ぶポイント(硬さ、厚み、生地、耐久性など)とおすすめブランドを紹介しているのであわせてご参考にしてください。

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また、マットレスに関するページを以下にまとめましたので、気になるトピックがあればあわせてご参考にしてください。

■あわせて読んでおきたい「マットレス」の記事一覧
 – 選び方編
○マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順
○敷布団とベッドマットレスの比較。素材ごとの併用の相性とおすすめ
○【失敗しないマットレスの選び方】硬さ、厚さ、密度、線材を吟味
○マットレスの3種類7素材を比較|特徴と選び方、おすすめできる人
○低反発と高反発の違い、あなたに合うマットレスはどっちか
○【快眠の方程式】マットレスの理想の硬さ=理想の寝姿勢
○マットレスの正しい厚み(高さ)は「用途と目的」を軸に考える
○【マットレスの通気性】素材・加工ベースで比較評価
 – 使い方編
○【マットレスの使い方】シーツ、パッドの正しい順番とは
○マットレスにすのこは必要か?おすすめの選び方
○マットレスの上に布団を敷いてはいけない2つの理由と代替策
○マットレスの正しいダニ退治方法、二度と繁殖させない予防法
○マットレスのカビ除去方法と、再発を防ぐ予防対策
○ベッド・マットレスがずれる?それなら滑り止め対策を
○長生きでお得に!マットレスの寿命を判断する5つの目安
○賢い節約術!マットレスの処分方法を考えるべき順序

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