掛布団

あなたもプロの目利き!羽毛布団の適切な重さ(充填量)とは

※羽毛と羽根の比率、ダウンパワー、充填量などのスペックを比較した選び方についてこちらのページ「【偽装に負けるな】羽毛布団の選び方とおすすめ9選」で徹底解説しています。羽毛の充填量だけでなくより網羅的に羽毛布団選びを進めたい方はぜひご参考にしてください。

高品質な羽毛布団は軽くて暖かい。

しかし、「軽い」ことは「高品質」であることを意味しません。羽毛布団の暖かさを(良くも悪くも)削って軽くてしていることもあれば、快適な寝心地を蔑ろにしてコストダウンをした結果として軽くなっていることもあるからです。

逆もまた然りで、羽毛布団が重いからといって高品質であるとも限りません。羽毛布団に充填する羽毛の量には「適切な重さ」があり、高品質な羽毛布団はその適切な重さの範囲内で設計製造されています。

そこで本日は「羽毛布団の適切な重さ」についてご紹介します。

著者情報
加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。2,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。
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1. 適切な羽毛布団の重さとは

羽毛布団の重さとはつまり、「羽毛の充填量(布団内に吹き込まれた羽毛の量)」と「側生地の重さ」の合計です。

10万円を超える最高品質のものは冬物のシングルサイズで2kg前後の軽さですが、5万円前後の普及品レベルのものであれば2.6kg前後とやや重くなります。しかしその一方で、2万円前後の低品質な羽毛布団の中にも2kg前後の軽いものも存在します。

一体どういうことなのか、羽毛の充填量と側生地の重さをそれぞれ分解して考えると、スムーズに理解できます。そこで次に、それぞれ順に説明していきます。

1−1. 季節と品質で変わる羽毛の充填量

羽毛の適切な充填量は以下の2つのポイントにより左右されます。

  1. どの季節用か(夏用、春秋用、冬用)
  2. ダウンパワー (dp:かさ高性・復元力・保温性の指標

これらを踏まえたシングルサイズの羽毛布団の羽毛の充填量の目安は以下のようになります。

 夏用春秋用冬用
ダウンパワー

充填量の目安
300g未満400dp以上500g440dp1100g440dp
300g以上400dp未満600g400dp1200g400dp
700g350dp1300g350dp

当たり前の話ですが、暑い時期に高い保温性は必要ないので羽毛の量は少なくて十分です。

また、ダウンパワーが高ければ高いほど、少ない量でも十分なかさ高と暖かさが生まれるので、羽毛の充填量は少なくなります。ダウンパワーの目安については下の表をご参考にしてください。

ラベルダウンパワー
(フィルパワー)
 かさ高 ダウンの混率 清浄度  酸素計数 
プレミアムゴールド440dp(807fp)18cm以上93%以上500mm以上4.8mg以下
premium-gold-label
ロイヤルゴールド400dp(733fp)16.5cm以上90%以上500mm以上4.8mg以下
royal-gold-label
エクセルゴールド350dp(642fp)14.5cm以上80%以上500mm以上4.8mg以下
excel-gold-label
ニューゴールド300dp(550fp)12cm以上50%以上500mm以上4.8mg以下
new-gold-label

余談ですが、最高級の羽毛にはスティッキーダウン(またはチェーンダウンとも呼ばれます)といって、羽毛同士が絡み合ってくっついているようなものがあり、そのような羽毛布団となると冬用のシングルサイズのものであっても充填量が1,000gを切ることもあります。ただ、それでもふわっとかさ高があり暖かいのです。もちろん、お値段は数十万円からとなりますが。

1−2. 品質で変わる羽毛布団の側生地の重さ

羽毛布団の側生地に「適切な重さ」はありません。そのため、「ポリエステルなしでどれくらい生地が軽いか」が羽毛布団の快適さの1つの指標として考えましょう(なぜ生地が軽いと良いかは2−1で詳述)。

そもそも羽毛布団の側生地の重さとは、「素材」と「素材の品質」により変わってきます。

市場に出回っている大半の羽毛布団は綿100%、それか綿とポリエステルの混紡、もしくはポリエステル100%です。やや大まかですが、これらの側生地の重さと評価は以下のようになります。

生地素材生地重量評価
綿100%(100番手)800g10万円以上の最高級品向け。
布団と一体化するような使い心地。
綿100%(80番手)1000g8万円前後の高級品向け。
さらっとした肌触りの上、体によく馴染みます。
綿100%(60番手)1200g6万円前後の良品向け。
十分快適な肌触りと肌当たりです。
綿100%(40番手)1350g4万円前後の普及品向け。
あまりにも安いものだと、生地が硬く重いことがある。
ポリエステル30% 綿70%900g3万円前後の低価格品向け。
蒸れやすいので、吸水性・吸湿性のあるカバーを併用すること。
ポリエステル85% 綿15%700g2万円前後の低価格品向け。
蒸れやすいので、吸水性・吸湿性のあるカバーを併用すること。

ここに混乱のポイントがあります。

一見、高品質な側生地になればなるほど軽くなるように見えますが、ポリエステル率が多くなるにつれても生地が軽くなるのです。これは単純に、綿繊維は品質が高くなればなるほど細くなり生地にしたときに軽くなるから、そして、ポリエステル繊維は一般的な綿繊維よりも軽いため軽い生地に仕上げられるからです。

なので、羽毛布団が軽いことは良いことなのですが、「軽い」=「高品質」とは必ずしも言えないのです(ポリエステル生地は吸水性・吸湿性がないため、蒸れて寝苦しくなる)。


2. 羽毛布団の重さについてよくある疑問

羽毛布団の重さについてよくある疑問のお答えします。上記の内容の復習がてらお読みください。

2−1. 羽毛布団が軽いと何がいいの?

ずっしり重たい掛布団が好みの方からすると「羽毛布団が軽いと何がいいの?」と思われることがあります。

まず一番大きな違いは「肌への馴染み(ドレープ性)」です。側生地が軽いということは繊維が細くしなやかなため、体に対してより柔軟にフィットします。さらに、繊維が細いと熱が伝わりやすいため、羽毛布団に入ってから布団内が温まるスピードもより早まります。

ただ、体に掛けたときの重量感については好みで判断して構いません。布団が軽いと呼吸がしやすいと言われることがありますが、これはかなりオーバーな表現です。試験をしても優位な差は出ないと思います。むしろ重い布団のほうがリラックスして眠れるという実験があるほどです。

2−2. 羽毛の充填量が0.8kgの羽毛布団って寒い?

量販店の寝具コーナーに羽毛の充填量がわずか800gの冬用布団があり、「本当にこんなもので暖かいのか?」と疑問を感じられる方もいらっしゃるかと思います。

結論からいうと、このような仕様の羽毛布団は気密性の高いマンションなどに住まわれている方向けのもので、暖かさはぼちぼちくらいの代物です。築30年以上の木造住宅に住まわれている方が使用すると寒く感じられるかもしれません。たぶん、POPや説明書に「あたたかさレベル★★★☆☆」のように但し書きがあるかと思います。

また、この手の羽毛布団の側生地は概してポリエステル100%だったりします。羽毛の保温力というよりはむしろ、ポリエステル繊維によって蒸れて暖かくなっているという表現のほうが相応しい製品がほとんどです。羽毛の品質もダックでニオイが強いことが懸念されるので、これくらいの品質の羽毛布団を購入するよりは、シンサレートなどのポリエステルわたを綿100%の側生地で仕上げた掛布団のほうが良いかと思います。

2−3. 羽毛の充填量が1.5kgの羽毛布団って暖かい?

「出血大サービス!羽毛を1.5kgも充填!」などと気前の良いキャッチコピーを掲げている寝具店がありますが、これは注意が必要です。

上記で説明したように、羽毛の充填量は品質と反比例します。つまり、正しく羽毛布団を作るのなら、羽毛の品質が良ければ少なめの羽毛を充填するだけで済み、羽毛の品質が悪ければ羽毛をたくさん充填しなければならないのです。

1.5kgというと普及品レベルの羽毛の充填量よりも15~20%も多いことになります。あくまで私の推測ですが、羽毛というよりは羽毛だったものの残骸が詰められているのではないかと心配になります。このような羽毛布団はもちろんかさ高も保温性もふわっとした復元力も期待できません。


最後に

羽毛布団の重さ=羽毛の充填量+側生地の重さ、です。

羽毛の充填量は、その羽毛布団が「どの季節用のものか」と「ダウンパワー」を目安に適切かどうか判断しましょう。そして、側生地はポリエステルがない上で軽さを重視しましょう。

なお、以下のページで最高の羽毛布団を選ぶために考えるべきポイント(ダウン率、ダウンパワー、充填量、水鳥の種類、側生地の品質など)とおすすめの羽毛布団について解説しています。是非あわせてご参考にしてください。

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