睡眠

変わりつつある「ブルーライトは睡眠の天敵」説について

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加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。1,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。取材依頼はお問い合わせから。インスタグラムでも情報発信中⇒フォローはこちらから

——スマホの夜間モードは睡眠に逆効果だ

ブルーライトに関するいろいろな情報が飛び交っています。夜間にスマホの画面が暖かみのある色合いになるのは、むしろ眠りに対して良くないのではと言われるようにもなりました。

結論から言うと、ブルーライトは睡眠によくありません。それは変わりません。ただ、最近の報告により、イエローライトやホワイトライトのほうが睡眠に悪い影響を与えることが分かりました。さらにいうと、光の「色」というよりは「明るさ」のほうが考慮すべきこととなっています。

どういうことなのか分かりやすく解説していきます。


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1. ブルーライトは体内時計を乱し、睡眠に悪影響を与える

ブルーライトが睡眠(ひいては健康)に悪影響を与えるという認識が広がったのは、2007年に公開されたハーバード大学の研究あたりからかと思います(丁度iPhoneが発売された年です)。どのような流れでブルーライトが睡眠と健康を害するのかというと、次の通りです。

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夜間の光が睡眠を害して健康を損なう流れ

簡単にいうと、夜間の光により睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が抑制されて、睡眠の質が下がるのです。

ブルーライトが睡眠の質を下げる研究は多くありますが、同ハーバード大学がiPadを用いて行なった実験が有名です。12名の健康な大人に、5日間夜間に4時間iPadで読書をしてもらい、2日空けてから同じく5日間夜間に4時間紙の本で読書をしてもらい、どのような違いが出るか調べられました。その結果、

  • 夜間の眠気が少なくなった
  • 寝付くのにより長い時間がかかった
  • レム睡眠の時間が少なくなった
  • メラトニン分泌が少なくなっていた
  • 体内時計が通常よりも遅れていた
  • 8時間眠った後でも翌朝の眠気が強かった
  • さらには注意力が低かった

iPadの画面の明るさについて言及されていなかったのが残念ですが、こういった研究報告からブルーライトは睡眠に悪い、さらには、睡眠が悪くなることから健康にも悪影響があると言われてきました。

How-sleep-deprivation-causes-diseases
睡眠不足はいろんな角度から健康を害する(血管の例)

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2. イエローライトはブルーライト以上に睡眠に悪影響を与える

ただ、2019年12月にティム・ブラウン教授率いるイギリスのマンチェスター大学から公開された研究が、「ブルーライトは睡眠の天敵説」をさらに進展させました。

ブルーライトが体内時計にもっとも強い影響を与えるという一般的な見解は間違っていると示しました。実際、夕暮れに伴うブルーライトは、同等の明るさのホワイトライトやイエローライトよりも影響が弱いのです。

(引用:” Researchers discover when it’s good to get the blues” Timothy Brown et al., 2019)

つまり、夜間のブルーライトは我々の眠りの天敵には変わりないのですが、ブルーライトよりもイエローライトやホワイトライトのほうが体内時計に影響を与える天敵だ、とのことです。

今まで睡眠ホルモンのメラトニンを抑制するメラノプシンは、ブルーライトのような短波長の光子により発現させられると考えられて来ました。しかし、そもそも色の判別は別分野が行なっていることもあり、光の色は体内時計をセットするために思っているほど影響を与えていないことがわかったのです。

つまり、スマホの画面が夜の眠りのために、暖色系の色合いに変わるのは逆効果なのです(最近は夜、真っ暗になるダークモードが主流になってきています。これが一番いいと思います)。

ただ、あくまでマウスによる実験結果のため、今後、人を対象とした実験を通して結果が出るまでは完全に断定は出来ませんが。とはいえ、ティム・ブラウン氏曰く、哺乳類は基本的な構造は同じため、人間にもこの研究結果は適応できると伝えてします(とはいえ、ねずみって夜行性動物ですしひっくり返る可能性も無くはないです)。


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3. 光の「色」ではなく「明るさ」のほうが影響力が大きい

とはいえ、よい睡眠のことを考えるなら光の「明るさ」に気をつかわなければなりません。

というのも、結局のところ明かりが強ければ強いほどメラノプシンの発現が増える(つまり、メラトニンが抑制されて体内時計が乱される)とティム・ブラウン教授が最後に強調されているからです。そのため、夜になったらパソコンやスマートフォンの画面を暖色系からブルー系に変わるようにするよりも、画面の明るさを下げるほうが良いのです(そもそも夜間はデジタルデバイス断ち出来るとベストですが、それはなかなか難しいですよね)。

夜は部屋も暗く出来ると理想的

もちろん、スマホやパソコンだけでなく、家の中の明かりを全部暗めに出来ると尚良いです。

例えば、私は夜、パソコンの画面を極限まで暗くするためにQuickShadeというアプリを利用しています(無料なのでかなりおすすめです。MACのみ対応)。

To-darken-the-monitor-of-PC-at-night
パソコンの画面を暗くするイメージ

左がMac book proの画面を最大まで暗くした状態だとすると、右がアプリでさらに暗くした状態のイメージです。かなり暗くなります。

とはいえ、Mac book proはキーボード自体が光りますし、これでメラトニン分泌の抑制が完全に抑えられることはないですが、大きな足しになることは間違いないと考えています。

3−1. 明るい光の悪影響は子供にはより強く作用する

お子様をお持ちの方は、より注意しなければなりません。

2018年コロラド大学のラミーゼ・アカセム教授の研究から、子供は大人よりも光の刺激でメラトニンが抑制されやすいと報告されているからです。

実験対象は3~5歳の健康な子供が10名、試験期間は7日間。その間、唾液から採取されたメラトニン値がこまめに測定されました。最初の5日間、子供はスケジュール管理された生活を送り(ならし期間)、6日目の午後から15lxしかない暗い部屋に入れられました。7日目もそのまま暗い部屋に入れられていましたが、各自、いつもの就寝時間の1時間前になったところで明るい光(1,000lx)を1時間当てられました。そして、その前後のメラトニン量を調べたところ、かなりメラトニン分泌が抑制されていたのです。

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光の刺激によりメラトニンの合成が阻害されている

前日までの入眠時刻でのメラトニン量は87.6%以下、1,000lxの光の照射が終わってから1時間経ってもメラトニン量は50%以下となっています。かなりの減少しているのが分かりますよね。


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最後に

話を単純化すると、夜間はブルーライトも、イエローライトもホワイトライトも全部良くないのです。

夜は出来るだけ光を避けて活動出来ると、睡眠の質を落とさず延いては健康への害悪を避けられます。電気代の節約にもなりますし、一石二鳥です。

なお、以下のページでこれまで紹介してきた、数々の研究で実証された良質な睡眠のために「するべきこと」と「してはいけないこと」を網羅的にまとめています。美味しいところ(結論)だけをつまみ食いできる構成になっています。是非ご一読ください。

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