睡眠

ストレスで眠れない人を快眠に導く3ステップ

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健康な成人の入眠潜時(眠りに入るまでの所要時間)は10~15分です。しかし、仕事や人間関係でストレスが溜まっているときは、眠りに入るのに時間がかかります。そのような夜が続くと非常に辛いと思います。

そこで今回は、ストレス性不眠を解消するための方法を3つのステップ形式でご紹介します。また、知らず知らずやってしまいがちな、快適な睡眠を遠ざけてしまう習慣を7つご紹介するので確認しましょう。

現状ストレスで眠れない夜を過ごしていても、地道に改善に取り組めば、必ず快眠にたどりつけることをお約束します。

1. ストレス性の不眠が引き起こす症状とメカニズム

ストレスを感じているとき、頭の中は不安や悩み事、怒りで満タンです。そのようなストレスによる不眠は、多くの悪影響を身体と心に及ぼします。

不眠による症状だけでなく、不眠により自律神経やホルモンバランスが乱れることで現れる症状、そして、ストレス自体から生まれる症状があります。さらに、症状が重なることで、より深刻な症状に発展することがあります。

不眠による症状

睡眠の役割は、「日中に疲れた脳の修復と回復」です。睡眠が足りなくなると、脳の修復と回復ができずに、脳に疲労物質が溜まってしまいます。その結果、脳のパフォーマンスが下がり、以下のような症状が現れます。

  • 集中力が下がりぼーっとしやすくなる
  • 物覚えが悪くなる
  • 物事をじっくり考えるだけで気疲れする
  • 急いで物事を決めるのが苦手になる
  • 昼間に異常な眠気を感じる
  • やる気が入りにくい
  • 疲れやすくなる

自律神経の乱れによる症状

自律神経とは何か?簡単に説明すると、

・自律神経とは
あなたの身体全体に張り巡らされている神経。あなたが「意識しなくても活動している身体の器官」をコントロールしています。例えば、心臓が身体中に血液を送っていたり、ご飯を食べたら胃が消化してくれたり、これらは全て自立神経がコントロールしています。

そしてこの自立神経は、「交感神経」と「副交感神経」という2つの神経から成り立っています。この2つの神経は表裏一体の関係で正反対の働きをします。

・交感神経とは:活動時や興奮・緊張しているときや、ストレス下で働く。瞳孔が広がる、心拍数が増える、覚醒度が上がる、という反応が身体に現れます。

・副交感神経とは:休息、リラックス時に働く。脈拍を抑える、消化を促す、覚醒度を下げる、という反応が身体に現れます。

通常、夜に眠るとき「副交感神経」が優位になり、脳と身体が休息します。しかし、寝不足になると「交感神経」が夜になっても優位になり続けます。このようにして、自律神経が乱れます。その結果、以下のような症状が現れます。

  • めまい
  • 吐き気
  • 動悸
  • 火照り
  • 肩こり
  • 頭痛
  • 精神不安
  • イライラ

ホルモンバランスの乱れにより引き起こされる症状

ストレスにより乱れた自律神経がホルモンバランスを乱します。

恒常性維持機構(ホメオスタシス)の三角関係
恒常性維持機構(ホメオスタシス)の三角関係

ホルモンバランスが乱れると、以下のような症状が現れます。

人の身体のシステムに恒常性維持機構(ホメオスタシス)というものがあり、自律神経系と内分泌系(ホルモン)、免疫系の3つの器官が連携して、生体を一定の状態に保っています。この3つの器官は互いに影響を与えて活動しているので、1つの乱れが他の乱れにつながるためです。

・恒常性維持機構(ホメオスタシス)とは:生物が自らの内部環境を一定に保つ働き。自律神経系、内分泌系、免疫系の3つがバランスをとり、身体のリズムや恒常性を保ち、生命の維持をしている。

  • 肌荒れ
  • ニキビ
  • 生理不順
  • 不妊
  • 更年期障害

ストレスホルモン(コルチゾール)による症状

また、ストレス自体が身体に与える悪影響もあります。脳がストレスを感じることで、ストレスホルモンとして知られる、コルチゾールの量が増加します。

・コルチゾールとは
副腎皮質から分泌されるホルモンで、血糖値の上昇のほか、抗炎症作用をもつ。

コルチゾール自体はタンパク質、脂肪、炭水化物の代謝をコントロールするホルモンであり、有害なものではありません。しかし、ストレスによりコルチゾールの分泌が過剰になると、以下のような症状を引き起こす可能性があります。

  • 血圧が常に高い状態になることで高血圧
  • 血糖値が高くなることにより糖尿病

このように、ストレスによる不眠は、多くの症状を引き起こす可能性があります。症状同士が合わさり、深刻な症状になる前に、改善することが大切です。

誤解のないように、申し上げますが、適度なストレスは快眠にも必要です。張り合いがある生活を送り、「今日やることはキッチリやった!」という達成感は心の安定を生み、健康的な睡眠につながります。しかし、過度なストレスは禁物です。

次に、ストレスの解消法と、ストレス性不眠に効果のある改善方法をご紹介します。

2. ストレスで眠れない人の快眠までの3つのステップ

あなたが今、ストレスで眠れない夜を過ごしていても、安心してください。快眠にたどりつくまでの方法を、下の3つのかんたんなステップでご紹介します。

1. ストレスがきちんと解消される習慣をもつ。
2. 快眠のための睡眠環境を整える。
3. 布団の中で簡単にできる入眠エクササイズを試す。

それでは、1つずつ見ていきましょう。

ステップ1|ストレスがきちんと解消される習慣をもつ

まずは、ストレス自体の解消を目的とした取り組みをご紹介します。ストレスをきちんと発散し、あなたの身体にストレスが溜まらないことがベストです。

さあ、あなたに合う解消法をみつけましょう。

趣味でストレスを解消する

好きなことをしているときは、周りのことが気にならず、とても集中できますよね。趣味に没頭したあとは気分がすっきりし、落ち着くことができます。

また、一時的にストレスの原因を忘れることができます。スキマ時間でできる趣味は、ストレスを感じたときにスグに行え、気分転換に効果的です。

運動でストレスを発散する

ストレス解消という観点では、自分が楽だと思うより少しハードルを上げたスポーツをオススメします。そうすると終えたときのスッキリ感が高く、ストレス解消効果が高いからです。

私のランニング記録
私のランニング記録

例えば、あなたがウォーキングをしているなら、競歩のように早歩きをしてみましょう。たったこれだけでも、爽快感が大きく変わります。もちろん、身体能力や好みにより、最適な方法は変わります。長い間、運動をしていない人は、負担のかからない運動量で始めましょう。

私の体験談で恐縮ですが、2014年10月から週に2〜3回のランニングを始めました。5キロ弱を30分程かけてゆっくりと走っていますが、ストレス解消にとても効果があると実感しています。

さらに、ストレス耐性も高まり、プレッシャーを感じても以前より落ち着いていられます。身体面だけでなく精神衛生にも非常によいので、運動でのストレス発散を強くオススメします。

ストレスをアウトプットする

ストレスをアウトプットする(外に出す)方法を具体的に言うと、

  • 紙やノート、パソコンに書き出す
  • 仲のよい友人や家族に聞いてもらう
  • 専門のカウンセラーに話す

などがあります。ストレスを溜め込まず、自分の外に出すことでスッキリします。さらに、紙やパソコンに書き出すことで、状況を客観的に捉えやすくなります。

悩みを書き出すとき方法にはコツがあります。それは、主語(主体)が自分以外の悩みを消すことです。そうすると、以下のようになります。

1. 上司が自分の考えに理解を示してくれない。
2. 仕事のスピートが遅い自分に自信が持てない。
3. 周りから仕事のできないやつと思われていないか?
4. このままでいいのだろうか。
5. 悩みごとが多くてなかなか眠れないけど病気かな。
6. どうも医者はあまり自分の症状を理解していない気がする。

悩みは自分が起こしていることだけを考えましょう。他人のことで悩んでも、他人を変えることはできません。このように悩むべきことを取捨選択すると、とてもスッキリします。

また、友人や家族に聞いてもらうことで、新たな気づきを得たり、良いフィードバックを受けられることもあります。専門のカウンセラーに話し、状況ごとの適切な対処方法を教えてもらうのも良いでしょう。

物事のとらえ方を変えてみる

ストレスをストレスと感じなくなることができれば最も効果的です。責任感が強すぎる方や、完璧主義の方、繊細な方は状況の捉え方を変えてみてはいかがでしょうか。

「記憶しておくがいい、きみを侮辱するものは、きみを罵ったり、なぐったりする者ではなく、これらの人から侮辱されていると思うその思惑なのだ。それでだれかがきみを怒らすならば、きみの考えがきみを怒らせたのだと知るがいい」

(引用:『要録』 エピクテトス著 解説はこちら

例えば、いつも細かいことで説教をする上司。「人の粗探しばかりして鬱陶しいな」と考えれば、ストレスの要因になってしまいます。しかしこのような時に、「この人は細かいことまでチェックのできる注意深い人だな」、また「この人もストレスが溜まっていて、こうやって解消しているのかな?今はサンドバッグになってあげよう」と捉え直してみましょう。

このように捉え方を変えることで心に余裕が生まれ、ストレスを受け流せるようになり、ストレスが溜まりにくくなります。

ぬるま湯でリラックス

39℃前後のぬるま湯にゆっくりと浸かり、自分の身体にマッサージを行うのもオススメです。リラックスすることにより副交感神経が優位になり、脳と身体が入眠しやすい状態になります。

また就寝の1時間前にぬるま湯に入ると、体温のリズムという観点からも、入眠を促します。というのも、下のグラフのように、人の体温は活動時に上がり休息時に下がる、というリズムをもっており、ぬるま湯でやや上がった体温が、その後、下がっていくことで人は眠気を感じやすいからです。

人の体温のリズム(1日単位)
人の体温のリズム(1日単位)

ストレス解消にも、入眠にも素晴らしい効果があるので、是非、お試しください。

また、足湯もリラックス作用があると実験により確認されているのでおすすめです。特に寒い時期にストレスを感じられる方におすすめです。

音楽でリラックス

音楽療法は、認知症、心身症、神経症など多くの疾患に効果があると考えられ、世界中で研究が進められています。数多くの臨床実験がされ、効果があると評価されているものもあります。しかし、音楽の好みの問題もあり、治療法として確立されるには、より多くの科学的根拠が必要な段階です。

とはいえ、ストレス解消という観点では、不快な感情を減らすことが目的です。

もしあなたが、音楽をきいて気持ちを落ち着けられれば、ストレスは解消されています。ストレスでイライラしているときは、落ち着いたクラシックや、ヒーリングミュージック、川のせせらぎや小鳥のさえずりなどの自然音でリラックスすると良いでしょう。

アロマテラピーでリラックス

アロマテラピー(芳香療法)も、音楽療法と同じく、科学的な治療法として確立こそしていませんが、心と身体の不調を癒す方法として、世界中に広まっています。日本でも多くの実験が行われており、広島大学の小川景子教授により下の3つの香りにリラックス効果があると実証されました。

  • ラベンダー
  • セドロール
  • ヘリオドロピン

(引用:『眠りの科学とその応用II』 内 「快適な睡眠をサポートする香り」小川景子 著)

また他に、バニラ、沈香(じんこう)、白檀(びゃくだん)の香りもリラックス効果があると考えられています。ディフューザーを使い部屋の中でアロマの香りを楽しんだり、湯船にアロマオイルを垂らし入浴すると、とてもリラックスできます。

反対に以下の香りは覚醒作用があると考えられています。眠れなかった翌日の朝、このようなアロマで眠気を吹き飛ばすのも1つの手ですね。

  • ペパーミント
  • ジャスミン
  • ローズマリー
  • ベルガモット
  • イランイラン

注意点として、アロマの香りは好みで大きく効果が変わります。苦手な香りでは落ち着けません。購入前にサンプルなどで香りをチェックしましょう。

ステップ2|快眠のための睡眠環境を整える

ストレスで眠れないとき、些細なことが気になり余計に眠れなくなります。家の外を通る車の騒音や、部屋の温度に対して敏感になり、気になり出したら最後、眠れなくなってしまった、という経験は誰にでもあると思います。

そのような環境面からの不快な刺激を減らすための、理想的な睡眠環境の整え方をご紹介します。今までよりずっとスムーズに眠りに落ちるようになります。

部屋の明かりを調整する

夕食後、お部屋の明るさを抑えることで、身体を眠りやすい状態に近づけられます。というのも、「睡眠ホルモンのメラトニン」を自然と増加させられるからです。

メラトニンとは、松果体より分泌される脳内ホルモンで、トリプトファンからセロトニンを経て合成される。昼間は少なく夜間睡眠時に分泌が上昇する。メラトニンは直接的に睡眠作用を持つほか、概日リズム(体内時計)に深く関係し、深部体温を低くする作用があり、睡眠・覚醒リズムの調整に重要な役割を果たしている。

(引用:『医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック』宮崎総一郎・佐藤尚武 編著)

通常、入眠時刻の1〜2時間前から、メラトニンの分泌が始まり、徐々に増えていきます。下のグラフは7時起床、23時就寝の人のメラトニン量の1日の増加を表したグラフです。

時刻毎のメラトニン分泌量
時刻毎のメラトニン分泌量

このように、メラトニン量が自然に増えると、眠気を感じるのです。しかし、現代の一般家庭の部屋は明るすぎるため、メラトニンの分泌を抑制してしまい、眠気を遠ざけてしまいます。

下の図をご覧ください。日常生活の中での光の明るさを数値で表しました。

照度(ルクス) 日常的な明るさの例
100,000lx 晴れた日の屋外
10,000 – 20,000lx 曇りの日の屋外
2,500 – 5,000lx 晴れた日のオフィスの窓際
1,000 – 2,500lx コンビニ・スーパー
500 – 1,000lx 一般的なオフィス
300 – 500lx 日本の一般的な家庭の室内
100 – 300lx 地下鉄の通路
9lx 豆電球
2lx iPhone4 最も照度が低い画面
0.2lx 晴れた満月の夜の屋外

日本の一般的な家庭の照度は、300〜500ルクス程度ですが、200ルクス程度の明るさでも、メラトニンの分泌が抑制されてしまいます。なので、お部屋の照明の明るさが調節できれば、夜は明かりを落としてみてください。脳が自然と入眠モードになり、眠りやすくなります。

照明に調整機能がない方は、暖色の間接照明器具を使うとよいでしょう。

また、就寝時の寝室の明るさに関しては、「真っ暗よりも、明りが少々ある環境(0.3lx)の方が、深い睡眠が得られた」との実験結果があります。なので眠るときは、電気を消してカーテンを少し開け、光を多少入れる程度の明るさにすると良いでしょう。

余談ですが、「ベッドでスマートフォンを使用するのは大丈夫か?」という質問もたまに受けますが、照度という観点からは、睡眠の質に影響は与えない、との実験があります。

アメリカの精神科医、ルイス・クラーン氏が行った実験では、iPhone4の液晶画面の光度を最も下げ、ゼロ距離で照度を計ったところ、2lxと計測され、睡眠の質に影響を与えない、とのこと。

(引用:『In Bed With a Mobile Device: Are the Light Levels Necessarily Too Bright For Sleep Initiation? 』ルイス・クラーン 著)

あくまで、照度という側面での話です。例えば、スマートフォンでゲームをし、脳がアクティブになると眠気は遠ざかります。なので、リラックスできる範囲で使用しましょう。

温度・湿度を最適化する

ストレスを感じているときは、少しの暑さや寒さも不快な刺激として感じられます。適切な環境に整え、落ち着けるようにしましょう。

実は温湿度は、2つの場所で整える必要があります。

  1. 眠る前の寝室
  2. 睡眠中の布団の中

1つ目の寝室の温湿度について、人が最も気持ちよく感じる室温は、冬では18℃前後、夏では25℃前後です。。湿度は年間通して55%前後です。。個人差もあるので、これを目安に調整してください。

湿度の参考までに、気象庁のデータによると、2015年1月の東京の平均湿度が52%、同6月が75%、同8月が78%です。乾燥気味の状態が快適なのです。

寝床内気象
布団の中の最適な温度と湿度(寝床内気象)

2つ目が快適な睡眠にとても重要です。

布団の中の温湿度環境を「寝床内気象」と呼びます。眠るときに実際に肌で感じている温湿度です。これは年中変わらず、温度33度前後、湿度50%前後と、暖かく乾燥した状態が、最も気持ちよく感じられます。

「部屋の温度が睡眠にとって大切なのはわかるけど、湿度もそんなに大事なの?」と思われているかもしれません。湿度が睡眠に大きな影響を与える例として、以下の実験があります。

実際、裸のままで室温を29℃にした中性温度で眠ってもらった場合、湿度を50%から75%へと上げると、夜間睡眠中であるにもかかわらず、体温は約0.1℃上昇しました。さらに、室温を35℃に設定した場合、湿度を50%から75%に上げると、体温は約0.4℃上昇しました。

(引用:『医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック』宮崎総一郎・佐藤尚武 編著)

通常、眠りに入ると共に体温は下がっていきます。しかし湿度が上がってしまうと、身体は体温を下げられなくなります。その結果、暑くて夜中に目が覚めるなど、睡眠の質を下げてしまうのです。

では、どうすればいいのか?

寝床内気象の湿度を整えるためには、通気性・吸放湿性の良い寝具を選ぶと良いです。下の「ストレスを忘れられるような快適な寝具を使おう!」で分かりやすく説明します。

また、エアコンを使用する際に、室温だけでなく湿度にも気を配るようにしましょう。なお、エアコンを上手に使うポイントが2つあります。

1. 就寝前にあらかじめ部屋を適温にする
夏場、いざ眠るときにエアコンをつけても、「部屋の温度がおちつくまでに時間がかかり、暑くてなかなか眠りにつけなかった」という経験はないでしょうか。就寝の1−2時間前にエアコンをつけ、寝室のベッドや壁を冷やしておくと、スムーズに入眠ができ睡眠の質を高めることができます。冬場も同じく、事前に部屋を暖めて置いたり、ゆたんぽなどでベッドの中を暖めておくことで、寒さで身体が緊張することがなくなりスムーズに眠りに入れます。

2. ベッドを壁から10cm離して置く
ベッドが壁に接して置いてあると、エアコンの冷気や暖気が壁をつたって降りてきて、あなたの身体に直撃してしまうからです。夏は身体を冷やしすげてしまいますし、冬は乾燥でのどを悪くする原因になります。睡眠の質を下げるだけでなく、体調を壊す恐れがあるので、ベッドは壁から離しましょう。

さっそく今晩、試してみてください。

音環境にも気をつける

音も睡眠に影響を与える主要因の1つです。40デシベル以上の音が、眠りの質を下げてしまいます。

音量(デシベル) 日常生活における音
0デシベル 無音
10デシベル 呼吸音
20デシベル 木の葉がふれあう音・時計の秒針の音
30デシベル ささやき声
40デシベル 昼の住宅街
50デシベル エアコンの室外機の音
60デシベル 通常会話の音量

ストレスで眠れないとき、あなたはリラックスのために音楽を聴きますか?その際は、気持ちが落ち着いたら、音楽は消すことをオススメします。というのも、

大学生を対象とした調査によれば、31%の学生が就床時に音楽を聴いていました。しかし、音楽が入眠に及ぼす効果を調べた研究のほとんどは、音楽が睡眠に妨害的に作用することを報告しています。

(引用:『医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック』宮崎総一郎・佐藤尚武 編著)

多くの実験結果により、音楽が入眠に悪い結果を与える、と報告されているためです。「静かな環境では、おちついて眠れない」という方は、タイマーの設定をオススメします。

また、ご自宅が交通量の多い通り沿いに面していたりすると、家の外からの騒音が気になることがあると思います。防音カーテンである程度軽減できるので、気になることがあればお試しください。

ステップ3|布団の中で簡単にできる入眠エクササイズを試す

次に、布団の中で行えるリラックス方法をご紹介します。あなたがたった今、眠れなくてお困りでしたら、是非試してみてください。

何も考えず深呼吸をする

ストレスで眠れないとき、ストレスの原因のことばかり考えてしまいます。布団の中で、「あの上司は粗探しばっかで、、、」などと考え、イライラをぶり返していると脳が興奮し、どんどん眠気が遠ざかってしまいます。

このようなときにオススメの方法が、深呼吸をしながら回数を数えることです。

1. まぶたを閉じたまま、
2. 鼻からゆっくり空気を吸い込み、
3. そして、口からゆっくりと空気を吐き切ります。

これを1セットとし、同時に回数を頭の中でゆっくり数えましょう。余計なことを考えずに深呼吸ができ、とてもリラックスできます。

「あ、ついストレスの原因のこと考えちゃったな」というときに、布団の中で数回行ってみてください。とても落ち着きます。

筋弛緩法を行いリラックスする

もう1つ、布団の中でリラックスできる方法があります。「筋弛緩法」と呼び、意識的に筋肉を緊張させてから力を抜き、身体をリラックスさせる技法です。

簡単に説明すると、

1. 身体の特定の部位に、ぎゅ〜っと力を入れる。
(全力ではなく、70%程度の力で行ってください。)
2. そのまま5,6秒キープする。
3. スーッと脱力し、10秒ほど力の抜ける感覚を味わう。

大切なポイントは、最後の脱力を思いっきり感じること。脱力感を意識することで、リラックス効果がさらに高まります。身体の部位別にやり方をご紹介します。

・筋弛緩法で顔のリラックス

顔の筋弛緩法
顔の筋弛緩法の例

1. 眉を上にあげ、口をとんがらせ、耳をあげるように力を入れます。
2. そのまま5,6秒キープ。
3. 脱力。10秒ほど力の抜ける感覚を味わう。

・筋弛緩法で肩のリラックス

肩の筋弛緩法の例
肩の筋弛緩法の例

1. 胸を張りながら、肩をすくめるように力を入れます。
2. そのまま5,6秒キープ。
3. 脱力。10秒ほど力の抜ける感覚を味わう。

・筋弛緩法で脚のリラックス

脚の筋弛緩法の例
脚の筋弛緩法の例

1. 脚を伸ばした状態で、アキレス腱をぐ〜っと伸ばします。
2. そのまま5,6秒キープ。
3. 脱力。10秒ほど力の抜ける感覚を味わう。

身体の各部位を別々におこなっても、一緒におこなってもOKです。どこの部位を何回やろうなどと決める必要はありません。脱力感を味わっているうちに、身体がフワ〜っとして、眠りやすい状態になります。

 

3. これはダメ!快眠を遠ざける7つの習慣

もしかしたら、あなたの習慣の中に快眠に悪いものがあるかもしれません。

「睡眠に良いと思ってやっていたら、そうではなかった」ということはよくあります。また、一昔前に良しとされていたことが、実は間違っていた、ということもよくあります。

あなたが行っている習慣がないかチェックしてみてください。
睡眠を悪くする習慣を止めることで、睡眠への満足度は良くなります。

(1)寝る前に激しい運動をする

ストレス解消のために、運動のハードルを少しだけ上げることをオススメしました。しかし、激しめの運動を行う時間帯は注意が必要です。というのも、下のグラフにあるように、人の体温は「休息時は低く、活動時は高い」というリズムがあるからです。

人の体温のリズム(1日単位)
人の体温のリズム(1日単位)

運動により体温が上がったままだと、脳と身体が入眠モードになりません。寝つきが非常に悪くなります。

もしあなたが習慣的に激しめの運動を夜にするなら、就寝の3時間前には終わらせられるとベストです。軽めのエクササイズの場合は、就寝の2時間前まででもOKです。

(2)寝る前に熱いお風呂に入る

もしあなたが、お風呂の湯は熱めが好みであれば、就寝の2〜3時間前には済ませられるとベストです。理由は上と同じく、体温が下がらないと脳と身体が入眠モードにならないためです。さらに、熱い湯に入ることによって、交感神経が優位になり頭が冴えてきます。

どうしても入浴は眠る直前になってしまうのであれば、上でご紹介したぬるま湯をお試しください。

(3)寝る前にコンビニやスーパーに行く

便利な世の中です。24時間営業のコンビニやスーパーに行けば、急に必要になったものも大体手に入ります。しかし、夜中に行くのはやめましょう。眠気を遠ざけてしまいます。

先に話したように、一般的な家庭の照度200~300ルクス程度でさえ、眠りホルモンのメラトニンの分泌が少なくなります。下の表をもう一度、見てください。

照度(ルクス) 日常的な明るさの例
100,000lx 晴れた日の屋外
10,000 – 20,000lx 曇りの日の屋外
2,500 – 5,000lx 晴れた日のオフィスの窓際
1,000 – 2,500lx コンビニ・スーパー
500 – 1,000lx 一般的なオフィス
300 – 500lx 日本の一般的な家庭の室内
100 – 300lx 地下鉄の通路
9lx 豆電球
2lx iPhone4 最も照度が低い画面
0.2lx 晴れた満月の夜の屋外

コンビニやスーパーの照度はさらに明るく、1,000~2,000ルクスもあります。ストレスで眠れないだけでなく、完全に目を覚ましてしまいます。

しかし、どうしても夜中にコンビニやスーパーに行かなくてはならない場合、サングラスをかけましょう。目で感じる光の量が大きく変わり、メラトニンの分泌の減少も控えられます。

(4)脳をアクティブにする

脳がアクティブになると交感神経が優位になり、眠気が遠ざかってしまいます。例えば、

  • ゲームをする。
  • 怖い話を聞く・読む。
  • お笑い番組を見る。
  • 激しい音楽を聴く。

多少ならまだ良いですが、寝る前にこれらに集中しすぎると寝付きが悪くなるので、お気をつけてください。

(5)寝酒をたしなむ

ストレスで眠れないとき、アルコールは入眠にとても効果があります。緊張をほぐし、体温を一時的に上げた後に下げるので、身体が素晴らしいほどに睡眠モードに入ります。

しかし、眠りの質は大きく下がります。

・寝酒が睡眠の質を下げるメカニズム
アルコール摂取の2〜3時間後、体内でアルコールが分解されるとアセトアルデヒドという物質になります。この物質は交感神経をオンにします。例えば、眠る1時間前にお酒を飲むとします。そうすると、眠り始めてから1〜2時間後に体内でアセトアルデヒドが発生します。つまり、休息に入ったとたん、脳と身体が興奮状態になるのです。その結果、寝入りの睡眠の質が悪くなります。

眠り始めの3時間は、「睡眠のゴールデンタイム」や「コア睡眠」と呼ばれる睡眠の中でも大切な時間です。このときに、成長ホルモンが多く分泌されます。下の図の通りです。

睡眠と成長ホルモンの分泌の関係
睡眠と成長ホルモンの分泌の関係

「ストレスで眠れない」を解決できても、睡眠の質が悪いと脳と身体はきちんと休息できず、次の日に眠気や疲れを感じます。根本的な解決にはなりません。

なので寝酒が習慣にならないように気をつけましょう。

(6)夜食の習慣がある

ご飯を食べると眠りやすくなりますよね。眠れないときに夜食を食べるとコロっと眠れるため、眠れない夜に習慣にしてはいませんか?

しかし、寝酒と同じく、寝つきは良くなりますが睡眠の質が大きく下がるので、夜食もオススメできません。

・夜食が睡眠の質を下げるメカニズム
食事により上がった血糖値を下げるために、インシュリン(休息ホルモン)が分泌されます。そのため、眠気を感じます。しかし、この状態で寝てしまうと、体内の臓器は食べ物を消化するため活発になっているため、脳が休まりにくくなり睡眠の質が大きく低下してしまいます。

夕食は就寝の3時間前に済ませるのが理想的です。

(7)週末に寝だめをする

「ストレスで平日は全然眠れなかった。休みくらいガッツリ寝だめしてストレスと寝不足を解消だ!」という方、来週のあなたを苦しめることになるので、お待ちください。

週末のお昼までの寝だめは身体のリズムを崩し、寝不足につながる可能性があります。

「日曜日に11時まで寝だめ、翌日7時起床のケース」

時刻毎のメラトニン分泌量(寝だめをした場合)
時刻毎のメラトニン分泌量(寝だめをした場合)

起きたとき太陽の光を浴びることで、脳内で「セロトニン」が分泌されます。そして、その14~16時間後に、このセロトニンが「眠りホルモンのメラトニン」を合成することにより、眠気がおこります。

しかし、寝だめで11時まで寝てしまうと、メラトニンが分泌される時間帯が深夜の2時前後になります。そのため就寝時間が遅くなってしまいます。翌朝7時に起きる予定だと、睡眠時間が短くなり寝不足状態になってしまいます。

こうして、「ストレスで眠れない」→「寝だめで解消」→「寝不足」と負の循環が始まってしまいます。

寝だめをしても、いつもの起床時間と2時間以上ズレないようにしましょう。それ以上は身体のリズムを崩すので、お気をつけてください。

まとめ

ストレスは生活の中で、常に存在します。

あなたに合うストレスの解消方法や、ストレスで眠れないときの対策をもつことで、ストレスから生まれる悪影響を減らすことができます。もしくは、睡眠に悪い習慣を持っていたら止めることで、睡眠への満足度は良くなります。

まずはなにか1つ、出来そうなことから始めてみましょう。

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