睡眠

エアコンなしで寝苦しい熱帯夜を乗り切る5つの冷感快眠法

日本の夏の夜って、むしっと熱くて寝苦しいですよね。

エアコンなしでは過酷です。

そんな日本で睡眠健康指導士として活動をしていると「エアコンなしで夏の夜を涼しく眠る方法はないのか?」と聞かれることがあります。

体調管理にストイックな方や、電気代をなるべく抑えたい方など、理由は人それぞれです。

暑いと気持ちよく眠れないのもそうですが、体をクールダウンさせるのは熟睡の必須条件でもあります(理由は後述)。

そこで本日は、「エアコンなしでも涼しく快適に眠るための5つの冷感快眠法」をご紹介します。

素材イメージ柔らかさ滑らかさ 吸湿性  放湿性  耐久性  洗濯性 





綿
(コットン)
cotton1

(リネン)
linen1



(シルク)
silk1
羊毛
(ウール)
wool1




レーヨンlayon1

ポリ
エステル
polyester1

素材などについても解説します。

寝苦しい夜とはおさらばし、涼やかな快眠をあなたのものにしましょう。

※睡眠の質を上げるための方法をこちらのページ「睡眠の質を高めるための方法(総まとめ編)」でまとめています。ぜひあわせて参考にしてください。
著者情報
加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。2,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。
取材依頼はお問い合わせから。
インスタグラムでも情報発信中⇒フォローはこちらから。


1. 熱帯夜を乗り切る5つの冷感快眠法

ご紹介する5つの方法はさまざまです。

実際に体を冷やすものもあれば、体が冷えたかのように騙すもの、湿度をコントロールすることで体をクールダウンさせるものなどです。

  1. 足元から扇風機を当てる
  2. 冷却シャワーで体を擬似的にクールダウンさせる
  3. 冷感除湿敷きパッドで睡眠環境をカラッとひんやりさせる
  4. 冷却枕で頭を冷やす
  5. 冷却シートでおでこを冷やす

人により好みが分かれることもあると思うので、あなたが好む方法をお試しください。

①足元から扇風機を当てる

あなたは扇風機をどのように使用していますか?

もし、意識的に考えたあなたなりの扇風機の使用法がないのであれば、「足元から弱風を送る」方法をお試しください。これにより睡眠効率(就寝から入眠までの時間)が上がる、との報告があります。

室温32℃、湿度80%の環境下で眠ると、暑くて何度も目が覚め、睡眠効率が78% となりましたが、足元から秒速1.7mのそよ風を送ると中途覚醒が少なくなり、睡眠効率が95% へと大幅に改善しました。この結果は、室温26℃、湿度50%の快適環境下のもとで眠ったときの96%と同等でした。

(引用:『医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック』宮崎総一郎・佐藤尚武 編著)

人は深い睡眠に入るために体温を下げます。

そして、体温は手足と頭から熱放散されることで下がっていきます。

なので、暑くて寝苦しい時、足にそよ風を当てて体温が下がりやすくするのはとても理に適った扇風機の使い方なのです。

6sleep-and-temperature
人は眠るときに汗をかいて体温を下げる

なお、扇風機のオフタイマーは3~4時間で設定しましょう。

稼働時間があまりに短いと暑くて夜中に目が覚めることになりますが、反対に、つけっぱなしにしてしまうと起床に向かって上がるべき体温が上がらなくなってしまうので朝目覚めにくくなります(具体的な体温の変化については2章を参照ください)。

※扇風機を天井に向けて部屋全体の風をかき回し続けさせる方法もありますが、かなり強めに設定しないと体に風を感じることができず、その結果、扇風機の作動音が大きくなってしまい眠りづらくなってしまいます。そのため、そよ風を直接体に当てる使い方のほうがおすすめです。

②冷却シャワーで体を擬似的にクールダウンさせる

実際には冷えません。

メントール入りの冷却シャワーを睡眠前に体に塗ることで、擬似的にスーッとしたひんやり感を体に感じさせて涼しく寝入ることができます。

冷却デオシャワー
冷却デオシャワー

この方法は扇風機との相乗効果が高く、場合によっては熱帯夜なのに寒く感じてしまうほどの効き目を発揮するほどです。なので、お試しなさる際には少量からの使い始め効果を見ながら徐々に量を増やすなど、細かい調整をするようにしましょう。

暑さを感じやすい体の部位に2,3噴きしておくだけでヒヤっとして寝苦しさが大きく解消されます。

爽快シャワー エクストラクール
爽快シャワー エクストラクール

また、上記の洗い流さないタイプとは違い、こちらの製品のように浴室で塗って洗い流すタイプのものもあります。

メントールを塗りっぱなしだと気になるという方にはこちらのタイプがより相応しいです。ひんやり感も申し分なく、むしろ塗り過ぎに注意が必要なほどです。

使用上の注意点として、実際に体は冷えていないということを強く認識しておきましょう。

水分補給を怠ってしまうと脱水症状や熱中症の危険性があります。きちんとこまめにお水を飲むよう心がけましょう。

③除湿敷きパッドで睡眠環境をカラッとひんやりさせる

ベッドがひんやり冷たいと気持ちいいですよね。

接触冷感パッドなどを多くの方が使用されているかと思います。

素材イメージq-max値吸水性 放湿性 柔らかさ滑らかさ



植物
加工綿
(コットン)
cotton10.3

(リネン)
linen10.35~0.4
動物

(シルク)
silk10.3



再生レーヨンlayon10.3~0.35
合成ポリエチレンDehumidifier10.45~×
ジェルgel10.35~0.4×
ポリエステル
ナイロン
polyester10.3~0.35×

ただ、冷たいだけでは不十分です。

睡眠学的見地から申し上げると、冷たいと同時に、寝床をカラッとドライに湿度を低くすることも大切です。

実際、裸のままで室温を29℃にした中性温度で眠ってもらった場合、湿度を50%から75%へと上げると、夜間睡眠中であるにもかかわらず、体温は約0.1℃上昇しました。さらに、室温を35℃に設定した場合、湿度を50%から75%に上げると、体温は約0.4℃上昇しました。

(引用:『医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック』宮崎総一郎・佐藤尚武 編著)

このように、多湿環境では実際に体温が上がってしまうほど、寝苦しくなってしまいます。

そこでおすすめなのが、除湿機能のある敷きパッドです。

kaimin-times-mattress-pad
除湿・消臭敷きパッド

コーミング加工をした高品質な綿100%の敷きパッドです。

お菓子の袋の中によく入っている除湿剤のシリカゲルを中材に詰めているため寝汗をとてもよく吸収します。熱帯夜でもカラッと爽やかに眠れます。また、シリカゲルには消臭効果もあるので、汗臭、加齢臭、タバコ臭などもスッキリ除去します。

自社商品のため手前味噌ですが、夏の眠りが変わります。

敷きパッドの中には接触冷感効果が高くて一見夏の眠りを涼しくしてくれそうなものがありますが、生地素材に吸水性・吸湿性がないと汗が吸収されずに蒸れて熱がこもって寝苦しくなるので気をつけるようにしてください。

④冷却枕で頭を冷やす

風邪を引いたときに使う氷枕。

暑苦しい夜に使用したことはありますか?

冷却枕の使用も寝苦しさを解消し眠りやすくしてくれます。

普段の入眠潜時が30分以上の人に対して枕の表面温度を16℃にした冷却枕を使用したところ、体温低下が促進され、入眠潜時が10分間短縮 したことが報告されています。

(引用:『医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック』宮崎総一郎・佐藤尚武 編著)

寝付けない時の10分って大きいです。

そこまで寝付きを良くしてくれるとなると使ってみたいという気持ちも高まると思います。

アイスノン
アイスノン

ベッドに入りたてで体が熱を帯びている内は、体を冷ますことを重視して大動脈が通っている首や後頭部に当ててみると良いでしょう。

しかし、途中でムレ感が生じてこないように、そして冷やしすぎないように、完全に寝入る前に薄手のタオルをアイスノンの上に置くことをおすすめします。

⑤冷却シートでおでこを冷やす

「冷却枕はムレ感があったりして使い心地があまり好みではない」

このような方におすすめなのが、冷却シートをおでこに貼りおでこを冷やすことです。

熱さまシート
熱さまシート

このような特大パックであれば1枚当たりの価格が下がるので熱帯夜対策のために思い切って購入してみるのもありだと思います。

いつもの寝心地の上でスーッと爽やかなひんやり感を味わえます。

neck-cooler

首を冷やすのもおすすめです。

頸動脈が走っているため体全体をクールダウンさせやすいです。

もちろん、温度は約27~28℃ですので、冷やしすぎることはなく、適度な涼しさを味わえます。首につけるもののため寝ながらの利用は難しいですが、就寝前のクールダウンにおすすめです。

(追記)パジャマを着るなら適切な素材・生地のものを

一つ質問です。

ポリエステル100%のジャージやスウェットをパジャマにして眠ってはいないでしょうか?

絶対にダメです。

今夜からやめましょう。

ポリエステル繊維は吸水性・吸湿性がないので熱がこもって蒸れて寝苦しくなります。

素材イメージ柔らかさ滑らかさ 吸湿性  放湿性  耐久性  洗濯性 





綿
(コットン)
cotton1

(リネン)
linen1



(シルク)
silk1
羊毛
(ウール)
wool1




レーヨンlayon1

ポリ
エステル
polyester1

ではどのような素材がいいのか?

それは汗をしっかり吸い取る吸水性・吸湿性があると同時に、その吸収した汗をすぐに発散させられる放湿性があるものです。

リネンパジャマ
リネンパジャマ

私の一番のおすすめは麻(リネン)素材のパジャマです。

肌当たりがやや硬めなので好みが分かれるところでもありますが、麻素材は熱伝導率が高く吸水性が高いためひんやりさらっと眠れます。「麻素材は肌あたりが硬いからあまり好きじゃない」という方は綿50%麻50%などのような他の素材とうまく組み合わせられているものを選んでみてください。


2. 体のクールダウンは熟睡の必須条件

ど根性精神論気質な方は、「夏の夜なんて、暑いのは当たり前。冷感グッズなんて不要。」と考えられるかもしれません。

とても雄々しい考え方だと思いますが、質の良い睡眠をとるためにはやはり、冷感グッズを活用して体を涼しくすることは大切なのです。

睡眠と体温の関係
睡眠と体温の関係

ご覧の通り、人は眠りに入る直前から早朝までの間に体温が1.5℃も下がっています。

これが理想的な体温変化であり、もし体温がこのように下げられないと寝付きを悪くしたり、夜中で目を覚ましたり、と睡眠の質を下げることになります。

なので、活用できるものは活用して熱帯夜を質の高い睡眠を維持したまま切り抜けましょう。


最後に

ご紹介の方法を全て実行しなくとも涼やかに眠ることは十分可能です。

私は弊社のオリジナル敷きパッドと扇風機4時間で快適に眠っています。たまに冷却シャワーの力を借ります(もちろん、真夏の夜はやはりエアコンに頼りますが)。

なお、以下のページでこれまで紹介してきた、数々の研究で実証された良質な睡眠のために「するべきこと」と「してはいけないこと」を網羅的にまとめています。美味しいところ(結論)だけをつまみ食いできる構成になっています。是非ご一読ください。

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