マットレス

プロが教える快眠できるマットレスの3大要素

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快眠する上でマットレス(敷き布団)は、重要な働きをします。「質の良いマットレスを使えば快眠でき、翌日から爽快な生活が送られる。」よく言われますが、その通りです!

しかし、「質の良いマットレスって結局どんなもの?」と疑問に感じていると思います。数年、長ければ数十年も身体を預けるパートナーだからこそ、間違いがないように良いものを選びたいですね。

そこで今回は、「快眠できるマットレスの要素」をわかりやすく具体的にご紹介します。大事なポイントは、たったの3つです。

これら3つのポイントを元にマットレスを探していただければ、きっと快眠できるマットレスに出会えることをお約束します。

1. 快眠できるマットレスの3大要素

私どもの考える快眠できるマットレスとは、以下のようなものです。

横たわると、上部の柔らかい層があなたの身体のカーブに優しくフィットしながらやんわりと抱擁するように受け止め、その下の層があなたの身体をしっかりフワッと持ち上げるため、重量から解放されたかのようにラクに寝返りをうてて、さらに、表面の生地は赤ちゃんの肌のようにキメが細かくなめらかなだけでなく、汗や湿気をサッと吸収するため爽やかに眠れるもの。

番号があるので気付かれたと思いますが、「快眠できるマットレスかどうか」は、これら3つのポイントで決まります。そしてその3点を図解すると、以下のようになります。

快眠できるマットレスの3大要素
快眠できるマットレスの3大要素

1. 上部の「体圧分散性」
2. 下部の「反発弾性」
3. 側生地の「吸放湿性」・マットレス素材の「通気性」

※注:イラストを見ると、マットレスが2層構造のように見えますが、あくまでマットレスの重要な役割が上部と下部で異なるため、このようになっています。1層のウレタンマットレスで上部と下部の必要な要素を満たしているものもあれば、4層構造により実現しているものもあります。

それではこれからの要素がどのように、あなたを快眠に導くのか解説していきます。

1−1. 体圧分散性

体圧分散性はマットレスの最重要機能です。
なんだったっけ?という方は以下をお読みください。

・体圧分散性とは?メリットは?
体圧分散とは、腰や背中に集中している圧力を身体全体に分散させること。この目的は、身体にかかる圧力を悪影響がないレベルにまで下げることです。人の身体は湾曲しています。このカーブにマットレスが優しくフィットしないと1晩中、腰や肩甲骨、脊柱などの出っ張っている部位に身体の重みが集中します。その結果、筋肉や筋が緊張したり、骨を歪めたり、毛細血管が閉塞したり、身体を痛めることになります。

体圧分散性は、下のイラストのように、マットレスの上に圧力を検知するシート(青い線で表現しました)を敷き、その上に人が寝て測ります。

体圧分散の測り方
体圧分散の測り方

こちらは通常の敷き布団の体圧分散の様子です。

体圧分散の悪い状態
体圧分散の悪い状態

「赤色と黄色」は圧力が強くかかっている部位を表し、「緑色と青色」は圧力があまりかかっていない部位を表します。腰や背中に強く圧力がかかっている様子がわかります。

一方、こちらは高品質なマットレスの体圧分散の様子です。

体圧分散の良い状態
体圧分散の良い状態

赤い部位が見当たりません。黄色の部位をごくわずかで、寝たときに身体にかかる圧力が見事に分散されています。

まとめると、体圧分散性の高いマットレスで眠るメリットは、以下のようになります。

1. 湾曲した身体にフィットし、腰や背中への圧力を軽減する。
2. 筋肉や筋をリラックスさせられる。
3. 腰や背中の圧迫を防ぎ、血流を妨げない。

しかし、注意点があります。いくら体圧分散性が良くても反発弾性が高くなければ、「真に体圧が分散される」ことはないのです。

どういうことか、次の反発弾性の大切さと併せてご説明します。

1−2. 反発弾性

反発弾性とは何か?
一言でいうと「押し返す力」のことです。

マットレスの反発弾性の高さは、2つの理由で快眠に重要です。

1. 「身体を押し返すため」
2. 「寝返りを促すため」

1つ目の理由が、上での注意点の説明にもなります。

「反発弾性によって身体を押し返す力がないと、体圧分散が一時的なものになる」のです。

具体的に言うと、反発弾性のない低反発マットレスに横たわると、身体はゆっくり沈んでいきます。このとき、身体の重みは一時的に分散されます。しかし、低反発マットレスは押し返す力がないため、身体の重さで圧縮されます。圧縮された部分はそれ以上体圧を分散できないので、結局、身体は圧力を感じることになります。

一方、反発弾性の高いマットレスは身体を「押し返す力」があるので、身体の重い部位でも必要以上に沈み込みません。そのため体圧を1晩中、維持できるのです。睡眠は一瞬の行為ではありません。数時間寝転がり続けます。そのため、反発弾性があり、しっかりと身体をサポートする必要があります。

なお、反発弾性には以下のような測定基準があります。

試験用ウレタンに500mmの高さから直径16mm、質量16gの鋼球を落下させ、跳ね返った高さから反発弾性を求めます。

(引用規格:JIS K 6400-3)

例えば、10cm跳ね返ったら反発弾性は20%、という具合です。一般的に、低反発ウレタンの反発弾性は0~10%、わた布団で10%前後、高反発ウレタンは40%前後です。反発弾性の良いマットレスを選ぶときの参考にしてください。

反発弾性の高さが快眠に重要な2つ目の理由は、マットレスの反発弾性が高いと「寝返りを促す」というメリットがあるためです。

寝返りの何が良いのか?
そもそも寝返りとは、「睡眠中の寝姿勢を無意識的に調整する働き」なのですが、これにより、

1. 一定の部位に圧力がかかり続けないよう、負担を減らし、
2. その結果、血液の流れをスムーズにします。
3. また、寝具内の換気にもなり、ムレを感じにくくなります。
4. さらに、利き手・利き足や、身体の癖から生まれる、身体の歪みを整える。

と、このように、寝返りは快眠に必要不可欠な働きなのです。

マットレスの反発弾性が低いと、身体がマットレスに沈み込んでしまうため、寝返りがしづらくなります。そして寝返りに多くのエネルギーを使うため、夜中に目が覚めてしまう「中途覚醒」につながる可能性があります。

なぜマットレスに高い反発弾性が必要か、ご理解いただけましたか?

再確認すると「身体を押し返し」て「寝返りを促す」ため、反発弾性は快眠にかかせない重要な要素なのです。

1−3. 吸放湿性・通気性

「人は1晩にコップ1杯分もの汗をかく」と言われますが、「吸放湿性・通気性」こそが、その大量の汗を処理する大切な役割を果たしています。

そもそも人はなぜ、コップ1杯分(200ml)もの汗を眠っている間にかくのか?横たわっているだけなのに発汗するなんて不思議ですよね。

下のグラフに答えがあります。人は眠るとき脳と身体を休めるために、身体を省エネモードにし体温を下げます。深部体温(身体の内部の体温)は、なんと、1.5℃も下がるのです。

睡眠中の深部体温の変化
睡眠中の深部体温の変化

これほど急激に体温を下げるために、身体は約200mlもの汗を出しているのです。つまり睡眠中の発汗とは、「脳と身体を休めて快眠をとる」ための大切な生理現象なのです。

そしてこの大量の汗は、30%は掛け布団へ、70%はマットレスへ吸収されます。

身体に接するマットレス表面の生地の吸放湿性が良いと、身体が効率よく汗をかき熱を下げられるので、快適な睡眠につながります。さらに、マットレス素材の通気性が良いと、熱がこもりにくくムレを感じにくくなります。反対に吸放湿性・通気性が悪いと、寝具内での湿度が上がり、体温がスムーズに下がらず、睡眠の質を下げることになってしまいます。

「なるほど!吸放湿性と通気性の重要性はわかった!しかし素材の種類が色々ありすぎて、何がどう良いのかわからない。」そんなあなたのために表を2つ用意しました。

1. マットレスの側生地(表面の生地)に使われる素材の吸放湿性と特徴
2. マットレスの内部素材の通気性と特徴

まず側生地素材の吸放湿性を紹介します。肌に触れる部分なので、肌触りなどの質感も重要です。

素材名 吸放湿性 特徴
麻 /
リネン
通気性・吸放湿性に優れる。汗を良く吸う上、乾きやすい。さらに清涼感があるので夏にぴったり。また、丈夫で洗濯機でも洗えるのもメリット。シャリシャリとした肌触りのため好みは分かれる。
絹 /
シルク
吸放湿性に優れる。肌触りが良い上に、汗を良く吸うので気持ち良く眠れる。光沢が美しい。手洗い推奨なので、お手入れが大変。
テンセル 吸放湿性に優れる。汗を良く吸い発散するので、さらっと快適。肌触りもなめらかで気持ち良く眠れる。縮みやすい。洗濯機でも洗えるが、長く使いたい方には手洗いを推奨。洗いにより若干縮む。
レーヨン シルク目指して開発された再生繊維。吸放湿性が高く、さらっとして肌触り良し。水洗いができますが、縮みやすいのが難点。
綿/
コットン
肌離れが良い。放湿性はやや劣るが、よく汗を吸ってくれ、夏に気持ち良く眠れる。また保湿性も良いので冬にも良い。強度もあるため洗濯機での洗いもOK。デメリットは縮みやすく、シワになりやすい点。
ポリエステル 吸湿性がなく肌触りも良いわけはありません。しかし、安価で丈夫、洗濯機洗いも可能でシワになりにくい。そして乾きやすい。使い勝手が非常に良い。
アクリル 羊毛を目指して開発された素材。羊毛に近い風合いをもつが、肌触り、吸湿性は劣る。静電気が起こりやすい。メリットは軽くて弾力性をもち安価な点。側生地には使われませんが、冬用の敷きパッドや毛布によく使われます。
3Dメッシュ ◎ 素材はポリエステルですが、通常のポリエステル生地とは大きく異なります。通気性が高く、クッション性があります。マットレスの通気性を高めるために側生地に使用されることが多いです。誤解を生む可能性があるため加えました。

もちろん、「側生地:ポリエステル100%」のように1種類の繊維で作られるものもありますが、繊維素材同士を組み合わせることによって、繊維の欠点を補いつつ良い点を引き出すこともできます。 

例えば、私どもが製造している枕の側生地で、ポリエステル55%、テンセル44%、ポリウレタン1%の組み合わせのものがあります。

この繊維の組み合わせ(と独自の編みの技術)により、テンセルのなめらかな肌触りを表面で味わえ、吸放湿性に優れるため汗をかいても良く吸いとり、快適な睡眠環境を維持します。そして通常、テンセルは洗いに弱いのですが、ポリエステルを組み合わせることにより、洗濯機で洗えるほどの耐久性になります。また、洗濯で多少縮んでも枕にぴったり被せられるように、ポリウレタン繊維を1%組み合わせています。

・マットレスの側生地の中綿
また、側生地にクッション性をもたせるために綿を挟んだものもあります。一般的にはポリエステル綿が使われます。高価なものには吸放湿性の高いウール綿が使用されることがあります。

つぎに、マットレスの内部素材の通気性と特徴をご紹介します。

素材の種類 イメージ 特徴
低反発ウレタン 低反発ウレタン 通気性が悪いため、ムレ感が強い。反発弾性が低いため、身体が沈み込みすぎる。そのため睡眠中の寝返りがしづらい。低反発ウレタンのみで構成されるマットレスはオススメできません。厚みが2cm程の低反発ウレタンを上部に使用しているマットレスは、若干蒸れやすいですが、体圧分散性が良いです。低反発ウレタンの感触が好みの方には、このようなものをオススメします。
高反発ウレタン 高反発ウレタン 一般的なものの通気性は高くはありませんが、ウレタンに気孔のあるオープンセル構造のものの通気性は良いです。また、表面に凸凹やウェーブの加工がされているものは、ムレ感が少なく、体圧分散性も良いのでオススメです。表面がフラットなものは若干硬く感じるものが多いと思います。ウレタンの密度がきちんと表記されており、25以上のものを推奨します。密度が25以下のものは耐久性が悪く3年程で、腰の部分がヘタれたりなど劣化が始まります。
ラテックス ラテックス 通気性が悪いので穴を開けてあるものが多いですが、それでも通気性が良いとは言えません。合成ゴムのものではなく、高品質な天然ゴム由来のラテックスマットレスであれば、体圧分散性も反発弾性も十分だと思います。ゴム特有の匂いがあります。ラテックスアレルギーをお持ちの方は使用をお控えください。また、水洗いできず天日干しができないので、お手入れが大変です。
ボンネルコイル ボンネルコイル ポケットコイルマットレスの安価版。リーズナブルなビジネスホテルでよく使用されています。マットレス内部の通気性は良いですが、コイルの上面に使用されるウレタンや詰め物の質によりムレ感が大きく左右されます。安価なものはコイル上面のウレタンと詰め物の質が悪く、使用に応じてヘタり、背中にコイルをゴツゴツと感じるようになります。コイルマットレスの購入を検討されている方は、数年の使用と割り切って安価なボンネルコイルマットレスを買うか、品質の良いポケットコイルマットレスを買うと良いです。
ポケットコイル ポケットコイル 通気性は良いですが、コイルが1つ1つ不織布で覆われているためボンネルコイルより若干劣ります。ボンネルコイル同様、安価なものはコイルが背中にあたる感覚があります。また、コイルの上面のウレタンや詰め物の質によりムレ感が左右されます。コイル1つ1つの点で身体を支えるため体圧分散性は良いです。また個々のコイルが独立しているため、振動が隣で眠っている人に伝わらないのも良い点です。
春雨タイプ 春雨タイプ 素材に空気の層が多いため、通気性は良いです。しかし、体圧分散性や体へのフィット感が物足りなく、寝心地は劣ります。この素材の上に直接寝る構造のものは、冬は側面から冷たい空気が入りやすく、寒いという声も聞きます。パッドや毛布を上に敷いて眠ることをオススメします。コイルのようにマットレス内部の素材としての使用に向いています。
わた布団 綿花 綿100%のものだと通気性はそこそこあります。吸湿性が高く汗や湿気を溜め込んでしまうため、天日干しをして乾燥させないと気持ちよく眠れません。また、3年程度に1度、打ち直しというメンテナンスが必要です。体圧分散性・反発弾性はやや物足りないレベルです。

まとめ

まとめると、とてもシンプルな内容です。

体圧分散性、反発弾性、通気性・吸放湿性の3点を基準にマットレスを選べば、良いものを探し出せるということです。

あなたが良いマットレスに巡り合って、快眠生活を送られると幸いです。

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